タックスニュース

2011年2月25日 金曜日

Vol.0112号

<タックスニュース>

菅政権の命運握る法人減税  ねじれ対策で法案分割

 ねじれ国会の下、民主党が社民党に働きかけた平成23年度予算案と関連法案の修正協議で、税制関連法案の分離案が浮上した。各税法の改正案は1本の法案として国会に提出されており、これを社民党が賛成できる部分と、反対している部分に分離して、賛成できる部分だけを成立させる案だ。
 社民党が反対しているのは、法人税の5%減税と成年扶養控除の縮小。法人税減税は「企業が内部留保をさらにため込むだけで、労働者の賃金や製品価格には還元されない」、成年扶養控除は「庶民増税だ」と批判している。
 法人税減税は、菅直人首相の指示で同23年度税制改正大綱に盛り込んだ新成長戦略の柱。仮に撤回したならば、野党から批判の的になるだけではなく、首相指示が軽薄なものになってしまう。財務省は表面上、「製造者として、予算案と関連法案には自信を持っている」(野田佳彦財務相)との姿勢だが、法人税減税は菅首相の指示で「嫌々ながら」(財務省幹部)進めた案件。
 これほどの財政危機のさなかに1兆2千億円もの減税は、財政規律を至上命令とする財務省的にはどうしても許しがたかった。菅政権の霞が関への求心力は低下しており、政権を何が何でも守ろうとする気概は財務省には感じられない。法人税減税という煮え湯を飲まされた財務省の意趣返しかもしれない。

<タックスワンポイント>

売り上げ伸ばす電気自動車  税優遇が後押し

 日産の「リーフ」や三菱の「i-MiEV」といった電気自動車(EV車)が売り上げを伸ばしている。EV車とはエンジンの代わりにモーターと制御装置を搭載し、ガソリンに代えてバッテリーに蓄えた電気を使って走る自動車のこと。
 走行距離が短いことやバッテリーを充電するのに時間がかかることなどが普及拡大のネックとされているが、有害ガスが発生しないため非常に「エコ」な自動車でもある。そのため、エコカー補助金の対象車にもなっていたものの、補助金制度は2月8日に終了済み。ただし、税制上の優遇制度はまだ存続中だ。
 優遇制度により、自動車にかかる諸税のうち自動車を所有していると発生する自動車税については、登録翌年度の自動車税のおおよそ2分の1が減税に。さらに、自動車を新規に取得する際にかかる自動車取得税、自動車重量税は全額免除となる。
 これにより、例えば「リーフ」を購入した場合、同等の非環境対応車を購入した場合と比べると自動車取得税と自動車重量税の総額19万1300円、登録の翌年度の自動車税1万4500円、合わせて20万5800円が減税されることになる。
 なお、東京都など一部の自治体では、5年度にわたる自動車税の全額免除制度を設けているためさらにおトクになる。ただし、軽自動車は適用外なので要注意。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年2月18日 金曜日

Vol.0111号

<タックスニュース>

「公務員への増税すごいんです!?」  政府必死のアピールに効果は......

 政府関係者が平成23年度税制改正に盛り込まれた国会議員や高級官僚への課税強化を懸命にアピールしている。「国会議員や公務員も血を流している」との姿勢を示す狙いがありそうだ。
 同23年度税制改正では、給与所得者の給与所得控除が年収1500万円を超えれば頭打ちにするため、対象となる給与所得者の約1%が増税になる。五十嵐文彦副財務相は、自身のブログに「国会議員、知事など特別職を含めた1500万円超(の公務員)は約5千人」と記して、国会議員や公務員も増税の対象になっていることを強調した。中央官庁では、課長職が1500万円前後のもようだ。
 また、勤続年数5年以下の役員の退職金に対する優遇税制の廃止でも、対象は公務員も加えられている。一部の天下り団体では、月々の給与を抑制する一方で退職金を厚めにする優遇税制の「悪用」が常態化しており、「天下った公務員からもしっかり税を取る」(政府税調幹部)ことで、公務員人件費の削減に手を付けられない民主党政権への批判を和らげる狙いもありそうだ。
 とばっちりを受けるのが、知事や市長ら地方の首長だ。1期4年の任期を終えるたびに受け取っている退職金も優遇税制廃止の対象になる。民主党政権と地方自治体の間に隙間風が吹く中、新たな火種にもなりかねない。

