タックスニュース

2020年3月13日 金曜日

Vol.0533

<タックスニュース>

コロナ追加対策  特別貸付を創設へ

 新型コロナウイルスによる感染拡大が収まらないなか、与党の間では、2020年度補正予算案の検討を求める声が高まっている。国会では、衆院は通過したものの、参院で20年度当初予算案の審議が始まったばかりだが、ある与党議員は「消費税増税後に落ち込んだ景気をここで支えなければ、取り返しがつかないことになる」と危機感をあらわにしている。
 自民党は3日、観光業やホテル、旅館業界の団体から意見を聴取する会合を開いた。団体の関係者からは、当初は中国人観光客の減少だったが、「今では国内からの旅行客もおらず、経営が非常に厳しい」との意見が出た。政府が大規模なイベントやビュッフェ形式の食事など、不特定多数の人が接触する場所に集まるのを自粛するよう呼び掛けたことを受け、「宴会の需要も激減した。食料を納入する業者など、影響は広範囲にわたる」との懸念が示された。
 与党が政府へのさらなる対策を求めるのは、感染拡大が進み、政府が求める自粛が広がるなか、幅広い業種で実質的な影響が出ているためだ。自民党幹部は「東日本大震災やリーマン・ショックの時と比べても、経済へのインパクトは大きく、先行きが心配だ」と語る。これらの懸念が20年度補正予算案の検討を求める動きを後押ししている。
 自民党が提言する追加対策は、資金繰り支援として、日本政策金融公庫による「コロナ対策特別貸付」の創設。北海道など経済の影響が深刻な地域を念頭にした。さらに、雇用調整助成金の助成率引き上げや非正規雇用などへの対象拡大なども必要だとした。
 自民党の岸田文雄政調会長から党の提言を受け取った安倍晋三首相は3月3日、「(経済の)インパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策をまとめていく」とし、前向きな姿勢を示した。
 今夏の東京五輪の開催を危ぶむ声も出るなか、与党からは「国民から求められているのは、感染拡大と経済の停滞を止めること。そのためにはあらゆることをすべき」との意見強まっており、さらなる経済対策を求める声は、しばらくやみそうもない。


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<タックスワンポイント>

今さら聞けない総合課税と分離課税の違い  10種類の所得と2種類の課税方式

 所得税は、昨年の所得を合計して税額を決定するが、ややこしいのは所得の種類によって「総合課税」と「分離課税」に分かれていることだろう。確定申告などで耳にすることの多い言葉だが、実はよく分からないという人も少なくないので、ここでおさらいしておく。
 まず、所得はもらったお金の性質によって、不動産(所得、以下略)、事業、給与、退職、山林、利子、配当、譲渡、一時、雑――の10種類に分けられる。余談だが、税理士試験の受験生は各所得の頭文字を取って「富士急で退散し、利子配当を譲渡して一気に雑所得」などと覚えるらしい。
 所得税は基本的には総合課税がベースで、各所得を総合して税額を決めることになっているが、一部はその総額計算から除かれる。それが、退職所得と山林所得、それに株で儲けたときの譲渡所得や銀行預金にかかる利子所得、また先物取引などによる雑所得などだ。これらは大きな所得になることが多く、総合課税で計算すると所得税額が跳ね上がってしまうことから設けられたルールとされている。利子などはどれだけあっても一律20.315%の税率で済むようになっているため、富裕層への優遇措置であるとして見直しを求める声も根強い。


