タックスニュース

2020年1月17日 金曜日

Vol.0525

<タックスニュース>

届かなかったおせち  ふるさと納税返礼品の業者が破産

 茨城県筑西市のふるさと納税の返礼品を生産していた飲食業者の「小野瀬フーズ」(同市)と関連会社の「小野瀬水産」(同)が、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが1月8日に分かった。同社が担当していた返礼品のおせちが寄付した人の手元に届いていなかったことから、筑西市が謝罪会見を開くなど話題となっていた。
 筑西市の須藤茂市長は1月6日に記者会見を開き、「本市に納税していただいている方、市民に大変な迷惑や心配をおかけし、心からお詫び申し上げる」と頭を下げた。市によれば、ふるさと納税の返礼品であるおせち料理は12月31日に寄付者に届けられる予定だったが、同日午後に「返礼品がまだ届かない」との問い合わせが相次いだ。製造元の小野瀬水産に確認したところ、配送に遅れが出ていることが判明。元日午前3時ごろに市職員が同社を直接訪れると、「生産、発注に対応できていない」との報告があったという。
 市は対象者に連絡して謝罪した上で、同社が担当するプリンやスイートポテトなど他の返礼品についても配送中止を決定。対象者には寄付金の返金や別の返礼品との交換を検討することを決め、製造が間に合わなかった原因も調査するとしていた。
 小野瀬フーズは1991年設立。飲食店を経営していたが、大手チェーンとの競争などにより客足が伸び悩み、近年は赤字経営を強いられていたという。金融機関の支援を得ながら経営再建に取り組んでいたが、今回の返礼品トラブルを受けて、先行きの見通しが立たなくなったと判断した。


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<タックスワンポイント>

不要な固定資産を有姿除却で経費計上  一度でも使えば否認の可能性大

 少し前までは社の稼ぎ頭としてフル稼働していた機械設備であっても、時代の流れとともに使用頻度は減り、いまでは全く使わなくなって工場の片隅でホコリをかぶっているということもあるだろう。解体や廃棄をしてスッキリしたいが、その費用の捻出は難しい。
 そうしたときに使いたいのが法人税の「有姿除却」だ。読んで字のごとく、実際に廃棄せずに姿はそのままでも、除却損を計上できる。以前からある制度だが、一躍注目を浴びたのが2011年の東日本大震災による原発事故だ。
 東京電力福島第一原発の爆発事故では、地域住民の多くが避難を余儀なくされたが、それは企業の社屋や工場も同様だった。放射能汚染されて今後は使い物にならなくなった建物は解体も困難であることからそのほとんどが放置されたままだが、そうした固定資産の多くで有姿除却が認められ、税務上の損失が計上された。
 原発事故は極めて大きな話であり滅多にないことだが、有姿除却はもちろん日常の企業活動のなかで生まれた放置資産についても使える制度だ。
 だが、税務署が有姿除却を認める際のチェックは厳重で、社長の「もう使わないつもり」といった程度の理由ではまず認められることはない。国税庁のウェブサイトには「特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの」と例示されていることからも、放射能汚染ほどの大事でないにしても、税務職員を納得させるには相応の理由が必要なようだ。
 また、「実は大量受注があったときに稼動してしまった」「たまに古い商品の修理依頼がくると使っている」など、完全不要でないと見られれば容赦なく否認されるので注意したい。不要資産を抱え込んでいる会社にとってはなんともありがたい制度だけに、実際には廃棄していないものを帳簿上「廃棄した」ことにする以上、それなりの体裁を整える努力は必要になる。


