タックスニュース

2011年10月28日 金曜日

Vol.0145

<タックスニュース>

復興増税15~20年  民公合意に自民に警戒感

 東日本大震災の復興財源などを賄う臨時増税案を巡る、民主、自民、公明の3党協議が本格化した。
民主は増税期間について、公明の意向を受け入れて当初の10年から15~20年に延長する方針で、「民公」合意をテコに、20日に招集する臨時国会での成立を目指す。ただ、「(60年償還の)建設国債に準じた年数」を主張する自民との隔たりは依然大きい。民公とも自民を置き去りにすることへの警戒感もあり、協議の行方は予断を許さない。
 政府・与党の復興増税案は、所得税、法人税、たばこ税を軸に増税期間は「10年が基本」としていた。公明は、当初たばこ増税に慎重な姿勢を示していたが、「ほかの財源確保が難しい」「健康面でも望ましい」などの党内の声を受け、増税容認に転換。一方で、増税期間は15~20年の延長を求めた。石井啓一政調会長と話した民主の前原誠司政調会長は「ご意向にそえる」として延長する考えを示した。
 ただ、民主との対決姿勢を鮮明にする自民は、伊吹文明元幹事長、野田毅党税調会長らがたばこ増税に猛反発するほか、増税期間の大幅延長を要求する。茂木敏充政調会長が「30年程度」と話すのが伝わると、長老らは「とんでもない」と叱責。増税の開始時期まで先送りする案もある。
 復興増税は公明の合意さえ得られれば、関連法案を可決できるだけに、自民内にも「自公分断・民公接近」を警戒し、歩み寄りを求める声もある。それでも、公明も「選挙を考えれば、自民党とは離れられない」(財務省幹部)との見方は強いほか、前原氏も周囲に「自民を置き去りにすると、後が怖い」と話すだけに、税目や期間を巡る調整はなお続きそうだ。

<タックスワンポイント>

相互協議10年で2倍  国税庁、対応人員を増加

 日本と外国の間で発生する「二重課税問題」に対応するため、国税庁と外国の税務当局との間で行われる「相互協議」の実施状況について、協議件数が10年前と比較して約2倍に増加していることが分かった。
 国税庁では発生件数の増加に対応するため、23事務年度は専門の職員を33名から41名に増やしている。海外へ関連企業を設置する企業の増加によって、平成22事務年度の協議発生件数は157件で、その内9割以上を移転価格に関する案件が占めている。二重課税を回避するための「事前確認」に関する事案は発生件数中135件となった。
 問題の処理が終わった件数は過去最多の164件(前年比106%)を記録している。一件あたりの平均処理期間は24・8カ月となった。相互協議の相手国については、米国、豪州、英国の順で多く、特に米国と豪州の事案が約半数を占めた23年6月現在、日本が締結している48の租税条約すべてに相互協議に関する規定が置かれている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年10月21日 金曜日

Vol.0144

<タックスニュース>

政府税調 「臨時増税」改正大綱を策定  所得、法人、たばこ税が柱に

 政府税制調査会は11日、東日本大震災の復興財源にあてる臨時増税に関する税制改正大綱をまとめた。月内に招集される臨時国会で成立を目指すことになるが、その前に与野党協議のハードルが待ち構えている。
 「復興債の償還財源を税でやるのなら、もう少し狭く、絞れるのではないか」「たばこ税を上げることは許さない」
 自民党税調の野田毅会長は10日のBS11の番組収録で、政府案を強く牽制してみせた。政府税調は臨時増税の柱として所得、法人、たばこ税の増税を想定。さらに大綱では、未成立の今年度税制改正法案で予定している所得控除縮小や地球温暖化対策税の実施時期修正も盛り込んでいる。自民党はたばこ増税に加え、控除縮小や温対税導入に対しても難色を示しており、政府に大綱の大幅な見直しを迫るのは必至だ。さらに、自民党側は復興債の償還期間や税外収入の算出根拠など、予算・税制の根幹部分から問い直す構えで、仮に与野党協議は始まっても容易に妥協点は見いだせそうにない。
 とはいえ、大綱には、被災地の新設企業の法人税を5年間免除する税制特例措置など「復興地域に対するインパクトのある政策」(安住淳財務相)も多く、早期実施を求める被災地の声は強い。さらに政府は沖縄振興策として同様の法人減税を検討するなど、今回の大綱成立を前提に年末の来年度税制改正作業を進める方針で、与野党協議が停滞すれば、税に関する一連のタイムスケジュールも後ずれしかねない状況だ。

<タックスワンポイント>

大分 総合病院が金歯を売って裏金に......記帳ないと税務調査来る!?