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2020年3月 6日 金曜日

Vol.0532

<タックスニュース>

固定資産税の過徴収で大阪市が最大50億円返還も  20年超の賠償を初認定か

 大阪市が独自に規定した固定資産税の評価ルールを巡り、同税を過大に徴収された市民に対し、最大50億円分を返還する可能性が出てきた。同ルールを巡って争われている裁判で、国家賠償法の期限である20年を超える過徴収についても市の責任を認める可能性が高くなったためだ。固定資産税の過大徴収は全国で起きていて、数十年にわたって行われていた例も少なくない。来月24日に言い渡される判決次第では、全国の同様の事例に影響を及ぼす可能性がある。
 固定資産税の税額を計算する基礎となる評価額は、原則として国が規定した「固定資産評価基準」が用いられる。しかし同税は地方税であるため、実際の運用に当たっては、一定範囲内で自治体ごとの独自ルールを用いることも認められている。
 大阪市が訴えられたのは、マンションの構造に利用されていた「PHCくい」の評価方法。PHCくいについては、国が2005年に基準となる評価額を定め、自治体の裁量で最大5倍までの評価額を許容している。大阪市が定めていた評価ルールは国の上限を超えるものだったが、市が独自ルールを定めたのは国が基準を規定するよりはるかに以前の1978年だったため、これまで問題視されてこなかった。
 しかし6年前に納税者が賠償を求めて裁判を起こし、最高裁まで争った結果、昨年12月に独自ルールの違法性が認められた。それを受けて大阪市は今年2月21日に、今後の対応として、同様の基準で過大徴収されてきた市民3万人に対し、過大分に当たる約16億円を返還する方針を発表している。
 大阪市が返還するとした約16億円はそれだけでも大きな額だが、過大徴収してきた全額ではない。というのも、国家賠償法では税などの過大徴収について20年の時効を設けていて、大阪市もそれに従って2000年以降の20年分にのみ返還に応じるとしているためだ。独自ルールが設けられたのは42年前なので、過大徴収されてきた期間の半分以上は戻ってこないということになる。
 そこで別の納税者が、20年を超えて市への請求権を求める裁判を起こしたところ、一審・二審では市が勝訴したが、最高裁は2月25日、原告と被告双方の主張を聞く弁論を開いた。弁論は二審判決を覆す際に開かれることから、「大阪市は20年を超えて過大徴収については返還すべき」と認められる可能性が高い。判決は3月24日に下される予定だ。
 もし最高裁で納税者が逆転勝訴すると、大阪市はルールを規定した1978年以降の全ての過大徴収に対して返還する義務が生じる可能性がある。そうなれば返還額は最大50億円に達するとみられる。
 さらに判決の影響は大阪市だけにとどまらない。例えば茨城県つくば市で17年に発覚した固定資産税の過大徴収は過去40年にわたって行われていたことが明らかになっている。市は国家賠償法に基づき20年分、約1億7千万円を返還したが、大阪市の判決を受けて納税者が20年を超える部分についても賠償を求めれば応じざるを得ないだろう。
 地方税法では、固定資産税について土地の現況などを定期的に確認する事を求めている。しかし実際には、一度算定された税額は増築や取り壊しなどの変化がないかぎりノーチェックで据え置きにされることがほとんどで、一度誤った計算方法によって算定された税額が数十年にわたって放置されることも珍しくない。大阪市のような過大徴収は全国で発覚しているため、「次は自分の番か」と首をすくめて来月24日の判決を注視している自治体は多いはずだ。


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<タックスワンポイント>

コロナで中国人客が激減  雇用調整助成金の要件緩和は条件アリ

 新型コロナウイルスの流行で、国内の中小企業が深刻なダメージを受けている。政府は企業支援の一手として、このほど「雇用調整助成金」の要件緩和を決定した。
 この補助金は、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業者を対象に、労働者に支払う休業手当の一部を助成するものだ。中小企業であれば3分の2(1人1日当たり8335円が上限)が国から支払われる。
 厚生労働省は同補助金の要件を、(1)休業等計画の事後提出が可能、(2)前年と売上を比較する期間を3カ月から1カ月に短縮、(3)直近3カ月の雇用状況を問わない、(4)事業所設置1年未満の事業主も対象――に緩和した。
 いつもより助成を受けるためのハードルは低くなったが、注意したいのは、要件緩和の対象は、「中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の1割以上を占める」事業主に限定されている点だ。申請の際には、前年度の売上データや顧客リストなど中国人客の割合を証明できる書類の提出が必要だという。また「日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主」ともあり、単純に中国企業との取引減で売上が落ちたなどのケースは対象とならない可能性がある。その場合は、緩和前の要件を
 満たすことで助成を受けられる。


