タックスニュース

2014年3月28日 金曜日

Vol.0257

<タックスニュース>

配偶者控除  女性の社会進出を阻害?

 政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議が3月19日に開かれ、安倍晋三政権の成長戦略を後押しするために、女性の社会進出を促す政策の議論を開始した。伊藤元重東大教授ら有識者議員4人は、現行の配偶者控除制度が女性の社会進出を阻害するとして見直しを提案した。ただ、自民党内には伝統的な家族観を重んじる議員も多く、見直しに慎重な意見も根強い。実際に見直されるかどうかは不透明だ。
 配偶者控除は、会社員と専業主婦(主夫)の世帯で、会社員の課税所得を38万円減らし所得税を安くする制度。例えば夫が会社員、妻が専業主婦の場合、妻がパートなどで働いても、その年収が103万円以下ならば所得税はかからず、夫の課税所得から年間38万円を減らすことができる。103万円以下に抑えるように、妻が働く時間を調整する例も多く「103万円の壁」と呼ばれ、女性の社会進出を妨げるとの指摘もある。
 配偶者特別控除は、妻の収入が103万円を超えると妻の所得税は発生するが、103万円超~141万円未満であれば、夫の課税所得から3~38万円を減らすことができる。これは「141万円の壁」といわれる。
 このような「税制上の壁」以外に、妻の年収が130万円以上になると夫の扶養から外れ、妻自身が健康保険や公的年金の社会保険料負担を納める必要が出てくる。そのため、収入が増えても手取りが減る逆転現象が発生することもあり、「130万円の壁」といわれる。
 自民党は選挙の政策集で、配偶者控除維持を明記している。自民党の野田毅税制調査会長は18日に党本部で開かれた講演で「税調では年末に所得税改革として議論する」と述べる一方、「党の公約との整合性をどうするかの問題もある」と慎重に検討する考えを示した。


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<タックスワンポイント>

個人事業主の「交際費」  取引先の冠婚葬祭での支出について

 平成25年税制改正により、中小企業の交際費の上限額は年間600万円から800万円に引き上げられた。拡充によって、企業活動の強化のために交際費をどのように有効活用するかが中小企業経営の課題の一つになっている。
 ところで、個人事業主には交際費の限度額はない。明確な基準がないにせよ、「利益を生むための支出である」ことがポイントになる。取引先とはもちろん、仕事に有益な情報を持つ人との会食であっても費用は交際費として認められる。
 また、仕事を通して出会った人の冠婚葬祭にやむを得ず出席することもある。その時に支出した御祝儀や香典なども、事業に関係する支出として交際費に含むことができる。その際、通常の領収書がもらえない場合は、事実を客観的に証明できる材料を揃えておくことが大切だ。支払先、金額、理由などを明記したものや、当日の案内状なども添付しておけば税務署からの追及があっても安心だ。
 ところで、法人の中には家賃補助、健康診断、財形貯蓄制度、社員旅行などの「福利厚生」があるが、福利厚生は雇用主が従業員やその家族の健康や生活を向上させることを目的としており、結果的に両者に利益をもたらすという概念がある。一般的に個人事業主にはこの概念がないという。健康を害せば業務に差し障りがあるのは個人事業主といえども同じだ。健康のために通うスポーツジムの費用を福利厚生費として処理したいところだ。社員旅行と称したものでも、「プライベート」との線引きが曖昧だとして、税務署に証明するのは難しい。
 個人事業主で、夫婦で事業を行う青色事業専従者が、「一般企業の慰安旅行と変わらない」として、旅行費用を福利厚生費として処理したが認められなかったケースでも、実際には子どもが参加していたことに加えて、旅行が毎年実施されていた点から一般的な家族旅行と判断を下されたというものだった。


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2014年3月20日 木曜日

Vol.0256

<タックスニュース>

政府税調 法人税率改革  「引き下げありき」に異論続出

 中長期的な税制の課題を議論する政府税制調査会(首相の諮問機関、会長・中里実東大教授)は12日、法人課税の専門委員会(座長・大田弘子政策研究大学院大教授)を初めて開いた。大田座長は「法人税改革の論点について」というペーパーを提出し、その中で「法人税の税率引き下げが必要である」「単年度・法人税の枠内だけではなく税収中立をはかる」とした。法人税の実効税率引き下げを前提に、税収減部分は所得税などの増税を念頭に補う考えを示した。
 法人税の実効税率は、東日本大震災の復興財源確保のための臨時増税が今年度で廃止され、14年度から35.64%(東京都)に引き下げられる。安倍晋三首相は自身の経済政策「アベノミクス」成功に向けて、法人税率引き下げに前向きであり、経団連などの経済団体も国際競争力確保の観点から、近隣の中国や韓国と同水準の25%程度への税率引き下げを求めている。
 会合では税率引き下げについて、特定の政策目的で本来より税率を下げる「租税特別措置」の見直しなど、課税対象の拡大を前提に賛成する意見が多く出された。一方で、委員である神野直彦東大名誉教授は「方向性が出すぎており、中立的な論点を設定してほしい」と注文をつけた上で、「国民に対して税収が足りないので消費税増税を要請しているのに、一方で税金を引き下げる。この場でのメッセージは説明責任を問われる」として、慎重な議論の進め方を求めた。沼尾波子日大教授も「法人税率引き下げが必要であると明確に出発点でうたうのは抵抗がある」と述べた。終了後、記者会見した大田氏は財政再建を前提に「いかに税率引き下げを実現していくかしっかり議論したい」と述べた。


