タックスニュース

2016年7月29日 金曜日

Vol.0363

<タックスニュース>

相続税調査の"大衆化"到来!  税務署は突然やって来る

 相続増税による基礎控除額の引き下げで課税対象者が増えたことで、税務調査を受ける可能性が高まった点は見逃せない。つまり、相続税調査の"大衆化"が訪れることになる。増税以前から、相続税は申告件数に対する税務調査割合がほかの税目と比べて圧倒的に高く、2014年度に実施された相続税の実地調査で、課税対象になる相続のうち23・6%が税務調査のターゲットになっている。相続税の場合、税務調査が入れば高い確率で申告漏れが指摘される。実地調査に1万2406件のうち、申告漏れなど非違があった件数は1万151件、非違割合は81・8%となっているのだ。
 『納税通信』で「税務調査の実態と調査官の本音」を連載している、国税OBの松嶋洋税理士は「課税対象者が増えたことで相続税調査が厳しくなったとは感じていませんが、申告件数が増えることで申告書を見て間違いがあればすぐに税務署が指摘する流れはできつつあります。特に小規模宅地の特例を受ける際に相続人全員が受ける同意書は過去に厳しい裁決例があるので注意が必要です」と指摘する。
 相続が発生し、悲しみが和らいだところに税務調査はやってくる。先を見据えた相続対策ならびに相続税対策への準備とともに、家族や親戚が一堂に会する機会も多いこの時期にしっかり話し合っておきたい。


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<タックスワンポイント>

孫養子への相続2割加算で"最高税率"66%  税務上の養子の上限実子ゼロなら2人

 孫を養子縁組すると相続税が節税できることがある。法定相続人の増加によって、課税価格の合計額から差し引ける基礎控除額が上積みされるほか、生命保険の非課税枠が増加するためだ。
 ただし、相続人が実子や配偶者(被相続人の1親等の直系血族)でないときは、その人の相続税額に20%が加算される。つまり、必ずしも税負担が減るわけではない。なお、子どもが死亡したときに、その子どもの子(代襲相続人)を孫養子にした場合は加算されない。
 この20%加算は、相続税の最高税率55%を超えるときにも適用される。遺産額から基礎控除額を差し引いた課税標準額が6億円超で最高税率が適用されるとき、孫養子が課される相続税率は「55%+(55%×20%)」の66%になる。
 なお、相続開始前3年以内に相続人に贈与された財産は相続財産とみなされ、相続税額の計算に含めなくてはならないが、孫に対する贈与は相続開始前3年以内の贈与であっても原則として相続税額の計算に入れる必要がない。この点も孫関連の節税策のひとつとして覚えておきたい。
 養子の人数について民法上制限はないが、相続税の計算上では上限が定められていて、被相続人に実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までとされている。


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2016年7月22日 金曜日

Vol.0362

<タックスニュース>

概算要求基準で1億総活躍に特別枠  アベノミクス成果の活用には慎重論も

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)が7月13日に開かれ、民間議員からは政府の看板政策である子育てや介護などの「1億総活躍社会」の実現に向け、2017年度予算で特別枠を設けるべきとする提案が出された。専用の枠を設けることで保育士や介護士の待遇改善といった恒久的な対策を確実に実施していくのが狙い。民間議員は財源として税収増など「アベノミクスの成果」の一部を活用することも求めた。ただ、会議では麻生太郎財務相が「将来的なことを考える場合は安定したものを前提にすべき」とけん制するなど「成果」が持続可能なものかどうかをはじめ、考え方をめぐっては政府内では温度差もある。
 民間議員の提案では、各省庁が来年度の予算を財務省に要求する際の基準である概算要求基準のなかで特別枠を示すように主張。15年度税収のうち、翌年度以降は見込めない数百億円の特殊要因を除いた1・7兆円程度が税収の底上げ分に相当し、アベノミクスの成果と言えるとした。このうち一部を1億総活躍社会の実現のための施策に活用すべきとした。
 しかし、足元では円高の影響などにより法人税収が減少に転じるなどしており、今後も税収増が続くかどうかは見通せないことから財務省内では新たな特別枠を設けることに慎重な姿勢もある。また、これまで税収増分は赤字国債の減額に使われてきた経緯がある。単純にこれまでと同じような施策を実施するための予算を確保しようと考えれば、赤字国債の増額につながり、財政健全化は更に遠のくことになる。税収増の活用のあり方ばかりを示すのではなく、アベノミクスによる歳出抑制効果についても見える化を図る必要もありそうだ。


