<タックスニュース>

10月の経済指標 軒並み悪化  消費再増税の先送り論加速

 内閣府が発表した10月の消費関連指標が相次いで悪化した。景気ウオッチャー調査によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は前月比3.4ポイント低下の44.0と2カ月ぶりに低下。内閣府は今年4月以来6カ月ぶりに基調判断を引き下げた。消費動向調査では、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が前月比1.0ポイント低下の38.9と3カ月連続で低下。基調判断を「足踏みがみられる」から「弱含んでいる」に下げた。判断引き下げは3カ月連続で、2009年10~12月以来だ。
 今年4月の消費増税後の消費低迷の長期化と先行きへの懸念の強まりを改めて裏付けた。永田町.霞ケ関では、7~9月期国内総生産(GDP)の発表を前に、年内解散.消費再増税先送り論が吹き荒れているが、こうした動きを加速させた。
 景気ウオッチャーの基調判断は前月の「緩やかな回復基調が続いており、駆け込み需要の反動減も薄れつつある」から「このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」に変更した。調査では「消費を控えたり、より安い店を探したりする客が増え続けている」(中国地方の自動車販売店)、「悪天候の影響を差し引いても、宝飾品など高額品の販売点数が激減している」(東海の百貨店)、「原料高がますます厳しく、(製品を)作れば損をする」(北関東の食品メーカー)などの意見が出た。
 2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数も前月比2.1ポイント低下の46.6で、5カ月連続の悪化。今後の電気料金の値上げや消費再増税を懸念する声が出た。
消費者態度指数は、構成する全4項目すべてが2カ月連続で悪化した。このうち「雇用環境」は前月比1.9ポイント、「耐久消費財の買い時判断」が同1.3ポイント、「暮らし向き」が同0.7ポイントそれぞれ低下。消費増税に加え、円安による輸入食料品の値上がりが家計を圧迫したとみられる。1年後の物価見通しが「上昇する」との回答も0.5ポイント増の87.5%となり、4カ月連続で上昇した。

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<タックスワンポイント>

消費税率10%時の意識調査  「もう、たばこやめる!」

 消費税率が予定通り10%になった場合に、「禁煙挑戦意向がある喫煙者」のうち実際に禁煙をしようと思う人とそうでない人の割合は半々であることが製薬会社大手.ファイザー社が10月上旬に実施したインターネット調査で分かった。
 調査は10月6~9日に実施。都道府県ごとに200人、合計9400人の喫煙者からの回答を集計した。
 今年4月の消費増税後にたばこの銘柄が変化したか否かについては、「以前よりも安い銘柄にした」は10.7%、「高い銘柄にした」は2.4%だった。また、1日に吸うたばこの本数に関しては増税後に「減った」としたのが19.3%、「増えた」は3.9%。増税で負担が増えたことを受けて安い銘柄への変更や本数の減少を余儀なくされた喫煙者がいたことはうかがえるものの、大多数は増税前後で変化ないことが分かった。
 また、回答者のうち「何があっても禁煙しない」と回答した705人をのぞく「禁煙挑戦意向がある回答者」(8695人)でみていくと、たばこ価格の上昇が予測される税率10%への引き上げ時に実際に禁煙しようと思うのは48.9%。消費増税が実行されても禁煙に踏み切るのは半数であるようだ。
 たばこの価格がどの程度になれば禁煙するかといった設問の回答をみると、「500円位」が39.9%、「600円位」が20.0%、「700円位」が8.5%などだった。「1千円位」も12.1%、「1千円を超える価格」も12.7%いた。ここでも消費税率アップ分の負担増だけでは実際に禁煙しないと考えている喫煙者が多いことが分かる。


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