タックスニュース

2009年12月25日 金曜日

Vol.0055号

<タックスニュース>

邦銀に国際的逆風??資金繰りにマイナス要因!?

 国際的な金融監督の基準を策定するバーゼル銀行監督委員会(本部・スイス)は、金融危機の再発防止のため検討を進めてきた銀行への新たな自己資本規制について、大幅に強化する方向で大筋合意した。自己資本のうち普通株と内部留保の積み増しを求め、自己資本から差し引く項目は今後行う影響度調査の結果をみてから決める方針。
 バーゼル銀行監督委員会は、年内にも規制案を公表する予定。最終案までに修正が加わる可能性は高いが、普通株の比率が低い邦銀は厳しい立場に追い込まれそうだ。景気回復を前提に、早ければ2012年から適用される。
 新たな自己資本規制では、普通株と内部留保を軸とした「狭義の中核的自己資本」を重視する。普通株や内部留保は景気後退時に取崩しや減配が可能で、損失を吸収し業績への影響を和らげる機能が高いためで、議決権がない代わりに配当が高い優先株や優先出資証券は原則除外する方針。繰延税金資産など自己資本から差し引く項目については、影響度調査の結果をみてから決めるよう持ち越されたもようだ。
 公的資金が普通株で投入された欧米の金融機関に比べ、優先株の比率が高い邦銀は不利になる可能性が高い。日本の金融当局は、今後の影響度調査の結果も踏まえ「国際基準として公平性を欠く」と修正を求めていく考え。当初規制強化に積極的だった欧州大陸諸国も態度を軟化させており、最終案策定までに修正を重ねることで邦銀への影響を最小限に抑える方針だ。

<タックスワンポイント>

相続税調査が微増  注視される海外資産

 国税庁はこのほど、平成20事務年度における相続税の調査結果を発表した。それによると、相続税調査の実施件数は1万4110件で前事務年度の1万3845件から微増、そのうち申告漏れなど非違のあったものが1万2008件、非違割合は85・8%だった。
 相続税の申告漏れ課税価格は、全体で4095億円。内訳は現金・預貯金などが1380億円、有価証券が776億円、土地が675億円、そのほかの相続財産(事業用動産生命保険、書画骨とうなど)が1200億円となっている。
 また、海外資産関連事案1件当たりの申告漏れ課税価格は9362億円で、相続税調査全体の平均額3410万円の約2・7倍とかなり大きな金額となった。海外資産については、被相続人が死亡時に国内に住所を有していなかったため、相続人が「申告義務がない」と思い込み無申告となっていたケースが多くみられる。相続人が海外の相続財産の存在を認識していたにもかかわらず、「日本に財産を取り寄せない限り税務署にはばれない」として申告除外するケースもみられた。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年12月18日 金曜日

Vol.0054号

<タックスニュース>

「特定扶養控除」は現状維持へ  税調ようやく決定

 高校・大学生世代が対象となる「特定扶養控除」をめぐる議論は、政府税制調査会で紆余(うよ)曲折の末、「現状維持」の方向となった。
 特定扶養控除は16~22歳の扶養家族がいる世帯に対し、課税所得から63万円を差し引く制度。高校、大学の授業料負担軽減のため、一般扶養控除(15歳以下と23~69歳対象、控除額38万円)より手厚い控除が認められている。
 政府税調では、財務省の古本伸一郎政務官が11月、「高校授業料無償化と合わせ、圧縮の議論をしたい」と提案したが、無償化を担う中川正春文部科学副大臣が猛反発。
 結局、文科省が無傷で守り通したかのようにみえたが、12月3日の会見で、今度は予算編成担当の野田佳彦財務副大臣が「一律無償化では低所得者への恩恵が薄い」と反論。再び風向きが変わった。
 川端達夫文部科学大臣は同4日、特定扶養控除のうち無償化の恩恵を受ける高校生分に絞った圧縮を提案。前回は反対の急先鋒(せんぽう)だった中川副大臣もこの日、政府税調で圧縮の可能性を探るよう求めたが、議論の時間が足りず、来年度は結局「現状維持」で落ち着いた。
 「国の根幹である税制の議論が一部省庁の思惑でここまで揺れ動いていいのか」。絵に描いたようなドタバタに、政権幹部はあきれ顔だ。

<タックスワンポイント>

納税猶予のダブル適用はNG  国税庁非上場株特例Q&A公開

 「非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予の特例」は、同一人による"ダブル適用"ができないことが明らかになった。これは、国税庁がこのほどホームページ上で公表した「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予に関するQ&A」で明示されたもの。
 たとえば、父親から非上場株式を生前贈与されたケースで、「贈与税の納税猶予」を適用していた息子が、父親の死亡により「贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予」に切り替えた場合、相続によって取得した新たな非上場株式については「相続税の納税猶予」は適用できないこととされている。
 平成21年度税制改正で創設された「非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予の特例」は、適用要件や手続きが複雑で中小企業経営者からは「興味はあるが難しい」との声も少なくない。今回示されたQ&Aでは、同特例を適用するうえでの疑問に対する回答が分かりやすく解説されている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年12月11日 金曜日

Vol.0053号

<タックスニュース>

「たばこ税」厚労省vs財務省  国民の健康か、税収か??

