タックスニュース

2010年8月27日 金曜日

Vol.0087号

<タックスニュース>

平成23年度税制改正  焦点は「消費税」から「環境税」へ

 9月14日の民主党代表選後の党内体制が、参院選の大敗によって一層不透明となり、政府税制調査会は「代表選が終わるまでは動きようがない」(税調関係者)状況に置かれている。菅直人首相(民主党代表)の続投でさえ確定的ではなく、首相が代われば、税制改正への政権のスタンスも変わってくるので、事実上「長い夏休み」に入っている。
 消費税を含む税制の抜本改正は困難になったものの、それ以外にも平成23年度税制改正の課題は山積している。そのひとつは、同22年度税制改正大綱で「同23年度実施に向けた成案を得る」と明記された環境税だ。昨年の環境省案では、全化石燃料に上流段階で総額約1・1兆円を課税し、さらに石炭へは同約300億円を追加で課税する。ガソリンへの上乗せ課税の一部は軽減して、ガソリン1リットル当たりの税額を現行から5円下げて理解を得ようとしたものだ。
 一般消費者に近いガソリン価格は減税となるが、全化石燃料への課税となるため、石炭や電気、ガスには増税となり、エネルギーを多く消費する産業界の反対は根強い。昨年の税制改正大綱を策定した鳩山由紀夫前首相は産業界に距離を置いたが、菅首相は産業界に接近しており、産業界への幅広い増税に踏み込めるかは不透明だ。
 民主党政調に設立される税制改正プロジェクトチーム(PT)の出方も関係しそうだ。PT座長の五十嵐文彦衆院議員は、野党時代の民主党が環境税案を策定した際の担当者。PTが11月末にも政府税調に出す提言では、環境税導入を強く求めるのではないか、との見方が有力になっている。年末に向けて環境税をめぐる綱引きが激しくなりそうだ。

<タックスワンポイント>

「オタクたち萌える夏」  自作コミック"バカ売れ"で税務は――?

 コミックマーケット、通称「コミケ」が東京ビッグサイトで開催された。メーンは同人誌即売会。同人誌の作り手は学業や仕事の合間に作っている人が大半。ほとんどがもうけ度外視で趣味の世界を楽しんでいる。しかし中には数千部を売る"売れっ子"もいて、税金問題に戸惑うオタクも多い。
 一般的な給与所得者の場合、趣味で同人誌を売った所得は「雑所得」に該当する。ほかの所得と合わせて20万円以上なら確定申告が必要だが、最近はインターネット上で同人税務を指南するサイトもある。こうした一部の情報に、「同人活動による所得は事業所得で申告するとトク」というものがある。事業所得であればほかの所得と損益通算できる。同人活動が赤字なら事業所得で申告して給与所得を圧縮しよう、というわけだ。
 しかし、「趣味としての同人活動は、個別判断にはなるが、一般的には事業所得としては認められない」と税務当局は指摘する。事業所得は、その経済活動が「自己の危険と計算において、独立的に、営利性・有償性を有し、かつ、反復継続して営まれる業務であって、社会通念上事業と認められるかどうか」によって判断される。どのくらいの時間を同人活動に充てているのかも重要だ。
 同人活動を事業として申告・損益通算できるのは、売れているか売れていないかではなく、客観的にみて「あの人は商売人だ」といえるような専業同人作家になるのだろう。同人活動の経費としては①イベント参加費②印刷代③搬入代④会場までの交通費⑤イベントカタログ代⑥原稿料⑦「売り子」への日当――などが挙げられる。これらはどれも「経費として認められる」(税務当局)。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年8月20日 金曜日

Vol.0086号

<タックスニュース>

税負担か、それとも保険料か――  岐路に立つ基礎年金制度

 2011年度予算の焦点として、基礎年金の国庫負担率2分の1を維持するための財源問題が浮上している。基礎年金の財源は、国の一般会計からの繰り入れと、加入者の保険料で賄われている。国の負担割合は国民年金法改正で従来の36・5%から2009年度以降は2分の1に引き上げられた。従来の負担割合のままでは保険料の急上昇が避けられないため、これを抑えるための措置だった。
 借金で賄うのは本末転倒のため、年金法には「安定財源を確保して実施する」と明記されている。当然、消費税率の引き上げを念頭に置いたものだが、2008年の景気急悪化で増税が不可能となったため、2009、2010年度のみの「臨時措置」として財源を財政投融資特別会計の積立金の取り崩しで賄うことで負担率の引き上げを「見切り発車」した。2011年度予算編成では、このとき財源を先送りしたツケを払う構図だ。
 安定財源確保には、大幅増税が必要だが、参院選大敗で状況は絶望的。再び埋蔵金でつなぐ場合でも、年金法の再改正が必要で、ねじれ国会の中で承認されるかは不透明だ。財務省内には「消費税論議ができる政治状況になるまで、元の36・5%に戻すしかないのでは」との声すら出始めている。

<タックスワンポイント>

高齢者の行方不明問題  相続税はどうなった?

