タックスニュース

2011年9月26日 月曜日

Vol.0141

<タックスニュース>

民主党 藤井税調が初会合  政府との統一を目指すも、揺らぐ党内

 民主党税制調査会(藤井裕久会長)が、野田政権下で復活後初めての役員会を開き、東日本大震災の復興財源を賄う増税論議を始めた。
今後、政府税制調査会(会長=安住淳財務相)と調整して、所得税と法人税の定率増税を軸にした政府・与党案の取りまとめを目指す。ただ、筆頭副会長には代表選で増税反対を訴えた海江田万里元経済産業相が就任したほか、増税期間や開始時期を巡っても政府との意見の隔たりが大きく、調整は難航必至だ。
 初会合で藤井会長は「政府と統一的なものの考えで進むのが基本。単なる(業界の)利益代表のような自民党税調とは全く違う運営をしたい」と抱負を述べた。ただ、政府税調との足並みの乱れは早くも表面化している。政府税調は増税期間を来年度から10年以内を基本としたうえで、▽所得税+法人税▽所得税+法人税+地方税、たばこ税など▽消費税のみ――などの複数の組み合わせ案を取りまとめる方針だ。
しかし、党税調の藤井会長は「初年度から血の流れるような増税はあり得ない」と述べ、増税の開始時期を2013年度に先送りする意向を表明した。さらに、党内には増税アレルギーが根強いうえ、海江田氏は代表選で短期の増税より国債(借金)増発を主張した経緯がある。党税調内では「TPPもそうだが、海江田氏の主張はころころ変わるので、すぐ増税容認に転じる」との楽観論もあるが、「藤井会長が反対論をどこまで押さえ込めるかは未知数」との声も出ている。
 党税調は復興増税以外にも、税と社会保障の一体改革に伴う消費税の増税議論が控えるほか、党の来年度税制改正大綱を取りまとめる意欲を示すが、波乱含みの展開も予想されそうだ。

<タックスワンポイント>

国税庁「酒Gメン」募集開始  客のフリして1件千円

 国税庁は、スーパーやコンビニ、酒屋などに臨場し、酒類の販売に関する法令の遵守状況を調査する「酒類販売管理協力員」を募集している。
 酒類販売管理協力員、いわゆる「酒Gメン」は、自宅近くの酒類販売店に買い物客として入り、未成年者飲酒防止に関する表示の遵守状況や、不当廉売の有無など店頭価格の状況を調べ、内容を所定の用紙に記載し所轄税務署へ提出する。調査1件につき、謝金千円(交通費含む)が支払われる。今回募集しているのは、千葉県を除く東京国税局管内の地域(東京都、神奈川県、山梨県)に在住する20歳以上の人で、290人程度に委嘱を行う予定だ。募集の締め切りは9月30日、調査期間は委嘱された日から来年1月31日まで。
 酒Gメンの募集は、国税庁の事業として全国の国税局、国税事務所で毎年度行われている。なお今年度は東日本大震災の被災状況を勘案し、仙台国税局管内全域、茨城県、千葉県では募集をしない。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年9月16日 金曜日

Vol.0140

<タックスニュース>

着々と進む「消費税増税」人事  党税調会長に藤井元財務相を起用

 野田政権発足に伴う民主党役員と政務三役人事が決まり、経済・財政分野では、党税制調査会を復活させて財政再建派の藤井裕久元財務相を会長に起用したほか、政府税制調査会担当の五十嵐文彦副財務相を再任した。東日本大震災の復興財源確保に向けた10兆円超の臨時増税や、税と社会保障の一体改革に伴う消費税増税を着実に進める布陣となった。
 民主党は2009年の政権獲得後、内閣に政策決定を一元化するため、与党税調を廃止していた。しかし党内には「決定にかかわれない」との不満が増えたため、その後、税制改正プロジェクトチーム(PT)を創設。ただ、PT座長は政府税調にオブザーバーとして加わるにとどまり、位置づけが不明確だった。党税調の復活は特に党内で反対論のある増税論に関与させ、責任も連帯させる狙いがある。
 旧大蔵省出身の藤井氏は財務相を2度務め、財政規律を重視する考えを示している。党税調会長に重鎮の藤井氏を起用することで、党内の増税慎重論ににらみを利かせる構えだ。
 一方、五十嵐副財務相は菅政権下で政府税調の取りまとめ役や、復興増税の具体案を検討する作業チームの座長を務めた。復興増税について政府は9月7日に税調を再開し、月内の与野党合意を目指している。安住淳財務相(政府税調会長)は財政政策の経験が浅く、五十嵐氏を補佐役に据えて増税論議を迅速に進める狙いがある。ただ、政府税調と党税調の力関係はまだ明確ではない。
 復興増税では政府税調が複数案を示し、党税調が党内の意見集約を進める形が有力だが、藤井氏と安住氏がそれぞれの反発をどう抑え、指導力を発揮できるか注目されそうだ。