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2020年2月28日 金曜日

Vol.0531

<タックスニュース>

台風19号の被災地対象  国税庁が税負担減らす「調整率」を公表

 国税庁は、昨年の台風19号(令和元年東日本台風)で被災を受けた土地の相続税評価の際に適用する「調整率」を2月26日に発表した。調整率は被災によって地価が下落している現状に合わせ、相続税や贈与税の計算時に採用する土地評価額を引き下げるもので、適用することによって土地の引き継ぎに掛かる税負担を軽減することができる。
 特例の適用対象となるのは、2018年12月10日から19年10月9日に相続や遺贈で取得した土地と、19年1月1日から同10月9日に贈与で取得した土地のうち、特定非常災害により被災者生活再建支援法の規定の適用を受ける「特定地域」にある土地。19年10月10日から同12月31日に相続や贈与で取得した土地の中で特定地域内にある土地の価格もこの方法に準じて計算することが認められる。
 なお、19年分の贈与税の確定申告の受付はすでに始まっているが、特定地域の土地は調整率を適用すれば税負担を減らすことができるので、国税当局は調整率を確認してから申告するように呼び掛けている。


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<タックスワンポイント>

野村克也さん死去  連続課税を緩和する相次相続控除

 元プロ野球選手で「ノムさん」の愛称で知られた野村克也さんが2月11日、虚血性心不全のため84歳で死去した。妻の「サッチー」こと沙知代さんの死去からわずか2年後のことで、息子・克則さんが悲痛な面持ちで報道陣に対応する姿が毎日のように報道されている。
 2017年に死去した沙知代さんは、過去の脱税事件で発覚した所得隠しの額が5億6800万円に上ったことからも、多額の資産が相続の対象になったと見られている。法定相続人は野村さんと子どもで、配偶者は民法の規定によって財産の2分の1までは最低でも受け取れることが保障されているので、野村さんが法定相続分を受け取っていたとすれば多額の相続税を支払ったことになる。
 そして沙知代さんの死去の2年後に野村さんがこの世を去った。50億円とも100億円とも言われる財産の中に沙知代さんから引き継いだ財産があることを前提とすると、野村さんが相続した際にその財産に一度税金が課されているにもかかわらず、2年後にも野村さんの財産として課税されることとなる。
 野村家のように両親が数年のうちに相次いで死亡したときは、同じ財産に2回の相続税が課されるという負担を緩和するため、特例的な措置を適用できる。最初の相続で配偶者が支払った相続税の一部が、その配偶者の相続で税金から控除できるという仕組みだ。
 二重課税とも言える重い税負担を緩和する「相次相続控除」は、相続の10年前までに別の相続で財産を取得して相続税を支払っている場合、過去に被相続人が支払った相続税の一部を二度目の相続の税金から控除できる。控除できる金額は、前回の相続で支払った相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額となる。すなわち、1度目の相続と2度目の相続の間隔が短いほど多く差し引けるようになっており、同じ年に2度目の相続が発生すれば最初の相続税のほぼ全額を控除できる。
 野村家のように母の死去の2年後に父が死去したとする。父が母から相続した財産は10億円、父が支払った相続税額は4億円、そして父の相続の財産価格の合計額が12億円、相次相続控除を受ける相続人が取得した財産は3億円とすれば、単純計算で1億6千万円を父の相続で控除できることになる。
 なお野村さんの相続の法定相続人には、克則さんらのほか、野村さんの前妻との間の息子も含まれるとされる。離婚すれば配偶者との法的な関係は解消されるが、子どもについては特別な事情がない限り、法的な親子関係が継続し、相続時には財産を受け取る権利を持つことになる。


