タックスニュース

2011年8月26日 金曜日

Vol.0137号

<タックスニュース>

政府税調、復興増税に向け始動  固定資産など地方税の活用も

 東日本大震災の復興財源確保に向け、政府税制調査会(会長=野田佳彦財務相)での増税議論が始まった。政府税調は月内に所得税と法人税の定率増税を軸にした複数案を取りまとめたい意向。ただ、臨時増税は与野党内で反発が根強いことから、今後の調整は難航必至だ。
 政府が7月末にまとめた復興の基本方針では、今後5年間にかかる復旧・復興事業費を19兆円以上としたうえで、11年度第1次、第2次補正予算などで手当てした6兆円を除く13兆円を歳出削減や臨時増税によって賄う方針を示した。税調では、歳出削減や国有財産の売却などで約3兆円の確保を見込み、これを除く10兆円と1次補正に流用した基礎年金の国庫負担分2・5兆円を合わせた12・5兆円を「復興債」の発行で調達。さらにB型肝炎の和解金支払いに伴う7千億円を加えた約13兆円の臨時増税を検討している。税目では、被災者を除外しやすい所得税と法人税の増税が有力視されている。
ただ、両税だけでは負担感が重いうえ、法人税は、国際競争力低下への懸念などから経団連も「3年が限度」(幹部と主張。このため、税調は担税力のある消費税や、固定資産税など地方税も活用する複数案を作り、政府・与党の東日本大震災復興対策本部に示す方針だ。
 しかし、与野党内では増税への反発に加え、インフラ関連の復興事業には従来の建設国債の発行で充てる考えが強い。次期代表選は「増税派」の野田氏が有力だが、自民・公明両党との大連立を模索していることもあり、増税規模などは今後大幅に変わる可能性がある。第3次補正予算案の編成に残された時間は少ないが、「月内に増税の本格的な議論をするのは無理」(財務省)との声も出ている。

<タックスワンポイント>

国税庁 岩手・宮城・福島の一部地域  申告延長期限9月30日に

 国税庁は東日本大震災の発生により甚大な被害を受けた5県(青森・岩手・宮城・福島・茨城)について、国税に関する申告・納付などの期限延長を行っていたところ、告示で7月29日と指定した青森および茨城に続き、岩手、宮城、福島のそれぞれ一部地域については、延長期限の期日を平成23年9月30日とすると発表した。振替納税を利用する場合の振替納付日は、平成23年10月31日となった。なお、震災の影響で9月30日までに申告・納付などの手続きが困難な場合、所轄税務署長に申請して期限の延長措置を受けることが出来る。また、今回指定されなかった地域の申告・納付の期日は別途国税庁告示で定めるとしている。延長される地域は以下の通り。

 ▽岩手県=盛岡市、花巻市、北上市、久慈市、遠野市、一関市、二戸市、八幡平市、奥州市、雫石町、葛巻町、岩手町、滝沢村、紫波町、矢巾町、西和賀町、金ヶ崎町、平泉町、藤沢町、岩泉町、田野畑村、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町
 ▽宮城県=仙台市、塩釜市、白石市、名取市、角田市、岩沼市、登米市、栗原市、大崎市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大和町、大郷町、富谷町、大衡村、色麻町、加美町、涌谷町、美里町
 ▽福島県=福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、桧枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、新地町