<タックスワンポイント>

特許権を会社に譲渡  発明の対価に対する税務処理

 従業員らが職務上行った発明、いわゆる職務発明は、経営を軌道に乗せるための"起爆剤"になり得る。うまく行けば新しい収益構造を生み出してくれることもあるだろう。
 そのような職務発明であれば、他の会社に活用される前に特許申請しようと考えるもの。では、従業員が自分の発明に関連する報酬を受け取った場合、税務上はどのように処理するべきなのだろうか。
 従業員が持っている特許権を会社が使用する場合、発明者である従業員は会社から対価を受け取る。まず、発明者が特許権を譲渡した際に受け取る報酬は譲渡所得。一方で、権利を会社に譲り渡した後に成果に応じて継続的に受け取るような報酬は雑所得になる。
 また、発明者が取得した特許権などについて、会社との契約に基づく実施権(ライセンス)を設定したことで支払われるお金は雑所得。この場合、特許権等の使用料は源泉徴収の対象となるため、特許権等の使用料が支払われる際に1割(1回に支払われる額が100万円を超える場合には超える部分は2割)源泉徴収されることになる。
 さらに、特許権を申請するほどではないにせよ、従業員が事務作業の効率化や製品の品質改善、経費の節約などに役立つ、ちょっとしたアイデアを提案してくれれば会社としてはありがたい。それを期待して「社内提案制度」を設けている会社もあるだろう。この場合、アイデアが職務の範囲内であれば支給されるものは給与所得、職務の範囲外で一時に支給されるものは一時所得、範囲外でアイデア実施後の成績などに応じて支給されるものは雑所得になる。
 なお、発明者が発明によって開発された商品を仕入れて販売する場合は当然事業所得。その事業が相当な利益を生むようになれば、法人化の検討も必要になるだろう。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年9月 9日 金曜日

Vol.0139

<タックスニュース>

自殺総合対策の推進に2億1千万円

 警察庁の統計によると昨年1年間の自殺者の総数は3万1690人となり、一昨年に比べて1155人減少したものの、今回も3万人を超えた。世間のコミュニケーションが希薄になりさまざまな社会問題を抱える現代では、自殺はもはや個人的な問題ではない。国全体として取り組むべき問題であるとして、現在では多種多様な団体が自殺問題に取り組んでいる。
 平成19年に閣議決定された自殺総合対策大綱では、9月10日の「世界自殺予防デー」にちなみ10日から16日までを「自殺予防週間」と定め、国、地方公共団体が協力して、幅広い国民の参加による啓発活動を強力に推進することになった。本年度は東日本大震災で被災した人に対するケアにも対応すべく、経済団体や労働団体、職能団体、支援団体、関係する学会など幅広い団体からの協賛を得て、当事者が支援を求めやすい環境を作るための「生きる支援」として展開することになった。
開催予定の行事として、自殺により家族を失った人(自死遺族)に寄り添う「ピア・サポーター」としての心得の基本を学びあう研修会や、看護士や保健師など医療従事者のための自殺予防セミナーが実施され、また専門の産業カウンセラーによる「働く人の電話相談室」が今月8日から10日まで開設される。
内閣府のホームページ上では「あなたも出来る自殺予防のための行動」として、「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」の4つの行動を挙げている。「気づき」は家族や仲間の変化に気付いて声を掛けること。「傾聴」は本人の気持ちを尊重し、耳を傾けること。「つなぎ」は早めに専門家に相談すること。「見守り」は温かく寄り添いながらじっくり見守ること。こうした行動は予防週間でなくとも、常日頃から大切な人のために気に掛けておきたい。
 内閣府では自殺総合対策の推進に平成23年度当初予算に2億1千万円の予算を計上している。

<タックスワンポイント>

親族間の窃盗被害  雑損控除は適用できる!?

