タックスニュース

2017年7月28日 金曜日

Vol.0411

<タックスニュース>

固定資産税の減額適用せず  倉敷市が敗訴

 岡山県倉敷市にある複合ビルにかかる固定資産税に減額特例が適用されなかったとして、徳島市の不動産会社が倉敷市を訴えた裁判で、徳島地裁は7月12日、倉敷市に対して過徴収分約106万円のうち約74万円の支払いを命じる判決を下した。
 争点となったのは、地方税法で規定された併用住宅の減額特例だ。固定資産税法では、住宅用地は商業用地などに比べて3分の1から6分の1に税額を軽減する特例が設けられているが、居住用のスペースと、それ以外のスペースが併存する複合ビルなどについては、床面積のうち住居用の床面積が何割を占めるかで適用される減額割合が異なる。例えば地上5階建て以上で耐火構造の建物では、居住部分の割合が75%以上だと床面積のすべてが住宅用地として取り扱われ、逆に25%に満たないと特例はまったく適用されない。
 裁判で争われたビルについて、倉敷市は平成8年、建物の登記に基づいて全面積のうち住居用スペースは25%に満たないと判断し、減額特例を適用せず課税した。しかし26年になり、原告の不動産会社から「居住用部分は共用部分も含めて算定すべき」との指摘を受けて図面などから算定し直した結果、25%を上回ることを確認したという。地方税法では過払いによって徴収した税額の返還は原則5年までと定めているが、市に重大な過失があったとして業者が全額の返還を求めて市を訴えていた。
 川畑公美裁判長は「図面や実地調査をせずに、登記上の情報だけで特例の適用がないと判断し、課税に当たっての注意義務を尽くさなかった」と市の過失を認定する一方で、近年になるまで問い合せなかった業者側にも一部の責任があるとして、過払い分の3割を差し引いた約74万円の支払いを命じた。倉敷市の伊東香織市長は「主張が認められず残念だ。判決を詳細に検討する」とコメントした。
 近年、固定資産税の特例不適用などによる過徴収が全国で相次いで発覚している。その多くは地方税法で定められた返還の期限である5年を超え、20年を超えるものも少なくないが、ほとんどの納税者は原則どおり5年分の返還のみで泣き寝入りしているのが現状だ。今回、自治体による課税ミスが5年を超えて返還を請求できる過失と認定されたことで、全国の同様の事例にも影響を与える可能性がある。
 一方で過徴収を18年間看過した納税者側にも責任の一端があると認められたことから、過払い分を取り戻すためにも、早期から自治体が計算した固定資産税額が適正かどうかをチェックする重要性が増したとも言えそうだ。複合ビルの固定資産税に関する同様のミスが倉敷市だけに限られた話とも思えず、不動産オーナーは早急に対応したいところだ。


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<タックスワンポイント>

生保の特約リビングニーズは使い残せば課税  相続の非課税枠への適用に注意

 リビングニーズ特約とは、生命保険に加入する際に付帯するもので、原因に関係なく、医師から余命6カ月以内と診断された場合に、死亡保険金の一部または全部を生前に受け取ることができるというものだ。
 ただ、最近はリビングニーズ特約の税務処理でのミスが頻繁に見られるという。生前に保険金の一部を受け取っていたにもかかわらず、死後のみなし相続財産として500万円の非課税枠を適用してしまうケースがあるからだ。
 被相続人が契約者かつ被保険者で、相続人が受取人の死亡保険金は、生命保険の契約期間中に被保険者が死亡して相続が発生すると、みなし相続財産として取り扱われる。つまり、支払われる死亡保険金は、500万円に法定相続人の数を乗じて算出される金額が非課税となる。
 一方で、リビングニーズ特約によって生前に保険金を受け取った場合は、その給付された保険金はまるまる非課税扱いとされている。つまり前者は相続税で限度額まで非課税になり、後者は所得税で非課税になる。
 こうしたふたつの取り扱いを勘違いして適用してしまうケースが目立つというのだ。基本的に、同特約で生前に給付を受けた保険金は、みなし相続財産として取り扱われる500万円の非課税枠の適用を受けることができないことになっている。
 そのため、受け取った保険金のすべてを消費しきればよいが、使い切らないうちに被相続人が死亡し、生前に給付を受けた保険金が残った場合には、預貯金や現金などとして見なされ、相続税の課税対象となる。ただし、相続税の基礎控除額内にすべて収まる場合には納税の必要ない。


