<タックスニュース>

車の新税 燃費性能で4段階の課税  実質増税の車種も

 政府・与党は2016年度税制改正に盛り込む自動車関連の新税について、自動車の購入時に燃費性能に応じて4段階で課税する内容を固めた。新税は17年4月の消費再増税に合わせて廃止される自動車取得税に代わるものとなる。
 現在の自動車取得税は、一般自動車に本則3%、軽自動車や営業用自動車に本則2%の税率がかけられ、そこからエコカー減税によって本則3%から非課税まで6区分で燃費性能に応じた取得税の減免が行われている。
 導入される新税では、本則3%は変わらず、そこから燃費性能に応じて、2%、1%、非課税と、4段階の税率に区分されることになる。軽自動車も同様に、本則2%、1%、非課税と、1%刻みで3段階に区分する。燃費性能は国土交通省の定めた「2020年度燃費基準」を用い、現行基準よりも非課税となる車種が増える一方で、一部では増税となる車種もあるようだ。例えば20年度基準+10%のガソリン車では、現行制度では1・8%の税率がかけられるが、新税では2・0%に税負担が増えることになる。
 税収全体では現行の取得税より200億円減り800億円となる見通しで、政府は17年4月の消費再増税を考慮して、実質減税となる方針を盛り込んだことになる。また燃費性能に優れた車を税制面から優遇することで、新車への買い替え需要を喚起し、消費の落ち込みを和らげたい狙いだ。
 自動車取得税については、JAFや日本自動車工業会などの業界団体からは、そもそも消費税との二重課税であり、道路特定財源が一般財源化して課税根拠を失っているとする強い反発の声があり、新税についても、「自動車関係諸税の中から代替財源を確保しようとするのは筋違い」といった反対意見が根強い。

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<タックスワンポイント>

保険の契約者貸付制度  いざという時の備えとして

 企業経営をしていると、緊急にまとまったお金が必要になる時が出てくるものだ。資金調達に苦労した経験がある経営者は少なからずいるのではないだろうか。何かの場合に備えて、資金調達できる手立てを準備しておきたい。
 そこで検討したいのが、契約している生命保険の解約返戻金を担保に保険会社からお金を借りる「契約者貸付制度」だ。保険は自分が支払った時点で保険会社のお金となるため、引き出す場合は「契約者貸付」として保険会社からお金を「借りる」ことになる。保険会社は契約者の申し出により、解約返戻金の70~90%の範囲内で貸付を行う。もちろん、保険会社や保険の種類によって内容は異なる。
 保険の種類は、(1)終身保険、(2)定期保険、(3)養老保険、(4)学資保険、(5)個人年金――であれば、貸付を受けられる。
保険でお金を借りることは、(1)銀行などの融資と違い、審査がなく支払いが早い、(2)お金の使い道が自由、(3)借りても個人の信用情報に乗らない、(4)金利が低い――などのメリットが挙げられる。
 ではデメリットとして考慮しておかなければならないことはどのような点だろうか。
まず、保険会社から借りたお金の貸付利率が設定され、その利率は複利で適用される点だ。
例えば、3%の利率が適用されている貸付制度を使って、1年間に100万円借りたとする。貸付金を1年間返済せずにいると、翌年には103万円になり、その翌年には103万円の3%が付加され、約106万円、さらにその次の年は109万円になる。返済額は年々増加することになるのだ。
 また、解約返戻金の範囲内であれば、何度でも貸付が可能であるが、返済しないで返済額が解約返戻金を超えてしまうと、保険そのものが失効してしまうこともある。
 さらに契約時期によっては、貸付利率が高い保険もあるので注意したい。バブル期に加入した保険は予定利率が5%を超える保険もあるからだ。利率が高い保険は、その分返済額も多くなる可能性があり、貸付を受ける前に利率がいくらなのかを確認する必要があるだろう。
 加えて、貸付を受けてから返済せずにいると、返済額が大きくなるわけだが、学資保険や養老保険など満期がある保険では、祝い金から返済額を差し引いた金額が祝い金として給付されることになるので注意したいところだ。

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