<タックスニュース>

識者の意見五分と五分  消費増税どうするアベさん?

 政府の国際金融経済分析会合の第5回会合が4月13日、首相官邸で開かれた。これまで招いた講師7人のうち4人が2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げについて言及し、講師の間では消費増税の是非は拮抗する格好になった。講師の意見を参考に安倍晋三首相が今後判断する見込みだ。ただ「会合を終了すれば判断材料のひとつがそろったと思われる懸念もある」(経済官庁幹部)ため、当初「5回程度」としていた会合は伊勢志摩サミット直前まで開催を重ねる見通しだ。
 会合は、表向きは主要7カ国(G7)首脳会議の議長国として、有識者と世界経済情勢について意見交換するための位置づけだ。ただ、裏を返せば首相が消費増税延期の基準としている「世界経済の大幅な収縮」が起きているかどうかを検討する場ともとれ、政府・与党内では消費増税再延期のための地ならしと見る向きが強い。第1回、第3回の講師で、ともにノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授やポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授が消費増税延期論者だということも、こうした見方に拍車をかけた。
 一方で13日の会合では講師の経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は「2%引き上げるべきだし、最悪でも1%ずつ上げるべき。私なら先送りはしない」と財政再建を進めるために予定通りの消費税引き上げを求めた。第2回会合に招かれたデール・ジョルゲンソン米ハーバード大教授も消費増税は必要との認識だ。「会合は様々な考えを聞く場。バランスは必要」(経済官庁幹部)と人選にも配慮が見え隠れするようになり、財務省内にも「予定通り増税する余地もある」との声も。しかし安倍首相は「いつも持ち駒を持っている、という対応」(会合に出席している浜田宏一内閣官房参与)のまま。増税の是非と政治日程が絡み合うだけに慎重に判断すると見られる。

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<タックスワンポイント>

5千円以下の飲食費特例  一次会と二次会それぞれで使える?

 交際費は原則として法人の損金にできないため、その一部が非課税になる特例をきちんと理解して支出する必要がある。中小企業は800万円までの交際費の全額を損金にできる特例と、交際費のうち「飲食費」の2分の1を全額できる特例の選択適用が可能だ。これらに加え、交際費から除外できる飲食費に、「参加者1人当たり5千円以下の飲食費」がある。この飲食費基準について、一次会と二次会がひらかれたときの税務について考えてみたい。一次会と二次会とでまったく別の業態の飲食店を利用しているなど、明らかにそれぞれの飲み会が単独で行われている状況であれば、それぞれ1人当たり5千円以下の飲食が交際費にならず、損金算入が可能だ。一方で、同一の飲食店での飲食であるにもかかわらず、一次会と二次会を開催したと称して分割で支払っているときなどは、分割したものをひとつの会として「1人当たり5千円以下」であるかどうかを判断する。参加者1人当たりの飲食代が5千円を超えているときは、そのすべてが交際費になる。

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