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2011年8月19日 金曜日

Vol.0136号

<タックスニュース>

政府、復興基本方針を策定  10年間で総額23兆円

 政府の東日本大震災復興対策本部は7月29日、10年間の復旧・復興事業費を約23兆円とし、約19兆円を当初5年の「集中復興期間」に投入するとした復興基本方針を決めた。
 政府原案にあった財源確保のための10兆円規模の臨時増税と、5〜10年としていた復興債の償還期間は、民主党の強い反発で明記を断念した。最大の焦点であった臨時増税の具体案を盛り込めなかったことで、2011年度第3次補正予算案の編成が迷走するのは必至だ。
 民主党が同日に開いた会合では、増税に関して3時間以上にわたって反対論が噴出。岡田克也幹事長ら執行部側は、「増税」の表現を「税制上の措置」と改めることなどで合意を図ったが、反対論は一向に収束せず、最終的に増税額も償還期間も削除する骨抜きの内容で決着した。
 政府・民主党は8月以降、政府税制調査会などで具体的な財源論議に入る予定だが、党側は歳出削減と、特別会計などの「埋蔵金」での財源確保を優先するよう求めており、増税論議には事実上足かせをはめられた格好だ。償還財源が明確化されないまま復興債が発行されれば、赤字国債の増発と何ら変わらず、財政規律に対する市場の疑問が強まるのは確実だ。
 政府原案への反対論は、小沢一郎元代表グループだけでなく、中間派の若手・中堅にも広がっており、今回の事態は菅直人首相の求心力低下と、増税への反発の根深さを裏付けた格好。8月後半にも行われる民主党代表選の争点にもなりそうで、復興財源論議は一段と停滞しかねない情勢だ。

<タックスワンポイント>

平成22年度「租税滞納状況」を公表  原告訴訟の国側勝訴率は100%

 国税庁は7月23日、平成22年度の租税滞納状況を発表した。新規発生滞納額は6836億円で、前年度の7478億円より9・2%のマイナスとなった。これにより12年連続の下降線をたどり、新規発生滞納額が最も多かった平成4年度の36・2%まで減少した。新規滞納額のうち最も多いのは消費税の3398億円で、前年比では微減しつつも全体の半数近くを占めた。
 整理済額は7591億円で、新規発生滞納額を755億円上回り、前年比470億円のマイナスとなった。これにより滞納残高は1兆4201億円となり、ピークであった平成10年度の2兆8149億円の半数にまで減少した。
 さらに同庁は「原告訴訟の提起及び滞納処分免脱罪による告発の状況」も公表。差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟など、国が原告となって納税者を訴える原告訴訟の同年度の提起件数は200件。前年度からの審理中事案を含めて225件が終結し、その全てが国側の勝訴であった。また財産の隠ぺいなどによって徴収を免れようとする悪質な事案に対する告発件数は同年度2件に止まった。

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2011年8月12日 金曜日

Vol.0135号

<タックスニュース>

民主党代表戦「ポスト菅」は誰?  焦点は"復興増税"の是非

 「ポスト菅」を狙う民主党の有力議員から、震災財源確保を目的とした増税の動きをけん制する発言が相次いでいる。
 「3年間は徹底的なデフレ脱却期間とし、経済が循環しはじめたときに増税議論をすべきだ」
 党代表選出馬を明言している馬淵澄夫前国土交通相は今月2日の講演で、景気対策の足かせとなる増税は当面、封印すべきだとの考えを表明した。同じく代表戦出馬を狙う小沢鋭仁元環境相も復興増税に反対しており、増税議論の中心となる党税制改正プロジェクトチームの座長を辞任する意向を周囲に伝えている。
 政府が7月末決定した復興基本方針では、今後10年間の復旧・復興事業費を約23兆円と見積もり、このうち約19兆円を当初5年に集中投入すると明記。必要な費用は基幹税などの増税で捻出(ねんしゅつ)するとした。馬淵、小沢両氏がこれに真っ向から対立する主張を繰り返す背景には、党内最大勢力で、増税反対の立場をとる小沢一郎元代表のグループの支持を取り付けたい狙いがあるとみられる。
 代表戦をめぐっては、復興基本方針取りまとめの中心となった野田佳彦財務相が「ポスト菅」の最有力候補とされている。財政規律を重視する野田氏は増税の必要性を強く訴えていることから、他の候補は「増税反対」の立場をとることで、野田氏との違いをアピールするしかない事情もある。
 「増税の是非が代表選の最大の争点になる」(民主党幹部)のは間違いないが、震災発生で国の財政悪化が一段と進む中、財源の裏付けのない歳出削減を無制限に続けられないのも事実。政府内では「誰が首相になっても負担増の議論からは逃げられない。目の前の代表選だけをにらんだポジショントークは、いずれ自分の首を絞めることになる」(中央省庁幹部)との冷ややかな声も出ている。

