<タックスニュース>

2012年度補正予算案国会審議  野党からは「粉飾予算」との批判も

 2012年度補正予算案の国会審議が本格化している。総額13.1兆円に膨らんだ補正予算案に対し、野党からは「13年度予算の見栄えを良くする粉飾予算」(日本維新の会の松野頼久議員)など批判のボルテージを高めている。安倍晋三首相は「当面の経済を押し上げるためには必要な規模」と述べ、与野党の議論は平行線をたどっている。
 2月5日の衆院予算委員会で質問した民主党の岸本周平議員は、補正予算の半分近くの財源を建設国債に依存したことを追及した。「補正予算は金額ありきでこれまで認められなかった予算のオンパレードだ。将来世代に借金をつけ回している」と批判した。13年度予算案では税収が12年度当初より増加し、新規国債発行額が同約1.4兆円減となっていることについても、岸本氏は「経済成長率の過大見積もりをして税収を水増しし、年度途中の補正予算で国債発行を増やす方法は自民党政権の常套手段」と追及した。安倍首相は「将来の成長につなげる政策を総動員し、補正予算は大規模になった。強い経済の再生を図り、財政再建を進めることが極めて重要だ」と述べた。
 特に公共事業に対して野党は批判を強めている。補正予算には道路・港湾などの整備に使う「公共事業費」に2.4兆円、病院や学校など整備に使う「施設費」に2.3兆円が計上され、合計で4.7兆円となっている。13年度予算と合わせると公共事業費は10.5兆円に膨らむ。安倍首相は「トンネル・橋梁の老朽化や耐震化など国民の生活を守る事業などに重点化した」と主張している。
 ただ、補正予算の公共事業費2.4兆円のうち、インフラの維持・補修のような緊急のものは0.6兆円で、残りの1.8兆円は新規などの公共事業だ。民主党の玉木雄一郎議員は13日の衆院予算委で「補正の公共事業は新規事業が多い。建設業者や技術者が減っているのに執行できるのか」と疑問を呈した。

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<タックスワンポイント>

「交際費」を再確認  損金枠800万円へ

 会社の営業活動を円滑に行う上で、得意先の接待は欠かせない。好況期に比べると減ってはいるものの、飲食やゴルフなどの接待は今も健在だ。
 しかし、会社の交際費の支出を無制限に認めたのでは、法人税負担がいくらでも軽減されてしまうということで、税務上では原則として交際費は損金不算入扱い。ただし、資本金1億円以下の中小企業については、特例として年間600万円(定額控除限度額)までの交際費について、10%を控除した金額の損金算入が認められている。
 ちなみに税務上の交際費とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」。もっぱら従業員の慰安のために行われる運動会や演芸会、旅行等のために通常必要とされる費用は除かれる。
 この定義に合致する支出であれば、たとえ経理上で「福利厚生費」や「広告宣伝費」、「雑費」などの勘定科目で計上したとしても、税務上では交際費として扱うことになる。
 得意先との飲食費やゴルフ料金、中元・お歳暮、お香典・お祝い金などは代表的な交際費。金額の多寡は関係ないので、たとえ1千円の手土産でも交際費の定義に合致する支出はすべて交際費扱いになる。
 なお、平成25年度税制改正では、この定額控除限度額を800万円に引き上げた上で、10%の損金不算入が撤廃される見込み。これにより、中小企業については年間800万円までの交際費が丸ごと損金に算入できることになる。


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