タックスニュース

2010年3月26日 金曜日

Vol.0067号

<タックスニュース>

「鳩山政権に理念なし」??財務官僚が酷評

 「法人税の税率を国際的な流れにふさわしいものにしていく。減税の方向に導いていくのが筋だ」。鳩山由紀夫首相は3月12日、こう発言した。民主党は衆院選のマニフェストで中小企業の法人税率引き下げを掲げたが、財源を確保できず2010年度からの実施を見送った。同13日には消費税アップも「わたしは政権を担っている間はしない」と答えている。
 こうなると、所得税増税に頼らざるを得ない。政府税制調査会の専門家委員会は、最高税率の引き上げのほか、株式譲渡益と配当に課す10%軽減税率を2011年度中に元の20%に戻し、金融所得を勤労所得と一体で課税する制度も検討している。ある財務省幹部は「税への理念がない」と吐き捨てる。
 たとえば所得税の累進強化で富裕者層から徴税力アップは狙うが、目玉政策である子ども手当の所得制限はナシ。高校授業料の実質無償化では、裕福な家庭に比較的多いとされる私立高生に対しても、授業料を減額する。
 別の主税局幹部からは「前政権は論議に一貫性があった」と、自民党税調時代を懐かしむ声が上がる。掲げた政策の取捨選択と、増税の折り合いをどうつけるのか。鳩山政権発足から半年。政権運営の苦難はしばらく続きそうだ。

<タックスワンポイント>

申告企業7割が赤字で過去最悪  交際費は前年度分比4・6%減

 国税庁がまとめた平成20年度分の会社標本調査によると、赤字を計上した法人企業数は全260万社中185万6575社で、71・5%に及ぶことが分かった。赤字法人の割合が7割を超えるのは、昭和26年の調査開始以来、初めて。平成に入ってから最も欠損法人割合が低かったのは同2年分の48・4%で、20年弱で20%の法人が赤字に転じたことになる。
 また、営業収入金額は1419兆5138億円で前年度分から9・2%の減少。過去最悪の減少率となった。営業収入のうち、利益を計上している法人の総額は834兆5336億円で、前年度分と比べて27・0%減少した。また、利益計上法人が得た所得金額は35兆2209億円で、前年度分と比べ36・2%減。これらの減少率も過去最悪となった。
 そのほか、企業の支出を内容別にみると、まず「交際費」については総計3兆2261億円で、前年度分比4・6%の減。いわゆる「交際費の5千円基準」により大幅に減った同19年度分と違い、今年は影響を受けるような法改正はなく、この面においても、不況の影響がみられる。
 一方で、「寄付金」の支出額は4940億円で、前年度分より155億円(3・2%)増加した。子会社への支援目的の寄付などを除く、指定団体や、特定公益増進法人に対して行われる慈善寄付金についても2・2%増。不況下において意外な伸びとなった。ただしこれまでも景気などとの連動性に乏しい動きをしており、理由については個々の法人の事情による面が大きいようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年3月19日 金曜日

Vol.0066号

<タックスニュース>

千葉・市川市  「市民税1%」のNPO支援

 千葉・市川市では、納税者が市民税の1%をNPO法人に寄付する制度を始めて今年で6年目を迎える。鳩山由紀夫首相が所信表明演説で掲げ、政府税制調査会で議論が進む「新しい公共」の先行事例として学ぶべき点がありそうだ。
 この仕組みは「1%支援制度」と呼ばれている。納税者は毎年7月ごろ、市の広報誌に印刷された封筒で、支援したい団体と納税通知書番号を書いて郵送するだけ。納税者にとっては、寄付に対する上限付き税額控除と同じ効果を持つ。確定申告も不要だ。
 制度に参加する市民や団体は年々増え続け、2009年は9千人が2100万円弱の市民税を130団体に託した。対象団体をNPO法人以外にも広げ敷居を低くし、事業に使わなかった場合には返金させる罰則規定を明確にした。敷居が高い国の「認定NPO法人制度」とは対照的だ。
 130団体の活動分野は介護や障害者支援、少年野球にまで及ぶ。ある団体は、民間の遊休地を借り受けるなどして野球場を整備し、試合機会の少ない小学校低学年の児童向けにリーグ戦を組んだ。団体が提出した事業報告書には、保護者や子どもたちの感謝の声と共に、納税者へのお礼の言葉が並ぶ。2009年は100万円を超える支援金が集まった。市民が税金の使い道を選んだ結果、従来の行政の枠を超えた活動が生まれている。

<タックスワンポイント>

駆け込み生保節税に落とし穴  来年3月までの受給開始が条件

 究極の生保節税を支えてきた相続税法24条の見直しを盛り込んだ税制改正法案は先ごろ衆議院を通過。「いまのうちに」とばかりに今年に入り"駆け込み現象"が起きているが、ある落とし穴の存在がクローズアップされている。問題となっているのは適用時期。節税が成立するのは来年3月末までの贈与だが、ここでいう「贈与」の意味を取り違えると節税効果は水の泡となってしまう。
 生命保険金の受取人と保険料負担者が異なる場合、「みなし相続」または「みなし贈与」として相続税や贈与税がかかってくる。しかし、その保険金を年金払いで受け取る場合には、相続税法24条「定期金に関する権利の評価」による評価額が課税対象となる。たとえば残存期間35年超なら受給総額の20%。受給総額が1億円でも「2千万円」で評価される。究極の相続対策として長年にわたり多くの富裕層から重宝されてきたが、今回の税制改正でシバリがかかることになった。
 いま、このすき間を狙って加入する駆け込み現象が起きているわけだが、ここで注意したいのが「贈与」の解釈。今月中に契約し、来年3月末までに名義変更すればよいと考えている人が多いようだが、これは間違いだ。「みなし贈与は年金受給が開始したときに発生するもの」(国税庁)。つまり「来年3月末までの贈与」となるためには、来年3月末までに年金受給が開始していなければならない。名義変更しただけでは「みなし贈与」にはならないのである。
 契約から受給開始までが1年という超スピード年金を扱う機関は限られているものの、富裕層の関心は高まる一方。節税狙いの契約の締め切りが目前に迫っているが、「意味がない」ことにならないよう、契約前にもう一度適用関係を確認しておきたい。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年3月12日 金曜日

