タックスニュース

2010年1月29日 金曜日

Vol.0059号

<タックスニュース>

原油高騰で揮発油課税を停止??前代未聞の「トリガー条項」

 揮発油(ガソリン)税の暫定税率をめぐるごたごたで、世界的にも例のない、いびつな税制が誕生することになった。原油高騰時に課税の一部を停止する、いわゆる「トリガー条項」がそれで、政府が2月初旬に提出する税制改正関連法案に盛り込まれる見通しだ。
 トリガー条項は、民主党が昨年12月、石油価格の安定を理由に政府に暫定税率水準の維持を要望した際、代替措置として創設を求めた。価格の変動に応じて課税を停止・復活する仕組みは、関税では存在するものの、内国税では例がない。具体案作りを課された財務省は「そんなことが法的に可能なのか」と頭を抱え、内閣法制局と実現を探ってきた。
 そんな苦心の末にまとまったのが、総務省小売物価統計でガソリン価格が3カ月連続で160円を上回った場合、ガソリンと軽油の上乗せ課税を停止し、その後同期間、130円を下回った場合は課税を復活する仕組み。ガソリンスタンドの手持ち品の還付・課税など「発動時の混乱を最小限に防ぐ」(同省)よう最大限配慮した。
 とはいえ、制度の特性上、発動間際に買い控えが広がったり、業界側が意図的に価格操作を行う可能性は残る。「党要望とはいえ、かなり異形の仕組み。できれば抜かずの宝刀で済ませたい」。政府税調幹部は本音を漏らす。トリガー条項の廃止には根拠の上乗せ課税自体をなくす必要があり、その存在が地球温暖化対策税の導入論を後押しする皮肉な「副作用」をもたらしつつある。

<タックスワンポイント>

新・土地税制 圧縮記帳にかかる通達整備

 国税庁はこのほど、平成21年度税制改正で「特定の長期所有土地などの所得の特別控除」(租税特別措置法65条の5の2)や「同21年および同22年に土地などの先行取得をした場合の課税の特例」(措置法66条の2)が新設されたことを受け、措置法関係通達に所要の整備を加えたことを公表した。
 通達では、圧縮記帳の適用を受ける届出書を提出したものの、その後適用を受けずに譲渡した場合についても譲渡利益金額について控除の適用が受けられるとしている。事業年度中に2つ以上の土地などを譲渡し、いずれかの土地などの譲渡利益金額を基礎として圧縮記帳の適用を受けても、ほかの土地などは控除を受けることができる。
 また、圧縮割合について、先行取得した土地などが同21年分と同22年分のいずれもある場合は80%が適用されると明記。ただし、同21年中に先行取得した土地などがあっても、すでに全額を減額しており、圧縮記帳の適用を受けるものが同22年度に取得したもののみなら60%を適用する。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年1月22日 金曜日

Vol.0058号

<タックスニュース>

避けて通れぬ消費税  "焦れる"仙谷に菅"および腰"

 新たに財務相に就任した菅直人副総理と、菅氏の後を継ぎ国家戦略担当相を兼務することになった仙谷由人行政刷新相との間で、消費税率引き上げをめぐる意見対立が表面化している。「増税の話が出ると歳出抑制の取り組みが鈍る」と早期の議論着手に難色を示す菅氏に対し、仙谷氏は増大を続ける社会保障費を念頭に「すぐに議論を始めるべきだ」と詰め寄る構図だ。
 休日だった1月10日にもこの対立劇が繰り広げられた。「少子高齢化が進む中で、社会保障を維持するにはどういうシステムが必要なのか。そうした観点からも、消費税の議論は避けられない」。徳島・徳島市で講演した仙谷氏はこう強調し、「夏の参院選前でも、議論は常時すべきだ」と訴えた。
 だが、菅氏はこの日の朝にテレビ番組で「議論することがダメだとは言っていない。ただ、しっかり無駄な経費の組み替えをやらないまま次の増税を考えると、必ず無駄なものが残ってしまう」と反論。「この1年は徹底的な財政の見直しをやる。そのうえで消費税、環境税など必要な議論はやっていく」と述べ、消費税論議を2011年度以降に先送りする考えを示した。
 財務相として厳しい国の財政事情に直面する菅氏が、「正攻法」とも言える増税の議論に及び腰になる背景には、副総理という立場上、与党との関係を考慮し、今夏の参院選前に増税論議が盛り上がるのを避けたい苦しい事情がある。政府税制調査会の会長、会長代行を務める2人の対立に、選挙への思惑も絡み、今後の税制改正論議は波乱含みだ。

