タックスニュース

2010年7月30日 金曜日

Vol.0084号

<タックスニュース>

「バーゼル」自己資本"変動制"を提案――貸し渋り対策で

 主要国の銀行監督当局でつくる「バーゼル銀行監督委員会」(本部・スイス)は7月16日、2012年末の導入を目指して策定を進めている新たな自己資本規制「バーゼル?」の一環として、各国の金融当局が景気状況に応じて銀行に求める自己資本比率の水準を変動させることができる枠組みを提案した。各国の関係者の意見を聞いたうえで、11月の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)での合意を目指す。
 バーゼル?は、2008年秋の金融危機の再発を避けるため、銀行の経営基盤を安定させる目的で導入が決まった。現行規制の「バーゼル?」では、国際展開する銀行は、総資産に対する自己資本の比率を8%以上、普通株や優先株などで構成する「中核的自己資本」は4%以上とする必要がある。バーゼル?では、中核的自己資本のうち、普通株と利益剰余金に限る「狭義の中核的自己資本」を新設し、一定比率以上の確保を求める。
 しかし、固定された自己資本比率規制は、景気が悪化すると、銀行が自己資本比率の低下を避けるため、資産を減少しようと貸し渋りに走り、景気悪化に拍車をかけてしまう問題があった。
 提案では、バーゼル委が自己資本比率の上限と下限を設定。景気が過熱して貸し出しが過剰となった場合、各国の金融当局がそれぞれの判断で、国内の銀行に求める自己資本比率の水準を引き上げ、自己資本の積み増しを求める。1年以内に達成できない場合は配当支払いや役員報酬を制限する。また、景気が悪化した場合は、必要な自己資本比率の水準を引き下げて、貸し渋りを抑制する。

<タックスワンポイント>

取引先が豪雨に襲われたら・・・売掛金免除・低利融資に優遇

 豪雨による災害の発生が増えてきた。取引先が被害に遭ったときの税務上の対応を考えてみる――。 まず取引先の会社が災害に遭ったときに支出するものといえば「見舞金」だが、災害発生後取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間内に送られるものについては、災害見舞金として交際費にはならない。また、これは現金の包みに限った話ではなく、事業用資産の供与、役務提供のための費用も、交際費から除かれている。
 そのほか、通常の営業ができない相手に配慮し、売掛金、未収請負金、貸付金といった債権について、全部あるいは一部を免除することもある。この免除したことによる損失の額は、寄付金に該当しない。すでに契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売の賦払金などで災害発生後に授受するものの全部または一部を免除するなど、「契約で定められた取引条件を変更する」場合も、寄付金にならない。
売掛債権などの免除は、どのような方法で行われても問題ない。しかし口約束だけでは後で確認がとれないため、書面で行うのが理想的だ。書面は法律の専門家が作る公正証書でないとダメという取り決めはないが、最低限、税務署への説明ができる程度のかたちにはしておきたい。
 被災者支援として「低利、無利息の融資」が考えられる。災害時の復旧支援目的であれば、融資は正常な条件の下で行われたとされ、寄付金認定されることはない。融資の期間の長短や融資額は問われないが、見舞金同様、災害復旧目的としては「復旧過程にある期間内」にされる融資でなければならない。融資額についても、復旧に必要な額を超える過度の融資は対象外となってしまう恐れもある。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年7月16日 金曜日

