タックスニュース

2016年10月28日 金曜日

Vol.0375

<タックスニュース>

法定相続分の引き上げ案  配偶者への厚遇に反論続々

 法務大臣の諮問機関である法制審議会(高橋宏志会長)は10月18日、相続部会がまとめた中間試案のうち、配偶者の法定相続分を引き上げる案について、大幅に修正する方針を固めた。法務省が7月~9月にパブリックコメント(意見公募)を求めたところ、反対意見が多かったため同部会で引き続き議論し、来年中に意見をまとめて法相に答申する。
 中間試案では、(1)配偶者の居住権保護、(2)配偶者の相続分見直し、(3)相続人以外の金銭請求、(4)遺言請求の見直し――などが盛り込まれていた。
 このうち(2)の配偶者の相続分の見直しについて同部会で議論が継続される。結婚から20~30年過ぎた配偶者は子どもと法定相続分を分ける割合を現行の2分の1から3分の2に引き上げるとされていたが、これに加え、結婚後に夫婦の財産が増えた分に応じて、配偶者の相続分を増やす案も示されていた。
 パブリックコメントでは、「夫婦関係が破たんしていた場合も引き上げるのは良くない」「配偶者だけが財産増加に貢献したわけではない」などの意見が相次いだ。
 相続法制の大規模な改正は1980年以来となる。2013年9月に最高裁が出した判断がきっかけだ。最高裁は結婚していない男女の子(婚外子)の相続分を結婚した夫婦の子の半分とする民法規定を違憲と判断。判決を受け、民法改正が行われたが、自民党から「正妻や子の権利が必要だ」との声が上がっていた。昨年2月、当時の上川陽子法相が相続に関する規定の見直しを法制審に諮問していた。


税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ


<タックスワンポイント>

店舗併用住宅で3千万円特別控除  居住用が9割なら全体で適用可能

 マイホームを店舗としても使っている個人事業者が、その店舗併用住宅を売って、別の住宅に買い替えたときは、居住用財産に適用される「3千万円の特別控除」と、事業用財産に適用される「買い替え特例」をそれぞれ利用できる。
 マイホームに適用される特別控除は、受け取った譲渡所得から3千万円までを差し引けるもの。一方の事業用資産の買い替え特例は、別の事業用資産に買い替えたときに、納税額の一部を繰り延べして、売却時点での納税額を少なく抑えられる制度だ。
 3千万円の特別控除を受けられるのは、店舗併用住宅のうち、居住のために使っていた部分に限られる。ただし、マイホームとしての使用割合が90%以上であれば、全体を居住用に使っていたものとみなして特例を受けることができる。


相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2016年10月21日 金曜日

Vol.0374

<タックスニュース>

ビットコイン購入時の消費税を非課税に  2017年春に適用の方針

 ビットコインなどの仮想通貨について、財務省と金融庁が購入時にかかる消費税を非課税とする方向で検討している。事業者の事務手続きが軽減され、利用者が購入する際の価格が下がる可能性もあることから、国内での普及を後押しとなることが期待される。年末の税制改正大綱に向けて議論を進めて決定し、2017年春にも適用する見通しだ。
 仮想通貨は硬貨などの形を持たずネット上で取引される。最も普及しているビットコインの時価総額は世界中で約100億ドル(約1兆円)に上る。送金手数料などが割安なことから今後の利用拡大が期待されている。
 現行の消費税法ではビットコインなどの仮想通貨は取引所で購入する際に8%の消費税がかかっている。業界団体からは「海外での購入に比べて割高になる可能性がある。消費税があることが普及の妨げになっている」として、非課税にするよう要望が出ていた。
 今年5月に成立した改正資金決済法では、仮想通貨をプリペイドカードなどと同様に決済手段として使える「財産的価値」と定義。金融庁は17年度税制改正要望で、仮想通貨の消費税法上の扱いについて整理するよう求めており、財務省は非課税にする方向で検討を進めている。
 非課税となれば、購入時にこれまで上乗せされていた消費税分の価格が下がる可能性もある。また、事業者の納税手続きも簡略化されるため、ビットコインの普及に弾みがつく可能性がある。仮想通貨については「現行の制度は新しい技術である仮想通貨の存在を想定していない。担保と見なせるのかなど、今後もさまざまな制度上の整理が必要になる」(関係者)との指摘が多く、今後もさまざまな制度改正が必要となりそうだ。


