タックスニュース

2009年6月26日 金曜日

Vol.0029号

<タックスニュース>

「繰越控除」子会社まで拡大??法人税改正の目玉に

 財務省は、2010年度税制改正の柱のひとつに、法人税の連結納税制度を見直す方針を固め、準備に入った。課税年度の黒字を過去に発生した欠損金で相殺して課税対象利益額を圧縮する繰越控除制度を、これまでの親会社だけから子会社にも拡大する。
 連結納税制度は、企業グループをひとつの企業と見なして法人税を課税する制度。事業部門を別会社化した場合でも納税額は変わらないため、企業の合併・分割などで経済効率性を高める動きを税制面から支える仕組みとして、2002年度から導入された。
 繰越控除制度は最長7年間の欠損金を当年度の黒字と相殺できる。子会社分の欠損金も相殺対象に加えれば、企業にとって納税額を圧縮できる割合が拡大し、連結納税の導入が進むと考えられる。ほかにも連結納税制度の使い勝手を改善するため、現状で100%子会社しか連結納税の対象として認めていない点を改め、過半数出資の子会社などへの対象拡大や、企業が任意に連結納税の対象にする子会社を選べる仕組みの導入も検討する。
 また現在は、連結納税制度の導入時に子会社の資産を簿価評価から時価評価に改めなければならず、発生した評価差益に法人税がかかる点を改め、簿価評価を認める方向でも検討する。

<タックスワンポイント>

ダイレクト納付の受付スタート!

 今年9月に誕生する国税の新しい納付手段「ダイレクト納付」の利用届出書受付が始まった。ダイレクト納付とは、e-Tax(国税の電子申告・納税)で申告などの送信をした後、預貯金口座からワンクリックで即時に(期日指定も可)税の納付ができるというもの。従来の電子納税とは違い、インターネットバンキングの契約が不要で、すでにある金融機関の口座が利用可能だ。
 対象は法人税や源泉所得税など電子申告が可能な税目だが、e-Taxに納付情報を登録すれば全税目でダイレクト納付が使える。税理士がe-Taxで申告しているなら、納付まで一括して税理士に依頼することもできるようになる。
 利用開始時期に差があるが、全国52の銀行・信用組合で利用可能となる予定。すべての金融機関でないのが残念だが、ただ、気を付けたいのが利用時間。金融機関によりサービス提供時間が異なり、さらに同じ金融機関でも口座のタイプ(普通・当座・納税準備)によって時間が異なることもある。詳細は国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/)に掲載されている。利用届出書は、金融機関届出印押捺のうえ、所轄税務署へ書面で提出。利用可能となるまで一カ月必要だ。

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2009年6月26日 金曜日

Vol.0012号

<タックスニュース>

GDP"支持率"並み!?のマイナス成長

 2008年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率が、マイナス12・7%(年率換算)減と約35年ぶりの大幅なマイナス成長となったことを受け、政府は、景気底割れ回避のため追加経済対策の検討に入った。中川昭一氏の辞任に伴い、財務・金融担当相も兼務することになった与謝野馨経済財政担当相は、就任会見で「私に与えられた使命はいかに経済危機に立ち向かうかだ」と述べ、金融安定化と追加経済対策の検討に意欲を示した。
 これまでも麻生政権の経済政策の司令塔だった与謝野氏だが、財務・金融・経済政策という経済運営の要所を名実ともに総括する体制となった。秘書官は5人と、6人の首相並み。権限面では「副首相級」(経済官庁幹部)と言っても過言ではない状況だ。
 焦点となる追加経済対策をめぐっては、与党幹部が「20兆円、30兆円。いろいろな議論がある」と述べるなど、大規模な財政出動を求める声が高まっている。これに対し、与謝野氏は「その規模には根拠がない」とうけながしたが、「政治家はプラグマティズム(実際主義)の固まりみたいなところがある」と述べ、必要に応じた財政出動の可能性も含ませた。
 追加対策の仕切り役として注目が集まる与謝野氏だが、麻生政権の支持率は下がる一方。与党で「麻生首相には追加対策はやらせられない」との麻生降ろしが高まる可能性もあり、深刻な景気悪化をよそに、政局絡みの展開となりそうだ。

<タックスワンポイント>

e-Taxの添付省略 保存義務を忘れずに!

