<タックスニュース>

国際協調を口実に新税?  狙いは「航空券」課税――

 政府税制調査会は9月上旬にも、国際課税に関する小委員会を始動させる。国際連帯税の導入や移転価格税制の見直しが主な検討課題になる見通しだ。特に国際連帯税は、地球規模の問題への対策のひとつとして国際的に注目が集まっている。すでにフランスや韓国などでは、国際連帯税のひとつで国際航空券に課税する航空券連帯税が導入されている。
 これは、飛行機に乗ることができる豊かな人に課税し、貧しい人々に再分配する概念の税。欧州では、国際線のファーストクラス、ビジネスクラスに10~40ユーロ、エコノミークラスに1~4ユーロを課税している国もある。税収を賛同する国々が設立した国際組織に集め、途上国支援に充てている。
 岡田克也外相が国際連帯税に熱心で、外務省は来年度の税制改正要望に同税創設を提案する方向だ。国際連帯税創設を目指す超党派の議員連盟も設立されており、ねじれ国会でも自民党の協力が期待できる。民小委員会は当初「専門家の先生が検討するだけ」(財務省幹部)になりそうだが、平成22年度の税制改正大綱でも「国際連帯税の検討を早急に進める」としており、実現に向けて動き出そうとしている。

<タックスワンポイント>

企業の「ノーマイカーデー」  通勤手当税務で当局文書回答

 地球温暖化の一因ともされる温室効果ガスの排出抑制に向けた”エコ”な取り組みが日本全国で盛んになっている。企業が行う「ノーマイカーデー制度」もそのひとつ。毎月、一定の日をノーマイカーデーと設定し、当日は自動車を使った通勤から公共交通機関を使った通勤へと切り替えるというものだ。
 ノーマイカーデーの実施にあたって問題となるのが、通勤手当の取り扱い。通勤手当には、給与として課税されない「非課税限度額」が設けられているが、その金額は通勤形態により細かく区分されており、①自動車通勤の社員 ②自動車+公共交通機関で通勤する社員 ではそれぞれ金額が異なってくる。そのため、通常は自動車通勤している社員にノーマイカーデー専用の定期券を支給することで、通勤手当の区分が①②のいずれに該当するのか判断に迷ってしまいがちだ。
 これについては、仙台国税局がこのほど、①として取り扱うことを文書回答している。通勤手当の非課税限度額は、社員が「常例」とする通勤手段をもとに判断されるが、ノーマイカーデーは多くても月に数日程度なので「常例には当たらない」というわけだ。つまり、すでに非課税限度額相当の通勤手当を支給しており、それに加えてノーマイカーデー専用の定期券を支給すると、定期券相当額が給与となるので注意が必要だ。

税理士法人早川・平会計