タックスニュース

2018年1月19日 金曜日

Vol.0434

<タックスニュース>

税制改正経費が1・8倍に増加  「特別機動国税徴収官」を新設

 国税庁の2018年度予算は7026億4700万円で、17年度当初予算の7004億1600万円から22億3100万円増えて0・3%の微増となった。
 内訳を見ると、17年度より金額が増加したのは情報化経費、納税者利便向上経費、税制改正関係経費などで、特に税制改正経費は19年10月に控える消費増税への対応のためか、前年比79・8%増と著しい伸びを見せている。
 一方、導入3年目を迎えるマイナンバー制度の関連費用は55億5300万円から53億5900万円へと微減した。
 人員面では前年から1061人を増員するものの、同時に定員合理化によって1054人が削減されるため、18年度の定員は5万5674人で前年度より7人の増加となる。
 役職で見てみると、大型の滞納案件に対応するため、東京国税局に「特別機動国税徴収官(仮称)」の新ポストを導入するほか、海外資産を持つ富裕層や企業の国外取引への備えとして各国税局に国際税務専門官を増員し、各地の税務署にも特別国税徴収官を増やすなど、インターネットを通じた国際取引や富裕層の海外資産、税滞納に対応するための人員が多く割かれた。


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<タックスワンポイント>

1人千円課税の出国税は19年から  年間400億円の税収見込み

 税制改正で創設される「国際観光旅客税(通称、出国税)」は、2019年1月7日にスタート予定。恒久的に課税される国税として「地価税」以来の27年ぶりの新税だ。外国人、日本人にかかわらず、出国時に1人1千円が課税される。外国人観光客は帰国時のみだが、頻繁に海外出張する日本人ビジネスマンは少々負担が多くなる。ちなみに海外では出国税は珍しくない。韓国は約1千円、アメリカは外国人だけ約1500円、ドイツは航空券税で約1千円~6千円、オーストラリア約5300円など。
 今回の出国税は、2020年の東京オリンピックに向けて急増する外国人旅行客を見込んでいる。政府は3年後の訪日外国人旅行客の目標数を年間4千万人と設定。2016年は2400万人だったが、その1・7倍だからかなり強気だ。達成すれば国に年間400億円の税金が流れ込むことになる。
 財源の使途は、「快適に旅行できる環境整備」「国の魅力に関する情報の入手の容易化」「観光資源を整備し、地域での体験満足度を向上」とする。だが、まだ具体的な政策は見えてこない。一方で、外国人観光客の急増で、「観光公害」が続出している。観光地で地元民が路線バスに乗れない、民家で許可なく宿泊させるヤミ民泊が横行するなどのトラブルが深刻化。実質的な「環境整備」を行うなら、観光関連業者はもちろん、地域住民の要望やアイデアを柔軟に取り入れてほしいものだ。


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2018年1月12日 金曜日

Vol.0433

<タックスニュース>

ビットコイン乱高下  荒れ相場は継続の模様

 インターネット上で取引される仮想通貨の代表格「ビットコイン」の価格が乱高下している。12月17日に国内の主要取引先で1ビットコイン=220万円を超えたかと思った矢先、約1週間後には最高値から39%下落し、140万円を割り込んだ。適正な価格水準が見極めにくく、しばらくは荒れた相場が続きそうな情勢だ。
 仮想通貨の国内大手取引所「ビットフライヤー」では、昨年1月に1ビットコイン=10万円程度だったが、12月に米国で先物市場が開設されることが決まると、機関投資家などからの資金流入を予想した思惑買いが進み、約11カ月間で20倍超も上昇。新しいコインへ枝分かれする分裂が今後も見込まれることも値を上げる追い風になり、17日には220万円台をつけた。市場では「既にチューリップバブルを超えた」との指摘も出た。ところがその後は、利益確定売りが続き、22日には前日の最高値から30%超値を下げ、130万円台まで急落した。
 黒田東彦日銀総裁が21日の記者会見で、「今のビットコインは、投資ないし投機の対象になっている」と発言するなど、各国の政策当局者らからビットコイン相場の過熱をけん制する発言が出たことも、投資家による売りにつながった可能性がある。12月25日には若干値を戻し、160万円台で推移した。
 ビットコインは、需要が増えても供給量がそれに見合う分だけ増加しない仕組みのため価格が急騰しやすい。ビットコインに詳しいアナリストは「妥当な価格水準が分からないまま、多くの投資家が値動きに応じて売り買いしている状況。適正な価値形成には時間とルール整備が必要だ」と分析する。


