タックスニュース

2010年5月28日 金曜日

Vol.0075号

<タックスニュース>

財源なき「法人税引下げ」構想  内需拡大で健全化!?

 法人税の実効税率を国際的な水準まで引き下げることを柱にした経済産業省の成長戦略「産業構造ビジョン」が、波紋を広げている。財務省内には「減税にも例外なくペイ・アズ・ユー・ゴー(新規事業や減税に必ず財源を用意する財政ルール)が適用される」との声があり、実現が疑問視されているからだ。
 法人税の表面実効税率(2009年)をみると、EU平均は約27%、アジア平均は約25%なのに対し、日本は40・7%と高止まりしている。EUもアジアもこの10年間で水準を下げ、企業を誘致する競争力を高めようとしている。経産省は、国内への投資の増加や企業の海外流出を抑止することで、国内雇用の維持・増加と経済の自律的な成長をもくろんでおり、「安定的な経済成長を実現し、財政健全化にも貢献する」とアピールに懸命だ。
 こうした経産省の熱意に対して財務省は、「財源をどう考えているか知らないが、いずれにしても秋以降に議論される税制改正大綱の論点のひとつでしかない」(幹部)と冷ややかだ。鳩山政権が参院選の看板に掲げようとしている新成長戦略をめぐる両省の駆け引きに注目が集まりそうだ。

<タックスワンポイント>

個人が電気を売る時代  意外な税サポートも・・・

 太陽光発電協会によると、太陽光による発電システムを導入している家庭が、余剰電力を電力会社に販売するケースが大幅に増加しているという。電力会社の買い取り単価は、最近大幅に引上げられたそうで、1キロワット時当たり48円(一般住宅の場合)。
 税務上はこうした一般家庭の売電料は雑所得扱いとなる。そのため、ほかの雑所得と合わせて20万円以上となる場合には確定申告が必要となる。ちなみに、太陽光発電に必要な設備の設置に要した費用について経費となるのかどうか、国税当局は、「余剰部分にかかった経費はこれだけと明確に区分できなければ、経費として認められない可能性もある」としている。
 また、発電設備の設置にかかる優遇特例として、「住宅リフォーム減税」が活用できるケースがある。これは個人が自宅の改装を行った際に税額控除を受けられる制度だ。ただし、すべての居室の窓全部を改修したうえで設置した場合にしか適用されない。
 そのほか、太陽光発電設備容量1キロワット当たり7万円の補助金が受けられる制度がある。環境重視の時代、エコへの配慮には様々なインセンティブが付いてくるようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年5月21日 金曜日

Vol.0074号

<タックスニュース>

「欠損金の繰り越し」に上限  ??管財務相が増税案

 菅直人財務相は5月11日の会見で、法人税の「欠損金の繰り越し」について、「単年度内に一定を超えれば払っていただき、7年の期間を延ばすやり方もある」と述べた。欠損金を翌年度以降に繰り越して利益金から控除して、利益金が残れば法人税を支払っている現行制度を変え、利益金への損金算入に上限を設けて、法人税収の急激な落ち込みを避ける意向とみられる。
 財務省内では「2011年度の予算編成は、このままでは歳入不足でできない」(幹部)との認識が定着しており、菅財務相も危機感を持っている。まずは国債発行額を抑える必要があり、菅財務相は同年度の新規国債発行額を2010年度の33兆4千億円以下に抑える方針を表明した。
 財務省は2011年度には、黒字になった企業でも、欠損金の繰り越しで法人税の支払いが免除されるケースが多いと予想している。菅財務相のアイデアはこうした企業から2011年度に税収を確保する狙いがあるとみられるが、将来の税収の先食いにすぎない。算入期間の延長がなかった場合、事実上の増税になり、「V字回復を果たそうとしている大企業が黙っていない」(財務省幹部)と企業側の反発が予想される。

<タックスワンポイント>

住宅資金の贈与税特例  見逃せない!非課税枠アップ

 平成22年度税制改正で拡充した「住宅取得資金の贈与税の非課税制度」。国税庁がこのほど、同制度活用にあたっての取り扱いを明らかにした。今回の改正では非課税枠が拡大され、住宅取得資金をもらう予定のある納税者にとってうれしいわけだが、制度自体より複雑になっている。
 中でも、?同21年中に住宅取得資金の贈与を受けて旧制度を適用し、同22年にも資金贈与を受けた場合の非課税枠は?同22年中に住宅取得資金の贈与を受けた人が、同23年中に追加の資金贈与を受けた場合の非課税枠は??といった疑問の声は多い。
 これについて同庁は、?は同22年の非課税枠を「1500万円-同21年中に贈与を受けた住宅取得資金の額」とすることも可能としている。?は同22年中の贈与については1500万円、同23年の贈与については「1500万円-同22年中に贈与を受けた住宅取得資金の額」としている。つまり、いずれの場合も非課税枠は2年間で1500万円となるわけだ。
 また、非課税枠拡大の一方で同制度の適用に「所得制限」が設けられた。これにより、贈与を受けた年の総所得金額が2千万円を超えている場合は非課税制度を適用できなくなっている。ただし、これはあくまで新制度の適用について付された要件であって、非課税枠500万円の旧制度については合計所得が2千万円を超えていても適用可能となっている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年5月14日 金曜日