 大分県内の総合病院で、歯科患者の歯の詰め物に使われる貴金属を売却し裏金にしていたことが分かった。この病院は2010年までに150万円をプールしていたという。詰め物一つひとつに使われる金属の量はわずかだが、「ちりも積もれば山となる」――。売却益に国税当局も目を光らせている。
 裏金は、歯科が買い取り業者と取り交わした書類が病院の会計課に送付されたことにより発覚したという。会計担当者が長年この取引を把握せず、裏金の習慣が常態化していた事情には、患者から詰め物を引き取るやりとりがあったか否かが不透明であること、そして金属の売却益が歯科医療に直接関わる事業収入ではないため目立たなかったことが挙げられるだろう。
 しかし、このような収入にも注目しているのが税務当局だ。歯科コンサルティングを得意とする都内の税理士は、歯科医院やクリニックの経理指導を行う際、金属売却の有無を確認し、売却している場合は買い取り業者との取引の証票を残した上で、売却益を「雑収入」として必ず計上するよう指導しているという。「金属くずは必ず出るもの。会計上、その『行方』がわからなければ着目される可能性が高い。歯科医の金属売却益は金額的に大きくないだけに、記帳漏れがあることで自由診療の報酬や窓口での歯のケア商品の販売など、ほかの簿外収入も疑われてしまうのは損だ」と語る。
 鉄や銅、アルミニウムなどの金属くずを大量に排出する製造業・建築業が行うスクラップの売り上げ除外は、脱税の常とう手段として強く警戒されている。国税当局では、各種金属の相場をチェックし、関連企業の申告内容と照らし合わせているといわれる。事業内容や規模から金属くずの量を予測し、買い取りの実勢価格から売却益を逆算することはそれほど難しい作業ではない。金をはじめ金属価格が高騰しているだけに、この種の脱税への当局の動きは活発化するものとも考えられる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年10月14日 金曜日

Vol.0143

<タックスニュース>

2012年度予算  概算要求額は過去最大98兆円超

 2012年度予算に対する各省の概算要求が9月30日に締め切られた。要求の総額は98兆円台半ばに達し、過去最大だった11年度の概算要求(96兆7465億円)を大幅に上回った。社会保障費の膨張に伴う通常経費の増加に加え、青天井の要求を認めた東日本大震災からの復旧・復興経費が約3・5兆に達し、要求額を大きく押し上げた。
 11年度第3次補正予算案の中身が確定していないため現時点で要求額を示していない項目も多く、要求総額はさらに膨らむ見通し。政府は震災からの復旧・復興経費などを5年間で約16兆円と見込んでおり、今回の要求をすべて認めれば12年度まででそのほとんどを使い切る計算。このため財務省は復興枠が不要不急の予算要求の「抜け穴」になっていないか厳しく査定する方針で、安住淳財務相は「真に必要な復興の財源と、無理やり理由をつけて入れてくるものは厳しく峻別する」とくぎを刺した。
 復旧・復興関連経費では、国交省が津波対策などで最大の1兆1098億円を要求。環境省が福島第1原発事故の除染費用など8843億円、文部科学省が学校の防災対策など5684億円、農林水産省が農水産業の復興支援など2934億円をそれぞれ要求。被災地向けに使途の自由度を高めた復興交付金などは、「今後追加で要求する」とした。
 成長分野などに省庁横断で予算を重点配分する特別枠「日本再生特別措置」に対しては、7000億円の枠に約2兆円の要望が集中。新エネルギーの普及や科学技術振興予算の要望が寄せられた。政策経費を前年度以下に抑える目標達成に向け、今後の査定でどこまで絞り込めるかも焦点となる。

