<タックスニュース>

2013年度税制改正大綱決定  企業向け減税で景気浮揚に期待

 政府・与党は2013年度税制改正大綱を決定した。大胆な金融緩和や財政出動で景気底上げを図る安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の方針のもと、企業活動を後押しする研究開発減税など、企業向け減税を盛り込み、今回の税制改正がすべて実施された平年度ベースでは2720億円、13年度は2500億円の減税(国・地方の合計)となる。また、消費増税の影響を緩和する低所得者対策は、15年10月の消費税10%段階までの軽減税率の導入を目指すことが盛り込まれたが、詳細は来年度税制改正で議論されることになった。
 自民党の政権復帰後はじめてとなる今回の税制改正は、党税調主導で議論が進められた。企業向けでは、研究開発を後押しするため、研究開発減税を拡充。法人税額から差し引ける控除の上限を税額の20%から30%へ1.5倍に引き上げた。
 2%の物価上昇を目指すアベノミクスでは、賃上げや雇用増を支援するため、3年間の時限措置として、会社が支払う給与総額の増加分の最大10%を法人税から差し引く。雇用者数を増やした企業の法人税を減らす雇用促進税制も拡充した。
 中小企業の交際費の全額を、法人税がかからない損金に算入できるようにして、中小企業の経営を支援する。
 また、家庭向けにも祖父母が孫などに教育資金を一括贈与した場合の贈与税を1人あたり1500万円まで非課税とし、資産を持つ高齢者から子育て世代への資金移転を促すことで、消費拡大につなげたい考えだ。

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<タックスワンポイント>

“残業メシ”に注意  現金支給なら課税対象

 景気低迷、業績悪化、経営不振――。厳しい状況を何とか乗り切ろうともがく会社の中には、苦肉の策として人事リストラに踏み切るケースも多い。しかし、リストラに成功しても、残った社員の仕事量が増えて、残業時間が大幅に増加する傾向にあるようで、そうなると雇用者としては然るべきフォローも必要になってくる。
 残業が深夜までおよぶようなら、会社のために頑張って働いてくれている社員を労う意味で”残業メシ”のひとつも提供したいところだが、ここで注意しておきたいのが「夜食の支給」に関する税務上の取り扱い。ヘタをすると経済的利益の供与と見なされて課税対象になってしまう場合もあるからだ。
 こうした「夜食の支給」にかかった費用については、一般的な金額の範囲内であれば経済的利益の供与と見なされることはない。ただし、「食事代」として現金で支給した場合は話は別。経済的利益の供与にならない夜食とはあくまで現物支給したものに限られるため、現金で支給した途端に、給与課税の対象となってしまうのだ。
 また、交代制で夜間勤務を行っている社員に対して夜食を支給する場合にも要注意。この場合、勤務時間は夜間であっても「通常の勤務時間内」になるため、支給した夜食は現物給与として課税する必要がでてくる。
 せっかく気の利いた制度なのだから、税金とは無関係なところで実施したいもの。社員の満足度を上げるためにも、会社の事務量を増やさないためにも、夜食の支給に関する税務はしっかり押さえておきたい。

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