 全国各地で100歳を超える多くのお年寄りの所在が分からなくなっている。こうした行方不明者に関する相続はどうなっているのか――といった素朴な疑問も出てくるが、相続の世界では、被相続人が行方不明になった場合、行方不明になって7年が経過することで、配偶者や親族など利害関係者が家庭裁判所に「失踪宣告」の請求をすることができる。宣告を受けることで「被相続人が死亡した」と見なされ、その時点で初めて法的な相続が発生する。
 相続税などの税務関係を考えてみると、失踪宣告は自動的に行われるわけではなく、親族ら利害関係者が行わない限り、実施されない。そのため、失踪宣告が行方不明から数十年を経た後に行われるケースもあるが、この場合、相続税額の計算は「行方不明になってから7年が経過した日」の遺産価額をベースとして行う。
 また、場合によっては、いつまでも失踪宣告を請求せず、相続税をうやむやにしているケースもあり得る話だ。たとえば、親名義の家屋に親子で同居していたり、親の土地に子が家を建てて使用貸借としていたりするケースで、本当は親が失踪、死亡しているのに、意図的に失踪宣告を請求せずに行方不明の状態が続いていれば、実質的に子へ財産が移転しているにもかかわらず、課税が延々と先送りされていることになる。
 こうした可能性について国税当局は、「そのようなケースは考えられる」としているが、行政上、こうした行方不明者は失踪、死亡したことになっていないため、「捕捉できない」(同)というのが実情のようだ。どこか不公平な気もするが・・・。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年8月 6日 金曜日

Vol.0085号

<タックスニュース>

空転する主税局「消費税シフト」  抜本改革への道遠く......

 財務省の今夏の定期人事異動は、丹呉泰健事務次官が勇退し、勝栄二郎主計局長が昇格、後任の主計局長に真砂靖官房長が就き、上層部は既定路線通りに進んだ。注目を集めたのは「消費税シフト」の様相となった主税局。
 特徴的なのは、課長以上のほとんどが留任した点だ。中江元哉総務課長兼税制第一課長の税制第一課長兼務を解き、第一課長に藤井健志主計官を据えた以外は、昨年夏に就任した古谷一之局長をはじめ、新川浩嗣税制第二課長、安居孝啓税制第三課長、諏訪園健司調査課長がいずれも続投となった。田中一穂審議官は「次の主税局長」のポストでもある国税庁次長に就いた。
 現行の主税局幹部メンバーは「(昨年の民主党による)政権交代後の税制改正をそつなく乗り切った」と財務省内では評価が高い。菅直人首相が参院選前に表明した「年度内の消費税を含む税制抜本改革の取りまとめ」に手腕を発揮させようとした。
 しかし、参院選での民主党の大敗が誤算となった。人事が発令される段階では、すっかり消費税議論は下火になり、永田町では「年度内の税制抜本改革の取りまとめは不可能」との声が主流に。財務省幹部は「10年に一度のチャンスだったのに...」と嘆くばかりだ。

<タックスワンポイント>

もうすぐ終了エコカー補助金  法人なら圧縮記帳も

 エコカー補助金が9月末に終了することを受けて、全国の販売店では"駆け込み"商戦が活況だ。同補助金は、最初の新車登録から13年以上経過した自動車を廃車にしエコカーを購入した場合には25万円、廃車をともなわない購入に対しても10万円の補助金が交付されるというもの。9月末までに新車登録が済んでいることが交付要件となっており、納車まで数カ月かかる人気車種への買い換えを検討している人は、そろそろタイムリミットとみたほうがよい。
 また、次世代自動車振興センターによると、事業用エコカーに対する補助金は、国の予算304億円に対し、すでに293億円(7月26日時点)を超える申請が来ていることから、9月末を待たずして受付が終了する可能性が高い。そのため、経済産業省では「申請書が受理されても、申請額が予算を経過することで補助金が交付されないこともある」と注意を促している。ところで、これから補助金を受け取る人は、その税務処理をきっちりと押さえておきたい。
 同補助金は、国の「環境対応車普及促進対策補助金」として交付されるものなので、個人であれば、総収入金額に算入されず、課税対象とはならない。また、法人であれば、補助金額の分だけ自動車の帳簿価額を減額し、その差額を損金とする"圧縮記帳"が可能だ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

カレンダー

2016年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

最近のブログ記事

税理士法人 早川・平会計

〒101-0048
東京都千代田区神田司町2-10
安和司町ビル2F
JR神田駅徒歩5分・淡路町駅徒歩1分

お問い合わせ 詳しくはこちら