タックスニュース

2010年11月26日 金曜日

Vol.0100号

<タックスニュース>

酒税めぐる不毛なイタチゴッコ  「第3のビール」に増税論

 ビールや発泡酒に比べて割安な「第3のビール」への増税論が、政府・民主党内に広がっている。国内大手流通が韓国のビール会社に製造を委託したプライベートブランド(PB)製品を1缶88円前後で販売しており、「水やコーヒーよりアルコールが安いのはいかがなものか」(政府税調関係者)との考えが底流にある。ただ、ビール会社からの反発が強く、平成23年度税制改正に盛り込まれるかは不透明だ。
 第3のビールは、発泡酒に別のアルコールを加えた「リキュール系」と、麦芽を使わない「その他の醸造酒」の2種類。酒税が1缶(350ミリリットル)当たり28円で、ビールの77円、発泡酒の47円に比べて大幅に安い。国内ビール会社のブランド商品の販売価格は1缶120円前後で、デフレを象徴するアルコール飲料として定着した。
 党内には「韓国製PBの影響を受けて、生産が落ち込む国内ビール会社を救済する」という構図が描かれていたが、民主党税制改正プロジェクトチームのヒアリングに対して、ビール各社は「脅威は感じるが影響は少ない」「5年後、10年後には脅威になると懸念している」などと足元の影響を否定する発言が相次いだ。
 むしろ議員から「発泡酒に別のアルコールを少し加えただけで、第3のビールと見なされ、税額が低くなるのはおかしい」との問題が提起され、ビール会社が追及される一幕も。政府税調はアルコール度数に応じた課税の導入が規定路線だが、「ビール業界は第3のビールの研究開発に相当な投資をしており、拙速な制度改正は影響が大きい」(民主党幹部)など、慎重論も根強い。

<タックスワンポイント>

得意先に歳暮ギフト  「交際費5千円基準」は適用外

 今年も全国各地でお歳暮商戦が始まった。大手百貨店の中には、インターネット上に「お歳暮専用ギフトショップ」を開設しているところも。個人・法人を問わず、手軽にお歳暮を届けることができる。
 お歳暮は、日ごろお世話になっている取引先への贈答であり、その費用は「交際費」となる。お歳暮商品にはビールや食料品の詰め合わせが多くあることから、交際費になるからといって交際費の「5千円基準」をお歳暮費用に適用しようとするのはNGだ。
 5千円基準は、5千円以内の飲食費について交際費から除外するというルール。しかし、お歳暮の「飲食物の詰め合わせを贈った」という行為は、「飲食費」には当たらない。従って、お歳暮に5千円基準を持ち出すことはできない。
 それでも交際費まわりは税務調査のチェックポイントのひとつ。お歳暮を贈ったら、送り先と商品の内容および価格を一覧にした「お歳暮リスト」を作っておくのが安全だ。お歳暮シーズンが過ぎると、来年の社名入りカレンダーを得意先などに配布する企業が出てくる。
 お歳暮と違って、こうしたカレンダー、手帳、手ぬぐいなどの贈与は広告宣伝の目的があるため、交際費ではなく「広告宣伝費」に該当し、損金に算入できる。
 ただし、このカレンダー配布にあわせた"手みやげ"持参には要注意だ。いくらカレンダーは広告宣伝費でも、同時持参の菓子折りなどは贈答として交際費に該当する。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月19日 金曜日