<タックスワンポイント>

「海外勤務」の法定調書どうなる???提出は2月1日まで

 今年の法定調書の提出期限は2月1日。例年ならば1月31日が提出期限だが、月末が日曜日に当たるため、提出期限が週明けにずれ込んだ。提出が義務付けられている法定調書は、給与所得の源泉徴収票および給与支払報告書、一定額以上の報酬・原稿料の支払いに関する「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」、役員の退職手当を支払っている場合は「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」など。
 海外へ転勤した社員については、1年以上の予定で海外に転勤した場合、転勤した時点で非居住者となり日本の所得税が課税されない。そのため、転勤後に支払われる給与に関して、企業は源泉徴収を行う必要がなく、源泉徴収票の作成も不要。国内勤務時の源泉徴収票のみを作成し、給与などの支払総額が500万円を超えた場合は提出の対象となる。
 ただし、海外転勤した後に賞与を支払った場合、賞与金額の計算期間に日本で勤務した期間が含まれていれば、日本での勤務期間に対応する部分については源泉徴収義務が発生するため、源泉徴収票の作成・提出が必要となる。
 一方、役員ならば、原則として日本の所得税が課税されるため、海外転勤後の給与についても源泉徴収義務が発生し、源泉徴収票の作成・提出が必要。ただし、支店長など「使用人」の立場で勤務している場合は源泉徴収義務がなく、提出は不要だ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年1月15日 金曜日

Vol.0057号

<タックスニュース>

「納番制度の創設」大綱に明言  年金、住民票など既存ナンバー活用も

 政府税制調査会は近く、専門のプロジェクトチーム(PT)を設置し、納税者(社会保障)番号制度の導入に向けた具体的な検討に入る。鳩山政権が目指す税と年金、保険料の一体徴収、給付付き税額控除の実施といった税体系の抜本改革を進めるには、国民一人ひとりに個別の番号を割り振り、所得の状況を正確に把握するシステムの構築が不可欠だからだ。
 現在は所得税の徴収業務は国税庁、社会保障は厚生労働省や地方自治体、年金は日本年金機構(旧社会保険庁)と所管が分かれ、個人が税金や保険料をいくら支払い、給与所得や年金給付などどの程度の収入を得ているのか全体像を把握できなかった。
 こうした情報を一カ所に集約するには、個人が確実に特定できる新たな仕組みが必要になる。これが納税者番号制度で、2010年度税制改正大綱には、基礎年金番号や住民票コードなど既存の番号の活用も視野に実現の可能性を探る方針が盛り込まれた。
 納税者番号の導入は自民党政権時代にも何度か浮上したものの、そのたびに国民の強い反発を招き、つぶされてきた。峰崎直樹副財務相は、1年以内にPTとしての結論を得る考えだが、世論の理解をいかに得るか難しい宿題を抱えている。

<タックスワンポイント>

審判所 子会社増資で注目裁決  「株価の回復可能性」どう見る??

