<タックスニュース>

13年度税制改正の議論が大詰め  民主は存在感を発揮できるか

 自民、公明、民主の3党による協議も始まり、13年度税制改正に向けた議論が大詰めを迎えている。消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革での3党の合意は、衆院選での民主党惨敗を経て大きく変質した。政権を奪還した自公両党の調整が先行し、「民主党置き去り」の構図が強まっている。とはいえ、安倍晋三首相が日本維新の会との連携を模索する中、3党協議は民主党が存在感を発揮できる数少ない場面。民主党は少しでも主張を反映させようと躍起になっている。
 「税、財政、社会保障を安定させるためにも、党派を超えて結論を得るのが重要だ」16日の3党協議の冒頭、民主党の松本剛明税調会長は3党協議の意義をこう強調した。今後、社会保障分野の実務者協議も始まる。消費増税を決めた責任を共有するからには、低所得者対策や社会保障改革で民主党の実績をつくりたいところだ。
 ただ、現金給付と税額控除を組み合わせた「給付付き税額控除」を低所得者対策として導入するよう主張している民主党に対して、自民、公明は対象を決めて税率を抑える「軽減税率」の導入で一致しており、民主党の主張が受け入れられる可能性はゼロに近い。
 さらに自公は「所得相続以外は3党で合意する必要はない」(自民党税調幹部)とのスタンスを崩しておらず、民主党が存在感を示す機会はないのが実情だ。

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<タックスワンポイント>

工場機械をフル稼働  増加償却の選択も

 長引く不況による業況悪化で業務縮小を余儀なくされる会社は少なくない。製造業等では工場の生産ラインの一部休止や、設備投資を一切行わないことなどでなんとか対応している状況。設備投資がものを言う製造業にとっては辛いところだ。
 厳しい状況の中、多くの製造業では限られた工作機械をフル稼働させることで生産体制を維持しているが、そうなると気になるのが機械の劣化だ。どんなにメンテナンスが行き届いた機械でも、通常の使用時間を超えて連日フル稼働させていれば劣化も早い。
 法人税法では、このように酷使されている機械装置を税制面からフォローする血の通った制度を設けている。通常の使用時間を超える場合、その超過使用時間に応じて償却率を増加させる「増加償却」だ。ここでいう「通常の使用時間」とは、耐用年数通達の付表に示されているものを指す。
 増加償却の適用を受ける場合の償却限度額は、「普通償却限度額×(1+増加償却割合)」で計算。また、増加償却割合は「35÷1000×1日当たりの超過使用時間」で計算する。
 ただし、この増加償却の適用を受けるためには、定額法または定率法を採用している機械装置であることが大前提。また、増加償却割合が10%に満たない場合は増加償却の適用対象外となるので要注意だ。
 さらに、この制度の適用を受けるには、「増加償却の届出書」を確定申告期限までに所轄税務署に提出し、その機械装置の使用状況がわかる書類を保存しておくことが必要。
 なお、「増加償却の届出書」のフォーマットは、国税庁のHPからダウンロードすることができる。

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