<タックスニュース>

財政審、来年度予算編成の建議提出  地方交付税の「別枠加算」存廃焦点に

 2014年度予算編成の議論が進んでいる。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が11月29日に麻生太郎財務相に提出した予算編成に関する建議(意見書)は「これまで以上に厳しい姿勢で予算編成に臨み、聖域を設けず歳出削減に努めなければならない」と強調。8月の概算要求段階で総額を決めなかったため、来年度予算の要求・要望額は99.2兆円と過去最大に膨らんでおり、年末に向けて各歳出分野での議論が一層激しくなりそうだ。
 地方財政を巡っては地方交付税を国費で上乗せする「別枠加算」(今年度予算9900億円)の行方が焦点となる。08年秋のリーマン・ショックによる地方税収の急減を補うため09年度から設けられた措置で、撤廃を求める財務省と存続を求める総務省が真っ向から対立している。
 麻生氏は11月29日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で別枠加算を解消しても地方の借金は減額できると説明。新藤義孝総務相は地方税収がリーマン・ショック以前の水準まで回復していないとして当面は別枠加算を継続したい考えを示した。
 また、教職員定数に関しては文部科学省と財務省で意見が分かれている。文科省は少人数教育推進などを強化するため、来年度からの7年間で小中学校の教職員の定数3万3500人を新たに確保すべきだと主張。まず来年度予算で教職員3800人の増員(82億円)を求めている。
 これに対し財政審は、教職員数は子どもの数に比例して減らしていくのが自然であるのに、文科省は毎年大幅な定員増を要求していると指摘。文科省が公表した資料から、少人数学級に取り組んだ学校の全国学力テストの平均正答率は悪化したという結果を根拠に「少人数学級の推進は政策効果がないのは明らかである」として、教職員数の増加という量よりも、教育の質の改善を求めた。

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<タックスワンポイント>

ビジネスの用心棒  弁護士に払う成功報酬

 弁護士が身近な存在になってきた。「敷居が高い」というイメージは今や昔。最近では中小企業でも、経営に関わるさまざまなトラブルに迅速に対応するための用心棒として、また、特許権侵害などに対する一種の防衛費用として、弁護士を積極的に取り入れるところが増えているようだ。
 ところで、弁護士に支払った費用については、税務上の取り扱いで少し注意が必要。その支出した費用の内容によって、損金算入の時期などが微妙に違ってくるからだ。
 例えば、弁護士との顧問契約に基づいて毎月支払う顧問料。これについては、基本的に支払い期日を含む事業年度で損金に算入する。ただし、顧問料は特定のサービスを受けるために支払う対価であるため、かりに1年分まとめ支払ったとしても短期前払費用として扱うことはできないので要注意。
 また、訴訟の着手金については、その訴訟が完結したかどうかにかかわらず支出時の損金扱いとなる。裁判が決着するまでには相当の時間を要するものだが、着手金は裁判の勝敗にかかわらず支払われるものであり、また、一種の防衛費用ともいえることから、支出時の損金計上が認められているわけだ。
 そして、勝訴した場合の成功報酬については、勝訴した事業年度で損金算入。具体的には、①債務が成立している②給付すべき原因となる事実が発生している③金額を具体的に算定できる――という3要件を満たす日の属する事業年度において損金に算入する。成功報酬に限らず、一定の事実が報酬を支払う条件となっているものについては、この条件をすべて満たす事業年度が損金算入の時期となる。

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