タックスニュース

2010年12月24日 金曜日

Vol.0104号

<タックスニュース>

首相、消費増税へ不退転の覚悟  平成23年6月までに改革案

 菅直人首相が、消費税増税に再び踏み出した。政府・与党社会保障改革検討本部が決定した「税と社会保障の一体改革に向けた基本方針」は、消費税増税を念頭に平成23年6月までに税制改革の案をまとめると明記した。
 菅首相の決断要因のひとつに、「遅滞なく税制抜本改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講じる」と、麻生政権が所得税法の付則に書き込んだ税制抜本改革への道筋がある。政権交代後の鳩山政権で付則の削除が浮上したが、なぜか見送られた。それどころか、菅首相は付則に従おうとしている。年明けから与野党協議に入り、秋の臨時国会で関連法改正を果たせれば、同25年度までには消費税を増税できるというシナリオも一部では語られ始めている。
基礎年金の国庫負担割合50%を維持するための年2・5兆円は、同23年度は埋蔵金などで賄おうとしているが、同24年度以降はそれも尽きてくる。そこで、同23年度中に消費税増税を法的に決定して、同24年度は同25年度の消費税の増税分を担保に国債を発行してつなげば、税外収入に頼ることなく、基礎年金問題を解決する案も浮上している。
与野党協議をまとめられるだけの政治力が同23年、民主党政権に残っているかが最大のハードルとなりそうだ。

<タックスワンポイント>

忘年会で使った交際費  5千円基準を賢く活用

 年末年始シーズン、企業では取引先や関係企業の従業員を交えて忘新年会を行うことも多いが、そこで支出した費用の税務処理には注意を払っておきたい。というのも、交際費には「5千円基準」と呼ばれる、ありがたい制度が存在しているためだ。
 「交際費の5千円基準」とは、交際費の範囲から「1人当たり5千円以下の飲食費」が除外されるというもの。通常、中小企業が支出する交際費は、600万円までの部分については10%のみが損金不算入、つまり、90%は損金として計上できる。ところが、600万円を超えた部分については、全額が損金不算入。そのため、通年の交際費をなるべく600万円以内に抑えることが、経営上最も効率的なのだ。その点、この「5千円基準」は、交際費の額を圧縮するのに非常に有効なのである。
 なお、「5千円基準」を適用する場合には、必要事項を明記した書類の保存が求められる。ここでいう必要事項とは、飲食費を支出した年月日や、飲食に参加した得意先・仕入先の氏名や名称、参加人数、飲食費の金額ならびにその飲食店の名称や所在地など。交際費処理は税務署のチェックも厳しいので、適用に当たっては抜かりのないようにしたいところだ。
 ところで、1人当たりの飲食費が5千円を超えた場合は、支出した飲食費の全額が交際費となってしまうので注意が必要だ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月17日 金曜日

Vol.0103号

<タックスニュース>

納税者番号制度、ついに導入へ  税と社会保障関係に利用

 政府が国民一人一人に番号を割り振る「社会保障・税に関わる番号制度」を導入する際の活用範囲が、税務と社会保障の現金給付・サービス給付とする方向になった。今年6月には、政府が複数の利用範囲の案を示して、国民から意見を募るなど着々と布石を打ってきており、自民党政権時代から長い間にわたる政府の懸案だった番号制度が実現に向けて一歩踏み出す。
 すでに政府が公表していた利用範囲の案は、▽税務のみで利用するA案▽税務と社会保障分野に活用するB案▽幅広い行政サービスに利用するC案の3案。さらにB案は現金給付が対象のB-1案と、現金給付に加えてサービス給付も含めるB-2案に分類していた。
 今回、政府の実務検討会が決めたのはB案。民主党税制改正プロジェクトチームは、導入時にはB-1案がふさわしいとの提言をまとめたが、実務検討会では「B-1案とB-2案をまたがる社会保障施策もあり、明確に区分できない」として6月の案を修正して、両案を一つにした。
 政府は来年6月に大綱をまとめ、来年秋以降の国会に関連法案を提出する方針で、番号制度導入は法案成立から2年後になる見通しだ。自民や公明も同調するとみられ、年明け以降、与野党協議が本格化する予定だ。ただ、情報が1カ所に集まる番号制度は悪用されると被害が大きく、「プライバシー上、重大な問題が発生する」などの国民の懸念をどれだけ払拭できるかが今後の鍵となりそう。政府筋も「国民に着実に理解していただけるように慎重に進めたい」との姿勢で、政府は野党と国民に配慮しながら、慎重に大綱を策定していくことになる。

<タックスワンポイント>

年末は修繕駆け込み急増  調査で完了日が追及される?