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2020年1月10日 金曜日

Vol.0524

<タックスニュース>

アマゾンが納税方針を転換  年間で約150億円納付

 インターネット通販世界最大手のアマゾン・コムが、日本国内の売上を日本法人で計上して納税する方針に転換していたことが分かった。納税額は2年間で約300億円弱に上る。これまで同社は収益を米国法人に計上することで日本での納税額を抑えていた。
 同社は従来、米国の親会社からアマゾンの日本法人が業務委託報酬を受け取る形で事業を運営し、日本国内での収益を低く抑えていた。しかし2016年ごろから、日本法人が取引の主体となるよう方針を改めた。17年12月期決算以降は日本法人で売上高を計上しているといい、その結果、日本法人は決算を開示していないものの17年と18年に納めた法人税額はそれぞれ百数十億円になるとみられる。日本だけでなく、世界各国で同様の方針を採りつつあるという。
 アマゾンが方針を転換させた理由の一つには、GAFAと呼ばれる同社やアップルなどの多国籍企業の税務処理に対する反発が世界中で大きくなるなかで、厳しい課税案が実現する前に、先んじて適切な納税をすることで反発を抑えるという狙いがありそうだ。また実務上でも、外国法人が取引主体では法律によって医薬品や医療機器販売に参入できないなどの制約があったことも理由とみられる。今回の方針転換は、企業イメージの向上と経営上の実利の両面で、事業実態に即した納税をしたほうがメリットが大きいと判断したようだ。こうした動きは、他の巨大IT企業の税務戦略にも影響を及ぼす可能性がある。
 一方で同社は、動画や電子書籍といったデジタル商品、クラウド事業などについては、これまでと変わらず米国法人に売上を計上している。これらの売上は大きく、事業実態に応じた税負担を同社が負担していないとの批判は今後も続くとみられる。画期的な方針転換も、各国で進むデジタル課税の議論に歯止めをかけるまでは至らないだろう。


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<タックスワンポイント>

折半負担の生命保険金は半分が相続財産  被相続人の負担分は相続財産として課税

 被相続人の死亡によって受け取る保険金のうち、相続人が保険料を負担していた分に対応する金額は相続税の課税対象にならない。そのため、父親を被保険者、長男を保険金の受取人にした生命保険について、保険料を父と長男が半分ずつ出していたときは、長男が受け取った生命保険金は半額が相続財産となり、非課税額を超える部分に課税されることになる。つまり、被相続人が負担していた分に対応する額は相続財産とみなされるということだ。
 この際、すべての相続人が受け取った保険金の合計額が「500万円×法定相続人の数」を超えると、その超える部分が相続税の課税対象になる。ここで言う「すべての相続人」には、相続放棄した人や相続権を失った人は除かれるが、計算するうえでの「法定相続人の数」には相続の放棄をした人も含めることになっている。
 一方、相続人が負担した分の保険金は一時所得として取り扱われる。受け取った保険金の額から、払い込んだ保険料と一時所得の特別控除額50万円を引いて、その額の半額に課税される。課税対象になる保険金の額には、保険契約に基づいて受け取った剰余金や割戻金、また前納保険料の払い戻し分も含まれる。


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2019年12月27日 金曜日

Vol.0523

<タックスニュース>

2020年度税制改正大綱  上場株評価の変更 見送り

 上場株式の相続税評価額の引き下げにつながることが期待されていた金融庁の税制改正要望が、2020年度大綱には反映されなかった。同庁は現行の評価法が「相続税の負担感の差」や「投資家の資産選択における歪み」につながると強調してきたことから、次年度以降も検討される項目とはなりそうだ。
 相続した上場株式の相続税制上の評価は、他の財産と同様に、原則では被相続人の死亡日の価格(終値)で判断する。ただし、相続時から納付期限までの10カ月間の価格変動リスクがあることから、死亡日の終値以外にも、死亡した月の毎日の終値の平均額、死亡した月の前月の毎日の終値の平均額、死亡した月の前々月の毎日の終値の平均額――の3つも併せて判断し、最も低い価格を相続税評価額とすることができる。
 ただ、上場株の価格は1日でも大きく動くだけに、4つの「終値」だけで判断すると高額になりやすい。変動リスクの低い他の資産と比べて相続税評価上の扱いが不利になりやすいため、金融庁は、死亡日の前年の平均額、死亡した月以前の2年間の平均額――の2つも評価方法に加えることを要望していた。


