タックスニュース

2010年2月26日 金曜日

Vol.0063号

<タックスニュース>

消費税論議に閣僚ピリピリ  見えないスタートライン

 菅直人副総理兼財務相が、3月にも消費税率引き上げを含む税制改革の議論に着手する。菅財務相は1月の衆院予算委員会で消費税の導入時期について「逆立ちしても鼻血も出ないほど、完全に無駄をなくしたとき」と答えた。
 2月上旬の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、国債発行残高の多さを「金メダル級」と紹介すると、同15日の衆院予算委員会で「無駄排除は行政刷新担当にがんばってもらい、同時に税調としての議論は議論として進める」などと発言し、増税論議の解禁にかじを切った。これまでは「消費税の話は、大臣の意向もありオフレコで」と警戒する財務省関係者もいた。一連の発言が、より活発な税制改革論議を進めるきっかけになる。
 だが参院選を控え、閣僚間で警戒感は根強い。原口一博総務相は「増税ありきの議論には立たない」と強調。福島瑞穂少子化担当相も「税率引き上げにはずっと反対」と社民党党首としての立場を強調。亀井静香金融担当相も「消費税だけを取り出して議論をするほど暇ではない」などと一蹴した。近く始まる政府税調の専門家委員会も、所得再配分機能を持つ所得税改革に関心を示しており、本格的な議論は先になりそうだ。

<タックスワンポイント>

経営セーフティ共済が拡大  節税効果もビッグ

 平成22年度税制改正で延長・拡大が決まった中小企業基盤整備機構の共済制度「中小企業倒産防止共済」(経営セーフティ共済)を活用した節税術があらためてクローズアップされそうだ。これは、取引先の予期せぬ倒産から中小企業の連鎖倒産を守ることを目的とした共済制度で、掛け金について法人であれば損金、個人であれば必要経費として処理することが認められている。
 同共済は解約が自由にでき、解約手当金が受け取れる。その金額は、納付12カ月以上なら80%、40カ月以上なら100%戻る。法人なら、その解約手当金について、支給を受けた時点の益金、個人は事業所得として処理する必要があるわけだが、事業が赤字のときに解約すれば、税負担を軽減できるメリットがある。
 現在の貸付限度額が3200万円だが、平成22年度税制改正により限度額は8千万円まで、掛け金は月額最大20万円まで拡大される。たとえば、毎月20万円で40カ月、800万円積み立てたとしたら、100%の金額が支給されるため、最大で800万円の所得が圧縮できることになる。
 ただし、重複契約はできない。また、法人税を滞納している企業や住所または主たる事業の内容を繰り返し変更したために継続的な取引状況を把握することが困難な企業・個人、すでに貸し付けを受けた共済金や一時貸付金の返済を怠っている??といった理由がある場合は同共済に加入できない。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年2月19日 金曜日

Vol.0062号

<タックスニュース>

中国より信頼薄い「日本国債」  返済力乏しく市場に警戒感

 日本国債をめぐる市場の動向に対し、財務省内に危機感が強まっている。債務不履行の危険度を示す指標となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは、昨秋以降、上昇基調に入り、1月に中国を初めて上回った。省内では「明確な財政健全化の道筋を示さないと、今度こそ長期金利急騰などの事態が生じかねない」(幹部)と懸念が広がっている。
 財政が悪化しているにもかかわらず、長期金利が低水準にとどまっている背景には、日本の家計金融資産が約1400兆円あり、「いざとなれば増税すればいい」(与党関係者)との楽観論があるためだ。円高・株安で、銀行の投資先が消去法的に国債に流れ込んでいることも、長期金利の抑制要因になっている。
 だが、個人金融資産から負債を除いた純資産額は約1千兆円強で、公的債務残高にかなり接近しつつあるのが実態。財務省幹部は「返済余力が乏しくなりつつあることへの市場の警戒感は高まっている」と警鐘を鳴らす。日本より債務残高のGDP比が少ないギリシャでは財政不安が生じ、長期金利が急騰する混乱が生じている。日本は2011年度予算もマニフェスト関連の歳出拡大が見込まれており、「6月に中期の財政再建策を示す」とする菅直人財務相の手腕が問われそうだ。

<タックスワンポイント>

トヨタ・プリウス問題  注目集まるリコール税務

 ハイブリッドカー「プリウス」のリコール問題。製造業を中心としてリコール費用の税務に注目が集まっている。リコールが発生した場合、商品の回収や修理などさまざまな費用がかかる。これらは「リコール」という臨時的な事象により発生する費用であるため、金額が大規模なものであれば、営業外損失や特別損失として処理する。費用は税法上の損金の額に算入するが、リコール費用が少額であれば、販売費に含めて処理するのが一般的だ。
 また、食品の場合、「消費者が食中毒になった」「商品に異物が混入していた」などの場合にリコールすることになる。食品リコールの場合、その性質上、商品を修理・改善することはできないため、対象商品と同日、同工場で生産された商品を、在庫も含めてすべて廃棄処分とするケースが多くみられる。
 商品を廃棄処分する場合には、商品廃棄損を計上し、その金額を損金算入することが可能だ。また、商品を回収し、購入代金の返還を行う場合には、通常の返品があったときと同じく、「売上戻り」として処理する。
 ところで、今回のリコール問題に対しトヨタは、「製品保証引当金」を取り崩して対応するようだ。
 製品保証引当金とは、当期の売り上げに起因し、製品販売後の無償保証契約などによって発生する回収・修理費用に対する引当金のこと。会計上では費用として認められている一方で、税法上の損金として取り扱うことはできない。「実際に支出していない金額を税務上の費用として認めるわけにはいかない」(当局)。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年2月12日 金曜日