 代々の地主ならずとも、最近では個人でアパートやマンションを経営しているという人も少なくない。こういった個人事業主が、年末に駆け込みで建物に修繕を加えるということがよくある。なぜなら、建物を修繕した際の修繕費は一括損金処理できるため、税務メリットが大きいからだ。ただし、駆け込みで工事を行った場合、税務調査を念頭に入れて、さまざまなことに注意しておく必要がある。調査官は、売り上げや費用が本来の期ではない期に計上される「期ズレ」について、念入りなチェックを行うため、年末に駆け込みで工事発注していたような場合は格好の的になってしまうのだ。
 税理士らによると、調査の際には①本当に工事は年内に完了したのか②代金の支払い(または支払いの請求)は年内にあったのか―について、しつこく追及されるという。そのため、工事が本当に年内に行われたことを示す証拠として、工事の施行会社とキッチリした書類のやりとりを行っておくなどの必要がある。
 また、工事の内容にも注意が必要だ。工事が建物の価値を上げる「資本的支出」と見なされると、一括損金として処理できず、建物と同様に減価償却を行わなければならなくなる。修理や維持管理、原状回復に関する工事なら修繕費、改良工事など耐用年数や資産価値を増加させるものなら資本的支出となる。修繕費とするには金額的な基準があり、原則として修繕にかかる金額のうち、おおむね3年以内を周期として修理や改良をしている場合、ひとつの修理などが20万円未満ならば修繕費として計上できる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月10日 金曜日

Vol.0102号

<タックスニュース>

大詰め迎え紛糾する税制改正  焦点は法人税、配偶者控除

 民主党の税制改正プロジェクトチーム(PT)がまとめた平成23年度税制改正への提言は、おおむね政府税制調査会の方針に沿ったものとなったが、焦点の法人税減税や配偶者控除の所得制限では、相反する方向性となった。
 これに先立って、PTは租税特別措置に関する要望を政府税調に提出していたが、政府税調はゼロ次査定で軒並み「認められない」と判定。中野寛成PT座長が厳重抗議するなど両者の関係が一時ぎくしゃくしていた。PT役員は「この提言を政府がどう受け止めるかは、まさに試金石だ」と注目する。民主党は、昨年の政権交代で党税調を廃止して、政府税調に一元化させた。
 その結果、党内で議論に参加できない不満が高まったほか、政府税調で各省庁の利害が対立して、最後は小沢一郎幹事長(当時)による党要望に決断を頼らざるを得なかった。こうした反省からPTが設立されたが、政府税調には「あくまでも政府税調で最終的には決定する」との警戒感も透けて見える。
 法人税減税と配偶者控除は選挙への影響が大きく、来春の統一地方選を控えた民主党としては譲れない一線だ。党側は「政府税調には玄葉(光一郎)政調会長と中野座長が加わっており、党の意見を担保している」との姿勢だが、どう調整を進めるかは不透明で、政権担当能力が問われてくる。

