<タックスニュース>

“財務会計士構想”消えた  関係業界から総スカン

 政府が通常国会に提出した、公認会計士に準ずる国家資格「企業財務会計士」を新設するための公認会計士法改正案が廃案になった。企業財務会計士の新設は、試験に合格しても就職できない「待機合格者」が増加する問題を解消する目的だったが、「資格の位置付けが分かりづらい」との批判をかわせなかった。
 金融庁は09年度に公認会計士制度の再改革の検討に着手。試験合格者が2年間の会計の実務経験を積めば「企業財務会計士」の資格を取得できるようにすることで、企業の採用を後押しする制度を考え出した。しかし、企業財務会計士の実態は、03年の制度改革以前に存在した、監査業務を行えない「会計士補」と同じもので、名前を変えただけで企業の採用が増えるとは思われなかった。
 そこで金融庁は、財務諸表の作成に関わった公認会計士や企業財務会計士の数を有価証券報告書に記載するよう求めることにした。しかし、この苦肉の策が企業側から「公認会計士や企業財務会計士の採用を強要するようなもの」と批判を受けたほか、税理士業界も「なぜ税理士ではだめなのか」と反発。国会審議でも新制度を後押しする動きは鈍く、待機合格者の解消や企業会計のプロを拡大するという課題への対応策は振り出しに戻ってしまった。残念なことです。

<タックスワンポイント>

パチンコ業界の消費税問題  増税で利益が目減り・・・

 現在のパチンコ業界では貸玉料金の中に消費税額が含まれる料金システムを採用している。つまり、貸玉料金が1玉4円ならば、客が支払う純粋な貸玉料金は3・81円、消費税額は0・19円という計算になる。
 ところが、貸玉を景品に交換する場合には1玉当たり4円として計算する。つまり、本来の玉の価値は税抜きの3・81円であるにもかかわらず、景品交換時には4円の価値があるものと見なされるわけだ。しかし、パチンコ店にとってみれば、貸玉料金に含まれる消費税は単なる「預かり消費税」にすぎない。この部分の金額は申告納税する必要があるため、消費税分だけ客が得をし、店側は利益を削って消費税を納める形になっているのである。
 この料金システムのまま消費税が増税されてしまうと、パチンコ店の利益はさらに目減りしてしまう。そこで、増税に対応できる料金システムの1つとして、現状の貸玉料金4円に増税分を転嫁する方法が考えられている。
 これは、例えば税率が10%に引き上げられた場合、貸玉料金を「4・2円」とする方式。現状の4円という貸玉料金に増税分の0・2円(10%増税なら正確には約0・19円)を上乗せすることで、増税分の消費税を店舗が負担することは一切ない。だが、この方式では貸玉料金に「割高感」が出てしまう上に、従来の消費税5%に対応する部分を、店舗側が利益を削って負担することになる。誰も幸せにならない消費税増税を視野に、業界の懸命な模索が続く。

税理士法人早川・平会計