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<タックスワンポイント>

「家賃には消費税なし」の落とし穴  インターネット料金は課税対象

 資産運用を目的とした副業、あるいは相続税対策として、不動産経営をする人が増えている。家賃という名の収入を生む不動産は「収益物件」と呼ばれるが、ひと口に収益物件といっても、居住用の物件もあれば、店舗、事務所、倉庫、宿泊施設などその種類には様々なものがある。
 どれも入居者から賃料をもらって賃貸経営を行う点では同じだが、税金面から見れば、収益物件は入居の目的が「事業」か「居住」かで、明らかに異なる。具体的には、入居者からもらう賃料に消費税がかかるかどうかだ。
 まず物件を店舗や事務所として貸した時には、入居者からは必ず消費税を含んだ賃料をもらうことになる。家賃、管理費、共益費、礼金にはすべて消費税がかかってくる。一方、居住用のアパートやマンションの入居者からもらう家賃には、消費税が含まれない。同様に管理費、共益費、礼金も非課税となる。
 なぜアパートやマンションなどの入居者からもらう家賃には消費税がかからず、店舗や事務所の家賃には消費税がかかるのかというと、「ただそこに住むだけ」ならばそこから収益が発生することがないので、消費税の担税力がないと見なされるからだ。逆に言えば、事務所の賃貸は、黒字と赤字を問わず収益が発生するので消費税の担税力があると見なされることになる。
 ところが、純粋に居住用物件とされるアパートの入居者からもらうお金でも、消費税が含まれる支払いも存在する。具体的にはインターネット利用代、駐車場代、電気代、クリーニング代などで、家賃、管理費、共益費、礼金、保証料以外のほとんどの支払いには消費税が発生することになる。家賃に関するものは消費税がかからないが、入居者が設備を利用したりサービスを受けたりするようなものについては消費税を含んだ料金をもらうことになるわけだ。この時、物件オーナーが個人か法人かは関係ない。


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2018年1月 5日 金曜日

Vol.0432

<タックスニュース>

サンリオと国税が対立  海外子会社巡り11億円追徴

 キャラクター商品などを手がけるサンリオ(東京都品川区)はこのほど、香港にある子会社の所得をめぐって東京国税局から28億円の申告漏れを指摘されたと発表した。法人税率の低い国に税逃れ目的で中身のない子会社を設立した企業に適用される「タックスヘイブン対策税制」を適用されたことが理由。同社は追徴税額11億円をすでに納付したが、子会社にはタックスヘイブン対策税制を適用されない事業実体があるとして、今後再調査請求や国税不服審判所への不服申立てを行っていく方針を明らかにしている。同税制の適用の可否をめぐっては、2017年10月に、自動車部品大手のデンソーが受けた追徴課税処分約70億円余りが取り消される最高裁判決が出ている。
 サンリオが申告漏れを指摘されたのは、ハローキティなどのなどの人気キャラクターを商品化するライセンスビジネスなどを行う香港の子会社2社。12年からの4年間でおよそ28億円を申告していなかったとされた。
 同社に適用されたのは、税率の低い国や地域に実体のない会社をつくる企業に対して、過度な節税を防ぐことを目的として導入された「タックスヘイブン対策税制」だ。海外子会社の所得には通常、日本では課税されないが、法人税率が過度に低い国や、法人税のない国に子会社を設立し、その子会社に主たる事業の実体がなく関連会社の株式保有や資産管理だけが目的と判断されたときには、親会社の所得と合算して日本の法人税率で課税されることとなる。従来は「これ以上法人税率が低ければ対象となる」というトリガー税率が設定されていたが、17 年度税制改正で税率基準は原則的に廃止され、現在は税率にかかわらず事業の実体をもって判断することとなっている。
 東京国税局は、サンリオの子会社2社について、現地に子会社を設立する経済的合理性がなく実体のない税逃れのための法人だとして、親会社であるサンリオの所得と合算すべきと認定した。これに対してサンリオは12月15日付けで声明を発表し、「子会社は、現地の消費者の嗜好を反映する当社キャラクターのローカライズ(現地化)業務やキャラクタービジネスを展開するという積極的な経済合理性を有」すると反論。課税処分について「事業実態が十分に考慮されず誠に遺憾であります」として、主張の正当性を訴えていくと発表した。
 タックスヘイブン対策税制を巡っては、デンソーへの課税処分を取り消す判決が最高裁で17年10月に確定したばかりだ。判決では、シンガポールにあるデンソー子会社の収入、所得、人員などの状況を総合的に考慮した結果、子会社の事業を「相当規模の実態がある」と認定した。サンリオの子会社についても同様に、実際の子会社の業務や人員状況などが課税処分の正当性を判定するポイントとなりそうだ。