Vol.0099号

<タックスニュース>

給与所得控除の上限1千万円前後  政府税調が議論本格化

 政府税制調査会は、所得税への控除に所得制限を設ける検討に着手した。給与所得者の収入の一部を必要経費とみなして概算額を課税対象から差し引く給与所得控除には、上限を設ける方向だ。
 給与所得控除の見直し方針を提示した政府税調の全体会合で、尾立源幸財務政務官の「中高所得者に一定の負担を求める」という発言が注目を集めた。給与所得控除の上限は年収2千万円が目安として事前に語られていたが、昨年の政府税調を経験した峰崎直樹内閣官房参与が、「昨年は2千万円で検討したがそれでも高い。1千万円前後にすべきではないか」と提案し、今後の議論は1千万円を軸に展開される方向だ。
 さらに法人役員は「一般従業員に比べ、勤務形態が従属的ではなく、給与の自己決定度が高い」ことを理由に、特に高額な給与を受け取っている役員の給与所得控除は、同額を受け取っているサラリーマンよりも低く抑えられる方向で検討を進める。
 昨年の政府税調でも、給与所得控除や成年扶養控除の見直しが議論されたが、当時は連立政権に入っていた社民党がことごとく反対し、子ども手当などの見合い分の年少扶養控除の廃止など一部にとどまった。今年は社民党がいないためか、増税案に目立った異論はなく、規定路線になりつつある。

<タックスワンポイント>

国税庁 ホステス源泉税還付で情報提供  計算期間に注意

 今年3月に結審したホステス報酬裁判の最高裁判決を受けて、国税庁はこのほど、源泉所得税の納付税額が過大となっていた納税者への還付請求をすでに開始していることを公式にアナウンスした。
 同裁判は、ホステス報酬から源泉徴収する税額をめぐって行われたもの。ホステス報酬から源泉徴収する税額は、「(報酬金額-政令で定める金額)×10%」の計算式で求められる。ここでいう政令で定める金額とは、5千円に「当該支払金額の計算期間の日数」を乗じて計算した金額(所得税法施行例322条)とされ、最高裁判決以前、国税当局ではこの計算期間の日数を「実際の勤務日数」として取り扱ってきた。
 ところが最高裁は、これを違法と判断。計算期間の日数を「支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日まで」とする見解を示したのである。
 今回の還付請求手続きは、源泉所得税の誤納額還付請求書により行い、対象となるのは、納付の日の翌日から5年以内のもの。源泉徴収義務者を通じて還付請求が行われることになるため、国税庁では「誤納額として還付される金額は、ホステス報酬から天引きされたもの。源泉徴収義務者は還付金額を各ホステス等の方に返金する必要がある」と注意喚起している。
 また、返金を受けたホステスは、源泉徴収税額が変更になるため、平成21年以前分について修正申告を行う必要がある。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月12日 金曜日

Vol.0098号

<タックスニュース>

意外に不人気!?「環境自動車税」  総務省研究会の成果空しく...

 総務省の「自動車関係税制に関する研究会」が創設を提案した「環境自動車税」の評判がすこぶる悪い。自動車の保有段階に課税している現行の自動車税・軽自動車税(地方税)と自動車重量税(国税)を一本化し、地方税とするもので、民主党幹部からは「筋が悪い」と早速駄目出しされている。
 日本自動車工業会は、本来廃止されるべき自動車重量税を暫定税率も含めて存続させるものとして、「制度論以前の問題として到底認められるものではない」と断固反対。民主党の経産産業部門会議も「地方公共団体が行う自動車固有の温暖化対策の内容が不明で課税根拠が明らかでない」と同じく反対の姿勢だ。
 軽自動車業界も反発する。現在は小型自動車に比べて税負担水準が大幅に低い軽自動車の負担水準を引き上げようとしており、「規制によって守られている」(業界首脳)軽自動車の存在そのものが吹き飛びかねないからだ。
 財務省も面白くない。自動車重量税は、約40%を地方に譲与しているが、国にとっては貴重な財源。ただ、財務省の批判が目立たないのは、研究会の座長を、政府税調専門家委員会の神野直彦委員長が務めているという背景がある。総務省の地方財政審議会の会長で、同省内にオフィスを持つ神野氏を招いたことが裏目に出た。