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<タックスワンポイント>

最大3千万円の補助金が二次募集  申し込みは8月24日まで

 中小企業のサービス開発、試作品開発、生産プロセス向上などに補助金を助成する「ものづくり・商業・サービス補助金」の二次募集を、中小企業庁が7月8日から始めた。同補助金は平成27年度補正予算で組まれた取り組みの一つで、最大3千万円の補助額が目玉となっている。中企庁は全国で100件程度を採択する予定。
 対象となるのは、経産省の策定した「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」に沿った取り組みで、3~5年で「付加価値額」年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画か、「中小企業ものづくり高度化法」に基づいた特定ものづくり基盤技術を活用した生産性向上計画だ。
 一般型、小規模型の2種類があり、一般型はサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資にかかる費用の3分の2を補助する。上限は1千万円となる。また小規模型は、小規模な額で行うサービス開発などの費用を補助するもので上限は500万円となっている。
また別に「サービス・ものづくり高度生産性向上支援」として、インターネットサービスなどのIoT技術を用いて「投資利益率」5%の向上を達成できる計画については、最大3千万円の補助金が助成される。
 これらのうち一般型については、7月1日に施行された中小企業等経営力強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けることで審査の加点対象となることが、二次募集から追加されている。
経営力向上計画は、税理士など認定支援機関のサポートを受けた上で労働生産性を高める取組計画を策定し、国の認定を受けるものだ。認定されれば、新たに設備投資した機械装置について固定資産税が3年間半額されるなどの優遇を受けられる。
 同計画の認定には最大1カ月ほどかかるため、補助金の申請締め切りに間に合わない場合は、「認定を受ける予定がある」と付記した上で、9月28日までに認定書を申請先の中小企業団体中央会に郵送することが求められるようだ。
 募集期間は8月24日まで。当日消印有効。問い合わせは各地域の中小企業団体中央会まで。


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2016年7月15日 金曜日

Vol.0361

<タックスニュース>

法人税収6年ぶり減少  アベノミクスの「果実」収穫できず

 財務省は、2015年度の国の一般会計決算概要を発表した。法人税収は前年度比2042億円減の10兆8274億円となり、6年ぶりに減少した。円高基調が続く中、法人税収は今後も伸び悩む可能性が高く、安倍政権が「アベノミクスの果実」と訴えてきた企業収益の改善に伴う税収増は曲がり角を迎えている。
 税収総額は、前年度比2兆3147億円増の56兆2854億円。バブル期の1991年度(59兆8204億円)以来、24年ぶりの高水準だったが、昨年12月時点での見積り(56兆4240億円)を1386億円下回った。税収実績が事前想定を下回るのは、リーマン・ショックの起きた08年度以来7年ぶりだ。
 下振れの主因が法人税で、見通しを9136億円も下回った。財務省は円高による企業収益悪化が背景にあることを認めており、現在の円高水準が続けば、16年度の法人税見通し(12兆2330億円)の達成はほぼ絶望的。57兆6040億円を見込む税収総額見通しも「達成のハードルは容易ではない」(国内証券エコノミスト)状態だ。
 税収の伸び悩みは、税収増頼みだった安倍政権の今後の財政運営にも大きな影響を与えるのが必至だ。安倍政権は、大型経済対策を盛り込んだ16年度第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出する方針。だが、15年度決算では、補正予算の財源などに活用できる「純剰余金」は2544億円にとどまり、14年度決算時の1兆5808億円から大幅に減少した。政府が今秋の臨時国会に提出する経済対策は10兆円超規模が想定されており、追加の国債発行を余儀なくされて財政悪化が一段と進むおそれがある。
 また、政府は税収の上ぶれ分などを「アベノミクスの果実」として、子育てや介護支援など「1億総活躍」の財源に活用することを検討してきた。税収が伸び悩めば、看板施策の実現にも支障が出かねない。