Vol.0082号

<タックスニュース>

海外経済に一服感......  景気回復にブレーキ  ――内閣府まとめ

 内閣府が7月6日発表した5月の景気動向指数(速報値、2005年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比0・1ポイント低下の101・2となり、2009年3月以来14カ月ぶりに前月を下回った。半年ほど先の景気動向を表す先行指数も3・0ポイント低下の98・7と、2カ月連続で悪化した。内閣府は景気の基調判断を「改善を示している」に据え置いたものの、津村啓介政務官は「先行きに不透明感が感じられる」と警戒感を隠さない。
 足元の景気にブレーキがかかったのは、海外経済の回復に一服感が出ているためだ。金融の引き締めで中国の景気拡大ペースが鈍っているほか、アメリカも回復に力強さはみられない。一致指数では、設備投資動向を示す投資財の出荷指数が2・1%減と大きく落ち込んでおり、輸出の減速が企業の生産や投資の停滞につながっていることを示した。省エネ家電の購入を促すエコポイント制度などの政策効果が薄れ、小売業の販売額や鉱工業生産が減少したことも響いている。
 景気回復ペースが弱まることは、政府の財政再建計画にも影を落とす。「景気の先行き懸念が強まれば、与野党の増税への反発が一段と強まるのは確実」(財務省幹部)だけに、政府は景気の動向に神経をとがらせている。

<タックスワンポイント>

さようならワールドカップ  売れ残りグッズは評価損計上

 世界中が熱狂したサッカーワールドカップ南アフリカ大会。われらが日本代表も、ベスト16にまで進出する健闘をみせた。予想外の快進撃に、関連グッズの売り上げなどによる経済効果も予想をはるかに上回る規模に達したようだ。
 しかし、すでにワールドカップは終了し、グッズの売り上げは今後、落ち込む一方。不良在庫を嫌う一部の小売店では、"セール価格"でグッズを売り出しているようだ。ただ、すでに商機を逃した商品だけに、仮に仕入れ値以下の価格で販売しても、すべて売り切ることができるとは限らない。
 ワールドカップ関連グッズのような「流行に左右される商品」が売れ残った場合、それらの商品は陳腐化したものとして、評価損を計上することが可能だ。通常、棚卸資産の評価損は、商品が破損するなど物質的な損害があった場合に計上するもの。しかし、「今後明らかに通常の価格で販売できない商品」についても同様に評価損を計上できる。
 ただ、この「今後明らかに通常の価格で販売できない商品」には明確な基準がなく、税務調査の際にももめやすい部分。陳腐化資産の評価損計上には、慎重な判断が求められる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年7月 9日 金曜日

Vol.0081号

<タックスニュース>

「消費増税」事実上の民主公約へ  参院選で国民の審判は!?

 民主党が参院選マニフェストを発表した6月17日夕の記者会見を、財務省幹部はかたずをのんで見守っていた。会見する菅直人首相が「消費税の抜本改革案を今年度中にまとめる。自民党が主張する税率10%を参考にする」と発言するという情報が、当日になって財務省に入ってきたからだ。
 細川政権が崩壊するきっかけになった国民福祉税構想の発表は、背後で旧大蔵省が「振り付け」をしていたのは有名な話。消費税導入や5%への引き上げの際にも、旧大蔵省が段取りを付けてきた。しかし、今回の菅首相の発言には、財務省は事前に発言を促していないもようだ。カナダのG7財務相会議で、財政再建への思いが強まったとみられている。
 しかし、財務省にとってはコントロールができない分、せっかく盛り上がった消費増税への機運がつぶれてしまわないか気が気でない。財務省幹部は、ため息混じりに「発言をそろそろ控えてもらえれば」と漏らす。
 あまりの過熱ぶりに菅首相は、「増税は公約ではない。議論を始めようと超党派の議論を呼びかけるところまでが公約だ」と予防線も張りつつあるが、すでに焼け石に水。消費税率引き上げへ進めるか否かは、参院選の結果次第だ。

<タックスワンポイント>

査察調査「隠したのはオレじゃない!」  本当に身に覚えがないなら?