税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ



<タックスワンポイント>

個人事業主を配偶者がサポート  使える所得控除

 小売業を営んでいた個人事業主Aさん(白色申告者)が、昨年9月に法人組織に変更したとする。Aさんの妻は法人組織に変更するまでは一緒に仕事をしていたが、法人成りして以降は事業に従事していないため、法人からの給与の支払いはなかった。Aさんが受けられる所得控除にはどのようなものがあるだろうか。
 白色申告をしている人が、生計をともにする配偶者に1年のうち6カ月を超えて仕事を手伝ってもらっているときは、(1)事業専従者が配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円、(2)(事業所得の金額+不動産所得の金額+山林所得の金額)÷(事業専従者の数+1)――のうち、いずれか低い金額を必要経費として所得から控除(事業専従者控除)できる。なお、青色申告をしている人であれば、事業所得の計算時に配偶者への給与分を必要経費として控除することが可能だ。
 事業専従者控除を利用すると、配偶者がいれば所得から38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者がいれば48万円)を差し引ける「配偶者控除」や、扶養親族がいれば38万~63万円を差し引ける「扶養控除」は併用できない。Aさんの妻は6カ月を超える期間、仕事に従事していたので、Aさんは事業専従者控除を利用できるが、重ねて配偶者控除を受けることはできないので注意したい。


相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2016年10月14日 金曜日

Vol.0373

<タックスニュース>

揺らぐ事務所ビルの固定資産税  札幌高裁で逆転判決

 同じマンション内にある住宅部分と事務所部分で異なる算定方法を用いた固定資産税が適正かどうかを争っていた裁判の判決が札幌高裁で9月20日にあり、竹内純一裁判は一審判決を取り消し、用途ごとに別の方法で算定した札幌市が正しいとする判断を下した。全国でも一部の自治体しか適用していない"ローカルルール"が「合理的」と認められたことで、今後全国の同様の複数用途マンションで固定資産税の見直しを求める声が出て来ることも予想される。
 原告の不動産業者は2011年にマンションの1室を購入。マンションは地上10階建で32の住居部分と1つの事務所からなり、取得したのはそのうちの事務所部分だった。業者は12年分の固定資産税を一度は決定通知の通りに納めたものの、他の住居に比べて高額になっていることを不服として13年3月に提訴した。
 札幌市は税額を算定する際に、築年数などに応じて減額をする「経年減点補正率」と呼ばれる係数を用いた。この補正率は用途ごとに異なり、対象が住居でなく事務所と判定されると税額が高くなる。多くの自治体では1つの建物に住居部分と事務所部分が混在している場合、その割合に応じて「主たる用途」を決定し、すべての分譲区画について単一の補正率を適用しているが、札幌市をはじめ横浜市や大阪市など一部の自治体では"ローカルルール"として区画ごとに用途を按分して税額を計算している。
 原告業者は、この独自運用が「マンションの区分所有は、按分して固定資産税の納付義務を負う」と定めた地方税法352条に違反しているとして訴えを起こした。それに対して市は「異なる補正率を用いたほうが適正な評価になる」と反論していた。
 今年1月の一審判決では、「地方税法は用途で区分して評価することを予定していない。用途によって経年劣化が異なるわけではない」として、建物の主な用途が住居である以上、建物全体の価格を住居として定めて専有する床面積に応じて税額を算定すべきとし、市に本来の税額との差に当たる約62万円の支払いを命じた。
 だが高裁では、「地方税法は固定資産の評価基準について市町村長に一定の裁量を与えている」として、市の独自運用は地方税法違反には当たらないと認定。一審判決を取り消し、市の主張を認めるとともに、納税者による差額分の返還の求めを棄却した。
 裁判でポイントとなったのは、固定資産税の評価方法は総務大臣が告知する固定資産評価基準がベースとはなっているものの、詳細については自治体ごとに運用が異なることだ。竹内裁判長は「独自運用は自治体の裁量であり、地方税法違反ではない」と判断した。
 判決のこの部分だけを見れば、固定資産税の算出は自治体の運用に委ねられており、納税者にとって得なことはないようにも見える。だが竹内裁判長は、「区分ごとに用途が異なり、構造上も明確に分けられるなら、建物の客観的状況や区分所有者間の税負担の公平を図る観点から(異なる補正率を用いることは)合理的だ」とも述べている。ということは、主たる用途が事業用であるマンションの住宅部分に住んでいれば、「区分されず統一された補正率による高い税額は不当だ」と主張することで、これまでより税額を抑えられる可能性もゼロではないだろう。
 問題の根本は、簡素かつ公平であるべき税で自治体によって微妙に異なる運用がなされているということだ。固定資産税は地方税であるため、それぞれの自治体が課税主権を持つこと自体は間違いではない。しかし違いがあるのなら合理的な理由があってしかるべきだし、納税者に対して十分な説明が尽くされるべきだろう。
判決を受け、原告業者は上告する姿勢を示している。


税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ



<タックスワンポイント>

宗教法人の課税・非課税の境界線は?  神前婚は収益事業ではないが...