 「たばこ税」の増税論議で、引上げ幅をめぐる税調内の意見対立が先鋭化している。小幅増税にとどめたいのが財務省。古本伸一郎財務政務官は11月27日の税調で「累次にわたる増税の結果、たばこの消費量は減少を続けている」と指摘。「相当数の喫煙者が購入を控え、税収が現行より減少するようなことになれば、たばこ産業の発展と財源収入の確保を目的した『たばこ事業法』の建て付けが問題になる」とくぎを刺した。
 過去の増税幅は最大1本1円程度で、いずれも税収増を実現してきた。しかし、1本5円や10円の大幅増税に踏み切った場合、どのような影響が出るのか財務当局も予想できていない。増収効果を上回る消費の減少を招けば、国・地方合わせて2兆円の財源を生み出す「金の卵」を失いかねない。
 これに対し、「税収が減っても構わない」というのが厚生労働省だ。長浜博行副厚労相は「健康が主眼であり、増税の目的はたばこの需要を減少させることにある」と反論。ほかの委員からも「税収減になったとしても、肺ガンなどの医療コストを考えるとトータルでは財政負担が減る」との声が上がる。
 「値上げは国民生活への影響が大きい。来年の参院選で信を問うべきだ」(峰崎直樹副財務相)。税調内では増税時期の先送り論もくすぶっている。

<タックスワンポイント>

国税庁 HPで電帳法Q&A公開  記帳代行者への委託NG

 国税庁はこのほど、「電子帳簿保存法(電帳法)」の申請事例やQ&Aを同庁ホームページ(HP)に掲載した。電帳法とは、納税者が作成した帳簿類を電子保存することを認めた法律。それまで帳簿書類は紙ベースでの保存が義務付けられていたが、平成10年の同法施行により一部を除きDVDなどでも保存できるようになった。
 今回、HPで紹介された「申請事例」では、承認されない申請の問題点などを具体的に解説。さらにQ&Aコーナーでは、「記帳代行業者に電子計算機処理を委託し、そこで作成された電磁的記録を保存する方法は認められるか」など、80項目に及ぶ質問とその回答を示した。「今回HPに掲載した内容は法律や通達に載っているものではあるが、質問が数多く寄せられたことで、分かりやすいかたちで掲載した」(国税庁)。
 HP掲載について、経団連の要望作成などにも携わってきた(社)日本画像情報マネジメント協会の今別府法務委員長は「e-文書(イメージデータ)保存に関する対応が、従来と180度変わったことの具体的な証しともいえる」と高く評価しており、「利用拡大につながるだろう」と期待を寄せる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2009年12月 4日 金曜日

Vol.0052号

<タックスニュース>

経営改善計画「1年待ちます」  返済猶予申込みに配慮

 中小企業向け融資や住宅ローンの返済猶予制度を盛り込んだ中小企業等金融円滑化法案に関連し、金融庁が改定を進めている金融検査マニュアルなどの概要が明らかになった。中小企業などが返済猶予を申し出てから最長1年の間に経営改善計画を作成できれば、不良債権に分類されないようにする。また、金融機関で返済猶予などに応じた職員について、人事面で評価しているかどうかも盛り込む。
 新しいマニュアルでは、中小企業では経営改善計画の策定に時間がかかることを考慮。返済猶予などを受ける際に必要な経営改善計画の作成を最長1年間猶予する。金融庁は昨年11月、リーマン・ショックによる急激な景気悪化を受け、不良債権に区分されない条件について、経営改善する期間を3年間から最長10年間に緩和している。計画自体の策定も猶予することで、金融機関が返済猶予などに応じやすくする。
 さらに、過去に返済猶予などを受けたことを理由に新規融資を断っていないか、返済猶予などに応じた職員が適切に評価される人事体系が整備されているかなども検査する。また、金融機関に対し、返済猶予などの申込み、実行、断った件数・金額のほか、ほかの金融機関が返済猶予などに応じたにもかかわらず断った件数などの報告も求める方針で、かなり踏み込んだ内容となっている。
 しかし、返済猶予を受けた中小企業が猶予期間終了時、経営が改善していないと金融機関の不良債権が増える可能性がある。そのため、小手先の対応策ではなく本格的な景気対策が必要とされている。

<タックスワンポイント>

租特に聖域なきメス  適用期限はまだ先なのに・・・

 省庁の税制改正要望が出揃い、今後本格的な議論が行われることになるが、それとは別に、「要望にない項目等」という資料が政府税制調査会(会長=藤井裕久財務大臣)でこのほど、配布された。この資料には、来年度以降も適用期限の残る租税特別措置(租特)も含まれており、「あの租特は来年も当然使えるだろう」と思い込みは、痛い目をみる可能性も出てきている。
 今回の資料に盛り込まれた租特は、?譲渡益課税の対象となる公社債の範囲の拡充?小規模宅地等の課税の特例?農業経営基盤強化準備金制度?特定目的会社に係る課税の特例?石油化学製品製造用揮発油(ナフサ)に対する免税措置。
 たとえば、?小規模宅地等の課税の特例については、「現行では相続後に事業等を継続しない場合など、制度趣旨に照らして必ずしも的確とはいえない場合でも一定の減額を受けることが可能」と問題視された。
 租特の検討は、無駄を洗い出すプロジェクトチーム(PT)が選定基準を設けて、優先度や緊要性の高いものか、政策目標がすでに達成されていないか、適用数が特定の者に偏っていないか??などによって判断することを決めていた。これまでは、期限が到来する措置のみが検討の対象となるとみられていたが、今回の資料が示すように、期限とは無関係に存廃が議論されることが明らかとなった。峰崎直樹財務副大臣も租特の見直しについて、「毎年行うべきもの。これで終わりではない」と意気込む。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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