タックスニュース

2009年11月27日 金曜日

Vol.0051号

<タックスニュース>

サヨナラ自販機節税??税調が対処策を内定

 賃貸住宅のオーナーの間で有力な節税策として広まっていた「自販機節税法」が、禁止される見通しとなった。消費税は最終消費者が支払うのが原則。業者が仕入れなどの中間段階で支払った消費税額は後日還付される。消費税法30条では、売上げの95%以上が課税対象なら仕入れにかかった税を戻す、と規定しており、俗に「95%ルール」と呼ばれる。ただ1991年の法改正で家賃には消費税がかからないことになったため、賃貸住宅の売上げに当たる家賃収入は課税対象外の売上げとなり、その仕入れに当たるアパート建設費に支払った消費税は還付を受けられないはずだった。
 ところが自販機をアパート開業前に設置し、自販機売上げのみの段階で税務署に申請すれば、95%ルールをクリアし、アパート建設費まで仕入額としての還付対象にできる。建設費2億円のアパートなら1千万円が戻ってくる計算だ。
 しかし会計検査院は10月、全国で自販機節税による税収減が年間90億円に達するとして、財務省に見直しを求めた。これを受けて政府税制調査会も11月16日、ひそかに決めた今年度の検討課題のひとつとして、自販機節税への対処策の取り決めを内定した。財務省幹部は「限りなく脱税に近い節税措置だ」と憤り、法改正も辞さない構えだ。

<タックスワンポイント>

悪質な「セクハラ」  損害賠償を支払ったら?

 毎年11月は、労働基準監督署の「調査強化月間」。会社の就業規則や賃金、サービス残業などに厳しい目が向けられる。労働現場のトラブルとして最近目立つものにセクハラがある。平成20年度の労働局の是正指導は9238件に上った。
 セクハラは、体に触るなどの直接的なもののほか、卑わいな冗談、お酌の強要、職場にヌードポスターを貼るなど、「労働者の就業環境が害される」(男女雇用機会均等法11条)行為が該当する。セクハラは強制わいせつや名誉棄損など刑法上の犯罪に当たらなくても、民法上の不法行為として損害賠償責任を問われる。また、業務遂行上の行為である場合、使用者責任や、職場環境整備義務の債務不履行責任を会社が負うこともある。
 社員や役員の行為による損害賠償金を会社が支払った場合、税務では、法基通9-7-16で、対象行為が「法人の業務の遂行に関連するもの」で、かつ「故意又は重過失に基づかないもの」であれば損金になるとされる。行為者に故意・重過失がないケースは、交通事故をイメージすると分かりやすい。セクハラについてその証明をするのは、いかにも難しそうだ。
 行為者に故意や重過失がある、あるいは業務遂行上の行為ではない損害賠償金を会社が肩代わりした場合は、会社が行為者に対する求償権を得たものとされる。経理は債権と支払いの両建てになり、この金額について行為者の支払いが不能となったときに、貸倒れとして損金算入できる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年11月20日 金曜日

Vol.0050号

<タックスニュース>

税制改正大綱の輪郭チラリ 12項目を議題に設定

 政府税制調査会で、12月11日に迫った大綱取りまとめに向けた議論が、ようやく輪郭を見せ始めた。 税調は11月10日、幹部会合である企画委員会を初開催。今後のスケジュールや、12項目に及ぶ議題を設定した。肝心の議題は、税制について考え得る限りの課題を広く網羅。たとえば政策減税措置である租税特別措置の見直しは、今年度末に適用期限を迎えるものを中心に、国税だけで78項目を今回の議論対象にする。
 また鳩山政権の目玉政策のひとつであるガソリン税などの暫定税率の廃止問題や、それにともなうエネルギー課税、地方環境税の検討も喫緊のテーマだ。鳩山由紀夫首相が増税に前向きなたばこ税も年末までに一定の結論が出される見通しだ。
 一方で議題のなかには、一応は議論するが中長期的課題として税制改正大綱には具体的な方向を盛り込まないものも含まれている。納税者番号制度の導入を中心にした納税環境整備や、NPO(非営利組織)への寄付税制などは具体的な議論を始めれば簡単には結論が出ないとみられるため、中長期的な議題に分類されそう。意思決定方式については、税調全体会合での全会一致方式を原則とするが、紛糾して結論が出なかった項目は、幹部に決定を一任する方向だ。

<タックスワンポイント>

法人税調査真っ盛り 狙われる赤字企業

 税務署は調査シーズン真っ盛り。今年は経済状況を受けて、赤字企業の調査を充実させているようだ。国税庁がこのほど公表した法人税の調査事績によると、平成20事務年度に行われた無所得申告法人への実地調査件数は、全調査件数の約3分の1に当たる4万9325件。前年度から3千件ほど増加している。また、実地調査した無所得申告法人の14%に当たる6956件は本来黒字申告すべき法人だったという結果が出ている。
 税務調査の傾向としては、売上利益とたな卸し高に大きな変化は生じていないか、交際費の処理、といった項目がチェックされるのはもちろん、社員から聴取した給与額が帳簿額と合致しているか、消耗品のなかにたな卸資産とすべき貯蔵品はないか、雑費のなかに役員の個人負担とすべき項目が含まれていないか、といった項目。そのほか領収書も、役員個人の買い物を経費に上乗せしていないか、ということを確認するため、「上様」や「品代」と表記されているものや、手書きのもの、ゼロの多い金額のものは念入りにチェックされる。
 また、今年度は赤字法人の割合が過去最高を記録したため、欠損金の繰戻還付制度を適用した法人が多いことが推測される。「適用すると必ず税務調査が入る」とのうわさもあるだけに、今年の税務調査は"還付金絡み"が狙われそうだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年11月13日 金曜日

