<タックスニュース>

5月下旬からスタート  相続情報を証明書1通に

 相続にかかる必要情報を証明書1通にまとめ、さまざまな手続きを簡便化する制度が5月下旬からスタートする。法務省が3月28日、明らかにした。
 現在は親や配偶者が死亡したときには、相続人は不動産登記の変更や相続税の申告、銀行口座の解約などのため、大量の戸籍書類一式をそろえて、相続対象となる不動産を管轄する各自治体の法務局や、預金などのある金融機関ごとに提出しなければならない。また提出を受けた法務局や金融機関も、申請者が正当な相続人かどうかを審査することが求められている。
 相続不動産が各地に点在しているようなケースでは、煩雑な手続きがハードルとなって資産価値の低い土地の名義人を変えないままにしていることが多く、山間部などで宅地造成する際に買収が進まない例があった。また社会問題となっている空き家の増加の一因となっているとも指摘されていた。
 これらの問題を受けて、法務省が新たにスタートする「法定相続情報証明制度」では、全国に417カ所ある登記所のいずれかに相続人全員分の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などの情報をそろえて提出すれば、法務局が公的な証明書を作成し、相続人には証明書の写しを交付する。以降の手続きは写しを利用すれば、大量の関係書類を何度も提出する手間が省けることになるという。
 法務省は昨年夏に新制度の骨子を固め、さっそく今年5月から開始という異例のスピード実現となった。金田勝年法務相は「この制度によって相続登記が未了のまま放置されることを防止していきたい」と意気込みを語った。
 将来的には証明書1通で相続にかかる銀行口座の解約、自動車の名義変更、相続税の申告などもできるようにすることを目指すが、当面は不動産登記の手続きのみでの利用が可能だ。


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<タックスワンポイント>

広い土地は相続税の評価引き下げ  地積が大きいほど減額幅が拡大

 相続した土地が周辺の標準的な宅地と比べて著しく広い、財産評価基本通達で定める「広大地」に該当するのであれば、相続税上の評価額を引き下げることができる。
 広大地の基準は地域ごとの開発基準によって異なるが、一般的に首都圏や近畿圏、中部圏なら500平方メートル以上、それ以外の地域なら1千平方メートル以上であれば広大地に該当する。評価額は、路線価に土地の面積と「広大地補正率」(0・6-0・05×土地の面積÷1千平方メートル)を掛けて算出するので、土地の面積が大きいほど減額幅は大きくなる。
 周辺の宅地と比べて著しく広い土地は、一般的にいくつかの区画に分けて販売しないと買い手がつかない。購入しやすい広さに区画割りする際には、土地のなかに道路を作って行き来できるようにする。この道路は財産上の価値はほとんどないため、財産評価基本通達上の広大地はその分評価が引き下げられるというわけだ。なお、マンション敷地や大規模工場用地として利用できる土地は、道路を作る必要がないので、減額特例の対象にならない。


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