<タックスニュース>

軽減税率をめぐり自公で温度差  来年以降に先送りの可能性も

 自民、公明両党は生活必需品などの消費税率を低くする「軽減税率」の導入に向けた調査委員会を発足させ、参院選後の8月にも中間報告をまとめることを決めた。14年度税制改正論議に合わせ、導入時期や軽減幅、対象品目選びについて年内に結論を出すことでも一致した。今後、経済界や有識者、中小企業団体などから意見を聞く。
 両党は1月にまとめた13年度税制改正大綱に、消費税率を10%に引き上げる15年10月の軽減税率導入を目指す方針を明記した。ただ、早期導入に積極的な公明党に対し、自民党内に慎重論が多いことから、委員会で検討を進めることにした。
 導入時期は、もともと14年4月の8%段階で導入を求めていた公明党は、10%時から確実に実施すべきだとの立場。一方、自民党は「社会保障充実の目的が果たせなくなる」(税調幹部)として、10%段階での導入にも慎重な検討を求めている。
 軽減税率を何%にするかに関しては、公明党内に「5%」との意見があるが、一度上げた税率を再び引き下げることに自民党は否定的だ。軽減税率のの適用対象でも両党に温度差がある。公明党は食料品、書籍、新聞などを委員会でも主張する見通しだが、自民党内には、対象品目が広がれば税収が減りかねないとの慎重論が多い。両党間の協議が年末ぎりぎりまでもつれ込むのは確実で、結論が年明け以降に先送りされる可能性もある。

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<タックスワンポイント>

「情報」をカネで買う  費用化にルールあり

 経営戦略の中で「情報」は重要な要素となる。有益な情報は武器にも防具にもなり、モノによっては法外な値段でやり取りされることもしばしば。重要な情報を入手するための情報提供料は、会社にとってもはや必要不可欠な支出といっても過言ではない。
 ところで、情報提供を行うことを業としている者に支払う情報提供料は、税務上でも「情報提供料」として損金に算入することができる。一方、情報提供を業としていない個人に支払う情報提供料は、「謝礼金」という性格が強くなるため交際費扱い。
 ただし、情報提供を業としてない者へ支払う情報提供料であっても、いくつかの要件をクリアすれば「情報提供料」として損金に算入することも可能なので覚えておきたい。
 その要件とは、①その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること、②提供を受ける役務の内容がその契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に提供を受けていること、③その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らして相当と認められること―。
 これは国税庁の通達により定められているものだ。つまりこの3要件を全て満たしていれば正当な支払いの対価と認められ、「情報提供料」として堂々と損金経理できるというわけ。ただし、得意先や仕入先など取引先の従業員に対する支払いは交際費扱いになるので要注意だ。
 会社としては損金算入に限度額が設けられている交際費ではなく、なんとか全額損金算入が可能な「情報提供料」に持っていきたいところ。積み上げれば相当な金額になるだけに、損金算入が可能な環境は整えておきたい。

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