<タックスニュース>

経済同友会法人税25%を提言  中・韓レベルの税率へ

 経済同友会は、安倍晋三政権が進める成長戦略を強固にする税制として、法人実効税率を国際標準レベルとされる25%に引き下げる具体策を提言した。約10%分の引き下げに必要な代替財源としては、地方消費税や個人住民税、固定資産税の増額で穴埋めするとしている。
 現在の日本の法人税率(東京都の場合)は2012年度から引き下げられて35.64%だが、東日本大震災の復興財源のために臨時増税され来年度までは約38%になっている。諸外国の中では日本と米国は法人税率が最も高い水準だ。財務省によると、昨年4月現在で、米国(カリフォルニア州)の法人税率は40.75%、フランスは33.33%、ドイツ(全国平均)は29.48%、中国は25%、韓国(ソウル)は24.2%などとなっている。
 法人税は赤字企業は納める必要がないため、法人税を納める企業は現在、3割程度とされる。提言では、「法人実効税率の引き下げは短期的には法人税収の減少要因となりうるが、中長期的には企業収益の拡大や、法人税納付企業の増加、海外企業による日本進出の動き等を通じた税収増」になると予想している。税率の引き下げは2段階で実施され、2015年度までに30.5%に、20年度までに25.5%に引き下げるとする。
 提言は企業の税負担を軽減する一方、個人には負担を強いる内容となっている。その点について、「法人税が企業の生産コストを高め、製品価格に転嫁されるならば、高い支払いを求められる消費者が法人税分を負担しているとも言えるし、企業が高い法人実効税率を嫌い海外に生産拠点をシフトさせるならば、雇用機会の減少という負担を働き手が負うとも言える」と最終的には法人税率引き下げが個人のメリットにもつながるとしている。

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<タックスワンポイント>

賃貸ビルで開業  内部造作費に要注意

 景気回復傾向とはいえ街にはまだ「テナント募集」の掲示が目立つが、それでも条件のいい場所ではあっという間に約定するようになったという。
 賃貸ビルの一室を借りて、オフィスや飲食店、ブティックなどを開業するにあたっては、壁や床を替えたり、カウンターや棚を据え付けるなどの内部造作を行うケースが多いが、こうした内部造作にかかった費用の税務上の取り扱いには注意が必要だ。
 法人が建物を賃借し、その建物に造作を行った場合には、その内部造作を一つの資産として耐用年数を見積もった年数により償却することになる。
 この場合の耐用年数は、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を総合的に勘案して合理的に見積もる必要があるのでくれぐれも慎重に。
 ちなみに同一の建物についてなされた造作は、そのすべてをまとめて一つの資産として償却することになるため、その耐用年数は、造作の種類別に見積もるのではなく、その造作全部を総合して見積もることになる。
 ただし、その建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないもので、かつ、有益費の請求または買い取り請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することが可能だ。
 なお、小売店や飲食店、旅館などに取り付けられる陳列棚(器具および備品になるものは除く)、カウンター(比較的容易に取り替えできるもの)、装飾を兼ねたルーバーや壁板などで、短期間に取り替えが見込まれるものについては、「建物付属設備」の「店用簡易装備」に該当することになるため、耐用年数は「3年」を適用することができる。

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