<タックスニュース>

NISAスタート  麻生金融相、期間延長や限度額増を示唆

 個人の貯蓄を、株式投資などに回るように促すため、1月から少額投資非課税制度(NISA)がスタートした。2014年度税制改正大綱では使い勝手がいいように改められたこともあり、好調な滑り出しを見せた。新年最初の記者会見で、麻生太郎財務金融担当相は「NISAがスタートして、(口座開設の)滑り出しが400万件くらい。まずはスタートしているので、いろいろ改善点もおいおい出てくるはずだ」と述べた。
 NISAは年100万円までの投資に限り、株式や投資信託の取引の利益に税金をかけない制度。利用の際には銀行や証券会社に口座を開く必要がある。当初は金融機関の変更や口座を廃止した場合の再開設が最長で4年間できない仕組みだった。他の金融機関の投資商品に投資したくてもできないことから、投資の選択肢が限られると指摘されていた。そのため、昨年12月に決定した14年度税制改正大綱では、金融機関を毎年変更できるように改められた。
 麻生財務金融担当相はNISAの意義について、「日本で今、個人金融資産が約1600兆円で、そのうち現預金が約860~870兆円ある。ただ貯蓄しているのではなくて、投資にその預貯金が回ることが日本の経済を成長させる意味で大きなものだと思っている」と述べた。また、昨年末の税制改正の議論では、口座を作る際に住民票が必要なことについて、提出を不要とすることも検討されたが結論は先送りされた。麻生財務金融担当相は「10年の限度をなくすことや、金額を増やせとか、今後いろいろ出てくるが、使いやすく投資に金が回っていくような方向で改善できるものは改善していかないといけない」として、今後も制度を改めていく考えを示した。

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<タックスワンポイント>

経営にタッチする妻  役員判定に要注意

 小さな会社ほど「内助の功」に助けられているもの。そのスタイルは、社長の妻が名実共に役員となっているケースや、登記上だけで役員となっているケース、登記上では役員ではないが経営方針の策定から資金計画の決定まですべて妻がこなしているケース、また名実共に従業員であるケースなど実にさまざまだが、このように社長の妻に給与を支払っている場合には、税務上の取り扱いに注意が必要だ。
 法人税法上、従業員に支払う給与は原則として損金扱いとされているため、役員登記していない妻に支払う給与については損金算入扱いとしたいところだが、この考えは危険。
一般に役員とは、代表取締役や専務取締役、常務取締役などの取締役のほか、監査役、執行役、会計参与、理事、監事などを指すが、これは会社法その他法令上の「役員」の話。法人税法上の「役員」となるともう少し範囲が広くなる。
 具体的には、①使用人以外のもので実質的に経営に従事している者、②同族会社の使用人のうち、一定の要件をすべて満たす者で、その会社の経営に従事している者―など。そして②の「一定の要件」とは、実質的に経営に従事し、同族判定の基礎となった株主グループに属していること、所属する株主グループの持ち株割合が10%超であること、その使用人の持ち株割合が5%超であること―を指す。
 つまり会社の経営に影響力を持っている人は、登記簿の記載に関わらず、法人税法上ではみなし役員として扱われる可能性が高いということだ。中小企業の社長の妻で、その会社から給料を貰い、経営に関して口を出しているのであれば、「みなし役員」と判断されると考えておいた方が賢明だ。

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