タックスニュース

2016年12月26日 月曜日

Vol.0383

<タックスニュース>

事業承継税制が拡充  猶予取り消し時の税負担に救済策

 中小企業の事業承継時に贈与税・相続税の負担を減らせる「事業承継税制」は年々拡充されており、2017年度改正でもさらなる要件緩和や利便性の向上が図られている。
 同税制を利用するためには、自社株の承継後5年間にわたって一定の雇用を維持しなければならず、途中で要件を満たせなくなった時には、それまで猶予されていた贈与税や相続税の納税義務が加算税などを加えて発生する。そのため将来的な猶予取り消しリスクを恐れて中小企業が積極的に利用に踏み切れないことが課題となっていた。
 この問題を解消するため、17年度改正では、猶予期間中に自然災害で被害を受けた事業者については、雇用確保要件を免除する。また大きな被害を受けたことで倒産せざるを得なかった企業については、猶予していた税負担そのものを免除するよう改める。
 また同制度では5年間にわたって平均8割以上の雇用を維持することが求められるが、従業員4人以下の事業者は従業員が1人減るだけで条件を満たせなくなってしまうため、これを改めて、従業員が4人以下なら1人減っても猶予を継続できるよう条件を緩和する。ただし元の従業員数が1人の時は、0人になってしまうと猶予は受けられない。
 事業承継税制で最も大きい見直しは、同税制と、相続時精算課税制度を併用できるようになることだ。これまでは自社株の贈与後、猶予期間中に要件を満たせなくなった時には、それまで贈与した自社株が暦年贈与扱いとなり加算税も発生していた。しかし相続時精算課税制度を選択できるようになったことで、もし贈与税の猶予が取り消されることになっても、2500万円までは一律20%の税率となり、加算税も付かずに済むようになる。事業承継税制を使う上でのリスクが大きく軽減されたと言えるだろう。
 一方、事前に検討されていた、小規模事業者の雇用維持要件の6割への引き下げや、計画的生前贈与へのインセンティブの導入などは盛り込まれなかった。


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<タックスワンポイント>

欠損金の繰り越し控除で債務免除益相殺  高額な法人税を納めずに済む!

 金融機関が融資先企業の経営再建などを目的に債務を免除することがあるが、会社は債務免除を受けると、免除された額が「債務免除益」となり、課税対象となる。
通常、銀行が債権1億円を放棄すれば、会社は1億円の利益があったことになり、税率を23・9%とすると2390万円の法人税が課税される。しかし、経営が厳しくて債務免除された会社が多額の税金を納めることは現実的ではなく、銀行としては債務免除が経営をさらに圧迫するようでは債権放棄した意味がない。
 そこで税務上、債務免除益などの所得があったときは、その事業年度以前の欠損金(赤字)を繰り越して債務免除益から控除できる制度があり、多額の税金を納めずに済むようになっている。要件は、(1)青色申告法人であること、(2)繰越期間は翌事業年度以後9年間、(3)翌事業年度以降から順次控除すること――となっている。
 なお、債権者である会社が取引先再建のために債権放棄をすると、その損失負担による経済的利益は寄付金にならず損金にできる。


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2016年12月16日 金曜日

Vol.0382

<タックスニュース>

所得15億円超えの中小企業  減税対象から除外へ

 政府・与党は大企業並みの所得がある中小企業について、中小企業支援のために時限的に設けた減税措置の対象から除外することを決めた。大企業より優遇される中小企業向け減税を受けて節税しようと、資本金を中小企業の基準である1億円以下に抑える動きがあるため、所得に応じた課税ができるようにし、公平性を担保するのが狙いだ。
 中小企業を資本金1億円以下と定義する法人税法は変えないが、中小企業支援のための時限的な減税措置を受けられる対象は過去3年間の所得が15億円までの企業に限定する。黒字を計上する大企業の平均所得が15億円であることを参考に定めた。2017年度の与党税制改正に盛り込む。
 研究開発減税や設備投資減税などには、財務状況が脆弱な中小企業を支援するために減税幅などを大企業よりも大きくするなどの特別措置が設けられている。所得が15億円超の中小企業の場合は、これらの特別措置が受けられなくなる。約250万社の中小企業のうち数百社が増税となる見込みだ。一方、法人税率など法人税法で定められた恒久的な中小企業支援措置については現行通り、資本金1億円以下の中小企業が対象になる。
 大企業が資本金を減資して減らした事例としては吉本興業が昨年秋、資本金125億円を1億円に減資。経営不振に陥っていたシャープは昨年春に1218億円の資本金を1億円に減らすことを計画したが、批判が高まり5億円とすることで落ち着いた。


