<タックスニュース>

省エネ設備に「即時償却」導入へ  設備投資減税は3000億円規模に

 政府・与党は成長戦略第2弾の柱となる企業向けの投資減税の概要を固めた。エネルギー効率の高い先端設備を導入した場合に限り、減価償却費を前倒しして、投資した初年度に一括して計上できるようにする「即時償却」を導入する。また、企業が投資会社(ベンチャーキャピタル)に投資した場合の出資金に税制優遇を設けることや、事業再編を行う企業に税負担の軽減措置を行うことが柱となっている。このほか、研究開発税制の拡充や耐震改修工事をした場合に税制優遇を行うことなど、企業の投資促進策として計3000億円規模の減税を実施する方針だ。
 来年4月の消費税率8%への引き上げに伴い、景気の腰折れを防ぐために経済産業省を中心に検討し、与党の税制調査会も減税策を了承した。企業減税の中で、一番の目玉は先端設備への投資に税優遇を設けることだ。
 企業が工場や機械などを買ったとき、通常の減価償却では設備ごとに使用年数に応じて分割して経費として計上するが、即時償却は設備投資した最初の年にすべて経費として計上する。その年の課税所得は減ることから、法人税を安く抑えることができる。最初に手元に残るお金が増えることで、借り入れを減らすことができるなど企業にメリットがある。企業が即時償却を選択しない場合は3%以上の税額控除を認める。
 即時償却はすでに太陽光発電装置などに対する投資で認められているが、これを生産効率の高い省エネ設備を導入した際にも認める。先端設備の定義は、旧モデルに比べて年平均の生産性が1%以上向上する最新設備。対象となる設備は、機械や工具、建物のほか、照明や冷暖房などの建物付属設備も含む。中小企業向けには一定のソフトウェアも設備として認める方針だ。

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<タックスワンポイント>

がん保険節税のいま  通達改正で効果半減

 生命保険を節税に利用する企業は少なくない。税務当局から節税シバリともいえる規制が入っても、次々に新しい商品が登場し、イタチごっこが続いている。がん保険もそのひとつだ。
 がん保険は、初めてがんと診断されたときや、がんによる入院、死亡時などに保険金や給付金が支払われる終身保険。保険期間が終身ということで80~90%という高い解約返戻金も期待でき、資金繰り悪化の折には解約返戻金の範囲内で契約者貸付を受けることもできる。
 満期保険金がないことなどから、会社を契約者および保険金受取人、役員および業員を被保険者として加入した場合、一定の要件をクリアすれば保険料の全額損金算入が認められていたが、昨年4月に通達改正という形で規制が入った。
 改正は、これまで全額損金が認められていた支払保険料の処理を「2分の1損金」とする内容。保険料の支払い形態に応じて税務上の取り扱いが細かく取り決められている。
 例えば終身払いのがん保険の場合、保険期間の当初50%までの期間(前払い期間)における保険料は、2分の1相当額を前払い保険料等として資産計上。残り2分の1相当額を損金に算入。前払い期間経過後は支払保険料の全額を損金算入するとともに、前払い期間に資産計上してきた保険料を一定額ずつ取り崩して損金算入する。
 一時払いを含む有期払いのがん保険についてはさらに細かく損金算入額が定められており、最大のメリットである「全額損金」は完全に閉鎖された格好だ。
 改正通達の適用は平成24年4月27日以後の契約分からとされているため、それ以前に契約したものについては従前どおり全額損金扱いとなる。

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