Vol.0065号

<タックスニュース>

所得税増税いよいよ現実味  税調・専門家委員会がスタート

 政府税制調査会は2月24日、学識経験者を含めた専門家委員会(神野直彦委員長)をスタートさせた。最大の焦点は、所得税の見直し論議。累進制が大幅に緩和された1980年代以降の税制を検証し、2010年度税制改正大綱で掲げた所得再分配機能の回復につなげる構えだ。
 所得税は、1980年代後半から直接税と間接税の比率を変える目的で見直された。70%だった最高税率を1987年に60%、1989年には50%に引き下げる一方、消費税(税率3%)を導入した。1995年には中堅所得者層の負担軽減のため2千万円以上だった最高税率の適用対象を、3千万円以上に引き上げる減税を実施。
 経済情勢が悪化した1999年には、景気対策のため最高税率が37%まで引き下げられ、2007年には40%に戻された。1986年度に税収の約4割を占めていた所得税は、2010年度予算(税収37・3兆円)では3割にとどまる。神野委員長は「税収の調達能力が減少しているのは明らか。効いているのは控除か税率か、課税の在り方の変化か。原因を探るのがひとつの大きな課題」と話す。最高税率の引き上げなど、増税論議は避けられない。
 最高税率の引き下げは、消費税導入とセットで行われた経緯があり、景気回復が順調に進まない中での見直しは反発を招く可能性もある。これまでの税調と異なり、専門家委員会は非公開で行われる。「公開すると、その都度すぐに(マスコミなどで)反応が起き、自由な討論ができない」(神野委員長)との理由からで、増税論議を慎重にしたい政府側の思惑が透けて見える。

<タックスワンポイント>

分社節税が花盛り??3月決算にまだ間に合う!?

 中小企業を対象とした優遇措置が充実してきたことで、一部の黒字会社には「分社節税」を図る動きも出ている。分社化の節税メリットは、なんといっても中小企業の軽減税率が有効利用できること。中小企業は800万円以下の所得金額に18%の軽減税率が適用される。これを利用して所得金額が800万円を上回るような会社が分社化すれば、法人税の節税が図れる。
 しかしデメリットもある。分社化した場合には単体課税制度と連結納税制度を選ぶ必要があるが、単体課税を選んだ場合に会社間での損益通算ができなくなる。一方、連結納税では損益通算は可能だが、今度は軽減税率の適用メリットがなくなる。
 会社を分社化する際には、債権者に対して分社に異議がないか確認する期間が1カ月以上必要だが、条件さえそろえば確認不要。3月決算に間に合う可能性もある。分社・合併ともに実務上は大変な手間が発生するため気軽にはできないが、うまく活用すれば大きな効果が望めるようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年3月 5日 金曜日

Vol.0064号

<タックスニュース>

日本に根付くか「寄付の文化」??税優遇ですそ野を拡大

 政府税制調査会では年明け以降、特定非営利活動(NPO)に対する寄付拡大を目指す税制改正論議が続いている。寄付額はアメリカの20・4兆円(2008年)、イギリスの1・5兆円(同)に比べ、日本は0・26兆円(2004年)と圧倒的に少ない。
 背景には文化と税制の違いがある。現行では寄付金から5千円を引いた額が課税所得から控除されるが、高所得者で所得税率が高い人ほど還付金が多い。低所得者にも寄付のメリットを与え、寄付者のすその拡大が課題になっている。
 また、全国約3万9千あるNPO法人のうち、税優遇を認める認定NPO法人の数は、1%未満の116しかない。認定申請の手間が獲得できる寄付金額に見合わず、更新をせずに認定から外れるNPOも多い。寄付額が増えず、寄付先も増えない悪循環を断つためには、抜本的な制度改革が必要だ。
 税務当局側も寄付税制拡充には異論はないが、「血税で運営を支える団体が、寄付税制を悪用する事態は避けたい」と慎重な議論を望んでいる。「秋の税制改正に向けた論点整理で終わる可能性もある」(財務省幹部)との声もある中、期限となる4月まで、具体的な結論が示されるかが注目される。

<タックスワンポイント>

事業承継税制の確認手続き忘れずに!  事前省略は3月いっぱいで終了??

 平成21年度の税制改正において鳴り物入りで導入された事業承継税制だが、税理士からは「要件が厳し過ぎて使うに使えない」との指摘も多い。相続が起こる前に「経済産業大臣の確認」を取らなければいけないというのもそんな要件のひとつだが、現在は制度施行直後ということで確認手続きを必要としない経過措置期間中だ。しかし、その期間も同22年3月31日で終了と、もう目前に迫っている。
 先代の経営者が60歳未満で死亡した場合など一定の場合については確認を必要としないケースもあるが、原則として相続前に確認を受けていないと認定が受けられず、納税猶予制度を利用することができなくなってしまうので気を付けたいところだ。
 ちなみに同22年1月31日時点での申請件数は、認定件数は124件、確認件数は311件。同22年度税制改正においても一部見直しが行われる予定だが、「厳し過ぎる」という声が多い「80%の雇用維持」などに関しては特段の変更予定はない。利用を考えている人は高いハードルをクリアできるかどうかじっくり考えつつ、確認を受ける準備は早めに行ったほうがよさそうだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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