Vol.0061号

<タックスニュース>

税調で頓挫する環境税議論  選挙がらみで腫れ物扱い

 政府税制調査会は1月28日の会合で、納税環境整備、市民公益税制、控除廃止の影響調査??に関する3つのプロジェクトチーム(PT)の設置を確認。外部有識者で構成する専門家委員会の創設も正式決定したものの、2010年度税制改正大綱で「2011年度実施に向け成案を得るべく検討を進める」としていた地球温暖化対策税(環境税)の検討組織については、依然、始動のめどすら立っていない。
 「税制改正関連法の成立に向け、事務方は政令や省令の作成などに追われる。3つのPTに加え、専門家委も立ち上がるとなると、環境税まで手が回らない」。税調事務局は釈明する。ただし、環境税が敬遠される理由はそれだけではない。「大綱は早期導入をうたったが、実際にはそう簡単な問題ではない。税調幹部と話しても、環境税は当面、触りたくないという雰囲気がありありだ」。税調関係者はこう打ち明ける。
 環境税は化石燃料に幅広く課税する仕組み。産業界にとっては負担増で、電気やガス料金の値上げなど家計への影響も避けられない。政府・与党内には今夏の参院選を控え、国民負担をともなう議論はできるだけ避けたいとの思いが強く、それが環境税にブレーキをかけているのが実態だ。消費税同様、環境税の議論本格化もしばらく先になりそうだ。

<タックスワンポイント>

確定申告・長期優良住宅特例が登場??ローン控除適用にも注意

 平成21年分の所得税確定申告が2月16日からスタートする。今回から新しく税制改正の影響を受ける部分をチェックしておきたい。ローンを組んで住宅を購入・新築または増改築した場合に、年末ローン残高に一定の控除率を掛けた額を所得税額から控除する「住宅ローン控除」。適用期限が「同25年12月31日までの入居」へと延長されるのと同時に、同21年1月1日以後入居した場合の控除期間、年末ローン残高の限度額、控除率が改められたので確認が必要だ。
 同じ住宅でも「認定長期優良住宅」を新築・購入した人には、住宅ローン控除の内容がさらにおトクになった特例が登場。同21年6月4日以後の入居から適用できる。
 認定長期優良住宅の場合、ローンを組まずとも一定要件を満たせば所得税の税額控除となる「認定長期優良住宅新築等特別税額控除」もある。ただしこちらと住宅ローン控除の特例はどちらか一方のみの選択制なので注意したい。
 株取引に関する新しい措置も注目だ。配当所得はこれまで、原則総合課税の対象だった。同21年分確定申告から、上場株式等の配当等(大口株主等が支払いを受けるものを除く)については、総合課税のほか、7%(住民税3%)の税率の申告分離課税が選択可に。
 また、上場株式等の譲渡損失がある場合、その額をその年分の上場株式等の配当等に係る配当所得の額から控除できるようになった(申告分離課税選択した場合に限る)。控除対象には、その年の上場株式等に係る譲渡損失のほか、その年の前年以前3年内の各年に生じたものも含まれる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年2月 5日 金曜日

Vol.0060号

<タックスニュース>

停滞する消費税議論??税制抜本改革、目途立たず

 「麻生政権の『置き土産』の扱いはしばらく凍結だ。いま手をつける理由はない」。政府税制調査会幹部はこう語る。「置き土産」とは、所得税法の付則に書き込まれた、税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」だ。政権交代にともない、鳩山政権は付則の削除を検討したが、「付則を存続させても当面、影響はない」(内閣府)ため、今通常国会での審議は見送ることに。
 付則には「遅滞なく税制抜本改革を行うため、平成23年度(2011年度)までに必要な法制上の措置を講じる」ことが明記されており、これに従えば、今秋の2011年度税制改正で消費税引き上げなどを盛り込んだ税制改正関連法案を取りまとめる必要が出てくる。鳩山政権が付則を踏襲する可能性はなく、遅くとも来年の通常国会では付則の削除が決まる見通しだ。
 税制抜本改革は自民党政権時代、有権者に評判の悪い消費税増税を先送りする思惑から一向に具体化しなかった。中期プログラムも腰の引けた内容に後退したものの、抜本改革の道筋を法案化した点で「大きな前進」(財務省)とみられていた。
 鳩山政権も専門家委員会の設定など、税制抜本改革に向けた独自案作りに着手しているが、消費税増税に腰が引けた姿勢は自民党政権と変わりはない。付則の廃止で「税制抜本改革がさらに遠のくことになる」(経済官庁幹部)のは間違いなさそうだ。

<タックスワンポイント>

確定申告  株配当なら申告分離も

 今年も確定申告のシーズンがやって来るが、税制改正の影響を受ける部分がある。今回は特に、株取引を行う人は要チェックだ。
 「上場株式等の配当等に係る配当所得」について、総合課税のほかに7%の税率(住民税3%)の申告分離課税が選択できるようになった(大口株主らが支払いを受けるものは除く)。
 株といえば、損した人も多いだろう。その年分の上場株式等に係る譲渡損失額がある場合には、その年分の上場株式等の配当等に係る配当所得の金額から控除することができることになった。ただし、これができるのは申告分離課税を選択したものに限る。
 同様の措置は前年以前3年内の各年に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額があった場合でも適用OK。この場合、前年以前にすでに控除したものは除かれる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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