 このほど国税庁が発表した「平成21年度査察の概要」によると、過去5年間で相続税の告発件数が最多となった。悪質な脱税を暴く査察の強制調査。同年度もドラマのように、庭の地中や倉庫に積み重ねてあったタイヤの中などから、金地金や裏帳簿などが多数発見されている。こうした脱税による財産が発見されたとき、調査官に対し「自分は知らない」と、言い逃れようとする脱税者が多いという。
 見つかったものが裏帳簿や通帳であれば、現物がそこにあったという事実のほかに、金融機関など周辺に必ず誰が関与したか形跡が残っている。査察調査の場合、こうした脱税の証拠があるところへ同時に調査が入るため、脱税者本人の関与が証明され起訴となるわけだ。そもそも当局は入念な下調べをしたうえで裁判官から強制調査の許可を得ている。言い逃れはほぼ不可能だ。
 しかし、相続税の事案などでは意外な財産が出てきて、「亡くなった父親が勝手に隠した。自分は知らない」という主張が真実の場合もあり得る。相続人が、被相続人の死亡時に全財産を把握できていなかったというケースだ。
 「ごまかしや不正がなく本当に本人が知らなかったのであれば脱税にはならない。税法にのっとって適切に対応することになる」(国税庁)。つまり相続税の申告後なら修正申告を行い、正しい税額を納めるほか、合わせて延滞税も納めれば脱税犯の烙印(らくいん)を押される心配はない。もちろん、主張が真実かは厳密に調査される。修正申告で済むのは、見つかった財産が誰のものかはっきりし、申告者の不正がないと分かれば、の話だ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年7月 2日 金曜日

Vol.0080号

<タックスニュース>

民主党の参院選マニフェスト  消費税率は10%を想定

 菅直人首相のもとで策定された民主党の参院選マニフェストは、「早期に結論を得ることを目指して、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議会を超党派で開始する」と明記した。さらに菅首相はマニフェストを発表する記者会見で、「自民党が提案している10%をひとつの参考にさせていただく」と具体的な税率に触れ、与野党間で消費税が争点化された。
 菅首相は自民党を議論に引き込むことで、消費税率の引き上げへの道を開こうともくろむ。注目されるのは、増税の時期だ。鳩山由紀夫前首相当時は「衆院議員の任期の4年間は消費税を上げない」としていたが、参院選マニフェストでは時期の縛りを取り払い、菅首相はさらに「2010年度内に改革案を取りまとめたい」と踏み込んだ。
 菅首相が参院選を前に「政治家にとってタブー」とされてきた消費税増税に踏み込んだのは、財務相としてギリシャ危機に接し、財政問題に主導権を得ることが政治力につながると実感したためだ。財務省幹部も「首相はかなりやる気になっている」と言う。しかし、「10%」発言直後の世論調査では軒並み内閣支持率が低下しており、物事は簡単には行かないようだ。

<タックスワンポイント>

悩ましい定期同額の減額改定  未払いならば損金不算入!?

 経済界からの猛反対を押し切り、亀井静香前金融担当大臣主導で導入された「役員報酬公開の義務化」。上場企業で1億円以上の役員報酬をもらっている人の名前と報酬額を個別開示するというものだが、上場企業ならぬ中小企業にとっても役員報酬は悩ましい問題。特に「定期同額給与」の減額では、改定が恐いという経営者は多い。
 定期同額給与は、「支給時期が1カ月以下の一定の期間ごとである給与で、その事業年度の各支給時期における額が同額であるもの」で、会社は損金として算入できる。業績悪化などの影響で役員給与にも手を付けざるを得ないケースも少なくないが、勝手に減額したことで定期同額ではないと見なされ、損金不算入になり結局、増税というケースもあるので気を付けたい。
 業績悪化を理由とした減額については、?業績悪化?取引銀行との借入金の返済協議?経営改善計画に役員給与の減額が盛り込まれた――以上3点いずれかに該当すれば、定期同額として認められるようだ。また、これらの条件に合致するか判断が付かない場合、いっそのこと「役員給与を未払い」にしてしまおうと考える経営者もいるかもしれないが、当局は、「未払いの役員給与は、基本的には定期同額給与としては認められない」(国税局法人課税課)とキビシイ。
 一方、「未払いとなった理由がやむを得ない事情に基づくもので、その状態が解消されたら速やかに精算できる程度の短期的な未払いであれば、定期同額給与として認められる可能性はあるのではないか」(税理士)という見方もある。この場合、「未払い計上した役員給与は、必ずその事業年度内に支給する必要がある」(同)という注意事項を忘れてはならない。また経理の現場では、給与の支払いと同時に役員から借り入れをすることで調整する手法もよく行われているようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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