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<タックスワンポイント>

外国人労働者の国外親族の扶養控除  外国語の書類もしっかり確認を

 厚生労働省によると、2018年10月現在の外国人労働者数は146万人で前年同期比18万人(14%)増となり、2007年に雇用状況の届出が義務化されて以降、過去最高を更新した。国別では中国が全体の26%を占め38万人でトップ、次いでベトナムの31万人(21%)、フィリピンの16万人(11%)となっている。また、外国人労働者を雇用する事業所も前年同期比11%増の21万6348カ所で、こちらも過去最高を記録している。
 外国人労働者のほとんどは出稼ぎであるため、賃金は故郷に送金していることになる。そうなると、その家族は当該外国人労働者にとって「国外居住親族」となり、扶養控除等の適用を受けることになる。
 所得税の計算における「控除対象扶養親族」とは、「居住者の親族でその居住者と生計を一にするもののうち、合計所得金額が38万円以下である者で、年齢16歳以上の者」を指す。
 国外居住の親族を控除対象とするには、「親族関係書類」と「送金関係書類」という特別な提出書類が必要となる。前者は「六親等内の血族」「配偶者」「三親等内の姻族」であることの証明をするためのもので、「戸籍謄本その他これに類する書類」「出生証明」「婚姻証明」が該当する。身分証明書といっても「運転免許証」や「パスポート」のみでは認められない。
 もうひとつの送金関係書類は、金融機関が行う為替取引により居住者が国外の親族に支払いをしたことを明らかにする書類を意味する。またクレジットカード発行会社による商品の購入代金に関する書類も含まれる。これらは、年末調整を行う時に提出または提示がとなる。
 なお、外国語で作成されている書類には翻訳文の提出も必要だが、現実には誤った書類が添付されていることが少なからずある。外国語で書かれているため内容を理解しない事業主もいるようだが、公の提出書類であるため中身はきちんと確認したい。


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2019年12月20日 金曜日

Vol.0522

<タックスニュース>

2020年度税制改正大綱  M&A版・事業承継税制が見送り

 今回の大綱では事業譲渡にかかる税負担を猶予する「M&A版・事業承継税制」が見送られた。
 通常の事業譲渡と事業承継の区別がしにくく、優遇を適用するための要件について制度設計を詰められなかった。同制度では後継者のいない中小企業がM&A(企業売買)で事業を他業者に引き継いだ際に、自社株の譲渡や事業譲渡の際に買い手側に課される税負担を猶予する方針だったが、承継目的でない通常のM&Aとの区別が困難というハードルがあった。またファンドなど後継者のいない企業が買収後に転売した時に事業存続を判断しづらいなどの問題点を解消できなかったことが見送りの要因になっている。
 近年の税制改正で、承継に当たっての自社株引き継ぎにかかる税負担を実質免除する事業承継税制の特例、個人事業者の事業用資産の引き継ぎにかかる税を猶予する特例など創設してきた。しかし後継者を見つけられない中小企業も多く、M&Aによる事業引き継ぎにも税制面での後押しが必要との声は多い。今回は見送られることになったが、今後も検討は続けられることになりそうだ。


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<タックスワンポイント>

期ズレの損失に修正申告は必要なし  当期から控除、消費税も同じ

 個人事業主や12月決算の法人は、今月末で収支を締めて今年の利益や損失を確定させて税務申告を行うことになる。当然、今年中に出荷して売上を計上した製品については今年の利益に計上することになるが、もし来年になって製品に不備が見つかってしまい、大量に返品されてしまうというケースが起こったら、どうするべきだろうか。
 このように前期に売り上げた商品について、次期になって損失が発生した時は、すでに済ませてしまった前期の申告を修正する必要はなく、その当期の売上高から控除すればよい。その際には、相手方から返品の通知を受けた日か、または返品を受けた日の事業年度の損失として計上する。
 返品以外でも、前期に納品した製品に不良品などが見つかって次期に入って大幅な値引きを行ったケースや、大量発注してくれた顧客に割戻しをしたケースの取り扱いも同様だ。修正申告は行わず、値引きなどを取引相手に通知した日の事業年度で損失を計上することになる。
 なお返品された商品が課税仕入れの対象であれば、消費税についても調整を行わなければならない。具体的には返品などによって生まれた税額の差異を当期の消費税額に反映させて調整する。売上高同様に、売上を計上した期でなく、返品などが実際にあった期で調整するので気を付けたい。
 途中で課税事業者から免税事業者、または免税事業者から課税事業者に変わっている場合には注意が必要だ。免税事業者だった期間の仕入れについて、課税事業者になってから受けた返品や、逆に課税事業者だった頃に仕入れた製品について、免税事業者に変わってから行った割戻しなどについては、原則として消費税の調整を行うことはできないためだ。


