<タックスニュース>

設備投資減税  耐震・省エネ分野の検討開始

 政府・与党は、秋に打ち出す設備投資減税策のなかで、公共性の強い施設の耐震改修や、工場でエネルギー効率の高い設備を導入した場合の減税策の検討を始めた。耐震や省エネといった、企業や国民にも理解を得やすい分野での優遇策を打ち出すことで、減税の実効性を高める狙いがある。
 具体的には、今後5年間に実施する駅舎などの施設の耐震補強計画を鉄道会社に策定させ、1日の乗降客が1万人以上の駅や1日1万人以上を輸送する路線の高架橋などは、2017年度までに耐震補強工事をすることを努力義務化する。工事をした場合には固定資産税などを優遇することを検討する。規模の大きいホテルやデパート、病院などで大規模な地震が発生した際、スプリンクラー設備が正常に作動するように新たな耐震基準を作り、改修を促進する。
 不特定多数の人が利用する病院やホテル、高齢者や障害者が利用する老人ホームや障害者施設については、バリアフリー改修を促すように、所管行政庁が行政指導を行うように通知する。その際には、改修促進のために税制の優遇策を検討する。
 省エネ分野では、ビルや工場などの建物において省エネ法による基準に適合するように、LEDなどの省エネ設備の導入を促す取り組みを行う。省エネ改修を促進のために税制優遇策を検討する一方、行政指導に従わない場合は重課税も検討する。
 これらの施策は、すでにある法律や政省令を念頭に置いて打ち出したものが大半。今後は9月末までに与党税制調査会が議論し、具体化していくが、新たに法律などを作らずに、事業者に対して指示や指導を徹底させることで、設備投資を促す形だ。


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<タックスワンポイント>

時間かけて会社づくり  登記前の損益に注意

 昔からの夢を叶えて会社設立、経営戦略の一環として別会社を設立、個人事業から一念発起して法人成り―。理由や目的はさまざまだが、毎年多くの会社が誕生している。昔に比べて法人設立が容易になっていることも「気軽な会社設立」を後押ししているようだ。
 とはいえ、実際に会社を設立するには入念な下準備も必要で、稼働に漕ぎ着けるまでにはそれなりに時間もかかる。このため、中には設立登記前に損益が発生してしまうケースもあるようだ。このような損益は税務上どのように取り扱ったらよいのだろうか。
 たとえ設立登記前に発生した損益でも、「設立期間がその設立に通常要する期間を超えて長期にわたる場合または当該法人が個人事業を引き継いで設立されたものである場合」を除き、新会社設立第1期の事業年度の損益に含めることが出来ることとされている。
 ここでいう、「設立期間がその設立に通常要する期間」とは、一般的には1カ月以内。1カ月を超える場合でも、合理的な理由があれば税務署への説得力次第では可能かもしれない。なお、「設立第1期の事業年度開始の日」は、あくまで設立登記の日となる。このため、減価償却費の償却限度額や、交際費の損金算入限度額の計算は、設立登記の日から年度末までの月数で計算すること。また、いわゆる「法人成り」の場合は、設立後最初の事業年度の所得金額に含めて申告することはできない。設立期間が短期であった場合でも、また、対外的な通知等をした場合であっても、設立前の損益は個人事業の損益として計算し、法人設立後の損益とすることはできないので注意が必要だ。

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