タックスニュース

2019年7月12日 金曜日

Vol.0501

<タックスニュース>

新たな相続ルールがスタート  配偶者優遇が鮮明に

 相続ルールの大幅な見直しを盛り込んだ改正民法が7月1日に施行された。相続ルールの見直しは約40年ぶりとなる。
 改正民法で鮮明になっているのは、配偶者の優遇だ。スタートした新ルールでは、結婚して20年以上の夫婦であれば、生前贈与か遺贈された自宅や居住用土地は、遺産分割の対象から外せるようになった。従来は原則として、生前贈与された住居は遺産分割や遺留分減殺請求の対象となっていたものを、完全に配偶者だけの取り分とする見直しだ。分割対象から外れるということは、配偶者は自宅を得た上で、残された財産について「2分の1」という法定相続分を取得できるようになる。
 仮に妻1人子1人で、夫が妻に2千万円の家を生前贈与し、預貯金2千万円が残ったとすると、以前は遺言などを残しておかない限り、妻は2千万円の家を贈与されているので預貯金は相続できないが、新制度では2千万円の家に加えて現金1千万円を相続できることになる。配偶者の取り分が大きく増加するわけで、税法では婚姻期間20年を超えた夫婦に対して2千万円までの不動産贈与を無税にする「おしどり特例」があるが、改正民法は民法版のおしどり特例と言えるだろう。
 配偶者の相続分を巡っては、来年4月に、家に住み続ける権利だけを分離して相続できる「配偶者居住権」がスタートする。一連の配偶者優遇の見直しの背景には、13年9月に下された、結婚していない男女の子(婚外子)の相続分を結婚した夫婦の子の半分とする民法規定を違憲と判断した最高裁判決がある。判決を受け民法改正が行われた一方で、正妻の権利拡大が必要との声も上がり、今回の相続民法の大改正につながった経緯がある。
 7月1日からは、遺産分割の結果に不満のある法定相続人が遺留分減殺請求をした時に、その対象を「相続財産そのもの」でなく「遺留分相当額の金銭」とする新ルールも始まった。今までは、自社株などが遺留分の対象になると全株式が共有化状態になってしまい、後継者が議決権などを自由に振るえず経営を阻害されるケースが生じていた。今後は先代から引き継いだ自社株が分散するリスクが減少するが、一方で遺留分に相当する金銭を他の相続人に支払わなければならず、まとまった現金を用意する必要となる。


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<タックスワンポイント>

不要な設備は有姿除却でお得に経費計上  使ってしまうと否認の可能性も

 環境汚染問題を背景に、産業廃棄物の処理方法が厳重になっている。廃棄物処理法では、産業廃棄物の適正な処理方法を細かく定め、排出業者はこれに従い責任を持って処理する義務がある。収集運搬から中間処理、最終処分に至るまでの工程は極めて細かく決められ、処分にかかる費用は昔に比べ格段に上がっている。
 専門業者に委託しても各工程で費用が発生し、産業廃棄物管理票を発行するにも費用がかかる。仮に事業所内にあるすべての不要な固定資産を処分するとなれば、莫大な費用を要することになるだろう。
 業務スペースを縮小し、固定資産税を負担してでも不要資産を抱え込んでいるのは、ひとえに廃棄に莫大な費用がかかるからだ。
 こうした費用負担を避けるために業務用資産の処分を見合わせている会社の間で、「有姿除却」を適用するケースがある。これは、使わなくなった固定資産について廃棄、解体などを行っていなくても、対象資産の帳簿価額から現況のまま、その処分見込価額を控除した金額を「除却損」として計上できる制度だ。不要資産を抱え込んでいる会社にとってはなんともありがたい。


