タックスニュース

2019年3月 1日 金曜日

Vol.0485

<タックスニュース>

生保業界「販売見直さなければ」  節税保険、国税が規制の動き

 全額損金の「節税保険」を巡り、金融庁に続いて国税庁も規制強化の動きに入ったことを受け、保険業界の動きが慌ただしくなっている。生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命保険社長)は2月15日の会見で「過度な節税を強調しすぎるような販売は見直さなければならない」と話した。すでに一部の生保会社では、同種の保険の販売中止を決定している。
 稲垣会長は会見で、「(一部の生命保険の売り方が)本来の趣旨とはかい離してしまったことが、今回の国税庁のアクション(の理由)だと思う」と述べた。問題となっているのは、中小企業の経営者を対象にした「全損型」の生命保険だ。死亡すると数億円単位の保険金がもらえる契約で、払い込んだ保険料の全額を会社の損金に算入でき、10年ほどで途中解約すれば「解約返戻金」で大部分の保険料が戻ってくる。返戻金を役員退職金や設備投資費に充てれば課税されないため、生保業界ではここ数年で最大のヒット商品となっていた。
 しかし「保険料や返戻金が不自然と言っていいほど高く、節税のメリットばかり押し出されている商品が目立つ」(金融庁幹部)ことから、昨年夏に規制強化への動きが具体化。複数回の業界ヒアリングを経て、金融庁は10数社に対して「商品設計が合理性や妥当性を欠く。適切な対応を求める」と商品設計の見直しを求めた。
 さらに税務面からも規制の動きは進み、国税庁は今後、解約返戻金の割合が50%を超える保険商品については、支払保険料を経費として処理できる割合を制限する方針だ。今後パブリックコメントの募集などを経て、最終的に通達を見直す。
 生保業界としては、「税制(に与える効果)は保険商品の一つの特徴だが、提案の時は企業の事業承継や退職金準備といった本来の保障の意味合いをきちんとお伝えしている」などと釈明してきたが、勧誘の現場では節税効果も含めた「参考返戻率」という言葉を用いて税務面でのメリットをアピールしていたことも分かり、当局の理解を得ることはできなかった。
 こうした金融・国税庁の動きを受け、保険各社は商品の売り止めや返戻率の大幅な見直しを余儀なくされている。すでに第一生命ホールディングスや明治安田生命保険、住友生命保険など販売中止を決定したところも出ており、今後も保険料が引き下げられ、解約時に受け取る返戻金が減って節税効果が薄まる商品が続出する可能性がある。


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<タックスワンポイント>

ツラい花粉症......薬も注射も控除対象に  舌下免疫療法も保険診療

 いよいよ花粉が本格的に飛散し始め、花粉症持ちには何とも辛い季節がやってきた。日本気象協会によると、今年飛散する花粉量は、関東では過去10年で最大だった昨年に比べれば少ないものの、西日本や東北などでは昨年並みか、それ以上に飛散する地域も多いという。
 この時期だけは目薬や鼻炎薬を手放せないという人も多いだろうが、これらの薬の購入費用は原則的にすべて、10万円を超えた医療費を所得から差し引ける「医療費控除」の対象となる。医者にかかったのなら、診察料と薬品代ももちろん控除対象だ。
 最近では、舌の下にアレルギー物質を含むエキスを投与して免疫力を増加させるという「舌下免疫療法」が注目されているが、これも数年前に保険適応治療として認められ、控除対象となっている。ただし比較的新しい治療法で、副作用が生じるとの報告もあるので、必ずリスクを把握した上で実行するようにしたい。
 花粉症がひどい人なら、毎年、花粉が飛散する前の1月~2月に、病院でステロイド注射を受けておくというケースも多い。インフルエンザの予防接種など「予防」にかかる費用は原則として医療費控除の対象とはならないが、花粉症に関してはあくまで「早めの治療」として認められ、控除対象に含まれる。
 残念ながら医療費控除の対象とならないのは、花粉症患者がこの時期欠かすことのできないマスク代や、ティッシュペーパー代だ。医療費控除はあくまで「治療行為」を対象とするため、というのが理由のようだ。また薬といっても、漢方薬やサプリメント(栄養・健康補助食品)など「医薬品」の表示のないものは、医師の指示がある時を除いて対象にならない。近年では、顔に噴射することで花粉の付着を防ぐという売り文句のスプレーなども販売されているが、これも医薬品ではなく雑貨扱いのため、医療費控除には含められない。花粉症対策グッズは世の中に多数あるが、買うときは必ず「医薬品」表示をチェックしておきたいところだ。もし家族全員を合わせても医療費が10万円に届かない時は、医療費控除との選択適用となる「セルフメディケーション税制」を検討するといいだろう。


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投稿者 税理士法人早川・平会計

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