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2017年7月21日 金曜日

Vol.0410

<タックスニュース>

中小企業庁が「事業承継5ヶ年計画」を策定  中小企業のM&Aを5倍に

 中小企業庁は7月7日、中小企業の早期の事業承継へのインセンティブ強化やM&Aの促進などを盛り込んだ「事業承継5ヶ年計画」を策定、公表した。現状、年間400件程度となっている中小事業者のM&Aのマッチング件数を、今後数年間で5倍の年間2千件にまで増やすという。また30万社に事業承継診断を実施し、地域に根ざした承継サポートの取り組みを強化していく内容などを盛り込んだ。
 5ヶ年計画は大きく分けて、小規模M&Aマーケットの育成、早期事業承継へのインセンティブ付け、経営人材野活用、地域における事業統合支援、地域の支援体制の確立などに分かれている。
 小規模M&Aについては、国が運営する事業引継ぎ支援センターの人員、予算を強化し、昨年度には400件だったマッチング件数を今年度中に1000件にまで増やすという。さらに来年度からは個人保証や債務の処理など廃業への支援も強化し、最終的には年間2千件のマッチング成立を目指していく。
 M&A支援は現在、地域の金融機関や民間業者などが担っているが、その多くは1件当たりの成約手数料が数千万円を超えるような大企業同士のマッチングが中心となっている。今後はM&A支援に特化した会計事務所や地域の税理士の新規参入を促し、年商1?10億円規模、仲介手数料1千万円以下の中小企業M&Aに注力していく方針だ。
 また円滑な事業承継には周到な準備が必要となることから、後継者選びを含めて早期の着手を促すため、早期承継に対して複数のインセンティブを用意することを盛り込んだ。すでに今年度からは、事業承継や後継者の経営革新にかかる費用を最大500万円補助する「事業承継補助金」がスタートしているが、今後のさらなる補助金の充実や、事業承継税制のさらなる活用といったインセンティブ強化を図ることで、早期の承継と後継者の経営革新を後押しするとしている。
 人材面では、大企業の経営幹部を歴任した人材などを中小企業の後継者をサポートする経営幹部として活用するために、紹介制度などを充実させるほか、経営人材の活用を促進させるためのインセンティブも設ける。また経営スキルの高い人材を次期経営者候補や社外アドバイザーとして活用できる環境整備も進めていくという。
 さらに地域の支援体制について、現在ではバラバラに活動しがちな事業承継支援を行う機関同士をネットワークでつなげ、地域内で連携して事業者をサポートできる枠組みを設置することを目指す。
 計画では、中小企業を対象とした事業承継診断を年間5万件、5年間で25万?30万件実施し、地域に支援体制を根付かせていくことを盛り込んだ。また地域に根ざす事業者が承継の失敗によって廃業などを選んだ結果、地域の物流や供給に重大な影響を及ぼすことのないよう、事業統合をふくむM&Aや、役員承継を促進するための税制面での優遇策も実施していくとしている。


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<タックスワンポイント>

預金も遺産分割の対象に  最高裁が従来の判例を覆す

 1954年の判決以降、預貯金は「遺産分割の対象にならないもの」とされてきた。その判例を昨年、最高裁判所が62年ぶりに覆し、預貯は遺産分割の対象になると変更したのだ。
 実際には、これまでも相続人同士で合意すれば、預貯金を遺産分割の対象に含めることができた。また、家庭裁判所での遺産分割調停では、預貯金を含めた遺産全体をどのように分割するか話し合うように促されることが多かった。
 しかし、相続人の間で対立が激しくなると、預貯金を遺産分割の対象にする合意ができなくなってしまっていた。今回の最高裁の判例は、まさにそうした訴訟から引き出された。特定の相続人だけが、被相続人より生前に多額の贈与を受け取っており、預貯金を話し合いによって遺産分割しなければ、相続人たちの間で著しい不公平が生じるというものだった。
 最高裁のこの決定は、相続問題に巻き込まれたくない金融機関にとっても大歓迎のはず。従来から、亡くなった人の預貯金については、遺産分割協議書や相続人全員の合意書を提出しなければ、払い戻しに応じないことが多かったからだ。この対応に、お墨付きを与えられた形になる。


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2017年7月14日 金曜日

Vol.0409

<タックスニュース>

税収3000億円減少  リーマン以来7年ぶり前年割れ

 国の2016年度の一般会計税収が、前年度の実績額(56・3兆円)に比べ8000億円少ない55・5兆円になった。税収が前年度実績を下回るのはリーマン・ショックの影響が直撃した09年度以来7年ぶり。円高による企業業績の低迷で法人税収などが伸び悩んだことが要因だ。経済成長による税収増を原資に保育や教育予算など「分配政策」を充実させるというアベノミクスの根幹が揺らいでいる。
 財務省が公表した16年度決算によると、税収の内訳は、法人税が前年度比5000億円減の10・3兆円、所得税が同2000億円減の17・6兆円、消費税が同2000億円減の17・2兆円、その他が同1000億円増の10・3兆円----。財務省は「法人税の減少には特殊要因があり、実力ベース出で見れば16年度も前年度実績を上回っている」と説明するが、「(アベノミクスの行き詰まりを認めたくない)首相官邸の意をくんだ理屈付け」(自民党ベテラン議員)との見方もあり、額面通りに受け取る向きは少ない。
 政府は16年度当初予算で税収見通しを57・6兆円としていたが、1月に成立した補正予算では55・9兆円に下方修正し、減収分約1・7兆円を賄うため赤字国債を発行した。決算では補正時点の見通しからさらに0・4兆円下方修正。歳出不用額などによる補てんで追加の赤字国債は回避したが、首相官邸に配慮した政府の甘い税収見積もりが露呈した格好だ。
 政府は、17年度予算で税収を16年度当初予算比1080億円増の57兆7120億円と見込み「V字回復」のシナリオを描く。しかし円安効果が一巡した今となっては法人税の一段の伸びは見込みにくく、安倍政権の経済財政運営に黄信号が灯り始めている。