 寺や神社などの宗教法人は、宗教活動による所得については課税されないが、収益事業で受け取った所得には法人税の納税義務がある。
 法人税法施行令には、課税対象になる収益事業として「物品販売業」「不動産貸付業」「旅館業」「倉庫業」などの34種類の事業が列挙されている。
 例えば、神前婚や仏前婚などの結婚式の運営は宗教活動であり、収益事業にはならないが、挙式後の披露宴のための宴会場の提供、飲食物の提供、衣装の貸し付けを有料で行うときは、席貸業や飲食業、物品貸付業として収益事業になる。
 寺が観光客の宿泊を受け付ける「宿坊」も収益事業(旅館業)に該当する。ただし、宗教活動に関連して利用される簡易な共同宿泊施設で、その額が全ての利用者につき1泊1千円、食事を提供する宿坊は2食付きで1500円以下であれば課税されない。
 宗教法人が境内の一部を駐車スペースと定め、時間極めで不特定の人、または多数の人に有料で貸すときや、月極めで継続して同じ人に貸すときに料金を受け取る場合は収益事業(駐車場業)になる。駐車場用として土地を貸し付ける事業(不動産貸付業)も課税対象だ。
 また、寺で販売するお守りやお札、おみくじの代金を受け取ったときは、実質的な喜捨(金品の寄付)とされ、その所得に税金はかからない。一方で、一般の物品販売業者でも販売するような絵はがき、写真帳、暦、線香、ろうそくの販売は収益事業(物品販売業)とされ、課税の対象となる。
 なお、収益事業を行わず、法人税の確定申告書を提出する義務のない宗教法人でも、布施収入などを含めた年間の収入金額(資産の売却による収入で臨時的なものを除く)の合計額が8千万円を超えるときは、その事業年度の損益計算書を所轄の税務署に提出しなければならない。


相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

2016年10月 7日 金曜日

Vol.0372

<タックスニュース>

夫婦控除でも就労の壁は残る  第一生命経済研究所がレポート

 配偶者控除を見直して、夫婦単位で控除が受けられる「夫婦控除」を2018年1月にも導入する案が浮上しているなか、第一生命研究所は9月23日、配偶者控除の廃止が世帯にどのような影響を与えるかについて分析したレポートを発表した。それによると、配偶者控除が抱える問題点として、(1)就労の壁、(2)公平性、(3)高所得者優遇――の3点を挙げ、夫婦控除に切り替えることで、(2)、(3)については解消される見込みであるが、(1)の就労の壁については「大きな進展はない」と指摘している。
 夫婦控除が具体的にどのような制度になるかは未定だが、一般紙の報道によれば夫婦控除は、(1)配偶者の就労の有無にかかわらず、(2)夫婦で使える、(3)税額控除で、世帯年収800~1000万円程度で打ち切られるとされる。
 レポートでは夫婦控除への切り替えにより、世帯年収でどのような影響があるのかシミュレーションしている。世帯主年収300万円世帯では、配偶者の所得にかかわらず、世帯可処分所得は1・9万~7・1万円増えるという。一方で、世帯年収800万円世帯では最大で10・9万円世帯可処分所得が減少する。世帯年収800万円世帯では配偶者の年収が140万円を超えない限り、現状よりも世帯可処分所得が減ることになるという。
 就労の壁については、世帯主の手取り減という心理要因が解消されるのみで、配偶者自身の課税や家族手当の問題は解決しないため、夫婦控除に切り替えても引き続き就労調整は残るとの見解を示しており、「企業や政府がそれぞれ家族手当や社会保険制度改革に乗り出さなければ、人手不足下での就労調整という、労働力の無駄が残り、成長力引き上げにはつながらない」と分析した。


税、申告、事業承継のお悩みは無料相談実施中の税理士法人早川・平会計までどうぞ


<タックスワンポイント>

お薬手帳で調剤時の診療報酬割安に  自己負担3割なら40円オトク

 調剤薬局が薬代のほかに徴収している「管理指導料」につき、薬歴が記された「お薬手帳」を持参すると支払い額が安くなることをご存じだろうか。
 お薬手帳は、処方された薬の名前や量、服用時の注意点、処方された年月日などの情報を記録するための手帳で、薬局で受け取ることができる。副作用歴やアレルギーの有無の記入も可能。これらの情報を基に医師や薬剤師が「薬の飲み合わせに問題がないか」といった点をチェックし、調剤する薬を判断する。
 今年3月までは薬剤師がお薬手帳に服薬の注意点が印字されたシールを貼るなどの対応をしたときの指導料は410円だったが、6カ月以内に同じ薬局を利用したときの指導料は380円に引き下げられている。一方で、手帳を持っていない人が支払う管理指導料は500円に引き上げられた。差額は120円で、患者負担割合が3割であればお薬手帳の有無で40円の差が出ることになる。
 なお、6カ月以内に同じ薬局を利用したときの管理指導料が安く設定されているのは、患者の服薬情報を一元管理する「かかりつけ薬局」を個人に決めてもらうという国の狙いが関係している。決められた薬局が一元管理することで重複投薬が解消されるため、薬物療法の安全性や有効性が向上するうえ、医療費の適正化にもつながると国は見ている。


相続、生前対策、事業承継のご相談は税理士法人早川・平会計までどうぞ

投稿者 税理士法人早川・平会計 | 記事URL

カレンダー

2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のブログ記事

月別アーカイブ

税理士法人 早川・平会計

〒101-0048
東京都千代田区神田司町2-10
安和司町ビル2F
JR神田駅徒歩5分・淡路町駅徒歩1分

お問い合わせ 詳しくはこちら