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<タックスワンポイント>

土地の分け方も工夫次第で相続税額大幅減  数少ない事後対策のひとつ

 相続税対策と言えば財産贈与や現金の不動産化などの生前対策がほとんどであり、相続発生後は有利な特例を不足なく利用することがメインで、新たに講じることが可能な節税策は数少ない。
 しかし限られた事後対策の中でも大きな節税効果を見込めるのが、土地の分け方を工夫することだ。
 道路に面している部分が20メートル、奥行きも20メートルの土地の相続税評価額が1億2千万円だとする。相続人はふたりで、一つの土地として登記されている土地を複数に分ける「分筆」により、200平方メートルずつ分け合うことになった。シンプルな分け方は道路部分10メートル×奥行き20メートルの土地二つに分筆することだろう。このケースでは、それぞれの土地の相続税評価額は6千万円ということになる。
 これに対し、例えば一つの土地を道路部分16メートル×奥行き12・5メートルの宅地にすると、残りの土地はL字形のいわゆる「旗竿地」になり、その土地は間口が狭まるので1割程度減額されることになる(減額率は形状や用途地域により変動)。四角の土地の評価額は通常の分け方と同様に6千万円だが、旗竿地は減額率が1割だとすれば5400万円となり、土地全体で600万円も財産評価額を減らせることになる。
 分筆で評価額を減らすコツは、宅地として使いやすい四角の土地だけではなく、使い勝手の悪い不整形地をつくることだ。ただし、道路に接しない土地や三角形の土地など宅地として通常使えない土地を分筆で生じさせると、単に相続税の節税だけを目的にした不合理な分割と税務署に判断され、評価減が認められないことがある。


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2017年12月27日 水曜日

Vol.0431

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米・税制改革法案が可決  プロのロビイストが躍動

 米議会下院は12月20日、法人税率の大幅な引き下げなどを柱とする税制改革法案の最終案を賛成多数で再可決した。現行の35%から21%まで大幅に引き下げられる。
 今回の税制改革はトランプ政権にとって大きな業績となるが、改革案を巡っては、特定業界や企業に有利になるよう働きかける「ロビイスト」の躍動も大きかったとされている。
 日本では、政治家への陳情や働きかけといったロビー活動を行うのは、主に業界を代表する団体や利益団体といった当事者だが、米国では自身の政治信条はさておき、依頼者が望む政策を実現することで報酬を受け取る、いわばプロの個人ロビイストやロビー団体が存在する。ロビー活動を行う個人や団体は法律で登録を義務付けられ、トランプ政権の税制改革が動き出した今年に入り、新規に登録されたロビー団体は500団体を超えたという。
 今回の税制改革はトランプ大統領が「レーガン政権以来30年ぶりの大型減税」と謳うだけに、少しでもクライアントに有利な政策を引き出そうと、各ロビー業者がしのぎを削ったようだ。


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更正処分を覆すまでの長い道のり  不服審判所では納税者9割負け