<タックスワンポイント>

黒字企業 過去最低の25%  法人所得は前年比4兆円減

 国税庁発表の平成21事務年度(平成21年7月~同22年6月)法人税の申告・課税事績で、黒字企業割合が過去最低になっていることが分かった。申告所得金額・申告税額も3年連続で減少。経済状況の悪化が、企業経営に直撃した格好となっている。源泉所得税額も3年連続の減少し、マイナスづくしだ。
 法人税申告件数は278万6千件。前年に比べ1万9千件(0・7ポイント)の減少だ。その申告所得金額は総額33兆8310億円、申告税額総額は8兆7296億円だった。同庁は「昨今の経済情勢などによるもの」とみている。
 黒字申告割合は25・5%で、前年より3・6ポイント下落、過去最低を記録した。これは、繰越欠損金控除後の所得金額からの数値で、繰越欠損金控除前をベースにすると、黒字申告割合は46・3%となるが、これも同21年度の46・3%は、前年より3・7ポイントダウン。
 赤字申告1件当たりの欠損金額は1318万6千円。これは前年に比べ237万円の減少となった。「赤字法人が増えたことで1件当たりの欠損金額も下がった」(同庁)と、母数が増加し、赤字が"薄く広く"になってしまったというなんとも苦しい状況だ。
 源泉所得税額は12兆973億円で、前年比12・7ポイント減、1兆7838億円の減少。課税状況から見ると、給与所得からの税額は8兆5702億円で、前年から9081億円ものマイナスだ。「景気低迷で支払い総額が全体的に減っている」(同)。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年11月 5日 金曜日

Vol.0097号

<タックスニュース>

法人税引き下げで「減収2兆円」  政府税調PTで財務省試算

 法人税率の引き下げをめぐって、経済界をバックにした経済産業省と財務省のバトルが本格化してきた。新成長戦略で、「法人実効税率を主要国並みに引き下げる」とまで譲歩せざるを得なかった財務省が、政府税調を後ろ盾に反撃の狼煙(のろし)を上げた。
 まず、政府税調の租税特別措置などに関するプロジェクトチーム(PT、座長=五十嵐文彦副財務相)で、経産省が要望する法人税率の5%引き下げを実施した場合の試算を報告。経産省が見積もった1兆円に対して、法人税に連動する地方税の法人住民税の減収分も含めて2兆円とはじき出し、減収分の財源確保を経産省に求めた。
 さらに法人税に関わる租特や、課税ベースを狭くしている政策減税を列挙し、それぞれを廃止した場合の増収額の一覧を提示。代替財源の示せていなかった経産省に揺さぶりをかけた。
 PTでは最大の租特「ナフサ免税」まで俎上(そじょう)に載り、日本経団連の米倉弘昌会長が早くも反発。ただ五十嵐座長は「ナフサに丸ごと課税するつもりはない」と、燃料として使用される一部のナフサへの免税廃止をにおわせた。燃料には課税しても、原料への免税を維持すれば、米倉会長は住友化学会長と財界トップの立場の間で揺れ動く。財務省のしたたかさが透けて見える。

<タックスワンポイント>

消費税調査、力入れてます!  昨事務年度から7千件増

 個人事業者においても、税務当局が消費税調査に力を入れているようだ。国税庁が先ごろまとめた、平成21事務年度分の個人事業主の消費税調査実績によると、同20事務年度から約7千件増え、10万2162件に上っている。
 このうち、申告漏れなどの非違があった件数は7万512件。この申告漏れ件数も昨年より3千件増となった。ただし、調査件数の増加に寄与したのは、簡単な誤りなどを文書や電話、または電話依頼などで指摘する「簡易な接触による調査」。自宅などへ調査に赴く「実地調査」件数は6万4千件から6万3千件へと減少傾向となっている。
 しかし、実地調査件数が減少した一方で、実地調査により追徴された1件当たりの税額は昨年の40万円から46万円に増加。さらに、実地調査の中でも「高額・悪質な不正計算が見込まれる」として相当な日数をかけ行う「特別調査・一般調査」により追徴課税となったものは、昨年の56万円から70万円へと大幅アップとなった。
 個人事業主への消費税調査は単独で行われるものではなく、原則、所得税の調査などと同時に行われる。その中で発覚した調査事例としては、以下のようなものがある。会社員A氏は、海外のサーバーを一括して借り上げ、副業としてレンタルサーバー事業を展開。3年で4200万円を稼いでいた。しかし、給与所得者の副業は「申告の必要がないと思っていた」とし、無申告だった。税務当局は、A氏に対して、所得税のほか、消費税についても100万円を追徴課税している。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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