タックスニュース

2011年3月25日 金曜日

Vol.0116号

<タックスニュース>

地方に吹く"減税"旋風  消費税改革を妨げる!?

 住民税の減税を主張する地方政党の台頭に、財務省が神経を尖らせている。住民税を減税する一方で、国からの地方交付税を受け取るのでは、制度の根幹が揺るぎかねないだけではなく、減税が前面に出ることで、政府・与党が進める消費税増税を前提とした「社会保障と税の一体改革」への世論形成を妨げるのではないか、という懸念があるからだ。
 台風の眼となっているのは、平成21年の市長選で「10%の恒久減税」を公約にして当選した名古屋市の河村たかし市長だ。議会の反対で減税は当初22年度の1年限りとなったため、河村市長は自らが代表を務める地域政党「減税日本」を立ち上げ、市議会の解散の是非を問う住民投票を仕掛けて、リコールを成立させた。
 出直し市議選では、「減税日本」が第一勢力に躍進する勢いで、過半数を獲得できれば、恒久減税の実現も視野に入ってくる。しかし、単年度の減税でも、減収は約160億円にも上る。人件費削減などの行財政改革で捻出しようとしたが、一度しか使えない「埋蔵金」も多く、恒久財源とはとても言いがたい。
 名古屋市は22年度には5年ぶりに地方交付税の交付団体に転落しており、霞が関では「国が徴収した税金を地方交付税として受け取っておいて、自分たちは減税では都合が良すぎる」といった批判がある。ただ、国政レベルで民主党、自民党などの既存政党に失望感が広がる中、地方で第三極への支持が拡大しているのも事実だ。ある財務省政務三役は「減税日本のような地域政党が国政に出てくれば、一体改革の争点は完全にぼけてくる。一体改革どころではない」と危機感をあらわにしている。

<タックスワンポイント>

日本人の8割「目的なく貯金」――日米中・貯蓄に対する意識調査

 東京スター銀行は、日本・中国・米国在住の20~40歳代のビジネスパーソン900人を対象とした「貯蓄に対する意識調査」を実施した。調査によると、日本人の約8割が目的なく貯蓄をしており、約4割が具体的な将来の人生設計を持っていないと回答したという。一方、中国人の約半数、米国人では7割以上が「明確な目的を持って貯蓄をしている」と答えていることから、日本人の貯蓄に対する意識の低さが明らかになった。
 貯蓄する理由として、日本人は「仕事がなくなったり、収入が減少したりした時に備えるため」「万が一のため」「老後の生活費を備えるため」などを上位にあげた。経済成長が著しい中国では「万が一のため」に次いで「子どもの教育費のため」「旅行や趣味などの娯楽費用のため」「車や家電の購入など耐久財の購入のため」などが上位を占め、積極的な消費行動がうかがわれた。
 貯蓄や投資の実態を集計すると、「定期的に貯蓄している」と答えた割合は日本人が最も低く4割程度。米国では7割近くに達しており、「貯蓄好きの日本人、消費好き米国人」というイメージを覆す結果となっている。
 また定期的に貯蓄をしている中国人の半数以上が、月収の2割以上の額を貯蓄。さらに全体の8割以上が投資を行っており、貯蓄や投資に高い意識をもって励んでいる姿が浮き彫りになった。米国人も2人に1人が投資を行っており、日本人と比べると依然として投資意欲が旺盛なようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年3月18日 金曜日

Vol.0115号

<タックスニュース>

ペイオフで預金切捨て!  「概算払い」の税務

 昨年9月、日本振興銀行の破たんにより、国内初となるペイオフが適用されることになった。これにより、同行への預金などの債権は預金保険機構が預金者一人当たり1千万円まで保護することになる。
 これにともない、同機構はペイオフ時の貸倒れに関する税務上の取扱いについて国税庁に照会。2月10日、同庁からの回答が公表された。
 金融機関が破たんした際、預金者の請求により、ペイオフで保護されない預金などの債権を同機構が買い取る制度がある。買取額は同機構が金融機関の資産を精査して決める「概算払率」によって計算する。日本振興銀行のケースでは、昨年12月に概算払率を25%と決定。今年秋頃に倒産手続により最終的な精算がなされるものとみられる。
 国税庁の回答では、この概算払率が決定した場合の税務上の取扱いを明確化している。所得税法では、概算払を受けていない場合、ペイオフで保護されない事業用預金の額と、その額に概算払率を乗じて計算した金額の差額を貸倒引当金として計上できる。払い渡しを受けた場合は、概算払額と概算払の対象となった預金額との差額を、払い渡しを受けた日の属する年分の必要経費に算入できるとされた。
 法人税法では、概算払いを受けていない場合、所得税法の取扱いと同様に算出した貸倒引当金の額を、その概算払率の公告日の事業年度に損金算入できる。払い渡しを受けた場合は、その支払日の事業年度で概算払額を益金算入するとともに、概算払の対象となった預金額を損金に算入するとされた。