 税務署の更正処分に不服がある納税者は、税務署に再調査を依頼するか、あるいは「国税不服審判所」の審査を受けて処分内容の変更を求める。平成28年3月以前は税務署の再調査を受けた後でなければ審判所の審査を受けられなかったが、当局に重大なミスがない限り再調査で処分内容が覆ることがほぼなかったこともあり、納税者の利便性向上のために直接審査請求できるようになった。
 ただ、審判所でも納税者の望みのとおりに処分内容が覆ることは、ほとんどない。最新のデータによると、平成28年度の審査のうち納税者の主張が全部認められたのは2・5%で、何らかの形で認められたものでも12・3%に過ぎなかった。約9割が取り下げ、却下、棄却のいずれか、つまり納税者の"負け"となっている。
 このような実態からよく言われる「国税職員が審判するのだから処分が変わるわけがない」という主張は、当たらずとも遠からず。審判所は昭和45年に「国税庁の附属機関」としてスタート。現在は「特別の機関」とされ、国税処分に関する裁決権を国税当局の支配を受けずに行使するという点で独立した立場だが、国税当局に設置される機関であることに変わりはない。当局以外の人材も審判に関わるものの、国税内部の異動で審判所配属になることも多い。税務署の判断と異なる裁決は出にくい仕組みと言えるだろう。
 ちなみに国税処分に関する裁判は、審判所の審査を経た後でなければ提起できないことになっている。自分の主張が正しいと信じていても、処分の見直しを勝ち取るのは容易ではない。


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2017年12月22日 金曜日

Vol.0430

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1人1回1000円徴収  「国際観光旅客税」19年1月開始

 政府・与党が2018年度税制改正に向けて検討していた、日本からの出国時に1人1回1000円を徴収する新税「出国税」は、「国際観光旅客税」と名称を変更して決着した。自民党内からの提言などを受けて一時は「観光促進税」とすることで検討していたが、関係者によると、内閣法制局から名称には課税対象を示す必要があることを指摘されて「旅客」を入れるように変更したという。導入は19年1月7日から。
 国際観光旅客税は、日本人、外国人を問わず日本を出国する旅行者らから、航空券などの代金に上乗せして徴収する。海外から到着して24時間以内に出国する乗り継ぎ客や、2歳未満の子どもは対象から除く。政府・与党は当初、19年4月の導入を検討していたが、中国からの観光客が増える旧正月(2月)前や、日本の年末年始の休暇が終わった後の時期を考慮し、1月初旬に前倒しした。
 16年の出国者数約4100万人(日本人約1700万人、訪日客約2400万人)で計算すると約410億円の財源規模となり、税収分は観光関連の政策に使う。出入国手続きの円滑化や海外での誘致宣伝強化、地域観光資源の整備などを想定するが、これまで無駄遣いが指摘されてきた特定財源とはせず、一般会計に入れて配分する。
 ただ一般会計だと、観光以外の政策に多く使われる可能性がある。そのため、政府は年明けの通常国会に観光関連の法案を提出し、財源の多くが観光関連の政策に振り向けられるようにする方針だ。


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クレカ納税で貯まるポイント  還元率と手数料を比べてお得度を確認

 わざわざ金融機関などに足を運ばなくても税金の納付ができる方法として、クレジットカード納税を利用している人は多い。以前は地方税の自動車税など限られた税目のみでクレカ納税が可能だったが、今年1月からは国税でも認められるようになり、対象税目が一気に広がったことも利用者増に拍車をかけている。国税のクレカ納付には税目の制限がほとんどなく、所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税といったメジャーな税目から、印紙税やたばこ税、登録免許税までほぼすべての税目に対応している。
 クレカ納税のメリットには、ダイレクト納付や振替納税といった他の方法に比べても手続きが簡単なことがある。専用の「クレジットカードお支払サイト」から税金の種類や金額、クレカ情報を入力するだけで手続きが完結する点は、クレカ納税の大きな特徴だ。
 そして何よりクレカには「ポイント」が付いてくる。相続税や法人税では税額が百万円を超えることも珍しくはない。クレカ納税の上限として税額1千万円未満かつカードの支払い限度額までという枠が設けられているが、この上限は手続き1回ごとの額のため、複数の税目をクレカで納めれば、それだけで1年間の取得ポイントが数十万円分になる可能性もある。
 ただしポイント目当てでクレカ納税を利用するなら、忘れてはいけないのが手数料だ。国税のクレカ納税では、税額1万円ごとに76円(1万円未満でも76円)の手数料が発生する。率に換算すると0・76%だ。つまり0・76%超のポイント還元率の付いたカードなら得をするが、還元率がそれ以下だと手数料で損をすることになる。還元率は会社やカードによって様々なので、クレカ納付を利用する際には必ずチェックしたい。
 言うまでもないが、分割払いやリボルビング払いは金利や別途手数料によって損をする可能性が高まる。一括納付できないような額をクレジットカードで納めるべきではないだろう。


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