<タックスニュース>

とりあえず「扶養控除」だけ廃止 主婦を敵に回すのは怖い!?

 民主党がマニフェストに盛り込んだ所得税の扶養控除と配偶者控除の見直しをめぐって、扶養控除だけが来年4月から先行して廃止される可能性が出てきた。
 峰崎直樹副財務相が10月10日に、「扶養控除と配偶者控除は分けて考える。扶養控除は子ども手当の財源として理解を得られるのでは」と発言したのがきっかけだ。子ども手当を2010年度から始めるのに合わせ、両控除は同年度に廃止とみられていた。
 しかし選挙後、民主党は急速にトーンダウン。とくに主婦(年収103万円未満)を対象にした配偶者控除の廃止は、自民党が「主婦の狙い撃ちだ」と猛反発し、国会で大批判キャンペーンを張る動きをみせているうえ、民主党にも「全国の主婦層などから反対の声が寄せられていた」(党関係者)からだ。
 こうした状況を受けて、藤井裕久財務相も同8日の政府税調初会合後、記者団に「両控除の廃止は子ども手当とは無関係。所得税の各種控除の見直しのなかで議論する話」と先送りを示唆していた。それだけに、峰崎副財務相のアイデアは配偶者控除の難題を先送りしつつ、「扶養控除を残せば負担と給付のバランスを欠いている」とする財政規律派からの批判にも応えるウルトラCといえる。これで今年度での扶養控除廃止の可能性がぐっと高まった。

<タックスワンポイント>

マンション節税に黄信号 自販機設置で消費税還付?

 会計検査院は賃貸マンション経営で租税回避を行う手法が横行しているとし、国税庁に実態調査を要請した。これは飲料水などの自動販売機を設置して、「消費税の還付」を受けるというもの。「法に抵触しない」として一部に広まっていた節税スキームに、どうやら黄信号がともったようだ。
 マンションやアパートなど賃貸物件を経営する場合、建設にかかる消費税は還付されない。住居用賃貸物件の賃料は非課税とされ、計算の基になる売上げ消費税がないためだ。そこで、不動産税務に詳しい税理士らが、「この消費税が還付される」として喧伝してきたのが、「自販機の設置」。
具体的には、消費税の仕入税額控除の「95%ルール」を使うというもの。「95%ルール」とは、仕入税額控除の計算上、課税売上げ割合が全売上げの95%以上を占めれば、事業にかかる仕入れ消費税額の全額を控除できるという制度。初年度の賃貸経営売上げをゼロにして自販機売上げのみとすれば、自動的に課税割合は100%。そこで、「自販機の仕入れ消費税」に「賃貸経営の仕入れ消費税」、つまり建設にかかる消費税も含めた消費税全額を差し引くことができる。
 今回の会計検査院の要請を受けて国税庁は、法改正もにらんで調査する意向だ。改正内容は、?仕入税額に上限を設ける?仕入税額控除の税額調整を免税業者にも適用?単純に自販機の売上げを認めない??などが考えられる。今後の動きに注目したい。

税理士法人早川・平会計