 e-Tax(国税電子申告・納税システム)では、医療費の領収書や社会保険料、生命保険料、寄付金といった各種所得控除にかかる証明書、給与所得の源泉徴収票など、第三者作成の書類について、その添付が省略できるようになっている。
 しかし、「法定申告期限から3年間」という保存義務があることも忘れてはならない。もし、添付書類を破棄したり、紛失したりしてしまった場合、税務署はこれらにかかる支出を確認できない。そのため、場合によっては修正申告しなければならないケースもでてくる。
 ところで、領収書や支出の証明書は大きさもいろいろ。保管するにも実は結構、かさばるものだ。そこで、納税者のなかにはe-Taxで申告したあと、領収書などをまとめて税務署に郵送する人も多いという。「保管しておく場所もないし、税務署に提出しておいたほうが、何かあった時のために都合がいい」というわけだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年6月19日 金曜日

Vol.0028号

<タックスニュース>

「海外利益非課税制度」で潤う国内企業??

 2009年度税制改正で導入された海外子会社からの受取配当金の非課税制度が、過去最悪の赤字と売上急減による手元資金不足に悩む日本企業にとって「干天の慈雨」になっている。同制度を使えば、海外子会社が海外市場で稼いだ利益を、無税で国内に還流させることができるからだ。
 精密機械大手のHOYAは、オランダに置いた欧州統括子会社から国内の親会社に1200億円を配当することをすでに決定。電機大手の三菱電機も数百億円規模で国内に還流させる計画だ。
 海外子会社からの配当非課税制度は昨年末の税制改正の目玉として導入された。従来は、日本の法人税の実効税率は40%前後と海外より高いため、海外で稼いだ利益を配当金などのかたちで国内に還流させようとすれば、日本と子会社所在国の法人税の差額分が新たに課税される。HOYAの例は、従来の制度ではオランダの法人税率(約25%)との差である15%分の180億円の税金が発生することになる。
 こうした課税を嫌って、大手企業の多くは海外で稼いだ利益を現地での工場建設や事業拡大に再投資したり、海外にため置いたままにしており、経済産業省によるとこうした海外留保金は2006年度末で17兆円に上っていたもようだ。非課税制度の導入は、利益を国内に還流させることで、工場の建設や国内投資などを促そうというのが狙いだった。しかし、景気の急速な落ち込みで企業は手元資金不足に陥っており、新制度は国内の投資促進というよりは、海外の「埋蔵金」取り崩しによる当座しのぎという思わぬ使われ方になっている。

<タックスワンポイント>

今年のお中元は税制改正フル活用で!

 今年も各デパートに特設会場が設置され、お中元商戦がスタートした。お中元にかかる費用は税務上、基本的に「交際費」。交際費については「5千円以下の飲食」にかかる費用について損金算入できる特例があるが、お中元の場合、残念ながらこれには当てはまらない。なぜなら、交際費から除くことができる「5千円基準」とは、「飲食その他これに類する行為のために要する費用」であって、単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は対象外だからだ。
 しかし、「広告宣伝費」として損金にできる裏ワザもある。「カレンダー、手帳、扇子、その他これらに類する物品を贈答するために通常要する費用」は交際費から除外されていることを利用し、広告宣伝的な効果を意図して、社名入りのカレンダーやボールペンなどを取引先に贈るという手段だ。「少額のものであれば広告宣伝費として差し支えない」(当局)という。
 平成21年度の追加経済対策により、中小企業の交際費の定額控除限度額は年間600万円まで引き上げられている。交際費支出額×90%が損金に算入できるため、最大540万円までが損金算入可能。日ごろお世話になっている人や企業への感謝の気持ちを込め、実のあるお中元の贈答を行いたいものだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年6月19日 金曜日