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<タックスワンポイント>

来るべき相続・贈与のために  一物五価を改めておさらい!

 土地の公的価格と呼ばれるものには、国税庁が7月1日に公表した「路線価(相続税評価額)」のほか、「公示地価」、「基準地価」、「固定資産税評価額」などがあり"一物四価"と言われる。これに実際の市場で取引されている実勢価格が加わると"一物五価"になってしまい、どの地価をどう判断すればいいのか、混乱してしまう人もいるのではないだろうか。相続税が増税され、課税対象者のすそ野が広がっている。一物五価への理解がなければ、正確に相続・贈与を行うことは難しいはずだ。路線価が公表されたこの機会に、「地価」について改めておさらいしてみたい。
 公示地価は、地価公示法に基づき、国土交通省が毎年3月に公表する。公示される価格はその年の1月1日時点の評価となる。この公示地価は、相続税路線価、固定資産税路線価の基礎となる。
 公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格(実勢価格)に対する指標でもある。企業会計の資産の時価評価、不動産鑑定士の鑑定評価などにも活用される。
 それぞれの地点につき、2人以上の不動産鑑定士が別々に現地を調査し、最新の取引事例や収益の見通しの分析を基に算出する。路線価と違い、土地そのものを評価するもので、建物が建っている土地としてではなく、更地として評価する。公示される際には、「住宅地」「商業地」「宅地見込地」「準工業地」「工業地」「調整区域内宅地」に分類される。国土交通省のホームページなどで確認できる。
 次に路線価(相続税評価額)は、国税庁が毎年7月1日に公表する。相続税や贈与税の税額計算の基準となる。路線価には、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があるものの、一般的に相続税路線価を指すことが多い。公示地価の80%を目安に評価されている。
 公示地価は土地そのものを対象とした評価だが、路線価は一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価している。同じ路線に面する土地の価格をまずはすべて同じとしたうえで、敷地の形状などに応じて個別に補正することになる。大都市部の幅広い路線では、道路途中や上下線の車線ごとに別の価格になることもある。公示地価が敷地そのものについての価格なのに対して、路線価は一定の距離をもった「路線」に対して価格が決められる。
 毎年1月1日が評価時点。相続税法に基づいて調査され、国税当局が決定する。個別の路線価は国税庁のホームページや国税局、税務署で閲覧できる。
 固定資産税路線価(固定資産税評価額)は、都税事務所(東京23区)や市町村自治体が地方税法に基づいて決定している。固定資産税や都市計画税、登録免許税、不動産取得税などを決めるもとになる土地価格のことだ。公示地価の70~80%を目安に算出している。相続税路線価と違い、評価が3年に一度なので不動産取引の目安にするのは適さないと言える。昨年が3年ごとに実施される「評価替え」の年だった。都市部では原則としてすべての私有地に対して評価されている。地方自治体の固定資産課税台帳で確認できる。
 基準地価は、都道府県が9月に公表する。更地を評価するという点では公示地価と似ている。調査の主体が、公示地価が国であることに対し、基準地価は都道府県となる。また毎年7月1日時点の評価である点も大きな違いだ。さらに公示地価が都市計画区域内を主な対象とするのに対して、基準地価は都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地、さらに「宅地ではない林地」なども含んでおり、公示地価では明らかになっていない場所の地価を把握できる。
 基準地の多くは公示地価と異なっているが、一部は重複する地点もあり、半年ごとの地価の動きをみる際に役立つ。
 最後に実勢価格は、その時点での土地の売買価格のこと。つまり実際の取引が成立する価格のことだ。
 時価とも呼ばれ、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格を言う。取引が行われた場合には、その取引金額が実勢価格になり、取引がない場合には、周辺の取引事例や公示価格などから推定する。
 不動産広告に掲載されている販売価格は、実際に取引が成立するまでは売主の希望価格であり、必ずしも実勢価格とは一致しない。


