<タックスニュース>

宿泊税?それともレンタカー税?  沖縄県が導入を検討

 有名観光地を抱える自治体での導入が相次ぐ「観光税」を、沖縄県でも導入しようという動きが進んでいる。同税を課す他の自治体では宿泊料金に上乗せする「宿泊税」の形を取るところが多いが、沖縄ではレンタカーの利用者に課する形での徴収も併せて検討されているようだ。
 9月10日に沖縄県庁で開かれた検討委員会の第1回会合では、沖縄を訪れる観光客数が直近の5年間ほどで1・5倍に増えているデータなどが示され、観光客の増加に伴う様々な課題を解決するために観光目的税の導入が必要だとの認識を共有した。具体的な案として県内のホテルや旅館に泊まる人に課す「宿泊税」と、レンタカーを県内で利用する人に課す「レンタカー税」を挙げ、今後の会合では両者を並行して検討していく方針を確認した。
 近年になり、東京都、大阪府、京都市など多くの自治体が観光目的税を導入したが、そのほとんどは宿泊税として徴収する形を取っている。沖縄でレンタカー税が議論に挙がるのは、県特有の交通事情があるためだ。沖縄には都市モノレールを除いて鉄道が存在せず、ほとんどの観光客は県内でレンタカーを借りて移動する。観光客の増加に伴いレンタカーの台数も増え、県の玄関口である那覇空港の送迎場では、レンタカー会社の送迎車を待つ長蛇の列が一時期、問題となったほどだ。
 沖縄県は過去にも観光目的税について検討したことがあるが、レンタカー税は徴収コストと事業規模が見合わないとして、導入するなら宿泊税が最適との結論を出した経緯がある。しかし観光客が右肩上がりで増えている現在では事情が変わり、また「取りやすいから宿泊税にするのはおかしい」(出席した委員)などの声もあることから、ゼロベースで両者を検討するのが適当との結論に至った。委員会は今年度中に結論を出し、21年度までの徴収を目指すという。


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<タックスワンポイント>

従業員への食事代が非課税になる範囲  給与所得となれば社会保険料にも影響

 多くの業態で人手不足が深刻化している。厚生労働省が今年6月に発表した有効求人倍率は1・60倍で44年ぶりの高水準となった。従業員の定着率を上げたうえで優秀な人材を新たに呼び寄せたいところだが、賃上げにはどうしても限界がある。それでは、非金銭報酬として福利厚生を手厚くしようと思うが、社宅や豪華な旅行を準備する余裕はない。そこで、まず手を付けやすいのは食事の提供ということになるか。
 企業が仕出し弁当などの食事を提供するにあたって、やはり気になるのは課税対象とならないかどうかの基準だろう。せっかく従業員サービスだと思って実行しても、給料扱いで課税されては従業員も経営者もおもしろくない。給与所得になるということは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料も上がるのでくれぐれも注意が必要だ。
 食事の提供が課税されないためには、弁当代の全額を会社が負担せず、必ず代金の半額以上を従業員が負担する仕組みが必要だ。そして、会社の負担は1人あたり月額3500円(税込3780円)以下でなければならない。つまりいくら社員のためといっても「全額無料」では社員への給与所得とみなされてしまうわけだ。仮に1つ800円(税込)の仕出し弁当であれば、希望する従業員には半額の400円を徴収する前提で、かつ月9回(3780円÷400円=9・45回)までしか提供できない計算になる。
 ただし、これは通常の勤務内での話であり、残業時間での食事提供となれば内容は異なる。残業食事代は、残業をした従業員に対する慰労を兼ねた実費弁償的なものであり、それゆえに常識的な金額の範囲であれば課税はされないことになっている。この場合、弁当など食事そのものを提供しても、また従業員がスーパーなどで立て替えて購入をして実費精算しても可能だ。
 なお、終業後すぐに出された食事であれば、実費弁済の意味が薄らぐことから課税されるリスクも考慮しなくてはならない。

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