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2019年7月 5日 金曜日

Vol.0500

<タックスニュース>

納税者の反論  一部でも認められたのは6件

 国税の課税処分を不服とする納税者が起こした裁判のうち、主張が一部でも認められたのは3・4%にとどまるとのデータを国税庁が発表した。前年から6・6ポイントの減少。納税者の主張が認められるかは個々のケースによるものの、国税を相手取った裁判で勝つのは極めて"狭き門"であることが改めて表れたかたちだ。
 国税庁がこのほど公表したデータによれば、2018年度に終結した国税訴訟は177件あった。そのうち取り下げや棄却を含めて国税の主張が全面的に通ったのが171件だった。一方、納税者の主張が一部認められたもの(一部認容)は3件、全面的に認められたもの(全部認容)は3件あった。合わせて6件で、全体の3・4%に当たり、前年度の一部認容10件、全部認容11件から大きく減った。
 また18年度に新たに発生した訴訟は181件で、前年度より1割弱減っている。税目別に見ると最も多かったのは所得税を巡る60件で、次いで法人税53件、相続税・贈与税20件、消費税13件と続いた。徴収手続きなどに関するものも26件あった。国税を相手取る訴訟は全体的に減少傾向にあり、近年のピークだった11年には391件発生したが、そこから7年で半分以下に減っている。
 納税者が異議を申し立てる方法は三段階あり、訴訟はその最終段階となるものだ。その前の第二段階は、国税不服審判所への審査請求で、第一段階が再調査の請求となる。国税庁はこの再調査の請求についてもデータを発表していて、18年度には2150件の再調査請求が処理されている。こちらで納税者の請求が認められた割合は12・3%だった。認められた264件のうち、一部認容が237件、全部認容27件となっている。
 なお16年4月からは、再調査の請求を省略して不服審判所に審査請求ができるようになっている。その影響で、再調査請求の件数は15年の3200件から16年には1805件、17年には1726件と激減していたが、18年度には2150件と再び増えている。


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<タックスワンポイント>

共有の土地を分割すると税金かかる?  土地の交換は等価でも原則課税

 相続などをきっかけに共有状態になった土地を、後から「やはりそれぞれ自分で所有したい」と考えて分割したとする。その時、分割後の土地の価額の比率が、もともと共有状態だった時の両者の持ち分の差におおむね等しければ、どちらにも譲渡所得税が課されることはない。
 例えば持ち分1:1で共有していた土地を、そのまま半分に分けたケースなどがこれに当たる。両者の持ち分が対等である必要はなく、もともとの持ち分が4:1であれば、分割後のそれぞれの土地の価格が4:1であれば課税関係は生じないということだ。価額についても厳密に持ち分通りである必要はなく、「おおむね等しい」と言える割合であればよい。要件となっているのはあくまで「価額」であるため、「面積」に差があっても問題ない。なお、分割の際に必要となった測量費用などは原則として取得費に加算される。
 ひとつ気を付けたいのは、例えばAとBという2つの土地をそれぞれ1:1で2人が共有していた時に、「共有状態は不便なので、あなたの持つAの持ち分を私にください。私はBの持ち分をあなたにあげます」というようなケースだ。たとえ結果としてそれぞれ相手に渡した土地の価額が等しかったとしても、この場合には原則として譲渡所得税が課されてしまう。ただしこの場合でも、一定の要件を満たせば課税を免れる特例がある。特例を利用するための要件とは、(1)1年以上所有していた土地であること、(2)交換のためにわざわざ取得した土地でないこと、(3)交換後も元の用途と同じ使い方をすること、(4)両者の差額が2割を超えないこと――などだ。