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2016年7月 8日 金曜日

Vol.0360

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GPIFの年金運用、損失拡大を懸念  30兆円規模の大穴も

 英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択した衝撃が世界の金融市場を揺さぶる中、市場関係者からは日本にも深刻な影響が及びかねないとの見方が出始めている。とりわけ年金資金の多くを株式で運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の運用損が拡大することへの懸念が強まっている。
 離脱派が勝利した6月24日は日米欧など主な市場で株価が急落し、世界同時株安の様相となった。とりわけ開票結果が最初に伝わった東京株式市場では、日経平均株価の終値が前日比1286円33銭安の1万4952円02銭に落ち込み、下げ幅は16年ぶりに1200円を超えた。
 こうした中、GPIFの年金積立金の運用損拡大への懸念が広がりつつある。安倍晋三政権は2014年10月、GPIFの運用に占める国内外株式の比率を50%に倍増させた。積極的にリスクを取って高い運用益を確保し、年金財政を立て直す狙いだったが、足下の株安ではリスクが拡大。政府の試算では、仮に「リーマン・ショック級」の株安が起きた場合、GPIFの運用損は26兆円余りに達する。
 英国民投票後、週末を挟んで世界的な株安の流れはいったん落ち着いている。ただ、6月24日の日経平均の下げ幅は、リーマン・ショック時の1日の最大下げ幅である1089円より200円も大きかった。市場では「年金積立金に最大30兆円規模の穴が空きかねない」(国内大手証券アナリスト)との声も上がる。
 塩崎恭久厚生労働大臣は28日、閣議後の記者会見で「株式市場の変動がGPIFの資産に短期的に影響を与えるのは事実」と認めた上で、「長期的に見て年金財政上の必要な資産を確保するという意味では、現在の運用資産構成の方が国民に有益であることはなんら変わらない」と述べ、市場の不安払拭に努めた。
 2015年度の運用実績は参院選後の7月末に公表される。


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<タックスワンポイント>

小規模宅地の特例  単身赴任中は「同居」になる?

 相続した居住用の土地のうち、330平方メートルまでの部分の税額を8割減額する特例(小規模宅地の特例)を配偶者以外の親族が適用するためには、ほかにマイホームを持たず、相続開始直前にその家で被相続人と同居しており、相続税申告期限までそこに住んでいる必要がある。
 ここでいう「同居」だが、父の所有していた家屋に、長男、その配偶者、子どもが同居していたとする(被相続人の配偶者はすでに死亡)。長男が転勤で他県に単身赴任となり、家屋には父、長男の配偶者、子が住んでいた。長男が転勤から戻ってこないまま、父が死亡。家屋と土地を相続した長男の単身赴任は、相続税の申告期限まで続くことが決まっている。
 このケースでは、相続人である長男は相続開始直前にそこに住んでいなかったことになる。しかし、妻と子が住んでいる以上、単身赴任が終わればその家に帰ってくることが明らかであり、「生活の拠点」とみなし、小規模宅地の条件である「同居」を満たすことになる。そのため、小規模宅地の減額の特例の適用を受けることが可能だ。国税当局によると、配偶者や子の日常生活の状況、家屋への入居目的、家屋の構造、設備の状況などの条件から総合的に適用の可否を判断するという。


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