<タックスニュース>

民主党 租税特別措置に”大ナタ”

 民主党がマニフェストで租税特別措置(租特)の見直し方針を掲げたことで、各方面に波紋が広がっている。現在ある租特は約300項目。税金を減免するものが7・5兆円、増税するものが2・3兆円で、ネットでは5・2兆円の減税となっている。
 減税額の半分近くを占める石油化学製品の原材料(ナフサ)への免税(3・8兆円)は、民主党も「廃止すればプラスチック価格の上昇で国民生活に影響が出る」として廃止は見送る方針。しかし、それ以外はすべて見直し対象になる。
 具体的には住宅ローン減税(8200億円)、企業の研究開発費の法人税控除(6500億円)、株式の配当所得(3400億円)、中小企業の投資促進税制(2600億円)、地価税の課税停止(1700億円)、土地売買の所有権移転登記などの税率軽減(1500億円)など多岐にわたる。
 住宅ローン減税の見直しは国民の反発も強そうだが、民主党内には「家を建てられるのは金持ちだけ。金持ち優遇だ」との声もあり、聖域ではない。民主党が租特を攻撃するのは、「企業など受益者の具体名が表に出ず、匿名で使われる補助金だ」との問題意識があるから。民主党が政権を握れば、今後、さまざまな業界に影響が出そうだ。

<タックスワンポイント>

シャッター商店街支援??遊休土地譲渡に特別控除

 空き店舗の目立つ商店街、いわゆるシャッター街の活性化を目的とした「商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律」が8月1日に公布された。これにより、同法の認定商店街活性化事業計画に基づき土地の譲渡が行われた場合、土地の譲渡所得から1500万円の特別控除を受けられる「特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除」を適用できることになった。
 同控除の適用を受けるには、土地の譲渡を受ける商店街などが、同法による商店街活性化事業計画を行う商店街として認定される必要がある。その認定基準は、?認定計画にかかる商店街振興組合の組合員数が20人以上で、その3分の2以上が中小小売商業者である?施設の新設、改造を行う事業の場合、当該施設の敷地面積のうち、中小企業者が新設または改造する部分が3分の2以上で、当該組合員の2分の1以上が当該事業に参加する?組合員等の2分の1以上が事業に参加する??を満たす必要がある。
 また、同控除は商店街活性化支援事業にも適用される。認定を受けるには、当該計画に基づき設置される研修施設において、設置された地区の商店街振興組合などの組合員2分の1以上が参加する研修を毎年実施する必要がある。

税理士法人早川・平会計