<タックスワンポイント>

どうなる薬のネット販売  医療費控除の条件は?

 医薬品のネット販売の是非に関する議論が再燃している。医薬品は副作用の強さなどにより、薬剤師の対面販売が必要な第1類をはじめ、2類、3類に分類され、栄養剤やうがい薬など安全性の高い第3類以外は、通信販売は禁止されている。しかし、薬剤師が常駐することが困難な離島などでは、経過措置として今年の5月まで第2類医薬品のネットなどでの販売が認められており、この措置期限が切れたあとの扱いについて、審議が行われているのだ。
 税務で医薬品が関係するものといえば医療費控除。医療費控除の対象となるのは病院で処方された医薬品の購入費だけではない。その薬が「治療や療養のために必要な医薬品」として購入されたものなら、個人の判断で購入したものでも対象になる。しかし、ビタミン剤など、病気の予防や健康の増進のために購入したと認められる場合は対象外だ。
 分類の性格上、結果的に第1類に近いものが対象になることが多くなるだろうが、必ずしも分類によって決まるわけではない。例えば、第一類の胃薬「H2ブロッカー」は胃炎などの治療のためなら当然対象となる。また多くものが第2類に分類されている風邪薬も同様だ。第3類では、ばんそうこうや消毒液なら、用途によって対象になる余地があるといえるだろう。しかし、第1類でも微妙な扱いになるのが、禁煙用のニコチンガムやニコチンパッチ。毒物に指定されるニコチンが含まれるため、慎重な扱いが求められる医薬品だが、禁煙による「健康の増進」のために購入したと認められる場合は、医療費控除の対象にはならない。ただし、医師による「禁煙治療」の一環として処方されたものであれば対象になる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年3月11日 金曜日

Vol.0114号

<タックスニュース>

税制改正法案メド立たず  減税措置で「つなぎ」も――

 平成23年度予算案が衆院を通過し、年度内成立が確実になった。しかし、税制改正法案などの関連法案は衆院で再可決の見通しが立たず、審議がたなざらしになっており、「4月の統一地方選が終わるまでは、動きはない」(財務省幹部)との見方が有力になりつつある。
そこで浮上してきたのは、3月末で期限が切れる減税措置の取り扱いだ。例えば、鉄鋼製造で用いる輸入石炭への石油石炭税の免税措置が失効して課税されれば、業界全体で四百数十億円の負担増にも及ぶ。粗鋼1トンあたりでは500円程度のコスト増に見舞われ、海外大手としのぎを削る国内鉄鋼各社の価格競争力の低下が懸念され、従業員の生活にも影響を及ぼす。
 また、農林漁業用A重油への石油石炭税の免税も3月末で期限切れだ。対決姿勢を強める野党は、政府の税制改正案には容易に賛成できないが、4月には統一地方選を控えるため、与野党対決が国民の生活に悪影響を与えたくないのが本音だ。そこで与野党は、単純延長の減税は「つなぎ法案」で4月1日以降も暫定的に延長させる方向だ。
 ただ、法人税の減税や地球温暖化対策税の創設など民主党政権が目玉政策としている税制改正は、「つなぎ」の対象にはならない。各方面から「思い切った税制改正」と評価される平成23年度税制改正大綱の実現が危ぶまれている。

<タックスワンポイント>

不動産取得税  "ねじれ"でJ-REITは大丈夫?