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2019年6月28日 金曜日

Vol.0499

<タックスニュース>

節税保険の見直し  がん保険の実態調査へ

 中小企業の経営者向けの「節税保険」の課税ルール見直しを巡り、国税庁は法人契約のがん保険について契約の実態を調査することにした。がん保険については4月に課税を強化する方針を決めたが、生保業界の猛反発を受けて事実上の撤回に追い込まれている。調査の結果を踏まえ、改めて判断する。
 国税庁は4月に示した課税見直し案で、経営者の死亡に備えた保険だけでなく、がん保険なども一律に課税を強化する方針を打ち出した。生保各社が終身契約のがん保険について、保険料の支払期間を短縮するケースが増えてきたためだ。アフラック生命保険や第一生命グループのネオファースト生命保険などは、2年払いや3年払いに切り替えた。終身払いだと年間数万円程度の保険料だが、短期払いでは年間数百万円の保険料を損金として算入できる仕組みで、節税効果が大きく向上。こうした「節税保険」では、中小企業の経営者の死亡に備えた商品の販売合戦が過熱した。保険料を全額損金算入できる上に、一定の期間を過ぎてから解約すると支払った保険料の大半が返ってくるため、解約を前提とした販売が広がっていた。
 見直し案では、解約時に戻ってくる保険料の割合を示す返戻率が50%以下なら保険料の全額損金算入を認めるが、50%を超えて節税効果が大きい場合には損金に算入できる割合を制限。過熱した節税保険ブームに歯止めをかけようとした。しかし国税庁は2012年の法人税通達で、福利厚生などの目的で企業が契約して保険料を支払い、経営者や従業員が非保険者になる商品について、返戻金がなければ保険料の全額損金算入を認めていた。このため、生保各社から「手のひら返しだ」と批判が殺到し、再検討に追い込まれた。


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<タックスワンポイント>

お墓の購入は増税前に駆け込め  引き渡し期限は19年9月末日

 2度の延期を経て、今回こそは消費税率10%への引き上げが現実のものとなりそうだ。住宅や自動車などの高額商品をはじめ、様々な業界が駆け込み需要を期待して営業攻勢をかけている。なかでも最近になって活気づいているのがお墓の業界だ。墓石は、中国産の廉価品でも80万円以上、最高級の香川の庵治石となれば800万円クラスもざらにあるほど高額な買いものだ。消費税率2%の違いは大きいだけに購入者が相次いでいるという。
 一般に、「お墓を買う」と言うが、実際には墓地の購入とセットだ。お寺や霊園などから墓地の永代使用の権利を購入し、そこに別業者である墓石屋から墓を買って設置する。
 注意したいのは、実際に墓が完成するまでに1~2カ月はかかることだ。予定通り消費税率が引き上げられたとして、現行の税率適用は2019年9月30日までであるため、それまでに墓の引き渡しが完了していることが8%税率の適用条件となる。契約済状態であっても実際に墓が建立していなければ税率引き上げ後の10%となる。
 なお、墓は消費増税を見越した購入だけでなく、相続税の節税対策としても効果的だ。相続税法では、墓地や墓石は被相続人が生前に取得していれば相続税の対象外の財産となる。また、墓地の購入は、法的には「所有権」ではなく「使用権」となるので、購入時の不動産取得税や購入後の固定資産税などもかからない。生きているうちに高額なお墓を買うことで財産を減らせるため、効果的な節税対策となり得る。
 また、高額商品の購入では、ポイント還元やマイレージ加算のメリットを考えてカード決済にする人もいるだろうが、ローンを組んで相続対策をする場合は、支払いはあくまでも生前のうちに完了している必要があることも覚えておきたい。