 業績が悪化した子会社に増資し、その直後の決算で同子会社株式の評価損を損金計上したケースについて、国税不服審判所は、損金計上を認めないとする裁決を下したことが分かった。争点となったのは、「株価の回復可能性が見込まれるかどうか」である。請求人A氏は、資産状態が悪化した外国子会社の株式について評価替えを行い、期末となる平成18年3月31日付で評価損を損金計上した。
 ところが、税務当局は「株価の回復可能性がないとは言えない」として法人税の更正処分を実施。これを不服としたA氏は「増資には業績回復に直結する経済効果はない」として審査請求を行った。
 同年1月に実施された同社の株主総会では、A氏が同年2月に200万ドル、翌事業年度となる同年7月に1千万ドルを出資することを可決しており、審判所は「すでに実行することが決定している事業計画がある場合、それらも考慮したうえで回復可能性を判断すべき」とし、「同社株式価額には回復可能性がないとは言えない」とした。
 また、「増資払い込み後相当期間を経過してなお業績が回復せず、むしろ悪化している場合にのみ評価損を計上する余地がある」ことを明らかにした法人税基本通達9-1-12に照らし合わせ、同年2月の増資払い込みから期末までに1カ月程度しか経過していない今回のケースでは、「事業年度終了時点で、増資による業績回復効果がないと判明したとは言えない」として評価損の計上を認めず、審査請求を棄却した。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年1月 8日 金曜日

Vol.0056号

<タックスニュース>

子ども手当の"理念"とは???  所得制限かけずに寄付制度

 2010年度当初予算で、鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」は、所得制限をかけないことで決着した。しかし、すべての子どもを対象とすることについては「金持ち優遇」との批判が一部にあることに加え、2010年度で約2・3兆円に上る概算要求額を縮減するために民主党は所得制限を重点要望に盛り込んだ。
 だが、所得制限をかける年収額について政府・与党内で大きく意見が割れた。民主党の山岡賢次国対委員長は「2千万円ぐらいが妥当」と主張。一方、国民新党は、「2千万円だったら、やらないほうがいい」(下地幹郎政調会長)と反発し、現行の児童手当の所得制限額860万円から、1千万円の範囲内とするよう求めた。2千万円では、99・9%の子どもが給付対象となり、予算の縮減額はわずか20億円程度。860万円では、1割の子どもが対象外となり2千億円以上の予算が縮減できる計算だ。
 財務省内には「まさに理念の問題。自民政権での定額給付金のように答えは簡単に見つからない」(幹部)と、決着を危ぶむ声もあったが、結局は制限をかけないことで落ち着いた。鳩山首相は金持ち優遇批判をかわすために、手当が必要ないとする世帯は自主的に自治体に寄付をできる仕組みを作る方針を明らかにした。

<タックスワンポイント>

税務調査の6%「担当官の態度悪い」  東京税理士会がアンケート実施

 東京税理士会(会長=山川巽氏)はさきごろ、「平成21年度税務調査アンケート」結果を発表した。これはランダムに選んだ同会の6千会員に対して行ったもので、有効回答数(税理士個人・税理士法人)は1323件だった。これによると、同20年7月~同21年6月に受けた調査件数は合計で3806件。回答者1人当たりの平均は2・9件で、前回から0・7件増加した。
 調査日数は、最も多かったのが「2日」で1867件(52・2%)、次いで「1日」の849件(23・8%)、「3~4日」の598件(16・7%)となった。さらに「5日以上」という答えも260件(7・3%)あった。調査にあたって事前通知があったと答えたのは、全体の98%。前回に比べ3・9%の増で、不適切な無予告調査については改善されてきたようだ。なおこのなかで、納税者だけではなく顧問税理士にも通知があったのは88・6%となっている。
 また、調査担当官の態度については41・4%が「良い」と回答。理由をみると、「法令にのっとった指摘で納得できた」「効率が良かった」などだった。「普通」とした52・7%を加えると、全体の94・1%が大きな不満を抱いていないことが分かる。
 半面、調査担当官の態度を「悪い」と感じた割合は5・9%。その理由は「法令解釈に無理がある」「知識不足」「納税者・税理士の説明を聞かない」「効率が悪く長時間の調査となった」「ビジネスマナーに欠ける」など辛らつな意見が並んだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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