 「子は宝」----、とはよく言ったもので、幼い子どもの頑是ない無邪気な姿は世知辛い社会を明るくしてくれる。
 しかし、現実には放蕩息子に苦労させられる親も少なくない。このような息子はなぜか決まったように、定職もなく家にも寄りつかず、お金の無心するときだけ帰って来て......時には勝手に親のサイフから金を持っていく。親にとっては、ほとんど「盗み」に入られているのと変わらない。
 税務上は盗難の被害にあった場合、一般的には雑損控除として所得控除を受けることができる。控除できる金額は、「損失額−総所得金額等×10%」、あるいは「損失額のうち災害関連支出の金額−5万円」のいずれか多い金額だ。
 しかし、放蕩息子が親や家族からお金を盗んだ場合は雑損控除の適用が難しいケースが多い。親族から金品を盗む行為は「親族相盗例」とされ、罪に問われないことが少なくないからだ。
 親族相盗例とは、直系血族、配偶者および同居の親族の間で窃盗、詐欺、恐喝、横領といった罪を犯した場合は、無罪もしくは刑が免除される特例措置だ。親族相盗例の結果、窃盗ではなく「贈与」扱いになることも多い。ただし、当局よると、「雑損控除の適用で重要なことは『盗難の事実』。親族だから適用できないという理由ではない」としている。そのため、警察が盗難にかかる被害届を受理したといった事実確認が取れれば、雑損控除が適用される可能性もゼロではないようだ。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年9月 2日 金曜日

Vol.0138号

<タックスニュース>

"開店休業"の政府税調  政局不安定で増税論議も停滞

 東日本大震災の復興財源確保に向けて始動したばかりの政府税制調査会の増税議論が早くもストップした。民主党代表選で復興増税の是非が焦点となる中、具体案を打ち出しにくくなったためで、結論は新体制後に持ち越される見通しだ。ただ、最有力候補の前原誠司前外相も復興増税に慎重で、今後の増税議論の進展にも不透明感が増している。
 政府・与党が7月末に復興基本方針を策定したことを受け、政府税調は当初、増税期間を来年度から5〜10年としたうえで、所得税と法人税の定率増税を軸に、消費税や酒税、地方税などとの組み合わせを含めた複数の増税案を8月末までに示す方針だった。
しかし、政府保有株の売却や特別会計の見直しなどで増税規模の圧縮を目指す民主党内の財源検証小委員会は8月24日、結論を代表選後に先送りすることを決定。税調は、B型肝炎訴訟の和解金支払い分などを含めて増税規模を13兆円程度と見込んでいたが、これを確定できない事態に陥った。
 さらに、代表選で増税慎重派が目立つ中、「『増税積極派』と見られて支持を落とす税調会長の野田佳彦財務相の足を引っ張れない」(財務省幹部)との判断もあり、税調は「開店休業」状態に陥った。
 一方、代表選では、前原氏が「この1、2年増税は慎重であるべき」と発言するほか、野田氏さえも「増税はいつからと固定的に考えない」と軌道修正を図っている。代表選後の交代が噂される「財政規律重視派」の与謝野馨経済財政担当相ですら「5年や10年というと大変だが、もう少し長めの期間を取れば国民が痛みを感じない」と話す。新政権では、復興増税の当初の枠組みは今後大きな変更が迫られる可能性がありそうだ。

<タックスワンポイント>

国税庁 「二重ローン問題」で文書回答  個人債務に係る特例的処理を明示

 中小企業や個人事象者らの復興の妨げになるとされる二重ローン問題だが、税法上は債務免除が債権者・債務者双方に意外な税負担を強いる可能性がある。そこで国税庁は債務免除に係る税務上の運用について見解を示した。
 照会の内容は、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン研究会」(高木真二郎座長)が二重ローン問題の解消を目的に策定した"指針"に適合する債権免除が実行された場合の債権者・債務者の課税関係。債権者がその債権を放棄した場合、税務上は必ずしも損失として扱われるとは限らない。税法上の要件に適わなければ、単なる「債務者への寄付」とみなされ、損金性が認められない。一方、債務免除された債務者には、免除された債務が「債務免除益」として課税所得となる可能性がある。
 国税庁の見解は、ガイドラインの対象としている債権者(主に金融機関)の債権放棄によって生じた損失は、法人税基本通達9−6−1「金銭債権の全部又は一部の切り捨てをした場合の貸倒れ」に該当するもので、「合理的な基準により債務者の負担整理を定めているものに準ずる」ことから、法人税法上、「債権放棄の日に属する対象債務者の事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する」としている。また、個人債務者が受けた債務免除益については、所得税法基本通達36−17「債務免除益の特例」で規定する「債務免除益のうち、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたもの」に該当し、所得税法上、「各種所得の金額の計算上、収入金額又は総収入金額に算入しないものとされる」と回答している。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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