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<タックスワンポイント>

遺言の作成方法を選ぶ  確実性or簡便性

 遺言をマイナスイメージに捉える人に対して、相続案件のプロである税理士の中には家族を守る「前向きな準備」としてその必要性を説いている人は多い。確実な財産分配のためというが、本文以外の「付言事項」に自分の思いを記載したりビデオレターなどを併用したりすれば、ただの財産の分割を指示した文書以上に自分の思いを伝えることもできる。また最近は相続財産が少ない額ほど揉め事に発展する傾向にあるといい、相続争いは富裕層だけの問題ではなくなりつつあるようだ。
 来年の相続税増税を控えて、遺言についても税務の知識同様に頭に入れておきたい。
 まず遺言の作成方法には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がある。自筆証書遺言は、直筆で手軽に作成できる反面、誤字脱字などの不備があれば法的に無効になってしまうデメリットがある。メリットは極秘に作成できるため、何度でもこっそり書き直せる点だ。次に、一番確実といわれる公正証書遺言は公証人が関与するため不備は発生しない。原本も公証役場に保管されるため、盗難や書き換えの心配もない。難点は手数料や証人への謝礼などのコストの問題だ。秘密証書遺言は、公正証書遺言と同じく公証役場で作成され、保管もされるが、内容については秘密にできる。安全性はあるが内容自体に不備があれば無効になる点がデメリットだ。この3つの作成方法の中で、不備や盗難などのリスクはあっても手軽な
自筆証書遺言が一番多く利用されているという。
 また法定相続人以外に財産を譲りたい時は、遺言の中で「遺贈」とすることになるが、生前に相手に伝えておいた上で譲りたい場合であれば「死因贈与契約書」も効果的だ。税務に関しては、財産を譲り受けた人間は「贈与税」ではなく「相続税」が課税される。贈与税は、基礎控除は年間110万円であり、税率が50%になるのは1千万円を超えた場合なのに対し、相続税の基礎控除は現行で5千万円+(相続人の人数×1千万円)と贈与税より大きく、税率が50%になるのも相続財産が3億円を超えた場合で、比較をすれば税負担が少ない。
 「遺贈」の良い点は相手の意思に関係なく単独行為ができること。ただし、遺贈の場合、相手が法定相続人だと相続財産に20 %が加算されてしまうことも留意しておきたい。


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2014年3月14日 金曜日

Vol.0255

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与党税制協議会  軽減税率の議論再開

 自民、公明両党による与党税制協議会が、消費税率10%段階で生活必需品の税率を低くする軽減税率導入についての議論を再開した。軽減税率に関しては、昨年12月に決定した2014年度与党税制改正大綱で「(消費)税率10%時に導入する」と明記された。自公両党では、5月にも軽減税率の対象品目に関する基本方針をまとめることで一致した。
 自公が合意したスケジュールでは、5月に対象品目や財源などの論点を整理した後、6月から軽減税率導入で影響を受ける事業者団体などからヒアリングを実施。9月以降にとりまとめに向けた議論を行い、12月に決定する税制改正大綱で結論を得るとしている。
 ただ、食料品や新聞など具体的な軽減税率の対象品目をどの段階で公表するかは明確ではない。10%引き上げと同時での導入を主張する公明党と、税収減や企業の事務負担増から早期導入に慎重な自民党には温度差もあり、議論がどこまで進むかは不透明な面もある。自民党の野田毅税調会長は記者会見で、5月に具体的な対象品目を公表するかを問われ「どこまで触れられるかはこれからの仕事になる」と明言を避けた。
 昨年末までの議論では、公明党は外食と酒類を除く食料品全般と、新聞・書籍などの出版物に対して軽減税率を適用するように提案。財源の確保も課題にあがる。また、自民党や財務省は軽減税率を導入した場合、企業取引の際に価格や税率、税額を明記した書類(インボイス)を売り手が買い手に発行する必要があり、納税事務が増大するとしている。一方、公明党は企業が税込み価格をまとめて記載する現行方式でも、税率を分けて記載すれば対応が可能であると主張しており、意見に隔たりがある。


