<タックスニュース>

国の借金、1017兆円に膨張  一人当たりで約800万円

 国の借金が過去最大の1017兆円まで膨れあがった。日本の総人口(1月1日現在で1億2722万人)で単純計算すると、1人あたり約800万円の借金を背負っていることになり、危機的な日本の財政の健全化が依然として進んでいないことが明らかになった。
 財務省によると、昨年12月末時点での「国の借金」は1017兆9459億円。借金の内訳は、国債が昨年9月より9兆4733億円増えて849兆829億円、銀行などからの借入金が6337億円増の55兆2344億円、為替介入や一時的な資金不足穴埋めのために発行する政府短期証券が3兆3398億円減って113兆6285億円だった。
 国の借金は昨年6月末時点で1008兆6281億円に達し、昨年3月時点と比較して17兆270億円増えて初めて1000兆円の大台を突破した。景気回復により法人税などの税収は伸びているものの、今年4月の消費税増税による景気落ち込み対策の補正予算を組むなどして、現在も税収増を上回る歳出増が続いている。
 財務省は15年3月末に国の借金が最大で1143兆円に達する可能性があるとの見通しを公表している。内訳は国債が885兆円、借入金が59兆円、政府短期証券が198兆円と見込んでおり、総人口1億2722万人で計算すると、1人あたり約900万円の借金になる見通しだ。
 国の借金残高は、IMF(国際通貨基金)の基準に従って国の債務を集計して四半期ごとに公表している。今年3月末の国の借金残高は、現時点よりもさらに増加し1038兆7000億円程度と見込まれており、確定した数字は5月に公表される予定。


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<タックスワンポイント>

取引先への災害見舞金  「個別な支出」に注意

 東日本大震災からもうすぐ3年が過ぎようとしている。国や自治体による大掛かりな復興作業は着実に行われているものの、いまもなお避難所暮らしを強いられている人も多く、また、大きな痛手を負いなかなか本格稼動できないでいる企業も少なくない。
 個人、法人とも復興支援はまだまだ必要な状況だが、こうした中で押さえておきたいのが税務上の取り扱いだ。例えば、被災した取引先に対する災害見舞金。法人が、得意先や仕入先など社外の者の慶弔、禍福に際して支出した金品は、接待や供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものとして交際費として扱われるが、災害見舞金については交際費の対象外とされている。
 これは、被災前の取引関係の維持・回復を目的として支出されるものであり、慰安や贈答のための費用というより、むしろ取引先の救済を通じて自らが被る損失を回避するための費用とみることができるから。
 この場合、取引先の被災の程度や取引の状況等を勘案して「相応の災害見舞金」であれば、その金額の多寡は問われない。
 ただし、被災した取引先の役員や使用人に対して個別に支出する災害見舞金については注意が必要。いわゆる「お付き合い」的な性質のものであると考えられることから、交際費に該当するものとして取り扱われてしまう。
 なお、「取引先の役員や使用人」でも、自社の役員や使用人と同等の事情にある専属下請先の役員や使用人ということであれば話は別。自社の役員や使用人と同様の基準に従って支給する災害見舞金や見舞品については、交際費等に該当しないものとして取り扱うことができる。

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