<タックスニュース>

政府 「中間財政フレーム」閣議決定  一般歳出71兆円据え置き

 政府は8月31日、2013年度から3年間の一般会計予算の大枠を決める「中期財政フレーム」を閣議決定した。13、14年度に続き、消費税率を10%に引き上げる15年度も、一般歳出(国債費を除く)を約71兆円に据え置き、新規国債発行額も14年度以降、現状の約44兆円から縮減する方針を明記した。消費税増税後も、現状並みの歳出抑制を続け、財政再建を進める方針を示したのがポイントだが、14年度以降、消費税率引き上げで税収が伸びてくれば、政界を中心に歳出拡大を求める声が強まる可能性が高い。財務省からは「14、15年度にどこまで歳出抑制を続けられるかが、財政再建の成否を分ける」との声が出ている。
 消費税増税が実施される14、15年度の予算編成を、財務省が今から懸念するのは、目の前で税収が増えている状況の中、従来通りの歳出抑制策に政界から理解を得るのは至難の業だからだ。8%に引き上げる14年4月と、10%にする15年10月までは1年半しかない。その間には消費増税を原因とする駆け込み需要とその反動減など、景気情勢の変動が大きくなるとみられ、8%になった後、10%に引き上げるまでの間は、景気下支えや低所得者対策のため、特に歳出圧力が高まると考えられる。
 しかし、14、15年度の歳出抑制が甘くなり、国民負担を強いた消費税増税分が公共事業などに無駄使いされてしまっては、国民の不信感を倍化させることになり、財政再建のために不可欠な消費税率の再引き上げが見えなくなってしまいかねない。10%への消費増税が確定した今、歳出抑制の継続が最重要課題に浮上した格好。その進展次第で将来の消費増税幅にも影響しそうだ。

節税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ

<タックスワンポイント>

土地を現物出資  借金の担保だったら

 景気低迷が続く中でも、あえて増資を行う企業は後を絶たない。事業拡大、資金調達、株主構成の見直しなど、増資の目的はさまざまだ。もちろん中小企業でも、資本金を大きくして会社の信用度を上げるためなど、前向きな理由で増資を行うケースは少なくない。
 ところで、増資をするにあたって「現物出資」という方法を選択するケースが近年増加してきた。
 かつては出資した現物の評価について必ず裁判所が選任した検査役による検査を受けなければならなかったが、平成15年の商法改正によって、弁護士・公認会計士・税理士からの証明があれば検査を受ける必要がなくなったためだ。
 現物出資の対象とするモノは、一般に有価証券や土地などが多いが、個人が法人に現物出資した場合も資産の譲渡になり、所得税の課税対象とされる。この場合の譲渡収入金額は出資した不動産の時価ではなく、現物出資により取得した株式や出資持分の時価。ただし、その価額が出資した不動産の時価の2分の1未満の場合は、出資した不動産の時価が収入金額とみなされる。
 譲渡所得計算の際、注意しなければならないのが、現物出資したものが借金の担保に入っている場合。例えば、2千万円の借金の担保となっている時価5千万円の土地を、社長が会社に現物出資するケース。2千万円の借金ごと会社が引き受けた場合、株式は借金の2千万円を差し引いて3千万円分を発行することになるが、だからといって譲渡所得の計算上、収入金額を3千万円としてしまうのは間違いだ。社長には2千万円の債務消滅という経済的利益が発生しているため、譲渡収入金額は5千万円ということになる。

相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

税理士法人早川・平会計