<タックスニュース>

民主党 藤井税調が初会合  政府との統一を目指すも、揺らぐ党内

 民主党税制調査会(藤井裕久会長)が、野田政権下で復活後初めての役員会を開き、東日本大震災の復興財源を賄う増税論議を始めた。
今後、政府税制調査会(会長=安住淳財務相)と調整して、所得税と法人税の定率増税を軸にした政府・与党案の取りまとめを目指す。ただ、筆頭副会長には代表選で増税反対を訴えた海江田万里元経済産業相が就任したほか、増税期間や開始時期を巡っても政府との意見の隔たりが大きく、調整は難航必至だ。
 初会合で藤井会長は「政府と統一的なものの考えで進むのが基本。単なる(業界の)利益代表のような自民党税調とは全く違う運営をしたい」と抱負を述べた。ただ、政府税調との足並みの乱れは早くも表面化している。政府税調は増税期間を来年度から10年以内を基本としたうえで、▽所得税+法人税▽所得税+法人税+地方税、たばこ税など▽消費税のみ――などの複数の組み合わせ案を取りまとめる方針だ。
しかし、党税調の藤井会長は「初年度から血の流れるような増税はあり得ない」と述べ、増税の開始時期を2013年度に先送りする意向を表明した。さらに、党内には増税アレルギーが根強いうえ、海江田氏は代表選で短期の増税より国債(借金)増発を主張した経緯がある。党税調内では「TPPもそうだが、海江田氏の主張はころころ変わるので、すぐ増税容認に転じる」との楽観論もあるが、「藤井会長が反対論をどこまで押さえ込めるかは未知数」との声も出ている。
 党税調は復興増税以外にも、税と社会保障の一体改革に伴う消費税の増税議論が控えるほか、党の来年度税制改正大綱を取りまとめる意欲を示すが、波乱含みの展開も予想されそうだ。

<タックスワンポイント>

国税庁「酒Gメン」募集開始  客のフリして1件千円

 国税庁は、スーパーやコンビニ、酒屋などに臨場し、酒類の販売に関する法令の遵守状況を調査する「酒類販売管理協力員」を募集している。
 酒類販売管理協力員、いわゆる「酒Gメン」は、自宅近くの酒類販売店に買い物客として入り、未成年者飲酒防止に関する表示の遵守状況や、不当廉売の有無など店頭価格の状況を調べ、内容を所定の用紙に記載し所轄税務署へ提出する。調査1件につき、謝金千円(交通費含む)が支払われる。今回募集しているのは、千葉県を除く東京国税局管内の地域(東京都、神奈川県、山梨県)に在住する20歳以上の人で、290人程度に委嘱を行う予定だ。募集の締め切りは9月30日、調査期間は委嘱された日から来年1月31日まで。
 酒Gメンの募集は、国税庁の事業として全国の国税局、国税事務所で毎年度行われている。なお今年度は東日本大震災の被災状況を勘案し、仙台国税局管内全域、茨城県、千葉県では募集をしない。

税理士法人早川・平会計