Vol.0008号

<タックスニュース>

政府まとめた10年展望 財政再建の見通し失う

 政府はさきごろ「経済財政の中長期方針と10年展望」をまとめた。10年展望に添付された今後10年間の財政試算では、2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は大幅な赤字となる見込み。これまで政府が目標としてきた2011年度黒字化は達成不可能となることが確実になった。また、与党内で噴出する財政出動論が一層強まるのは避けられない情勢で、財政悪化は歯止めがかからなくなりつつある。
 世界経済の情勢が不透感を増す状況のなか、試算は17本のシナリオを提示した。世界経済が順調に回復し、日本経済も早期に1%台半ばの成長率に復帰するとして、かつ、消費税を2011年度から毎年1%ずつ増税したと想定しても、2011年度の基礎的財政収支は15・2兆円もの大幅な赤字となる見通し。また、消費税を10%まで増税しても、黒字化に転換するのは2018年度と、試算の最終年度にようやく達成されるに過ぎない。政府は財政再建の見通しを事実上失った格好だ。
 小泉政権以来続けてきた「公共事業費の毎年3%削減」など「骨太の方針06」で定めた歳出削減策は、2011年度黒字化を目指した取り組み。この目標達成が見えなくなれば、球心力は一気に低下する。世界同時不況から脱却するには、一定の財政出動は不可欠だが、一方で選挙対策絡みの便乗的な財政拡大論にブレーキが効かなくなる恐れも強い。日本の財政再建は小泉改革以前に逆戻りする懸念が高まっている。

<タックスワンポイント>

規模によって計算方法異なる不動産貸付け

 不動産などの貸付けで得た所得は不動産所得となるが、その規模が事業的規模かそうでないかで所得金額の計算が異なる。
 たとえば、青色申告特別控除の場合、事業的規模なら一定要件を満たせば最高65万円まで控除できるが、そうでなければ最高10万円まで。また、賃貸料などの回収不能による貸倒損失は、事業的規模なら回収不能になった年分の必要経費になるが、事業規模でないと、収入の計上時期までさかのぼり、回収不能に対応する所得をなかったものとして再計算しなければならないなどの違いがある。
 事業的規模は「社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうか」で判定する。ただし、建物の貸付けは、貸間やアパートなどの貸与なら独立した室数がおおむね10室以上である場合、独立した家屋の貸付けならおおむね5棟以上である場合なら原則事業とみなされる。

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2009年6月12日 金曜日

Vol.0027号

<タックスニュース>

来年度改正 タックス・ヘイブンが焦点に

 年末に向けた2010年度税制改正の作業では、タックス・ヘイブン(租税回避地)税制が焦点に浮上している。タックス・ヘイブンとは、海外からの投資や企業進出を呼び込むために、法人税などの税率をゼロや低水準に抑えている政策を実施している国のことで、カリブ海のケイマン諸島やマレーシア、フィリピン、欧州の小国リヒテンシュタインなどが該当する。
 日本やアメリカなどからみれば、国内企業がタックス・ヘイブンへ企業立地してしまうと、本来本国に入るべき税収が外部に流出する事態になる。日本では租税特別措置法で法人税率が25%以下の国をタックス・ヘイブンに指定。国内の法人税率との差分を課税してきた。
 しかし、国際的な法人税の引下げ競争のなかで、中国(法人税率25%)やオランダ(同25・5%)などの税率がタックス・ヘイブン税制に抵触する水準まで下がったため、産業界が同税制の見直しを求めている。ただ、金融危機による税収の落ち込みで、これまで寛容だったアメリカを含め、世界的に脱税イメージが強いタックス・ヘイブンへの課税強化を求める声が高まっており、すんなり実現するかは不透明な要素も多い。

<タックスワンポイント>

野球観戦中ボール直撃 損害賠償金は損金扱い

 プロ野球の試合を観戦中、ファウルボールが当たり、目に障害を負ったとして、宮城県に住む47歳の税理士がプロ野球球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」を提訴した。その内容は、観客を守るネットなどの安全装置を設置することを怠った、というものだ。
 日本野球機構は「試合観戦契約約款」において、「ホームランボール、ファウルボール、(中略)に起因する損害について、主催者は責任は負わないものとする」とし、「主催者が負担する損害賠償の範囲は治療費等の直接損害に限定され、逸失利益その他の間接損害及び特別損害は含まれないものとする」と規定している。今回の件で球団側は治療費を支払っているが、税理士が求める逸失利益に関しては、球団側は「支払う必要なし」と全面的に争う構えだ。
 企業が裁判で訴えられ損害賠償が発生した場合、その損害賠償で支払ったお金については、通常、雑損失などとして損金扱いとする。損金には弁護士への報酬なども含まれる。損害賠償金は資産の譲渡の対価ではないので、消費税は非課税だ。ただし、弁護士へ対する支払いは税理士へ支払うものと同様、源泉徴収しておく必要がある。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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