Vol.0049号

<タックスニュース>

官邸の理想論に「新税調」迷走・・・

 年末の2010年度税制改正を控えて、政府税制調査会が迷走している。発端は、税調を実質主宰する峰崎直樹副財務相の、10月29日の税調後の会見。ガソリン税などの暫定税率の廃止方針について「竹を割ったように、スパッといかない。時期や方法などの中身は今後の議論だ」と述べ、先送りを強く示唆したのだ。
 しかし、藤井財務相は翌30日朝の会見で、「暫定税率は断固廃止する」と表明。鳩山由紀夫首相も廃止方針を表明し、慎重論の峰崎副財務相との温度差が浮き彫りになった。
 たばこ大増税も、峰崎副財務相が同27日、「多くの利害関係者の声があり、すぐにできない」としたのに対し、鳩山首相は同30日、「増税あり得べし」と述べ、方針は食い違う。
 いずれも背景にあるのは税調の「現実論」と官邸の「理想論」の対立だ。税調は暫定税率撤廃の見直しのほかにも、住民税の扶養控除廃止や所得税の特定扶養控除の縮減など、マニフェストにない増税案の検討を次々打ち出している。厳しい財政の現場を知るがゆえの危機感が背景だ。自民党時代は党税調の決定がすなわち政府案だったが、新政権の税調はどこまで決定権を持てるのか。先行きは不透明だ。

<タックスワンポイント>

事業所税に経営者の悲鳴 市町村合併で思わぬ課税

 市町村合併により突然「事業所税」の課税対象になった会社から、悲鳴の声が上がっている。事業所税とは、都市環境の整備および改善に関する事業に充てることを目的とした目的税で、課税されるのは30万人以上の人口を有する市だ。1千平方メートル超の事業用敷地を所有している場合に事業所床面積1平方メートル当たり600円課される「資産割」と、100人超の従業員がいる場合に従業員給与総額×0・25%が課される「従業者割」の二本立て。
 平成21年度末、「平成の大合併」によって人口30万人以上となる市は、37市になる予定。新たに課税対象となる会社からは「業務上広い敷地が必要だからわざわざ郊外に設置したのに」という恨み節も聞こえ、さきごろ行われた経済産業省の税制改正要望の公募でも、同税の見直しについての要望が多数寄せられている。
 合併特例法では、合併地域の事業所税には合併後5年経過するまで「課税免除」、または「不均一課税措置」の適用がある。これは、合併で新たに30万人以上となるか、すでに30万人以上かで扱いが異なる。新たに30万人以上となる場合、原則課税免除。また、すでに30万人以上の市は合併で新たに課税対象となった地域に免除や減額などを行うことができる。
 ただし、不均一課税措置の場合、課税を免除するかどうかは自治体次第。経産省の担当者は「法人事業税の外形標準課税などと多重課税になっているという意見もある。今後制度全体を見直す議論もあり得る」としている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年11月 6日 金曜日

Vol.0048号

<タックスニュース>

たばこ・酒税改革を見送り ホンネは「余裕なし」

 民主党が昨年12月に策定した税制抜本改革アクションプログラムに盛り込んだたばこ税と酒税の税率の抜本的な見直しが、今年度は見送られる方針となった。
 民主党が主張する両税の改革方針は、これまでの財源確保策としての税の性格を改め、国民の健康増進を目的とする税に模様替えすること。たばこ税は喫煙率を引き下げる価格政策の側面を強め、大幅に増税する一方、酒税はアルコール度数に応じた税率体系に改める。アルコール1度当たりの税率が最も高いビールでワインの6倍、清酒の5・5倍に達する不均衡をならすとしている。
 ただ酒税については古本伸一郎財務政務官が10月23日、「将来の間接税の全体の見直しのなかで議論するテーマ」と発言。たばこ税についても峰崎直樹副財務相が同27日、「財源頼みのたばこ増税はしない。時間をかけて議論する」と述べ、来年度以降に議論を先送りする方針が示された。
 こうした姿勢について財務省幹部は、「今年末の税制改正での最大のテーマは、道路関係の暫定税率の廃止と、その代替で減税分の一部を穴埋めする環境税を導入できるかどうか。業界利害などが絡む酒税、たばこ税まで手を付ける余裕はない」とこぼした。

<タックスワンポイント>

法人税課税事績 黒字申告割合が初の30%割れ

 法人の黒字申告割合が過去最低の29・1%だったことが、国税庁がまとめた平成20事務年度の法人税課税事績により明らかとなった。昨年末にアメリカで発生した大不況の影響を数字で示す格好だ。法人税額、源泉所得税額が大きく落ち込んだだけでなく、その下落幅も過去最大を記録。鳩山内閣が躍起になっている「財源確保」に大きく影響しそうだ。
 発表によると、平成20事務年度(同20年4月~同21年3月)の黒字申告件数は280万5千件。黒字申告割合は29・1%、前年度比は3・3%減で過去最低を記録した。法人の黒字申告割合が30%を下回ったのは、昭和42事務年度の調査開始以来、初めてのこと。内訳をみると、資本金1億円以上の大企業の黒字申告割合は前年度比7・3%減の46・6%で、資本金1億円未満の中小企業の黒字申告割合は前年度比3・2%減の28・9%となった。
 申告所得金額は37兆9874億円で、前年度より20兆8370円減少(前年度比35・4 % 減)、申告税額は9兆7077億円で前年度から4兆8244億円減少(同33・2%減)となった。申告所得金額、申告税額ともに、前年度からの下落幅は過去最悪を記録している。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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