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<タックスワンポイント>

みなし仕入れ率が最も高い「卸売業」とは  商品のカタチを変えると別業種に

 税務署に納める消費税額は、売上分の消費税額から仕入れ分の消費税額を引いた額にするのが原則だが、前々事業年度の課税売上高が5千万円以下の会社は、業種ごとに決められた「みなし仕入れ率」に基づいて納付税額を計算する「簡易課税制度」を使うこともできる。簡易課税制度では、課税売上高にみなし仕入れ率を掛けた額を仕入れ控除税額にするので、実際の課税仕入れ額を算出しなくても済むうえ、原則方式と比べて税額が低くなることもある。
 みなし仕入れ率は、業種を6種に分けて40%から90%まで設定されている。
 みなし仕入れ率が最も高いのは「卸売業」だ。この業種の定義について国税庁は「ほかの者から購入した商品をその性質、形状を変更しないでほかの事業者に販売する事業」と定めている。しかし、業者から仕入れた商品にラベルを張り付けるだけなら、形状が多少変わっているといっても、卸売業として90%のみなし仕入れ率を利用できる。また、組み立て式の家具を配送のために組み上げて販売する業者も卸売業だ。さらに、仕入れ商品を箱詰めしてセット販売しても、税務上では「形状」を変更したとは判断されない。
 みなし仕入れ率をめぐっては、国税不服審判所で争われたことがあった。事業者から購入した塗料を用い、別の事業者から預かった家具に塗装する塗装業者が、「塗料の性質をおよび形状を変えずに販売する事業なので、『卸売業』のみなし仕入れ率を使えるはず」と主張したが、「塗料自体を販売する事業とは言えない」としてその主張が棄却された。


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2016年12月 9日 金曜日

Vol.0381

<タックスニュース>

まさか!「パナマ文書」に私の名前!?  知らない間にペーパー会社代表に

 多くの人が「タックスヘイブンとは無縁」と思っているだろう。だが、それは大きな間違いのようだ。
 機密文書が大量に流出した「パナマ文書」のなかで、いつの間にか実名不明のペーパーカンパニーの代表に就いているという被害が発生していることが、一部報道で分かったからだ。
 人気漫画『キャンディ・キャンディ』で知られる漫画家いがらしゆみこさんの名前が11月27日、カリブ海の租税回避地の会社役員としてパナマ文書に記されていたと報じられた。いがらしさんの名前があったのは、英領バージン諸島の会社の登記関連資料だという。1998年12月から2002年3月まで、役員を務めたことになっていた。住所がいがらしさんと一致し、後任の役員に娘の名があったという。資料には、いがらしさんと娘の署名が同じ筆跡による漢字で記されていたが、いがらしさん母娘のものとは別の筆跡だという。
 またパナマ文書には音楽家の小室哲哉さんの名前もあったと報じられている。小室さんは01~02年に英領バージン諸島の法人役員として登記されていた。
 本人の知らない間に名前が使われていたのは有名人だけではない。NHKの報道によると、日本の一般男女3人もカリブ海の英領アンギラのペーパーカンパニーの代表に就けられていた。この3人は、知らない間に個人情報を香港の仲介業者に流され、パナマ文書を流出させた法律事務所「モサック・フォンセカ」の手に渡り、勝手に実体不明の会社の代表になっていた。個人情報は何者かに盗まれたという。
 恐ろしいのは、どのような会社の代表に就けられているのかわからない点だ。この3人が代表になっていたペーパーカンパニーは日本の出会い系サイトを運営していることになっていた。もし違法行為が明るみになれば捜査機関が容疑をかけられる可能性も否定できない。被害者の3人の中には、出会い系サイトのホームページ上に運営責任者として名前がバッチリ記載されてしまった人もいるというから驚きだ。
 さらに、海外の会社に登記されると、簡単に削除することができない点も見逃せない。削除するには現地まで赴いて弁護士に依頼して交渉しなければならないからだ。
知らない間に海外でペーパー会社の代表になっているかもしれない。考えるだけでも身の毛もよだつ話だ。


