タックスニュース

2019年3月15日 金曜日

Vol.0486

<タックスニュース>

認定支援機関ごとの実績をネット公表へ  相談先選びへの活用を期待

 税理士などの専門家が中小企業をサポートする「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」制度について、中小企業庁は、支援機関ごとにサポートした件数や支援先の利益の平均伸び率などをホームページ上で公表することを決めた。中小企業が支援機関の活動実態を把握し、比較することができるようにするのが狙い。専用のホームページを3月中に公開する予定だ。
 中企庁は、認定支援機関の活動状況の「見える化」への取り組みとして、各種データを公表することを決めた。現時点での案としては、支援機関の店舗名や本店住所、連絡先といったすでに公開されている基本情報に加え、これまでの具体的なサポート件数、支援を行った内容などを表示する。さらに支援機関の関与が要件となっている「ものづくり補助金」の採択件数や採択率も表示し、そのデータを基に支援先の売上高の伸び率といった"実績"も掲載するようだ。具体的な支援事例の情報については、支援機関自身による追記もできるようにする。認定支援機関のサポートを受けたい中小企業は、専用の検索システムページからこれらの情報を調べられるようになる。
 2019年度税制改正でスタートした個人版事業承継税制など、認定支援機関の関与を必須とする税優遇は増えつつある。それに伴い具体的な支援実績を伴わない「名ばかり支援機関」の登録が散見されることから、昨年から同制度は5年ごとの更新制になったばかりだ。インターネットで機関ごとの実績を公表することで、支援機関へ積極的な活動を促すとともに、中小企業の相談先選びに活用してほしいとの期待があるとみられる。


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<タックスワンポイント>

孫への生前贈与は税金がお得  「名義預金」に注意が必要

 相続対策に当たり、子だけでなく孫にもいくばくかの財産を渡してやりたいと考えたとしよう。しかし孫は法定相続人に当たらないため、素直に相続で財産を引き継いだだけでは、相続税額が2割加算されるルールの対象となってしまう。最近では相続税の基礎控除額を増やすために孫を養子にする相続税対策を実行する人も見受けられるが、孫養子であっても税法上ではやはり2割加算ルールから逃れることはできない。
 そこで、孫への生前贈与を考えてみる。贈与税には2割加算ルール自体が存在しないため、法定相続人かどうかを気にする必要はない。また贈与税では、直系尊属からの贈与に適用される「特例税率」と、それ以外の贈与に適用される「一般税率」があるが、孫は税率の低い「特例」の対象だ。つまり生前贈与であれば、子に渡すのも孫に渡すのも税負担は同じということになる。
 さらに、子より孫に直接渡したほうが有利な点もある。税法では、死亡までの3年間に行われた法定相続人への生前贈与については、贈与した分を遺産に含めて相続税を計算する「持ち戻しの特例」がある。しかし前述のとおり、孫は法定相続人ではないので、たとえ死の前日であっても、一度受け取った財産を持ち戻す必要はない。「駆け込み贈与」による相続税対策ができるわけだ。持ち戻しの特例は民法にもあるが、原則として孫への生前贈与はこちらの持ち戻しの対象にもならないため、遺留分の対象となることもない。
 そして孫養子と同様、本来であれば子への相続、子から孫への相続で税金が2回かかるところを、生前贈与なら1回分スキップでき、1回目の相続で子が払う相続税も減るという効果も持ち合わせている。税金面でみれば、孫への生前贈与は多くのメリットがあると言えるだろう。
 ただし注意したいのは、贈与とはお互いの意思が一致し、贈与財産を受け取った側が管理する必要があるという点だ。孫がまだ幼いという理由で孫自身に贈与財産の存在を知らせなかったり、若い孫に多額の財産を管理させたくないからと通帳を親に預けたりというケースでは、名義だけ孫のもので実質の財産所有者は別にいる「名義預金」と判断されてしまう。
 幼い孫の将来のために財産を残してやりたいというのであれば、1500万円までの教育資金の一括贈与を非課税にする特例や、1000万円までの育児資金の一括贈与を非課税にする特例などの活用を検討したほうがよいだろう。


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投稿者 税理士法人早川・平会計

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