<タックスニュース>

「何のための増税か…」  過剰な経済対策に漏れるため息

 政府が決定した2019年度予算案の一般会計総額101兆4564億円と、当初予算として初めて100兆円の大台を突破した。10月の消費税増税後の景気落ち込みを防ぐための2兆円の経済対策で予算規模が大きく膨れた。過剰な経対策に対し、政府・与党内では「何のための増税か…」とため息も漏れる。
 消費税率は10月に8%から10%に引き上げられる。政府は年間で家計の負担が2兆円程度増えると試算。19年度予算に加え自動車や住宅の税制優遇措置もとり、家計負担を上回る規模の経済対策を用意した。
 目玉となるのがキャッシュレス決済時のポイント還元制度だ。クレジットカードなどで決済した場合に購入額の最大5%分のポイントを消費者に還元する仕組みで、商店街の中小店舗などに加え、コンビニエンスストアや外食、サービス業のフランチャイズ店舗も補助対象とする。実施期間は今年10月から20年6月末までの9カ月間。住民税非課税(年収約250万円未満)の低所得世帯や0~2歳児を持つ子育て世帯にはプレミアム付き商品券を発行。2万円で2万5000円分の商品券を購入できる仕組みで、国が差額を補てんする。使用期間は原則今年10月から20年3月末までの半年間。
 住宅購入支援では、省エネ性能や耐震性の高い家を新築した場合に原則30万ポイントを付与する制度や、住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない所得層に向けた給付金を設ける。景気下支えのため、防災・減災を名目にした1・3兆円規模のインフラ整備事業も実施する。
 財務省は「増税対策は一時的な措置に過ぎない」と強調するが、政府は経済対策を20年度予算案にも計上する予定。大盤振る舞いが続けば、財政再建の道が一段と険しくなる。

税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ

<タックスワンポイント>

ふるさと納税ワンストップ特例  6カ所以上の寄付は確定申告を

 ふるさと納税のワンストップ特例は、寄付先の自治体に特例利用の申請をすることで自治体が税優遇のための手続きを代行してくれる制度だ。もともと確定申告が不要なら「寄附金税額控除に係る申告特申請書」に住所や氏名、マイナンバーなどの必要事項を記入して自治体に送れば、ふるさと納税のためだけに確定申告をする必要がなくなる。申請の締切は1月上旬なので、特例を利用する人は手続きをすでに終えているだろう。
 ただしワンストップ特例を利用できる人であっても、6カ所以上に寄付をした人は、すべての寄付について改めて確定申告をしないと税優遇を適用できない。特例が使えなくなるのは5団体を超えた6団体目からではなく、寄付したすべての自治体だ。6自治体に寄付をしたなら、その6カ所への寄付すべてについて申告する必要がある。すでに特例の手続きを終えていても、特例申請の取り消し手続きなどは必要ないので、忘れずに申告をするようにしたい。
 同じ団体への寄付は何度行っても1回とカウントされるため、3つの自治体に合計6回の寄付をしたというケースなら特例を利用することができるが、同じ自治体であっても特例申請は寄付1回ごとにしなければならない。もし申請を忘れたのであれば、やはりすべての寄付について確定申告が必要となる。


相続専門の税理士による、相続、生前対策、事業承継のご相談は、初回無料で実施中です

税理士法人早川・平会計