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2020年2月21日 金曜日

Vol.0530

<タックスニュース>

公営ギャンブルの徴税強化へ  払戻金1千万円以上が対象

 政府は来年1月から、競馬や競艇などの公営競技で一口1000万円以上の払戻金を受けた人への徴税を強化する。日本中央競馬会(JRA)や自治体など公営ギャンブルのレース施行者が、インターネット経由で券を購入したり払戻金を受け取ったりした人の情報を保存し、必要に応じて国税当局に情報提供する。会計検査院や参議院決算委員会の指摘を受けて、運用を改善する。
 競馬、競艇、オートレース、競輪の4競技を所管する農林水産省など3省は昨年12月、公営競技の主催団体などに対して、一口あたりの払い戻しが1000万円を超える的中者の氏名や銀行口座番号、レース情報などを電子媒体で記録・保存するよう通達を出した。たとえば、競馬のレースで一口100円の馬券が1000万円(10万倍)以上になる払戻金を受けた人が対象になる。
 昨今では的中者がいない場合に配当金が持ち越され高額な配当になるレースも増えつつある。公営競技による一定以上の所得は一時所得または雑所得に該当し、本来は自主的な申告が必要だ。ところが支払調書の対象ではなく、払戻金を受け渡す時に本人確認する仕組みもないため、国税当局でも所得を適切に把握できていなかった。
 会計検査院の調査によると、2015年には一口1050万円以上の高額払戻金だけでも約127億円が支払われていたが、8割ほどが未申告状態だったことが分かった。政府は適切に徴税できるよう仕組みを整備するとともに、主催団体に対しては利用者の納税を促すための広報の充実も求める。


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確定申告での雑損控除の注意点  差し引けるのは原状回復の費用のみ

 昨年は大型台風がたびたび広範囲に被害をもたらしたこともあり、確定申告の際に「雑損控除」を適用する人が例年より多いことが予想される。雑損控除とは、自然災害で住宅や家財に損害を受けた時に、本人か生計を一にする親族を対象として、「損害額から保険金や損害賠償金を差し引いた金額−所得の10分の1」か「損害額のうち、被災後の取り壊しや土砂除去などにかかった費用−5万円」のうち、多いほうの金額が、所得から控除されるという税の特例だ。
 雑損控除の対象となる金額は、水に浸かってしまった家財や車、洪水などで流出してしまった現金というような、災害で失われた直接的な被害だけではない。壊れてしまった家屋の再建費、泥の除去費用、ガレージの修繕など、災害に遭う前の状態に戻すための費用も幅広く含まれている。雑損控除の適用を受けるためには、確定申告書に被害額などを記載し、併せて災害のための支出を証明する領収書などを添付すればよい。
 注意点として、1個または1組みの価額が30万円を超える貴金属、書画、骨董といった芸術品や、別荘の被害などは雑損控除の対象とはならない。そしてもう一つ注意したいのが、せっかく壊れた家を修理するのだからと、元の状態より良いものにアップグレードしてしまうと、その部分については雑損控除の対象とはならないことだ。
 国税庁が東日本大震災の際に作成したQ&Aによれば、「被害を受けた住宅等について行う原状回復のための修繕費用は雑損控除の対象となります」とする一方で、「被災直前よりその資産の価値を高め、その耐久性を増すための支出と認められる部分については、雑損控除の対象となる損失の金額には含まれません」と答えている。
 これは会社の税務申告でもたびたび判断に悩む、修繕費と資本的支出の話と本質は同じだ。ただし会社の場合、資本的支出とみなされた部分についても長年にわたって損金算入していくことが可能だが、個人に減価償却の仕組みはないため、何の税制上の措置も受けられない。今後生活していくために必要なのであればいいが、「どうせ雑損控除で税金が戻ってくるだろう」などと思いこんで高価なリフォーム工事を実行してしまわないように気を付けたい。
 なお結果的に資産価値を高める工事をしたとしても、そのなかに原状回復部分が含まれていることもあるだろう。このように原状回復部分と資産価値を高める部分の区分が難しい時には、その工事費用の総額のうち3割を原状回復、7割を資産価値を高める部分として申告することが認められている。