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<タックスワンポイント>

後継者に自社株を確保させたい...  生前贈与分を遺留分財産から外す

 経営者が死亡して相続が発生したときに、後継者以外の相続人が自社株を受け取り、後継者が経営上の意思決定をするために必要な株式数を受け継げないことがある。相続前の対策として後継者が経営者から生前贈与を受けていたとしても、その贈与分は相続人の最低限の相続分として保障された「遺留分」の対象財産になるため、ほかの相続人から遺留分の取り戻し請求を受けかねない。
 こうした自社株分散リスクを防ぐため、3年以上事業を継続している中小企業の後継者は、生前贈与された自社株を遺留分の対象財産から外す制度を利用できる。
 遺留分は、配偶者、子、父母などそれぞれの立場ごとに割合が決められている。この対象財産には、被相続人の死亡時の財産だけでなく、相続開始時点の1年以内に贈与された財産も含まれる。また、自社株は一般的に贈与の時期にかかわらず対象財産になり、贈与されていた後継者は多くの財産を受け取ったと法律上で判断される。
 しかし、経営者が後継者に自社株を贈与したときに、自社株を遺留分から外す合意を「推定相続人」全員で取り交わし、経済産業大臣と家庭裁判所に届け出ると、相続人はその分の遺留分請求ができなくなる。この制度は、保有株式と贈与株式を合わせて議決権の半分以上確保できる贈与をしたときに利用できる。
 なお、贈与を受けた自社株の価値が相続時までに上昇して財産評価額が高まると、その分だけ財産を多く受け取ったことになり、遺留分をほかの相続人から請求されるリスクが高まる。このような予想外の財産評価上昇リスクを抑えるため、遺留分対象財産である自社株の評価額を贈与時の価格で固定できる制度もある。


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2016年12月 2日 金曜日

Vol.0380

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ビール税の統一で  チューハイも"道連れ"に

 2017年度税制改正大綱に向けてビール系飲料の酒税統一が検討されるなか、ビール系飲料だけでなく他の酒税の見直しも検討されている。なかでも消費者に人気の高いチューハイ系飲料は、「他より突出して安いと不公平感を招く」という、なかば"道連れ"のような理由で増税がされそうだ。
 ビール系飲料は現在、1缶350ミリリットル当たりで、麦芽が主原料で麦芽比率3分の2以上の「ビール」は77円、麦芽比率3分の2未満の「発泡酒」は46・98円(麦芽比率が25%未満の場合)、発泡酒に蒸留酒を加えたり、麦芽以外を原料にしたりした「第3のビール」は28円となっている。
 もともと舶来のお酒として高い税率がかけられていたビールに対し、酒造メーカーがビールの定義に当てはまらない発泡酒を生み出して安く売り出した。しかし発泡酒ばかり売れて税収が下がることを懸念した国が発泡酒を増税し、メーカーがさらに発泡酒にも当てはまらない「第3のビール」を生み出してきたというのが、これまでの経緯だ。その結果、国内ビールメーカーが国際競争力を失ったことなどを理由に税制の簡素化を求める声が高まり、税率の一本化に至った。今後は麦芽比率などにかかわらず、ビール系飲料はすべて350ミリリットルあたり55円となる見通しだ。
 ビール系飲料の税率一本化の動きを受けて、声を上げたのが日本酒メーカーだ。日本酒はワインと同じ「醸造酒」という区分に含まれているものの、その税率はワインが350ミリリットル当たり28円に対し、日本酒は42円と1・5倍の税負担を課されている。検討ではビール同様にこちらも税率を統一する見通しで、二者のちょうど平均となる35円で決着すると見られている。
 そんななか、飛んだとばっちりを受けそうなのがチューハイだ。チューハイは現在、第3のビールと同じ「その他の発泡性酒類」として、350ミリリットル当たり28円の酒税を課されている。第3のビールの酒税が一気に2倍近い55円へと引き上げられれば、消費者の人気が酒税の安いチューハイに集中する可能性もあることから、チューハイの税率も日本酒やワインと同じ35円程度に引き上げるという。チューハイに一人勝ちされてはたまらないという他の酒造メーカーの訴えと、酒税全体での税収を確保したい財務省の思惑が一致した形だが、値段と味のバランスからチューハイを好んでいた消費者にとっては、納得できない話だろう。


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<タックスワンポイント>

年をまたいだ医療費の支払い  保険金はどの年に差し引く?

 医療費控除の対象となる医療費は、その年に現実に支払ったものに限られる。そのため、年をまたいで医療費を支払ったときは、支払った年ごとの医療費として計上する。そして、医療費の補てんのために受け取った保険金は、医療費控除の計算上、受け取った年に一時に医療費から差し引くのではなく、各年の医療費支払い割合に応じて差し引くことになる。
 仮に昨年末に手術のために入院し、入院費100万円のうち20万円を12月に、残りの80万円を今年1月に支払い、12月には入院費を補填する保険金50万円を生命保険会社から受け取ったとする。入院したのは去年だが、去年分として100万円すべてを計上することはせず、昨年分として20万円、今年分として80万円を医療費控除額にする。そして、医療費を補填する保険金50万円、昨年分の医療費から差し引かなければならないのは「50万円×(20万円÷100万円)」で10万円、今年分は「50万円×(80万円÷100万円)」で40万円となる。


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