タックスニュース

2019年3月22日 金曜日

Vol.0487

<タックスニュース>

企業版ふるさと納税で寄付対象を拡大  実績は個人版の1%未満

 地方自治体に寄付をしたら税負担が軽くなる「ふるさと納税」。豪華な返礼品をそろえてしのぎを削る「個人版」に注目が集まりがちだが、その「企業版」もある。正式な制度名は「地方創生応援税制」で、政府は2019年度から、寄付の対象となる事業の範囲を拡大するなど運用を見直すことにした。すでに全国の自治体に通知しており、知名度の向上とともに制度の恒久化も狙っている。
 地方創生応援税制は16年度に、4年間の時限措置として始まった。内閣府が認定した自治体の事業に企業が寄付した場合、損金への算入と税控除が可能になり、寄付した額の6割分は税負担を軽減できる。しかし「個人版で許可されている返礼品のような直接的な見返りがないため利用が低迷した」(総務省幹部)結果、17年度の寄付額は23億5500万円にとどまっている。3653億1700万円だった個人版の0・6%だ。
 19年度からは、ふるさと納税を前提とした事業だけでなく、地方創生の関連事業として政府が認めたものも寄付の対象になる。自治体が将来の事業に備える基金について、奨学金の返済支援のように支出額が確定しているものだけでなく、インフラ整備や人材育成などにも寄付金を回すことができるようにする。寄付額が事業費を超えないことが条件となる。
 このタイミングで政府が運用を改善するのは、19年度までの時限措置である制度を20年度以降も続けたいためだ。過剰な返礼品を規制することにした個人版は、寄付額が大幅に落ち込む可能性が高く「ふるさと納税という制度自体が消滅する恐れがある」(別の総務省幹部)という。また、自民党幹部は「個人版ほど派手ではなくても、地方創生という旗を掲げていることが大事。春から夏にかけて続く、統一地方選と参院選でもアピールできる」と選挙対策への利用を打ち明ける。


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<タックスワンポイント>

補助金の受け取りも税金の対象に  繰り延べはできるが釈然としない...?

 国は企業の設備投資を促すため様々な補助金制度を設けているが、この受け取った補助金とて税金からは逃げられない。国や自治体から交付された補助金は会社の「益金」として、法人税の対象になる。つまり額面でたとえ100万円の補助金を受け取れたとしても全額は自由にできず、その一部はもとから税金として納める分が含まれていることになる。
 ただ、「新型の機械設備を買いたい」という目的で受け取った補助金にすぐに法人税がかかると、設備を買った後に手元に納税資金が残らず、経営が苦しくなる恐れが出てくる。それでは中小企業を支援するという補助金の趣旨からして本末転倒になってしまうため、補助金で固定資産を取得したときには、税務上の特殊な処理を行うことが認められている。
 具体的には、設備の取得価額から補助分を差し引いた額で資産計上することが可能だ。つまり80万円の補助金を使って100万円の機械を買ったなら、固定資産としての取得価額はその差額である20万円となる。このような特殊な処理によって、投資した年度にかかる法人税負担を抑える処理を、会計用語で「圧縮記帳」という。補助金によって得た利益を実態より「圧縮」するというわけだ。
 しかし注意したいのは、この圧縮記帳はあくまで課税の繰り延べに過ぎず、税負担がトータルで減るわけではないという点だ。取得価額が減るということは、つまり年々の減価償却で損金にできる額が減ることを意味する。つまり2年目以降は、圧縮記帳をしない場合より法人税負担が重くなってしまうのだ。トータルでみれば繰り延べをしてもしなくても法人税負担は同額となる。補助金を得て設備投資をした年は、会社のキャッシュフローや今後の資金繰り計画などを考慮した上で、圧縮記帳をすべきかどうかを選択すべきだろう。
 なお公益法人や人格のない社団(PTAやマンションの管理組合など)については、補助金を得て取得する固定資産がたとえ収益事業のためのものであっても、補助金には法人税が課されないこととなっている。


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投稿者 税理士法人早川・平会計

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