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2020年2月14日 金曜日

Vol.0529

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渋谷区がふるさと納税に一転参戦  季節イベントの有料化も検討

 東京都渋谷区が税金による収支に神経をとがらせ、これまでの姿勢を次々と転換している。2020年度からふるさと納税制度に参加するほか、新年のカウントダウンやハロウィーンなどで訪れる人から料金を徴収するシステムの構築も探り始めた。
 ふるさと納税に対して同区はこれまで、「税の受益と負担の原則に反する」として、純粋な寄付だけに頼り、反対の立場を貫いてきた。しかし区民による他自治体へのふるさと納税に伴う税収減が19年度には23億円に拡大し、20年度にさらに膨らむことが確実となると、「看過できるレベルではなくなった」(長谷部健区長)として、今年7月をめどに寄付の受け付けを始めることにした。初年度の目標寄付額は1億円に設定した。
 方針転換の成否の鍵を握るのは、これまで全国の自治体間で過熱してきた寄付の返礼品だ。同区が検討しているのは、区内のホテル宿泊や飲食店利用、眺めの良いビルを貸し切る権利などの「渋谷体験プラン」だという。19年6月からは寄付額の3割以下の地場産品に限定されるなど返礼品の規制が強まる中での参入だけに、早くも「目玉がなく地味な内容になりそう」(区幹部)と不安視する声が出ている。
 また区は、年末のカウントダウンやハロウィーンなど、多くの人が集まるタイミングで渋谷への来訪を有料化することも検討中だ。19年のハロウィーンでは警備費などに住民税から約1億円回しており、「これ以上は区民の十分な理解を得られない可能性がある」と判断した。別の区幹部は「導入しやすいと踏んでいるカウントダウンまでに間に合わせられるか、関係各所と調整している」と説明している。


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税務も複雑なクラウドファンディング  3つのタイプで異なる取り扱い

 インターネット経由で不特定多数の人から資金を調達するクラウドファンディングは、若い層を中心に年々一般化し、すでに市場規模は2000億円に手が届く勢いで推移している。なお、横文字が苦手な読者のために付け加えると、クラウドファンディングの「クラウド」は群衆を意味する「crowd」であり、クラウドコンピューティングなどの「cloud(雲)」ではない。
 さて、新しいビジネス形態を作り出しているクラウドファンディングだが、税務処理に関しては少々複雑だ。まずクラウドファンディングは大きく3つに分類され、それぞれに扱いが異なるので注意したい。
 まずは、通常の売買と同様に扱う「購入型」だ。対象となるモノは未完成の場合が多く、購入者から受け取った金額は前受金として計上し、完成したものを引き渡した時点で売り上げに振り替える。もちろん、通常の売買と同じように消費税の課税取引だ。
 次が、出資者が特定の企業などに出資し、リターンとして金銭(配当や利益の一部)を期待するというもの。資金調達者が個人事業主なら所得税、法人なら法人税がかかる。資金出資者は、出資時には無税となる。
 最後がもっともややこしい「寄付型」で、活動に共感して見返りを求めずに資金を提供するものをいう。被災地や途上国への支援など、社会的意義のあるプロジェクトなどが当てはまる。
 寄付型では、資金を集める者が法人であれば、寄付金は受贈益となり益金の額に算入される。そして個人が個人の提供者から資金を受けた際には贈与税の対象となり(年間110万円の非課税限度額あり)、法人からの提供であれば一時所得として所得税の対象となる(50万円の特別控除あり)。
 なお、金額の流れは千差万別で、購入型であってもリターンの内容が見合っていなければ寄付型と判断されて寄付金課税の対象になることもある。本人がどう呼ぶかではなく実態で判断されるので勝手な思い込みはしないほうがいい。


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