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<タックスワンポイント>

離婚時の慰謝料は非課税じゃない?  2分の1超えは要注意

 相変わらず芸能ニュースは不倫ネタで忙しい。高収入の芸能人は不倫が発覚し、離婚に発展すると、慰謝料や財産分与が相当な額になる。イメージダウンにもなり、その代償は大きい。
 受け取る側の慰謝料は莫大な額に上ることもあるが、慰謝料には原則として税金はかからない。家庭内暴力や浮気などで離婚の原因を作った人が、精神的苦痛などを受けた相手方に支払う損害賠償金に該当することから、所得税法上で定められている。ただし非課税となるのは、あくまで「社会通念上それにふさわしい金額」とされており、あまりに高額な慰謝料は過大だとして課税される可能性がある。
 一般の離婚時に分与する財産についても、財産を分けるだけで、新たな財産の取得ではないことから、所得税も贈与税もかからない。現金以外に、不動産、株式などであっても同様だ。
 ただし、慰謝料と同様に、分与された財産が常識から考えて過大であると税務当局が判断すると、その多すぎる部分に贈与税が課税されることになる。おおむね「夫婦の財産の2分の1」を大きく超えた場合に課税される可能性が高くなるようだが、実際にはあくまで夫婦の資産状況や離婚の原因などで総合的に判断される。
 また離婚の目的が贈与税や相続税を逃れるためであると判断されると、2分の1を超えなくても課税されることになる。いわゆる偽装離婚は通らないということだ。したがって、財産分与が過大でなく、さらに課税逃れでないことを示す協議の経緯などを証拠として残しておく必要があるだろう。


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2017年7月 7日 金曜日

Vol.0408

<タックスニュース>

税務処理の事前照会  業界団体の支部でも可能に

 これから行おうとしている税務処理が税法上問題ないかなどを事前に国税庁に問い合わせる「事前照会」の取り扱いが、7月1日から見直される。6年ぶりとなる見直しで、これまでは不可能だった同業者団体の地域支部単位での照会が可能になるほか、照会書類への記名押印などの要件が緩和された。
 これまでは、業界団体などが事前照会を行うに当たっては、照会できるのはその業界の最上部団体のみに限定し、各自治体の支部などが個別に照会を行うことは認められていなかった。そのため地域ごとに商慣習が違ったり、地域独自の取引について照会したかったりという時に回答を必要とする当事者が照会者になれなかった。今回の見直しでは利便性向上のため、最上位団体のみが照会できるとする規定を撤廃している。同様に、照会をする取引の当事者でなくても、その取引と密接な関係を持つ関連事業者であれば、直接自分で照会ができるようになった。
 また事前照会を行う際に必要となる書類への記名について、これまでは必ず代表者の記名、押印を求めてきた。しかし代表者から記名押印をもらう事務手続きが煩雑との声があったことから、今後は、担当役員のものでも代えられるようになる。その際には、書類に役職名を記載することになる。
 そのほか、将来行う予定のある取引についての照会ルールが明確化された。事前照会の規定では、内容の一部を変えながら繰り返し照会して法の抜け穴を探すことを防ぐため、「ある税務処理を行ったら脱税に当たるか」というような仮定の事実関係に基づく照会は行うことができない。一方で、まだ実現していない事実関係であっても、個別に資料を提出できるといった具体性のある取引については照会の対象とされている。
 しかしこの点を誤解して、照会対象であるにもかかわらず将来の取引だからというだけであきらめている例があるとして、今回の見直しでは、個別具体的な資料の提出が可能な取引については、将来的なものであっても照会できることが明確化された。


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国税局が調査に至る3段階  机上・外観・内定調査でターゲットを選定

 どんな経営者も、税務調査の対象となるのはまっぴらだと思うはず。その恐ろしさを実感し、身を引き締めるためにも、国税局が会社の調査に着手するまでの3段階を知っておこう。
 第1段階は、机上調査。国税庁の調査員は、KSK(国税総合管理)システムを使って全国の税務署から集約した情報を得ることができる。それを机上のパソコン画面にアップし、一つひとつチェックして調査対象を探す。その情報には、毎年提出される申告書はもちろん、調査官が実際に見聞きしたメモなどもある。
 第2段階は、外観調査。その会社の様子を外から観察して、不正を働いているかの判断材料を見つけようとする。調査官は、経営者の通勤ルートを辿り、道中にある金融機関を把握する。敏腕調査官なら、簿外取引相手を割り出すのもお手のもの。前回調査で、取引先として挙がっていなかった会社の前に、調査対象の会社の車が止まっていることを目ざとく見つけるのだ。
 第3段階は、内偵調査。実際に調査対象の会社にお客として入るなどして調査する。現金商売や店舗営業している会社がターゲットにされることが多い。税務調査官はみんながみんな黒っぽいスーツを着て鋭い目つきをしているとは限らない。見慣れないお客にはご注意を。


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