<タックスワンポイント>

臨時増税案にたばこ税  来年の10月から1本あたり2円の増税

 政府は東日本大震災の復興費を賄うことを目的とした臨時増税案をまとめた。その中にはたばこ税の増税が盛り込まれており、来年の10月から1本あたり2円増税し、10年間で計2兆2千億円の税収を見込んでいる。たばこ税の増税は昨年の10月に実施されたばかりであり、短い期間での再値上げとなりそうだ。
 前回の増税では、1本につき5円、1箱で100円の値上げとなり愛煙家に大きな影響を与え、価格が上昇したことを理由に禁煙した人も多かった。データでは昨年の値上りを機に禁煙に挑戦した人は全喫煙者の35%で、禁煙に成功した人はそのうち38%だった。過半数が禁煙に失敗しているが、値上りを理由に禁煙をするという気持ちは多くの愛煙家が持っていることがわかる。アンケートでは500円をめどに禁煙したいという声が半数近くを占めている。そして、今回の増税案でその500円のラインに価格が乗ると予想される。
 昨年の厚生労働省のデータでは1箱410円で販売を行うことによる2兆3千億円の税収を見込んでいたが、先日発表された22年度のたばこによる税収は2兆円を割った。今回の案では禁煙ラインと言われている500円を突破する見通しであることから、禁煙する人は前回より多くなることが見込め、政府が見込んでいる1年間で2000億円の増収という目標は厳しいとの見方もある。
 復興費と健康促進を理由に、増税したばかりのたばこ税の増税には反対意見も少なくない。特に愛煙家からは「取りやすいところから取るのではなく、もっとやるべきことは他にあるだろう」という声が多く聞かれる。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2011年10月 7日 金曜日

Vol.0142

<タックスニュース>

臨時増税規模  政府と民主党に認識のズレ

 東日本大震災の復興財源などを確保する臨時増税の規模を巡り、政府と民主党内の足並みの乱れが表面化した。政府・与党案では、政府が保有する日本たばこ産業(JT)株の完全売却などを通じて税外収入を当初案より2兆円上積みする方針だが、あくまで目標値とする政府側・党税制調査会と、臨時増税の規模圧縮をアピールしたい党政策調査会との間で認識のズレが発生。税外収入の確保は難航必至で、あいまいさを残した政府・与党案が、今後の与野党協議で批判を招くのは確実だ。
 復興増税を巡って政府・与党は、所得税、法人税、たばこ税、個人所得税を対象に、増税期間は10年を基本とすることで一致。法人・たばこ増税の開始時期は来年度としたが、所得・住民は政府の当初案より1~2年先送りし、党内の増税慎重論に配慮した。
 一方、増税以外による財源調達については、JT株のほか▽エネルギー特別会計の保有株売却▽財政投融資特別会計の剰余金活用――などで当初の政府案の5兆円から7兆円に上積みを目指す方針を示した。
前原誠司政調会長は増税規模が当初の11・2兆円から9・2兆円に圧縮したと「成果」を強調したが、政府や党税調からは、「5兆円の確保すら難しい」との指摘が相次いだ。
 結局、当面の増税規模を11・2兆円として法案を提出し、上積みが実現した段階で9・2兆円に圧縮することで混乱の収束を図ったが、玉虫色の中身は野党側にとっては格好の標的。財務省などからは「自分の格好つけしか考えない前原氏に振り回された」との恨み節が聞こえてくる。

<タックスワンポイント>

長期保有資産買い換え特例が12月末で終了?  実務家の間に懸念の声

 ねじれ国会や震災の影響で成立が大幅にずれ込んだ平成23年度税制改正では、民主党の政権公約の一つである租税特別措置の縮減・廃止が行われた。そして、廃止の対象とならなかった租特でも、適用期限の延長が行われず、近い将来に「日切れ」が見通されるものがある。実務家の間に懸念の声が上がっているのが、「長期保有資産買い換え特例」だ。
 この特例は、事業に用いている土地や建物などを譲渡した後、一定の期間内に、要件を満たす資産を取得して事業に用いた場合に、譲渡益の一部について課税を将来に繰り延べることができる制度だ。平成23年12月31日までに資産を譲渡した場合に適用できることになっており、今年度の税制改正では期限延長の対象となっていない。つまり、24年度の税制改正で延長などの措置がなされない限り、日切れにより使えなくなるということだ。
 専門家によると、この特例は農地を売ってアパートなどの賃貸物件を購入する場合や、収益性の低い事業に使用する不動産を買い換えて事業転換する場合などに頻繁に利用されているという。そして改正による同特例の扱いについて、「政府の租特廃止・縮減は、政策的に意味のないものや、利用頻度が少ないものを対象としているはず。使い勝手がよく、実際に多くの人が利用し経済の活性化に役立っている制度が延長されない理由がわからない」と疑問を呈す。
 また経団連でもこの特例の延長を求めている。9月14日に発表した「平成24年度税制改正に関する提言」では、「本特例は、企業の事業再編等に係るコストを低減させ、経済活力の向上に寄与しており、また、広範な業種に活用され、地域の企業立地にも貢献していることから、適用期限を延長すべきである」としている。

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

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