<タックスニュース>

13年度予算編成 19年ぶり越年  景気の足を引っ張る恐れ

 年末に衆院解散、総選挙が行われた影響で、13年度予算編成は19年ぶりに越年する。景気減速懸念が強まる中、新政権は切れ目のない経済対策を実行する方針。そのため、経済対策の裏付けとなる10兆円規模の補正予算と13年度当初予算の編成を急ぐ。
 補正予算は1月末招集の通常国会に提出し、2月上旬に成立させるスケジュールが見込まれる。13年度予算案は2月上旬に国会に提出し、5月の大型連休前後に成立する見通し。暫定予算は50日程度になる見込みだが、必要最低限の事業しか盛り込めないため、後退懸念の強まる景気の足を引っ張る恐れがある。そのため、自民党の安倍晋三総裁は12月17日の記者会見で補正予算について、「デフレ脱却に資する補正予算でなければならない。デフレギャップを埋めることを念頭に、暫定予算の期間もカバーするものになるため、当然大規模になる」と述べた。内閣府の試算では日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」が年換算で15兆円に上っており、補正の規模が大規模化する根拠となっている。
 日本経済は12年7~9月期の国内総生産(GDP)はマイナス成長となるなど景気減速は鮮明になっている。10~12月期もマイナス成長になるとの指摘が多い中、景気刺激策として公共事業への期待感もある。安倍総裁は選挙戦でも「国がまず公共投資を行い、民間投資や雇用を引き出す」と公共事業を景気対策の柱に据える方針を繰り返し強調してきた。自民は10年間で200兆円を防災・減災対策に投じる「国土強靱(きょうじん)化」計画を、公明党は10年間で100兆円を防災・減災対策に投じる「防災・減災ニューディール」を策定している。自民、公明はこれらの計画をベースにし、補正予算に盛り込む事業を検討する。

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<タックスワンポイント>

債権回収できない! 貸倒損失税務に注意

 不良債権を抱えてしまい身動きが取れなくなっている会社は少なくないが、税務上、不良債権のうち一定のものについては貸倒損失の処理が認められているので覚えておきたい。貸倒損失として損金算入が認められるのは、①金銭債権が切り捨てられた場合、②事実上の回収不能となった場合、③取引停止後一定期間弁済のない場合――の3パターン。
 このうち①については、会社更生法や会社法等の規定により切り捨てられる金額のほか、債権者集会の協議決定および行政機関や金融機関等のあっせんによる協議で合理的基準によって切り捨てられる金額、債務者の債務超過状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることが出来ない場合に、その債務者に対して書面で明らかにした債務弁済額等が含まれる。
 ②については、債務者の資産状況や支払能力等から回収不能が明らかとなった場合に、その明らかとなった事業年度において損金算入が可能。ただし担保がある場合はその担保を処分した後でなければならない。
 また③については、継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため取引を停止した場合で、その取引停止と最後の弁済のどちらか遅い方から1年以上経過した場合、その売掛債権額から備忘価額を控除した残額を損金経理できる。
 なお、回収できる可能性がある債権を貸倒損失として処理した場合、貸付先への「寄付金」とみなされて損金算入に制限が設けられる可能性もあるので、「貸し倒れ」の判断に際しては十分な注意が必要だ。

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