<タックスワンポイント>

過去のサービス残業代支払い  年末調整は再計算が必要

 賃金の支払われない残業、いわゆる「サービス残業」に対する労働基準監督署の監視が厳しくなっている。残業代不払い問題で気を付けなければならないのが、昨年以前に支払われる予定だった残業代を、今年になって支払うケースだ。
 基本的に、未払いとなっている残業代が過去のどの年における労働の対価で、金額がはっきり分かっている場合には、今年支払った残業代であっても、過去の給与と見なされる。つまり、過去の残業代を支給する場合には、どの時期の給与に該当するのか判断し、過去の年末調整をあらためて計算し直す必要がある。
 年末調整対象者に過去の残業代が支払われた場合の再計算の方法だが、これがなかなか面倒。新たに支払われた部分の給与所得を、すでに年末調整の済んだ給与所得に加算し、年末調整を再計算。そこで出た源泉所得税の差額分を徴収し、税務署へ納付する。過去の残業代が複数年にまたがっていれば、社員1人の年末調整を各年分それぞれ再計算する必要がでてくる。
 ここでひとつ、大きな注意点がある。年末調整の再計算に際しては、「サービス残業代が発生した当時の税法」を基準にしなければならない。つまり、平成19年分の再計算を行うのであれば、同19年当時の税法に基づき再計算をする必要があるというわけ。また、残業代を支給する社員の家族構成などについても、当時の状況に基づいて行う必要がある。対象者の中に、結婚・離婚、扶養親族の増加など、何らかの理由で家族構成の変わった人がいる場合には気を付けなければならない。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2010年12月 3日 金曜日

Vol.0101号

<タックスニュース>

「雇用促進税制」素案まとまる  気になる実効性――

 菅直人首相の指示で政府税制調査会が具体案を検討していた雇用促進税制の素案がまとまった。当該年度内に一定以上の雇用を増加させた企業に対して、租税特別措置で法人税を軽減する方向で、法人税を支払っている約3割の黒字企業が対象になる。
 技術上の課題だった、税務署が把握していない各企業の雇用状況を把握する方法は、ハローワークが確認した雇用保険の被保険者の情報を、企業が税務署へ申告する際に添付することになりそうだ。その際、①一定以上の雇用を増加させる②事業者の都合で離職させない③給与支払い総額を一定以上増加させる――の3点をいずれも満たすことを条件とする方向で調整する。
 検討の過程では、「雇用を守る」という大目標よりも「首相の指示を形にする」方が優先されたきらいがある。「すべての企業が納付している社会保険料を軽減してはどうか」との意見もあったが、「菅首相の指示は税制上の措置だから」(政府税調幹部)という理由で押し返されたこともあった。
 そもそも「雇用を税制で促進できるか」という根本的な問題には踏み込まないままに制度設計した雇用促進税制。経済界からは「税制は雇用のインセンティブになるものではなく、こんな制度はどの企業も使わない」と冷ややかな声も聞こえてくる。

<タックスワンポイント>

武富士裁判 最高裁が口頭弁論決定  創業者一族の逆転勝訴!?

 巨額の贈与税申告漏れをめぐり、高裁で国側勝訴となっていた「武富士裁判」が、見直される可能性が高まってきた。消費者金融大手(現在会社更生法申請)「武富士」の創業者一族による、海外との税制の違いを巧みに利用した大規模な節税スキーム。最大の焦点「生活の本拠地はどこか」に、答えが出ようとしている。勝訴となれば、既に納めた税金の還付で、莫大(ばくだい)な還付加算金(利子)を長男は手にすることになる。
 武富士創業者一族への追徴課税取消訴訟の上告審で、最高裁判所第二小法廷は、平成23年1月21日に双方の言い分を聞く口頭弁論を開くと決定した。事件は同11年、当時武富士の香港法人代表を務めていた武富士創業者(故人)の長男が、武富士株を大量に保有するオランダ法人の株(1653億円相当)を両親から生前贈与されたことに端を発する。
 当時の税法では、海外居住者が海外財産を贈与された場合については課税対象外とされていた。そのため、長男は贈与税の申告をしなかった。しかし国税当局は「贈与税回避のための移住したかたちを作っただけ。実質的な居住地は日本」と認めず、1653億円という贈与税としては史上最高の申告漏れを指摘、1330億円の追徴課税を行った。東京高裁は、香港滞在が租税回避目的だったという事実関係のもとでは、香港と日本の滞在日数のみを比較するだけで「住所地」を判断するのは相当でないと判断し、国側の勝訴判決を下している。
 最高裁が弁論を開くことは、高裁判決が見直される可能性が非常に高くなったことを意味する。武富士長男は、納税を済ませてから争っているので、勝訴となると、返還される税金に数百億円もの還付加算金が付いてくる。経営破綻後の武富士経営陣のボロもうけに、世間からどのような声が上がるのかも注目される。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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