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2019年6月21日 金曜日

Vol.0498

<タックスニュース>

タックスヘイブン対策税制適用  サンリオVS国税法廷へ

 ハローキティなどのキャラクター商品などを手掛けるサンリオ(東京都品川区)は6月11日、東京国税局から受けた約11億円の追徴課税処分を不服として、処分の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こした。国税は海外子会社を企業実態のない「ペーパーカンパニー」と認定して課税処分を決定したが、サンリオは徹底的に争う構えだ。
 サンリオが東京国税局から申告漏れを指摘されたと発表したのは2017年12月だ。香港にある子会社の所得を巡り、法人税率の低い国に税逃れ目的で中身のない子会社を設立した企業に適用される「タックスヘイブン対策税制」を適用されたことが理由だった。ハローキティなどのなどの人気キャラクターを商品化するライセンスビジネスなどを行う香港の子会社2社が、12年からの4年間でおよそ28億円を申告していなかったとされた。
 同社に適用されたのは、税率の低い国や地域に実体のない会社をつくる企業に対して、過度な節税を防ぐことを目的として導入された「タックスヘイブン対策税制」だ。通常、日本では海外子会社の所得には課税されないが、法人税率が過度に低い国や、法人税のない国に子会社を設立し、その子会社に主たる事業の実体がなく関連会社の株式保有や資産管理だけが目的と判断されたときには、親会社の所得と合算して日本の法人税率で課税されることとなる。以前は「これ以上法人税率が低ければ対象となる」というトリガー税率が設定されていたが、世界的に法人税の減税競争が激しくなるなかで17年度に税率基準が原則的に廃止され、現在は税率にかかわらず事業の実体をもって判断することとなっている。
 東京国税局はサンリオの子会社2社について、現地に子会社を設立する経済的合理性がなく実体のない税逃れのための法人だとして、親会社であるサンリオの所得と合算すべきと認定した。これに対してサンリオは、「子会社は、現地の消費者の嗜好を反映する当社キャラクターのローカライズ(現地化)業務やキャラクタービジネスを展開するという積極的な経済合理性を有」すると反論し、処分の取り消しを求めて再調査請求を行ったが、棄却されたとしている。
 同社は今月11日に訴訟の提起をホームページ上で報告し、子会社がタックスヘイブン対策税制を適用された件について改めて反論した。併せて、昨年7月に国税不服審判所に審査請求を行い、現在も審査中であるとしながら、「請求を行ってから3カ月以上経過し、法令上、取消訴訟を提起できる状況になった」として、提訴に踏み切った理由を説明している。
 タックスヘイブン対策税制を巡っては、自動車部品大手のデンソーが複数の海外子会社について計70億円の追徴課税を課され、最高裁まで争った結果、全面的な処分取り消しを勝ち取ったケースがある。判決では、シンガポールにある子会社の収入、所得、人員などの状況を総合的に考慮した結果、子会社の事業を「相当規模の実態がある」と認定した。サンリオの子会社についても同様に、実際の子会社の業務や人員状況などが課税処分の正当性を判定するポイントとなりそうだ。


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<タックスワンポイント>

風疹の予防接種費は控除できず  自治体が費用助成も...まずは抗体検査を

 昨年から全国で風疹が流行している。5月12日までに報告された今年の患者数は1486人で、国立感染研究所が風疹の流行に関する緊急情報を出すに至っている。風疹は本人自身に高熱や発疹といった症状を引き起こすだけでなく、咳などによる飛沫感染で広がり、特に妊婦が感染すると流産リスクが高まったり生まれてくる赤ちゃんに障害を生じさせたりする恐れがある。今年に入ってすでに2人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが報告されているという。
 また、今年は風疹だけでなくはしかも流行していて、5月までで昨年の感染者数の倍以上の患者が報告されている。しかも、こうした流行は日本だけの現象ではなく、世界中で一度は減少したはずのこれらの感染症の患者が増えている現状がある。その背景には各国の保健政策の変遷のなかで十分な予防接種を幼少期に受けられなかった"空白世代"が生じていることや、ワクチンの効果への不信などから子どもにあえて予防接種を受けさせない親の増加などがあるという。
 ともあれ、自分のためだけでなく家族や周囲のためにも、これらの予防接種を受けていない人はなるべく早く接種を受けるべきだろう。子どもの頃に接種を受けたかどうか覚えていないという人は、病院で検査を受けることで自分が抗体を持っているかを確認できる。
 ただし覚えておきたいのは、風疹やはしかの抗体検査や予防接種の費用は、医療費控除の対象にはならないことだ。医療費はあくまで病気やけがの治療にかかる費用を指し、病気にかからないために受ける予防接種は該当しないというのがその理由で、これはインフルエンザなどにも当てはまる。
 とはいえ風疹の抗体検査には約5千円、予防接種にも同じくらいの費用がかかる。家族全員が受ければ少なくない出費となってしまうが、そうした時は自治体のホームページをチェックするようにしたい。現在の風疹の流行を受けて、多くの自治体では抗体検査や予防接種費用の助成を行っている。例えば東京都千代田区では、19歳以上の女性で妊娠予定、または妊娠を希望する人、そのパートナーや妊婦のパートナーおよび同居家族、予防接種の"空白世代"に当たる30~50代の男性――のいずれかの条件を満たす人に対しては、無料で抗体検査と予防接種を実施している。自治体によって細かい条件は異なるが、全額無料としているところも多いので、この機会に抗体検査や予防接種を受けることをお勧めしたい。はしかについても同様に助成を行っている自治体もあるので、併せてチェックしたいところだ。