Vol.0073号

<タックスニュース>

財政審分科会  「成長、再建の両立を」??菅財務相

 菅直人財務相は4月26日、昨年9月の政権交代以降休眠状態になっていた同相の諮問機関「財政制度等審議会」(財政審)の財政制度分科会を10カ月ぶりに再開した。会長には吉川洋東大教授を選任。さらに自民党政権時代に最大40人以上いた委員を学識経験者10人に絞り込み、経済、財政学の見地から諮問に答える専門家会合に衣替えした。
 菅財務相は分科会の冒頭で、「経済成長と財政健全化は両立できる。その道筋を見いだす議論をぜひお願いしたい」と要請した。「増税しても、そのお金で政府が財政出動して雇用を生み出せば、景気は良くなる」というのが菅財務相の持論で、自らの持論の理論的裏付けを専門家に求めた格好だ。
 菅財務相が持論にこだわる背景には、財源不足で増税にいずれ踏み切らざるを得ないとの判断の一方で、与党や国民の根強い反発をかわす狙いがある。衆院選マニフェストの実現のためには新たに10兆円を超える新規財源が必要だが、「無駄遣いの削減」による財源確保は期待通りには進んでいない。
 さらに国と地方の公債残高はGDP(国内総生産)の2倍近くと先進国最悪水準で、「抜本的な歳入改革なしには市場の信認が得られない」(財務省幹部)という認識に菅財務相も傾いている。経済財政担当相も兼ねる菅財務相としては、デフレ脱却のためには「現状程度の財政(出動)規模は続けざるを得ない」(菅財務相)というジレンマもある。そこで「財政再建と成長は両立できる」という理論に飛び付いた格好だ。財政審は吉川教授ら経済・財政の一流学者ぞろいで、彼らの果たして「お墨付き」が得られるかどうか、議論が注目される。

<タックスワンポイント>

新株予約権  端数金の税務はどうなる!?

 東京証券取引所における新株予約権の上場基準が改正されたことで、平成21年12月30日以降、上場株式1株未満の新株予約権の上場が可能となった。これまで新株予約権の行使により得た端数金の税務処理については指針が存在していなかったことから、日本証券業協会が国税庁に対して照会。これにより、端数金の税務上の取り扱いが明確化された。
 国税庁の文書回答によると、新株予約権の割り当てには、発行法人からの資産移転や既存株主間の経済的価値の移転がないことから、無償で割り当てられた新株予約権、有償で取得した新株予約権のいずれにおいても、「課税関係が生じることはない」としている。この場合、新株予約権の取得価額は、無償で得た新株予約権についてはゼロ円、有償で取得したものについては、新株予約権の購入代価に購入手数料、そのほかの費用を加算した金額となることが明示されている。
 新株予約権の取得には課税関係が生じないが、権利行使時には課税関係が生じることになる。新株予約権を行使することにより、1株未満の端数株式の交付を受けた場合は、いったん端数部分の株式が権利者に交付され、直ちに発行法人がそれを買い取り、株式の市場価格に相当する金額が支払われることになる。これはつまり、株式の交付を受けた権利者が一度取得した株式を譲渡していることにほかならないため、権利者が個人の場合には譲渡所得が、法人の場合には譲渡損益が発生するとしている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年5月 7日 金曜日

Vol.0072号

<タックスニュース>

税制改革を主導するのは誰だ!?  菅・峰崎・小沢??3者鼎立

 政府税制調査会の専門家委員会(委員長=神野直彦東大名誉教授)は4月20日、税調会長の菅直人副総理兼財務相から指示があった1980年代以降の内外の税制改革にかかる総括について、ひと通りの議論を終えた。
 峰崎直樹副財務相は「5月の連休明けには、専門家委員会での議論の論点の方向性を出さないといけない」と述べているが、ここに来て「菅大臣と峰崎副大臣の考え方は違うのではないか」(財務省幹部)との観測が広がり始めた。専門家委員会での論点の方向性を打ち出せば、必然的に将来の消費税や所得税などの増税に触れざるを得ない。ここで影を落としているのが、小沢一郎幹事長の存在だ。
 前原誠司国土交通相がいったんは公表した高速道路の新しい上限料金制度案に対して、小沢幹事長は「一部値上がりしているのはおかしい」と指摘して、新料金制度案を事実上、棚ざらしにしてしまった。この事件を目の当たりにした菅財務相が、7月の参院選を前にして国民の負担増に過敏になっている小沢幹事長に刺激を与えたくないのでは、という見立てだ。菅財務相は「増税と経済成長は両立する」とも言う。「ポスト鳩山」と目される菅財務相が、小沢幹事長の前でどのように振る舞うかを財務官僚は注目している。

<タックスワンポイント>

申告以外にも使えるe-Tax  更正の請求から税理士試験まで

 利用者が順調に伸びている国税電子申告・納税システム「e-Tax」。e-Taxといえば、「申告で使う」という印象が強いが、ほかにも多くの場面で利用できる。たとえば、納める税金を誤って多く申告してしまったとき、訂正を求めるためにする「更正の請求」もe-Taxでできる。
 次に「異議申立」の手続き。これは税務署長などによる更正や決定といった課税処分、差し押さえ・滞納処分などに不服があるときにするもの。原則、「異議申立」をしてこれに対する決定(異議決定)があった後、それでもなお不服という場合、国税不服審判所長に対して「審査請求」ができる。
 e-Taxは、「異議申立書」から「審査請求書」の提出まで対応している。相続税や贈与税の「延納」の申請もe-Taxはカバーする。延納は、相続税または贈与税の税額が10万円を超え、かつ金銭納付が困難という場合に、担保を提供することで、分割して納めることができるという制度。相続税だけに認められた、税金をほかの相続財産で納める「物納」の申請もe-Taxで可能だ。
 また、税理士試験関係手続きもe-Taxで行える。税理士試験受験資格認定申請から、税理士試験の受験願書の提出、試験科目の免除が可能な人が行う「税理士試験免除申請」もe-TaxでOK。できることが意外と多いe-Taxだが、普段申告でしか使っていなかったという場合、e-Taxに必要な電子証明書の有効期限には注意したい。有効期限が切れていたら、住基カードであれば役所などで更新手続きをしておこう。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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