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<タックスワンポイント>

マイホーム取得直後に転勤  住宅ローン控除適用の条件

 マイホーム購入者の多くは、その家に長い間住み続けるという意思を持っている。しかし、会社から転勤を命じられてしまうと、新しい勤務地によってはそこに住めなくなることもある。マイホーム取得直後であれば住宅ローンも残っているだろうが、この場合、住宅ローン控除は適用できるのだろうか。
 住宅ローン控除の適用には、家を新築、取得、増改築した人がその日から6カ月以内に居住し、かつ、その年の12月31日まで引き続き住んでいることが条件とされる。転勤などの事情でこの条件を満たせないことがあるが、この場合でも一定の要件をクリアすることで適用できる。
 まず単身赴任の場合は、取得した家に配偶者、扶養親族、そのほか生計を一にする親族が取得後6カ月以内に入居し、その後も引き続き居住しているうえ、単身赴任が終わり次第家の所有者がその家に居住すると認められるときは、控除を適用できる。ただし、住宅ローン控除の規定では、「居住者」が住宅を取得し、住んだ場合に適用できるとされている。つまり、海外に単身赴任をして、その年の12月31日に「非居住者」となった場合には、その年分の控除を受けられない。また、「非居住者」である期間中に住宅を取得した場合も同様に適用対象外となる。
 単身赴任ではなく、家族全員が新しい勤務地に移動することもある。住宅取得の日から6カ月以内に入居し、勤務先からの転任の命令といったやむを得ない事情で12月31日を待たずに家を離れることになった場合、翌年以降に再び住むことになれば、残余控除期間について適用を受けられる。


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2014年3月 7日 金曜日

Vol.0254

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経済財政諮問会議  法人税パラドックス事例報告

 政府の経済財政諮問会議が2月20日、官邸で開かれ、法人税の実効税率引き下げについて議論した。法人税率を下げても法人税収が増える「法人税パラドックス」が最近話題になっているが、諮問会議では伊藤元重東大教授ら民間議員4人が「法人税率引き下げと税収について」と題した資料を提出し、税率を引き下げても税収が上昇した国として、英国、ドイツ、韓国の例をあげた。
 安倍晋三首相が「法人税パラドックス」という現象が実際に起こるのかどうか、検討を指示したのを受けて、伊藤氏らが報告をまとめた。報告によると、英国は95年の法人税率33%から2013年は23%まで下げたが、税収は4.8%伸び、ドイツは55.1%から30.2%まで税率を下げたが、税収は5.6%伸びた。韓国は2000年に30.8%だった税率を24.2%に下げたが、税収は8.4%伸びた。税収が伸びた要因として、英国の場合は経済成長と制度改正による課税範囲の拡大、ドイツは課税範囲の拡大、韓国では経済成長をあげている。
 一方、日本は95年から2011年までに税率を10.4%引き下げ、税収は1.7%減少した。日本の場合はデフレが影響し、成長要因がマイナスであることが税率を下げても税収が伸びた他の国との最大の違いと、報告では分析している。
 民間議員は35.64%の法人税率を「アベノミクスの成果による増収の還元等によって、25%の水準に引き下げていくべき」として、代替財源の確保には触れずに減税を求めている。麻生太郎財務相は諮問会議で「(税収が伸びている)米国やフランスでは法人税率を下げていないので、税収の増減にはいろいろな要因があるのではないか」と述べ、「法人税パラドックス」には懐疑的な見方を示した。


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<タックスワンポイント>

生命保険で資金繰り  現金捻出の裏技とは

 「すぐに現金がほしい」という会社の中には、やむをえず長年大切に温めてきた生命保険契約を解約するケースがある。保険の種類によっては解約返戻金という現金が捻出できる上、毎月の支払保険料がリストラできるため、資金繰りに窮している会社にとっては手っ取り早い対応策に見えるのだろう。
 しかし焦りは禁物。わざわざ保険を解約しなくても、契約者貸し付けや保険金の減額など、同じ保険を使って現金を捻出する方法はほかにもある。とくに保険金の減額は「保険契約の一部解約」と考えられているため、減額した部分にかかる保険積立金は解約返戻金として戻ってくるのだ。
ただし税務上の取り扱いには注意が必要。保険金減額にあたっては、保険契約一部解約による保険積立金の取り崩しを行い、保険金減額による返戻金との差額は、雑損失または雑益として計上することになる。
 この場合、保険積立金の取り崩し額をいくらにすればよいか迷うところだが、「保険積立金×減額部分保険金÷減額前保険金」で計算するのが妥当な処理。例えば、会社が契約者および保険金受取人、社長を被保険者とする養老保険で、当初の保険金2千万円を1500万円に減額するケース。減額時の保険積立金を400万円とすると、取り崩し額は100万円(400万円×500万円÷2千万円)となる。減額にともなう返戻金を50万円とした場合、差額の50万円を雑損失として計上することになる。
 もしもの備えだけでなく退職金の原資確保や資金調達ツールとしても使える生命保険。長年温めてきた契約を手放す前に活用方法をもう一度検討したい。


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