<タックスワンポイント>

国税庁が文書回答  B型肝炎訴訟の和解金は「非課税」

 B型肝炎訴訟については現在全国の10地裁で係属中だが、札幌地裁で示された所見に基づき6月28日、国と全国の原告団との間で損害賠償責任にかかる基本合意書が締結された。これを受けて厚生労働省は国税庁に対し、合意書に基づき支給される和解金に係る所得税の課税関係について文書による照会を行った。
 照会では、「和解金は、基本合意書を踏まえて過去の集団予防接種での注射器の連続使用に起因してB型肝炎ウイルスに感染したと認められた人に支払うもの。損害賠償金または見舞金としての性格を持つものとして、所得税法9条1項17号および同法施行令30条に規定する『非課税所得』に該当すると考えて差し支えないか」としている。
 これについて同庁は、「照会に係る事実関係を前提とする限り、差し支えない」と回答している。なお国から原告らに支給される「除斥期間を経過した無症候性キャリアに支払われる検査費用等」「母子感染、父子感染及びジェノタイプに関する検査費用」「弁護士費用相当額」などについても、和解金と同様に非課税所得に当たると回答している。

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2011年8月 5日 金曜日

Vol.0134号

<タックスニュース>

"与謝野"経済白書まとまる  「消費増税」持論補強の材料?

 内閣府が7月22日に公表した2011年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は、取りまとめに当たった与謝野馨経済財政担当相の意向をストレートに反映した仕上がりとなった。
 「白書は政治が介入してああ書け、こう書けと指示する種類のものではない」。与謝野経財相は同日の会見で白書の客観性を強調してみせたが、信じる向きは少ない。白書の構成を見れば「与謝野色」は明確だ。
 例えば、今回の白書は、目玉とも言える東日本大震災の影響分析とともに、財政再建と経済のグローバル化に多くの文量を割き、重要性を訴えた。いずれも与謝野経財相がかねて実現に意欲を示してきた項目で、白書が国内外の様々な経済データを駆使して、これに「お墨付き」を与えた格好だ。
 内容についても、消費増税による経済への悪影響の懸念に対し、日本やドイツの過去の増税を分析して「個人消費が必ずしも停滞するわけでない」と強調。財政再建を経済成長だけで達成するのは難しく、歳出・歳入改革を同時に進めるよう提言するなど、与謝野経財相が主導する税・社会保障一体改革を補強する書きぶりになっている。
 経済財政白書は、戦後間もなく発行された前身の「経済実相報告書」以来、中立的なデータ分析と国の今後の方向性を示す示唆に富んだ提言で信頼を集め、「白書の中の白書」とも呼ばれてきた。しかし、ここ数年は「政府が進める政策の正しさを強調する記述が目立ち、宣伝文書化している」との批判にさらされている。今年もその傾向が踏襲された形で、内閣府幹部は「白書も政府の文書である以上、時の政権の政策と無関係ではいられない」と釈明している。

<タックスワンポイント>

国税庁が特別還付金請求システム  「二重課税」判決受け、HP上に設置

 国税庁は7月20日、同庁ホームページ上に「特別還付金請求書等作成システム」を設置した。最高裁が平成22年7月6日、年金型の生命保険を遺族が受給する際、相続税の課税対象となった部分については所得税の課税対象にならないとの判決を出したことに伴う、還付金の発生に対応するためのもの。
 同庁は、最高裁判決を受けて22年10月、保険年金の税務上の取り扱いを変更。過去5年以内の各年分に所得税が納め過ぎた人については、通常の所得税の還付手続による還付を行ってきた。そして、平成12年から17年の間の各年分については、納め過ぎとなっている所得税に相当する額を「特別還付金」として支給する制度を新設した。特別還付金の対象者は、12年分以後の各年分で、①年金型保険の死亡保険金、②学資保険の契約者が死亡した後の養育年金、③個人年金保険による年金――を受け取っていた、保険料などの負担者でない人。
 この特別還付金を請求するためには、「特別還付金請求書」と「特別還付金の額の計算明細書」を作成し、税務署に提出する必要がある。今回ホームページに設置された「特別還付金請求書等作成システム」では、画面の指示に従い、住所、氏名、生年月日のほか、税務申告情報や、保険年金の情報を入力することにより、特別還付金請求書と計算明細書を作成することができる。請求の期限は24年6月29日まで。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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