<タックスニュース>

子ども手当の”理念”とは???  所得制限かけずに寄付制度

 2010年度当初予算で、鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」は、所得制限をかけないことで決着した。しかし、すべての子どもを対象とすることについては「金持ち優遇」との批判が一部にあることに加え、2010年度で約2・3兆円に上る概算要求額を縮減するために民主党は所得制限を重点要望に盛り込んだ。
 だが、所得制限をかける年収額について政府・与党内で大きく意見が割れた。民主党の山岡賢次国対委員長は「2千万円ぐらいが妥当」と主張。一方、国民新党は、「2千万円だったら、やらないほうがいい」(下地幹郎政調会長)と反発し、現行の児童手当の所得制限額860万円から、1千万円の範囲内とするよう求めた。2千万円では、99・9%の子どもが給付対象となり、予算の縮減額はわずか20億円程度。860万円では、1割の子どもが対象外となり2千億円以上の予算が縮減できる計算だ。
 財務省内には「まさに理念の問題。自民政権での定額給付金のように答えは簡単に見つからない」(幹部)と、決着を危ぶむ声もあったが、結局は制限をかけないことで落ち着いた。鳩山首相は金持ち優遇批判をかわすために、手当が必要ないとする世帯は自主的に自治体に寄付をできる仕組みを作る方針を明らかにした。

<タックスワンポイント>

税務調査の6%「担当官の態度悪い」  東京税理士会がアンケート実施

 東京税理士会(会長=山川巽氏)はさきごろ、「平成21年度税務調査アンケート」結果を発表した。これはランダムに選んだ同会の6千会員に対して行ったもので、有効回答数(税理士個人・税理士法人)は1323件だった。これによると、同20年7月~同21年6月に受けた調査件数は合計で3806件。回答者1人当たりの平均は2・9件で、前回から0・7件増加した。
 調査日数は、最も多かったのが「2日」で1867件(52・2%)、次いで「1日」の849件(23・8%)、「3~4日」の598件(16・7%)となった。さらに「5日以上」という答えも260件(7・3%)あった。調査にあたって事前通知があったと答えたのは、全体の98%。前回に比べ3・9%の増で、不適切な無予告調査については改善されてきたようだ。なおこのなかで、納税者だけではなく顧問税理士にも通知があったのは88・6%となっている。
 また、調査担当官の態度については41・4%が「良い」と回答。理由をみると、「法令にのっとった指摘で納得できた」「効率が良かった」などだった。「普通」とした52・7%を加えると、全体の94・1%が大きな不満を抱いていないことが分かる。
 半面、調査担当官の態度を「悪い」と感じた割合は5・9%。その理由は「法令解釈に無理がある」「知識不足」「納税者・税理士の説明を聞かない」「効率が悪く長時間の調査となった」「ビジネスマナーに欠ける」など辛らつな意見が並んだ。

税理士法人早川・平会計