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2019年6月14日 金曜日

Vol.0497

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仮想通貨の税務  50人と30社で申告漏れ100億円

 仮想通貨取引について、全国の国税当局が総出で税務調査を実施したところ、少なくとも50人と30社が総額約100億円分を申告していなかったことが明らかになった。東京国税局が都内にある複数の仮想通過交換業者から顧客データを取り寄せて分析し、売却益が膨らんでいた個人と法人を抽出した。このうち70億円以上は、親族や知人の名義による口座で取引したり、取引の記録を残していたにもかかわらず意図的に売却益を少なく見せかけたりしており、重加算税の対象となる所得隠しに該当すると認定された。特に高額なケースや悪質な事例は、検察当局に脱税容疑で告発することを検討しているという。
 また、国税庁は5月31日、個人による2018年分の個人の確定申告で、仮想通貨(暗号資産)取引を含む「雑所得」の収入が1億円以上となった「億り人」が前年比で18%減の271人だったと発表した。相場が下落基調だったことが響いたとみられる。一方、今年3月までの数年間で仮想通貨を巡って計約100億円の申告漏れが発生していたことも判明し、課税逃れが横行している実態が浮き彫りになった。
 国税庁によると、18年分の所得税の確定申告を提出したのは2222万人で、所得額は計42兆1274億円だった。
 このうち公的年金以外の雑所得の収入が1億円以上あった465人を確認したところ、271人に仮想通貨取引による収入があった。ただし仮想通貨の売却などで損益を確定し、確定申告を行った人だけであり、国税庁幹部は「申告していないケースが相当ある」とみる。


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<タックスワンポイント>

定期同額給与は総会翌月の改定でもOK  決定と支給のタイミングがズレても問題なし

 従業員への給与とは異なり、役員報酬は厳しい条件をクリアしないと会社の損金にできない。これは、報酬額を決める立場にある役員が自由に額を設定できると、会社の業績に合わせて利益調整ができてしまうからだ。
 役員報酬が損金として認められる方法はいくつかあるが、その代表的なものが、定期同額給与だ。「一定の期間ごとに支給し、毎回の支給額が同額」という定期同額給与の条件を満たすことで、中小企業の経営者の多くが月々の報酬を損金化していることだろう。
 役員が報酬額を見直したい時には、原則として事業年度開始の日から3カ月を経過する日までに改定を行わなければならない。例外として生命保険会社などは、社員総会の開催が事業年度開始から4カ月までに開催されるため、4カ月以内の改定も認められている。
 では、事業年度が4月に始まる会社が、6月25日に開催した株主総会で役員報酬の額を改定したとしよう。この会社は毎月末日が給与の支給日であるため、実際に改定後の報酬額が反映されるのは、次の7月31日支給分からになってしまう。こうしたケースでは、事業年度開始から3カ月をオーバーしたため、役員報酬を損金にすることができないのだろうか。答えはノーで、問題なく損金化が可能だ。
 国税庁のQ&Aではこうしたケースに対して、「6月25日から開始する職務執行期間に係る最初の給与の支給時期を、総会直後に到来する6月30日ではなく、その翌月の7月31日であるとする定めも一般的と考えられます」と許容している。たとえ実際の支給日が事業年度開始から3カ月をオーバーしていても、ちゃんと定期同額給与として認められるわけだ。もちろん総会直後の6月30日支給分から改定が反映しても、改定前の4?5月、改定後の6月?翌年3月の給与が同額であれば、そちらも問題なく定期同額給与となる。
 その他、例外的に事業年度の途中での改定が認められる理由としては、役員の職制上の地位の変更があったり、職務内容の重大な変更があったりした時(臨時改定事由)や、事業年度中に法人の経営の状況が著しく悪化した時(業績悪化改定事由)などがある。これらの理由もなく、例えば事業年度開始から半年後に役員給与の改定をすれば、改定前と改定後の差額は損金にできないので注意したい。


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