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2019年12月13日 金曜日

Vol.0521

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富裕層への税務調査  申告漏れ平均1436万円

 平成30年7月からの1年間で「富裕層」に対して5313件の所得税調査が実施され、1件当たり1436万円の申告漏れ所得が発覚したことが、国税庁がこのほど公表した報告書で分かった。富裕層以外への調査も含めた1件当たりの平均申告漏れ所得と比べると約400万円多い。特に海外投資や海外取引をしていた者への調査で発覚した申告漏れは高額となっている。
 国税当局は、有価証券・不動産などの資産の大口所有者や、経常的に所得が高額な個人を「富裕層」と位置づけて重点的に調査。平成30年度の所得税の実地調査(特別・一般)5万130件の1割以上が富裕層をターゲットとしたものだった。
 富裕層への調査で発覚した申告漏れ総額は763億円で過去最多。1件当たりの申告漏れ所得は1436万円、追徴税額は383万円で、全体平均の申告漏れ1045万円、追徴180万円と大きな差が出ている。
 富裕層の中でも海外投資や海外取引をした者に限れば、1件当たりの申告漏れ所得は3819万円、追徴税額は914万円にまで跳ね上がる。資産運用の国際化が進んでいることから、国税当局では富裕層の海外投資への監視を強化しているという。
 所得税調査の全体では、着眼調査を含む実地調査は7万3579件で、前年度の7万2953件から0・9%の増加となった。このうち申告漏れなどの非違が見つかったのは6万964件(前年度6万338件)で、調査を受けた人の8割以上が何らかの問題点を指摘されたことになる。
 実地調査1件当たりの申告漏れ所得819万円は前年度から1・3%の増加で、前々年度と比べると7・3%増えた。
 一方、文書送付や電話で申告是正を促す「簡易な接触」は53万7076件実施され、31万2916人が申告漏れなどの非違を是正した。1件当たりの申告漏れ所得金額は56万円と、実地調査と比べて比較的少額の申告が狙われていることが分かる。


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生命保険が固有の財産ではなくなるとき  高額すぎると持ち戻しの可能性

 生命保険金は「受取人固有の財産」といわれる。税法では「みなし相続財産」として相続税の対象とはなるものの、民法では生命保険金を請求する権利は相続財産から除外され、原則として遺産分割の対象となることはない。保険金独自の非課税枠もあり、他の財産よりも優遇されることから、オーナー企業の後継者の納税資金や自社株対策の原資に最適といわれる。
 ただし場合によっては、この生命保険金が受取人固有の財産ではなくなる時もある。それはどういう場合かというと、特定の相続人が生命保険金を受け取った結果、他の相続人と比べて取得財産に著しい偏りが出てしまった時だ。
 例えば親が亡くなって3人の子が相続人として残されたケースで、相続財産が預金1500万円のみだったとする。3人で500万円ずつ分配すれば円満解決できそうだが、もし預金以外に長男のみ生命保険金2000万円が支払われていたとする。長男からすれば、生命保険金は前述のとおり受取人固有の財産なので、もともと自分のものであって相続財産には含まれず、遺産分割には関係ないと主張するだろう。
 しかし最高裁は、こうしたケースに対して長男にノーを突き付けている。原則として生命保険金は受取人固有の財産であるものの、「到底是認することができないほど著しいと評価すべき特段の事情」がある時には、保険金を遺産に持ち戻して分割すべきだと認定したのだ。この「特段の事情」とは、保険金の額や遺産の総額に対する比率だけでなく、同居の有無や被相続人の介護などに対する貢献の度合い、各相続人の生活実態などが該当するという。
 複数の判例によって、仮に金額のみを考慮して判断すると、保険金の額が遺産総額に対して45%?50%を超えた時にその全額がおおむね持ち戻しの対象になることが分かっている。先ほどの例でいえば、預金1500万円と生命保険2000万円で遺産総額は合計3500万円なので、それに占める保険金の比率は約57%となり、持ち戻しが必要ということになる。長男が受け取る遺産は生命保険金のみの2000万円、他の2人はそれぞれ預金750万円を得るのが最終的な結論となりそうだ。
 同様に遺留分についても、受取人と他の相続人に著しい差があると認められた時には、請求対象になる可能性がある。生命保険金は受取人固有の財産として様々な場面で強みを発揮するが、何事にも絶対はあり得ないということを覚えておきたい。


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