<タックスワンポイント>

定期借地権の保証金  平成22年分は運用利率1.1%

 国税庁はこのほど、定期借地権(定借)の設定に伴い、貸主が預かった保証金の経済的利益について、平成22年分の所得税申告にかかる適正利率を、同21年分より0・2%低い1・1%とすることを明らかにした。
 定借保証金は、賃貸住宅や貸店舗に入居する際に支払う「敷金」「保証金」に相当するもの。通常の借地権と異なり契約期間が限定されているため、借地人は地主に対して権利金ではなく、契約期間終了時に返還される「保証金」を支払うことが多い。保証金はほとんどのケースで「無利子」だ。
 ところで、この定借保証金を個人的に使ってしまった場合などは、貸主に経済的利益が生じたことから課税対象となる。その際の課税対象額は、税務当局が毎年定める「適正利率」によって計算される。この適正利率は、各年度ごとの10年長期国債の平均利率によって定められ、平成22年は、この年間平均利率が1・19%であることから1・1%とされた。
 定借保証金を業務用資金や事業用資金の取得などのために運用した場合は、「適正利率」によって計算した利息分を不動産所得の収入金額に計上する。ただし、こうした保証金は預かり金的な性格を有しており、所得として計上する一方で必要経費としても計上するため、課税関係は発生しない。また、保証金を預貯金や公社債などの金融資産で運用している場合は、その利子収入に対して課税されているため、保証金にあらためて課税されることはない。
 一方で保証金を自宅の建築費用に充てるなど個人的に使用すれば、「みなし利益」となり、保証金を返還するまでの各年分の不動産所得の金額に加算する。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年2月10日 木曜日

Vol.0110号

<タックスニュース>

柳沢氏表舞台にカムバック  元自民の税金通を続々抜てき

 社会保障と税の一体改革を目指す「政府・与党社会保障改革検討本部」は、産業界や労働界、有識者も含めて一体改革に向けた議論を深める下部組織として、「社会保障改革に関する集中検討会議」を設立することを決めた。一体改革担当大臣の与謝野馨氏が選定したメンバーには、自民党時代の与謝野氏の盟友で、自民党税制調査会長や厚生労働大臣などを歴任した柳沢伯夫氏が「サプライズ」で加わった。
 柳沢氏は昨年政界を引退し、城西国際大学の学長に就任していた。平成20年に「消費税の税率を少なくとも10%程度にまで引き上げる必要がある」と税制抜本改革に向けた基本的な考え方をまとめた自民党財政改革研究会は、与謝野氏が会長で、当時政調会長代理だった柳沢氏が設立を提案した。柳沢氏の抜てきは、自民党にも民主党にも驚きをもって受け止められた。
 さらに、「社会保障国民会議」の座長を務めた吉川洋・東大大学院教授や、「安心社会実現会議」座長だった成田豊・電通名誉相談役ら、自公政権時代に税と社会保障の抜本改革を中核で担ってきたメンバーを引き入れることによって、自公政権の方向性を踏襲して歩み寄り、与野党協議入りを促した。
 ただ、与謝野氏の入閣が引き続き与党からも野党からも批判を浴びており、その与謝野氏が主導した集中検討会議の人選も反発を受ける恐れがある。与謝野氏は国会審議がない毎週土曜日に会議を開き、一体改革への機運を高めていく意向だが、微妙な立場にある与謝野氏が実効力のある議論を進められるかは不透明だ。

<タックスワンポイント>

国税通則法が名称変更  長すぎると不評!?

