<タックスニュース>

負担感を軽減できない?  「簡素な給付措置」に異論続出

 消費増税法案の国会審議がようやく動き出す一方、増税を理由にした「ばらまき」懸念も強まっている。不安材料になっているのは「簡素な給付措置」だ。
 政府・民主党は消費増税による負担感が低所得者ほど相対的に重くなる「逆進性」対策として、一定の所得以下の世帯を対象に、税額控除や現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」を導入する方針。
 しかし、その実現には納税者の所得状況を正確に把握する「共通番号制度」の稼働が必要となる。番号制度が動き出すのは15年1月以降で、14年4月の消費税率8%への引き上げ時には間に合わない。このため暫定措置として、低所得者に現金を支給してしまおうというのが「簡素な給付措置」の発想だ。
 8日間にわたった民主党内の事前審査では消費税に関する本質的な協議そっちのけで、給付措置をめぐる攻防が繰り広げられた。
政府側は当初、消費増税に伴い導入する「総合合算制度」用の財源約4000億円を「給付措置」 に流用する案を示した。合算制度の導入も番号制度の実現が前提となるため、8%引き上げ後、しばらくは合算制度に予算計上をする必要がなく、財源が宙に浮いた形になっていたためだ。
 しかし、議員からは反発が相次いだ。財務省によると、消費税率10%にした場合、平均所得以下の世帯の食料費にかかる増税負担分だけで年1兆円になる。4000億円では「支給額、対象者が限定され、国民の負担感を軽減できない」(民主党中堅)というわけだ。
 最終的に政府は4000億円の上限を撤回。具体的な制度設計を4月以降に改めて検討すると約束したが、民主党内では兆円単位の対策を求める声が強い。ばらまきで増税に対する国民の批判をかわす狙いだが、大盤振る舞いしすぎれば増税による財政再建効果を損ないかねず、調整は難航必至の情勢だ。


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<タックスワンポイント>

入学する学校に寄付  寄付金控除は適用される?

 入学シーズンが到来した。私立学校などでは寄付金を募集しているところもあるが、学校へ寄付をした場合、寄付金控除は適用されるのか。
 学校に対する寄付金は「学校の入学に関してするもの」を除き、公立、私立に関係なく、特定寄付金として寄付金控除の対象となる。ここでいう私立学校とは、私立学校法第3条に規定する私立学校の設置を目的として設立された法人と同法64条第4項に規定する専修学校または各種学校の設置のみを目的として設立された法人を指し、英会話スクールなどの無認可校は該当しない。
 なお、「学校の入学に関してするもの」とは入学する本人や子どもなどが入学を希望する学校に対してする寄付金で、その寄付がない限り入学を許されないこととされているもの、また入学と相当の因果関係があると認められるものは寄付金控除の対象とならない。入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末までの期間内に寄付金が納入されたものはこれに該当する。ただし、入学決定後に募集が開始され、新入生以外の人と同一の条件で募集されている場合は除く。また、入学を希望して支出した寄付金は、入学辞退などで結果的に入学しないこととなり、返還してもらえなかったとしても寄付金控除の対象とはならない。入学する学校と特殊の関係にある団体に対して寄付をした場合も同様だ。
 甲子園出場などを後援する目的で寄付金を出資した場合、その寄付をする先が県立高校などで、これらの学校の設置者である地方公共団体が正式に採納してくれる場合は寄付金控除の対象となるが、PTAやOBなどの後援会に対して寄付をした場合は、たとえその寄付金の領収書が学校長名義となっていても対象とはならない。


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