 ねじれ国会の影響が、J-REIT(不動産投資信託)市場にも大きな影を落とすことが懸念されている。
 現在、J-REITを取り扱う不動産投資会社が取得する不動産にかかる不動産取得税の課税標準は、租税特別措置(租特)により、「不動産取得価格×3分の1」に相当する金額まで優遇されている。ところが、この租特の適用期限は平成23年3月31日。同23年度税制改正では、「3分の1」を「5分の2」とした上で延長されることが予定されているものの、ねじれ国会の影響で地方税法改正案に成立の目途が立たず、同租特にも空白期間が生じる恐れが出てきた。
 もっとも、後に法案が成立すれば、同租特が遡及適用されることになり、投資家が受ける分配金への影響は軽微なのもので済む。しかしながら、法案成立の目途が立たない状態が長引けば、J-REITによる不動産取得は、少なくとも法案成立までは低迷を続け、「不動産の流動化」というJ-REITの目的そのものを停滞させる恐れがある。
 現在と同じくねじれ国会だった同20年度税制改正当時は、年度中の税制改正法案の成立が困難だったため、3月31日に急きょ、与野党間で合意できるものに限り、「つなぎ法案(適用期限を法案成立までの期間、延長するもの)」を議員立法により成立させた経緯がある。
 同20年をピークに縮小傾向にあるJ-REIT市場。投資家の信頼が失われつつある今、不安材料となる"法の空白期間"は歓迎できるものではない。まずは、年度末に改正法案が成立するのか、はたまた「つなぎ法案」により手当てすることになるのか。その動向に注目が集まっている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年3月 4日 金曜日

Vol.0113号

<タックスニュース>

「休眠預金」を福祉・教育分野へ  金融庁が資金供給策を検討

 金融庁は、長期間使われていない預金口座の残高「休眠預金」の取り扱いについて海外事例の調査を始めた。日本では金融機関が利益に繰り入れているが、アイルランドなどでは福祉や教育分野に活用されている例もある。金融庁は海外事例を参考に、民主党がマニフェストで掲げる「新しい公共」分野への活用が可能かどうか検討を進める。
 全国銀行協会の規定では、預け入れや引き出しが10年間行われなかった預金口座の残金は、預金者の住所地に通知しても預金者が確認できなかった場合、その金融機関の利益に繰り入れられる。金融機関が利益に計上する休眠預金はメガバンク3行だけで年間約300億円。利益に計上した後も、預金者から請求があれば払い戻されるが、払い戻しは全体の4割にとどまっており、6割は事実上金融機関の利益となっている。
 一方、欧米では、休眠預金は国や特定機関が一元的に管理するのが一般的で、預金者は複数の金融機関にある休眠預金を一括して照会することができる。福祉や教育分野で活動する民間団体などに資金提供する制度が相次いで創設された。
 菅直人首相は1月、通常国会で「休眠口座を活用できる道がないか内閣としても検討したい」と答弁。これを受け、金融庁は3月に再開する金融審議会で休眠預金の取り扱いについて検討する方向で調整中だ。日本は家計の預貯金額が多く、休眠預金総額もイギリスの10倍以上あり、一元管理には課題は多いが、早ければ今年中に新制度の概要が固まる可能性がある。

<タックスワンポイント>

もはや国民病!?  「花粉症」対策に1億7千万円

 スギ花粉の生産量は前年夏の天候と密接な関係があるらしい。日射量が多く、降水量が少ないほど春の花粉飛散量は多くなるそうだ。猛暑だった昨年の夏の影響で、今春は大量のスギ花粉が飛散するとの予測が出た。地球温暖化の影響で花粉症が年々悪化するとの調査も出ている中、国も積極的に対策へ乗り出している。
 林野庁では平成19年に「花粉発生源対策プロジェクトチーム」を設置し「スギ花粉発生源対策推進方針」に関する対策を進行中だ。内容として、①花粉症対策品種の開発・普及、②花粉の少ない森林への転換などの推進、③スギ花粉発生源対策に係る調査などの実施、④普及啓発活動の推進を主に掲げている。①の花粉症対策品種とは少花粉・無花粉スギのことだ。少花粉スギは花粉生産量が普通の品種の1%以下で、無花粉スギは雄花の中に全く花粉のない品種となっている。
 これらの原種を各都道府県に配布。採種園や採穂園での造成・改良を経て作り出したさし穂や種子から植林用の苗木を生産し、森林所有者によって植林される。このプロジェクトのため、林野庁では平成22 年度、1億7千万円の予算を投入している。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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