 昭和37年に創設された国税通則法。「国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、かつ、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図り、もつて国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資すること(同法第一条)」を目的とする法律である。
 そんな同法は、「税務行政において納税者の権利利益の保護を図る趣旨を明確にする」といった目的から、平成23年度税制改正において、納税者権利憲章の策定、税務調査の事前通知、更正の請求期間の延長、処分の理由付記など、創設以来の大改正が実施されることになり、併せて名称も変更されることが決まった。新名称は「国税に係る共通的な手続並びに納税者の権利および義務に関する法律」。改正後の法律の内容をよく表すものに、との趣旨からこの名称が採用された。
 今回の改名に対し、「ちょっと長いよね」「『国税通則法』はビシッと響きが良かった」「これだけ変わると、ややこしい」など、多くの税理士から戸惑いの声が聞こえてくる。中には「国税手続法がいいのだろうか...」「旧通則法?」と早くも略称を気にする人もチラホラ。
 政府税制調査会は自信満々の様子で半世紀ぶりの大改正をPRしていた。確かに、納税者の権利保護を目的とした大改正とあって、納税者サイドもおおむね歓迎ムードだが、改名に関してだけは「いただけない」という声の方が多いようである。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年2月 4日 金曜日

Vol.0109号

<タックスニュース>

ねじれ国会で滞る税制改正  アノ"揮発油税失効"の再現も

 平成23年度予算案と関連法案の審議が始まった。民主党は国民新党との連立でも参院で過半数を確保しておらず、衆院では3分の2に満たない完全なねじれ状態。予算案は衆院の優越が認められているが、問題は税制関連法案だ。法律案は予算案と違い、衆院で可決され参院で否決された後に成立させるには、再び衆院で出席議員の3分の2以上で可決する必要がある。
 しかし、衆院では与党が3分の2に達しておらず、「統一地方選が終わるまでは、野党は対決姿勢を崩さない」(財務省幹部)と見られるため、3月末で期限が切れる税の軽減措置で4月以降の継続を税制関連法案に盛り込んでいるものは、法案が成立しないと3月末で失効する。
4月1日から失効するのは、海外旅行者が国内に大量の紙巻きたばこやウイスキーなどの酒類を持ち込む際にかかる税を軽減・簡素化する措置や、住宅用家屋を登記する登録免許税の軽減措置など。ガソリン税の暫定税率が約1カ月にわたって失効した3年前の二の舞いになりかねない。
 深刻な影響が予想されるのは、関税関連法の改正案だ。10年ごとに更新している特恵関税制度の期限は3月末。失効すれば輸入現場に混乱を招きかねない。財務省は関税関連法改正案の優先審議を求めているが、野党は民主党への対決姿勢を崩していない。

<タックスワンポイント>

法人税率引き下げの光と影  3月末に8租特がサヨウナラ

 現在、約300ある租税特別措置(租特)だが、法人税率の引き下げに伴う財源確保などを観点から、廃止もしくは延長されない制度が数多くある。平成23年度税制改正の租特見直しで対象になったのは、一定の政策目的がある上で導入された「政策税制措置」だ。同23年度では109措置をピックアップ。8措置が「廃止」、42措置が税率の引き上げや措置の一部廃止など「縮減」、合計50措置が見直された。
 今年3月末には以下の8措置が廃止となる。①エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却または法人税額の特別控除、②事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却または法人税額の特別控除、③地震防災対策用資産の特別償却、④事業革新設備等の特別償却、⑤事業所内託児施設等の割増償却、⑥植林費の損金算入の特例、⑦商工組合等の留保所得の特別控除、⑧特定農業法人が遊休農地を取得した場合の所有権の移転登記の税率の軽減。
 大半が法人税関係で、⑧のみ登録免許税関係。①の通称「エネ革税制」は、平成4年4月1日~同24年3月31日までに新品のエネルギー需給構造改革推進設備等を取得(または製作・建設)し使用を開始した場合に、一定額を上限とした特別償却か税額控除を認めるもの。エネ革税制は4月以降使えなくなるが、今回の改正で後継ともいえる「グリーン投資減税」が登場する。
 グリーン投資減税は、「エネルギー起源CO2排出削減または再生可能エネルギー導入拡大に相当程度の効果が見込まれる設備等」を取得した場合、30%の特別償却か7%の税額控除が適用できる。対象設備には、電気自動車から風力発電設備といったものまで幅広い「エコ設備」が入っている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

カレンダー

2016年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

最近のブログ記事

税理士法人 早川・平会計

〒101-0048
東京都千代田区神田司町2-10
安和司町ビル2F
JR神田駅徒歩5分・淡路町駅徒歩1分

お問い合わせ 詳しくはこちら